境界線上の死神   作:オウル

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※修正・加筆しました


二話

いくら切りつけても、いくら殴りかかっても

 

いくら撃っても、当たらないモノは何か

 

配点(先生)

 

――――――――――

 

「(俺ごと殺すつもりで俺の背後から先生を狙え)」

 

商店街の屋根を走り始めたところで、後ろから足音が近づいてくるのに気付き康景は、ダッシュで走ってくるアデーレに指示を出した。

アデーレの脚力は忍者の点蔵を除けば一番速い、その速さからの槍突きは相当な威力がある。

アデーレが後ろから突きを出すのと同時に、康景は宙返りでスイッチした。

 

「おっ!アデーレ!速くなったわね!!」

「ありがとうございます!!」

 

オリオトライの賛辞に素直に礼を言いつつ突きを繰り出し、回転しながら勢いを殺さないようにつかさず突きを出す。

 

「(やるじゃない・・・!)」

 

オリオトライは素直に感嘆した。

この動きは、自分は教えていない。これは自分で考えたのだろう。

康景だけでなく、ちゃんと皆も上達している。

そう考えると、オリオトライは更にテンションを上げた。

 

「へっ!?」

 

アデーレの槍を蹴ってバランスを崩させ、ケツバットで脇道に飛ばした。

 

「あいたぁー!」

 

間の抜けた叫び声と同時にアデーレが吹き飛び、アデーレが持っていた槍が奇襲を仕掛けんと飛び出てきたインド人ハッサンの頭に直撃し、一気に二名が脱落。

ハッサンの武器(?)である特盛カレーだけが無残に宙を舞っているのが何ともシュールな絵だった。

 

「ホラ、アデーレとハッサンがリタイヤしたんだからフォローしなさい!」

「くっ!ネンジ君、イトケン君二人の救助に!」

 

ネシンバラが指示を出し、スライムのネンジと、インキュバスのイトケン(本名伊藤健児)が二人を確保した。

 

・・・が、

 

「人助けなら我らに任せてもら」

「あ」

「ネンジ君!?」

 

救助するハズのネンジが、先行隊から遅れたきた集団の一人である喜美に潰された。

 

「ごめんねぇーネンジー、悪いと思ってるわ、ええ本気でそう思ってるわ」

 

終始笑顔で走り去っていく喜美の顔には、罪悪感なんて感じられなかった。

その喜美を、通りを一人行くミトツダイラが注意する。

 

「喜美!貴女せめて謝るときくらい誠意を持って・・・」

「ミトツダイラ?アンタなんで地べた走ってんの?いつもの鎖でドカンやっちゃえばいいじゃない」

「この辺は私の領地なんですのよ!それをドンドンドンドン壊しまくって・・・あなた達はまったく」

「クククこの妖怪説教女め、先生に康景取られそうだからってこっちに当たらないでくれるぅ?」

 

顔を真っ赤にしたミトツダイラが喜美に文句を言いながら走り去り、後方集団も後ろから続く。

四散したネンジと、ハッサンとアデーレを抱えるイトケンだけが呆然と立ち尽くしていた。

 

「ネンジ君、君あんまり無茶しちゃだめだよ・・・」

「むぅ・・・ガード態勢を取っていたのだが・・・うまくいかぬものだ」

「ガードって・・・?」

 

前方の方で音が響く。

取り残された者たちを尻目に、先行隊が攻撃を仕掛けた。

 

**********

 

オリオトライが足場の悪い企業区画入ったところで戦闘集団の近接系が仕掛ける。

 

「点蔵・クロスユナイト、参る!」

 

足場が悪いところで仕掛けるのは、悪路走破の訓練を受けている点蔵が一番適任である。

セオリー通りだが正しい判断だ。

 

「忍者が叫んでどうすんの!」

 

点蔵はそれでも構わなかった。

オリオトライが鞘に入ったままの剣を振り下ろす。

攻撃の瞬間はスキが出来る、そう判断して点蔵は叫んだ。

 

「ウッキー殿!」

「・・・任された!」

 

