ポケモンの力を貰った人が異世界から来るそうですよ? 作:ゴロゴロ鼠
第11話
―――――箱庭二一〇五三八〇外門居住区画・〝ノーネーム”農園跡地
そこでは黒ウサギとレティシアが魔王の傷跡である死んだ土地を見ていると。
「黒ウサギのお姉ちゃぁぁぁん!た、大変―――!」
声のした方に振り向くと割烹着姿の年長組の1人―――狐耳と二尾を持つ、狐娘のリリが泣きそうな顔で走ってきた。
「リリ!?どうしたのですか!?」
「じ、実は飛鳥様達が・・・・・あ、こ、これ、手紙」
ぱたぱたと忙しなく二本の尾をうごかしながら、リリは黒ウサギに手紙を渡す。
『黒ウサギへ
北側の四〇〇〇〇〇〇外門と東側の三九九九九九九外門で開催する祭典に参加してきます。
貴方も後から必ず来ること。あ、あとレティシアもね。
私達に祭の事を意図的に黙っていた罰として、今日中に私達を捕まえられなかった場合
≪三人ともコミュニティを脱退します≫。死ぬ気で探してね。応援しています。
P/Sジン君と大河君も連れていきます』
黒ウサギは手紙を持つ手をワナワナと震わせながら、悲鳴のような声を上げた。
「な、―――・・・何を言っちゃってんですかあの問題児様方ああああ―――!!!」
黒ウサギの絶叫が一帯に響き渡る。
―――〝ノーネーム”本拠。大河の私室。
一応コミュニティのリーダーなのでポケットモンスターに戻ればいいのだが有った方が便利ということで借りている(さすがに毎日いるというわけにも行かないので時々居ない)
大河が私室でゆっくりしていると
「大