オリオトライたちがいる屋上とは別の屋上からウルキアガがジャンプして特攻してきた。

 

ワザと目立って仲間から目をそらさせるのは、上手い判断だ。

 

小技を入れて連携してくるあたり、皆二年の頃とは大違いだ。

オリオトライはわざわざ理由を作ってまでこの授業をしてよかった、そう思った・

 

「出席点は貰ったー!!」

「無理ね!甘いわ!」

 

言われた瞬間、ウルキアガの額にオリオトライの剣の鞘が当たった。

勢いがあったため、急には避けることが出来ず姿勢を崩して地に落ちた。

オリオトライが剣を振りぬく時、鞘の留め金を外したことで鞘がウルキアガに向かって発射される形になり、更に点蔵がオリオトライの剣を防いだ角度が悪く、ウルキアガに当たってしまったのだ。

 

「ノリ殿!」

 

今度は点蔵の背後から痩せた少年、ノリキが現れた。

オリオトライがノリキの存在に気づかなかったのは、点蔵がオリオトライの視線をノリキに移さないように小細工していたからで、

 

「ノリキ!?本命はアンタね?」

「解っているなら、言わなくていい」

 

ノリキが一気に距離を詰める。

ノリキは武器を持たないが、その瞬間的な打撃力は無視できないものがある。

 

しかし、オリオトライは冷静に対処した。

柄から手を離したことで切先が浮きノリキの胸を抉る角度に向いた。

 

「?!」

 

ノリキは仕方なく目の前の剣を殴って直撃を回避した。

剣は後方へとび、オリオトライも後方へ飛んで剣を再び手にし、生徒たちと更に距離を離す。

まさかの三段構えに、オリオトライもさすがに驚いた。

 

まだまだ粗さは目立つが、これなら多少なりとも他国の実力者とも渡り合えるかもしれない。

 

教え子の成長ぶりに気分が良かった。

だが、そこで不意に思い出した。

 

あれ?あの馬鹿弟子どうしたっけ?

 

後ろに振り返り、生徒たちの位置を確認してまた視線を戻す。

すると突如、自分の前方から人が飛んできた。

 

康景だ。

 

さっき点蔵達の攻撃を捌いている間に自分を追い越し、不意打ちの隙をうかがっていたのだ。

だがそれさえもオリオトライは身体を後ろにそらし、回避した。

 

「なんで避けるんですか?当てられないじゃないですか」

「フフっ、弟子が師を超えるなんて百年早いのよ」

 

三段攻撃ではなく、四段攻撃。

余裕そうにさらっと言って見せたが、内心冷や汗をかいていた。

 

この馬鹿、本気で私の首と胴体をお別れさせる気だったわね・・・。

 

ひょっとすると私の事嫌いなのかな

若干へこみながらも態勢を立て直すオリオトライだったが、更に自分の後ろ側になった康景の背後から矢が飛んできた。

巫女の矢だ。

 

********

 

後方、点蔵たちが多段攻撃を仕掛けている間に、

浅間が巨体ペルソナ君を足場にし、確実に攻撃を当てるための禊を済ませ矢を放つ態勢に入った。

 

「さぁ今日こそは当てますよ」

 

浅間はやる気、というか殺る気満々だった。

 

普通術式を四つも入れれば矢は当たる。

 

当初父には「人に向けて矢を撃ってはいけない」など注意もされたが、オリオトライは蛮族を超えた超人的存在で、これまでに五度も外している。

そのことを父に説明したうえで、父と修行し上位契約を果たし、ついでに似たような存在で、偶然通りかかった康景を練習台にしてようやく実戦用にまで鍛え上げた術式だ。

当たってくれなくては困るのだ。

 

「行って!!」

 

ちなみに康景ごと貫通させる気で撃った。

これは先程打合せしたので問題ない。

 

まぁ当たっても康景君ですし、無事でしょう・・・。

 

鋭い矢が康景の丁度頭部に当たるような軌道を描くように飛んで行った。

康景はそれを頭を左に傾けて避けて、矢がオリオトライに向かう。

オリオトライは剣を盾にするように防ごうとした。

 

ダメです・・・まだ笑っては・・・。

 

「無駄です!防ごうとしたところで回り込みます!」

 

長剣の裏で矢が炸裂した。

 

やった、ついにやった、私の勝ちです!

 

「あ、あたってない、よ・・・?」

 

ペルソナ君が右肩で浅間の足場になっているその反対の肩の上に乗っかっている向井鈴は今の炸裂音を"当たっていない"と判断した。

彼女は目が見えない分、人より聴力が優れている。

そして大体彼女が指摘することは大体当たっている。

 

「え?」

 

鈴の台詞を信じられない浅間は、前方を確認する

信じられないことにオリオトライは何事もなかったように向きを直し走り去る

 

「えー・・・術式四つも付けたのに・・・何故・・・?」

「髪の毛だ、先生は智の矢が当たる寸前に自分の髪の毛切ってチャフにしたんだ」

 

表示枠の向こう、涼しい顔した康景が冷静に今起こったことを端的に話した。

 

髪の毛をチャフに・・・?

 

「あ、そうか、それで術式は先生に当たったと判断して効力を失ったのか」

 

ネシンバラがまとめた。

その説明に一同が声を失った。

ネシンバラが判断した三段攻撃に、康景が提案した不意打ち二回。

 

その全部を防ぎ、躱しきったオリオトライを見て一同は思った。

 

 

「「(あれホントに人間?)」」

 

******

 

三年梅組の一同が走り去る様子を遠くから見る姿があった。

全八艦からなる武蔵総艦長の自動人形"武蔵"と、アリアダスト教導院学長の酒井忠次だ。

 

「"武蔵"さんは午前から掃除?」

「jud.酒井学長・・・どうしてこのようなところに、確か今日中に仕上げるべき雑務が残っていたはずですが――――以上」

「いやぁなんか楽しそうな騒音が聞こえてくるから・・・つい、ね?」

「・・・」

 

無言で酒井を見る"武蔵"の目は怖かった。

 

早く仕事を終わらせなさい・・・以上。

 

口には出してないが、そうとしか感じさせない"武蔵"は若干怖かった。

 

「いや、やるって・・・ていうかほぼ終わってるし・・・」

 

言って酒井が半目で騒ぎの中心を見据える。

 

「奴ら・・・見た感じ大分腕が上がってるねぇ」

「三年梅組の皆さまですか?」

「そう、真喜子君相手に連携と小技を駆使して一気呵成に攻め立てる・・・。いまいち攻めきれてない感は否めないけど、よくもまぁこんだけ戦力が揃ったもんだ」

 

武蔵総長連合

総長 葵トーリ

副長 不在

第一特務 点蔵・クロスユナイト

第二特務 キヨナリ・ウルキアガ

第三特務 マルゴット・ナイト

第四特務 マルガ・ナルゼ

第五特務 ネイト・ミトツダイラ

第六特務 直政

 

武蔵生徒会

生徒会長 葵トーリ

副会長 本多正純

会計 シロジロ・べルトーニ

会計補佐 ハイディ・オーゲザヴァラー

書記 トゥーサン・ネシンバラ

 

総長連合、生徒会以外にも、優秀な人材が多い。

攻撃の要になる副長が不在なのは残念だが、それでも今年のメンツは、例年に比べればいろんな意味で濃いのが多い。

 

「酒井学長・・・以前から気になっていたのですがどうして天野様は副長にならないのですか?―――以上」

 

"武蔵"が指摘した通り、現在オリオトライに師事している康景の強さは現状武蔵の中でも群を抜いている。

それでも康景は副長の役職に推薦された上でそれを断ったのだ。

大方の理由は察しがついているが、それは本人が乗り越えなければならないことで自分たちがとやかくいう問題でもないし、なにより本人曰く「自分は人の陣頭に立って指揮したりする責任ある立場は向いていない」との事だった。

 

「まぁ、俺もあいつの事全部知ってるわけじゃないから、確信的なことは解らないけど、多分わからないんじゃないかな」

「わからないですか?―――以上」

「そう、何がしたいのか、どうなりたいのか」

「難儀な方ですね―――以上」

 

難儀なヤツ、そう言う"武蔵"に苦笑いで返す酒井。

 

「・・・まぁ、末世なんて問題の中でこれから先どうなっていくのか、見届けるしかないでしょ」

 

気付けば、既に三年梅組の集団は既に品川に着いていた。

 

**********

 

地獄マラソンを終えた一同の大半は床に伏していた。

 

「ほらほら、後からやってきたのに寝ない寝ない、生きてるのは康景と鈴だけ?」

 

生存していたのは倒れて動けなくなっているペルソナ君の脇で正座している鈴と、額に汗を滲ませながらも平然とした顔つきの康景だけだった。

 

「いえ、わ、わたし、はこ、んでもらっていた、だけですので」

「それがチームとしての選択だったんだからいいのよ、生存者は二名だけど途中リタイアも回収して全員ゴールできたし、二年の時に比べればはるかに良いわ」

 

そう二年の時に似たようなことをやったが、その時は半数がゴールできず、途中リタイアの回収なんてできる状態ではなかった。

それに比べたら十分な成長だった。

 

すると背後の事務所のシャッターが開き、巨大な影が出てきた。

 

「うるせぇぞ!うちの前で遠足か?あぁん?」

 

余韻に浸っているオリオトライの背後、有角人種の魔人族が偉そうに出てきた

 

「あらあら、学生相手にキレるとか、魔人族も地に落ちたわね」

「今は空の上ですけどね」

 

ツッコミを入れる康景を少しだけ睨み、魔人族に向き直る。

 

「実は自警団の方から頼まれてんの、お灸を据えさせろってね。あとは高尾の地上げの件で」

「「やっぱ報復じゃん!」」

 

全員からツッコミを食らうが、これも無視。

 

「あぁ?そんなんいつもの事で覚えてねぇよ!」

「理由わからずにぶちのめされるのも可哀想よね、哀れだわぁ・・・康景」

「はい?」

「前に教えた魔人族への対処法、あれ、今やってみ」

 

馬鹿にされた挙句無視され、自分を生徒への教材にしようとするオリオトライに魔人族の怒りは頂点に達する。

康景は言われた通り前に出てきて魔人族と対面する。

 

「んだ?こんなのが相手か・・・よっ!」

 

言いながらパンチを出す魔人族、その巨体から出されるパンチは相当な威力がある。

だがそれを普通に何事もないかのように避ける康景は確認するように対処法を言い出した。

 

「・・・生物の頭部を揺らせば脳は頭蓋の内側にぶつかって脳震盪を起こす」

 

パンチ、キックを丁寧に避けていく康景に、魔人族の怒りはついに爆発した。

 

「てめぇ!!」

「そして脳を揺らす効果的な打撃ポイントは、人間なら顎、魔人族なら・・・」

 

本気のパンチを右に少しずれて躱し、カウンターで魔人族の角に剣の鞘を当てる。

角が砕け、魔人族は膝から崩れ落ちる。

 

「がっ、かっ」

 

立とうとして立ち上がれない魔人族に康景は追い打ちを仕掛ける。

 

「そして魔人族や大型生物の回復は早いからつかさず・・・」

 

そう言うと、康景は左の角の対角線上の右顎を蹴り飛ばした。

三メートルほどの巨体が大きく後ろへ吹っ飛ぶ。

 

「これでいいんでしたっけ?先生?」

「うんまぁ大体そんなね、いい皆?こっから実技でやるから」

「あの・・・先生?実技とは?」

「ん?今から事務所に社会科見学に行くから、そのための実技ね?今康景がやったようなことやればいいから」

「「できるか!」」

 

平然と語るオリオトライに、皆が顔を青くしてツッコミを入れる。

 

魔人族が泡吹いて倒されて、事務所が慌てて正面の扉を閉じた。

 

「あら警戒されちゃったかな」

「そりゃされるでしょう、組員の一人を再起不能にしたんですから」

 

やった本人が言うな、皆がそう思ったが毎度の事なので皆これはスルーした。

 

「あれあれ?皆何やってんの?ヤスが随分ヒャッハーしてるけど」

 

オリオトライと康景がどういうルートで攻め滅ぼs・・・社会科見学に行くか話し合ってる最中、一人の少年が来た。

着くずした長ランに茶髪の、武蔵総長兼生徒会長、葵トーリその人だ。

 

彼は小脇に挟んだ二つの紙袋のうち一つからパンを取り出して食べた。

 

「トーリ・・・」

「おいヤス聞いてくれよ!朝から長蛇の列に並んでやっと手に入れたエロゲだ!!その名も"ぬるはちっ!"、これめっちゃ泣かせるらしくてさぁ!俺の後ろでちょうど売切れで、点蔵の親父なんて売切れだったからって別店舗まで走っていったぜ!」

「何をやっているで御座るかウチの親父はー!!」

 

後ろの方で点蔵が叫んでいるが、それは皆スルーした。

 

トーリが大満足で喜んでいる後ろで、オリオトライが鬼の形相を浮かべていた。

 

「おいコラ、君、要約すると授業サボって何買いに行ったって?ん?」

「何だよ先生、さっき言ったじゃねーか!エロゲだよエロゲ!これだから十万と二十七歳は・・・俺今日の夜家に帰ったら徹夜で涙流しながらエロいことするんだ」

「君ィ、今君の眼に先生はどう映ってるのか、言ってみな?」

「何だよ先生、今俺の目に映ってるのは・・・とりあえずこれかな」

 

わなわなと怒りに震える担任を前に、トーリがとった行動は、胸を"揉ん"だ。目の前にあった乳を、両の手で。

その感触を後にトーリは「もうちょっと固い見立てだったけど意外と柔らかかった」と語った。

 

硬直するオリオトライを尻目に、トーリは皆の方を向き言った。

 

「俺、明日告ろうと思うわ」

 

その宣言に一同は困惑の表情を見せた。

 

「フフ愚弟、エロゲの包み持って担任の乳揉んだ男の台詞には思えないわね、一体どういう事か詳しくゲロしなさい!」

「おいおい姉ちゃん、俺が告るって言ったら相手はホライゾンしかいねえだろ」

 

更に困惑の表情を隠せない一同を前に、トーリは康景をいったん見て言った。

 

「俺はホライゾン関係の事で色んな人たちに迷惑かけたからな、俺はもうその事から目を背けねぇ・・・今回のエロゲは過去の俺との決別とういうか、卒業というか、そのために買ったんだよ」

 

トーリは決意を固めた顔で続ける。

 

「明日でホライゾンが亡くなって十年目、この一年間エロゲやる時間削ってまでよく考えたよ。彼女はホライゾンとは別人かもしれねー、でもやっぱり彼女の事好きだわ、だから明日告ってくる。もう十年前から逃げねぇ」

 

トーリの決意宣言の間、皆が固唾を飲んで見守り空気を読んで沈黙を貫いていたが、その沈黙を破ったのは康景だった。

 

「そうかトーリ、お前が決めたことだし、その決意は素直に嬉しい。応援するよ、でもな・・・」

「お、おいなんだよヤス!不吉な前フリしてんじゃねーよ!なんか怖えーよ!」

「後ろを見てみろ」

「あん?」

 

トーリが振り向いた先、担任のオリオトライが形容しがたい顔でトーリの肩に手を置いた。

 

「人って不思議ね、怒りが頂点に達すると何も聞こえなくなるのね」

「なんだよ先生、人が思い切って恥ずかしい宣言したのに!しゃーねーからもう一度言うぞ、俺今日が終わって明日になったら告りに行くんだ」

 

決意の台詞を二度言ったトーリの横腹に、担任の中段蹴りが決まった。

 

「だーらっしゃー!死亡フラグゲット!」

 

トーリが吹き飛んだ向こう、事務所の正面扉には人型の穴が開き、事務所を貫通してトーリが壁にめり込んだ。

 

「まぁ、いずれにせよ・・・これで正面から社会科見学できますね」

 

呑気に康景が言った。

 

 

 




文章って難しいですね(泣)
読みづらくってすいません

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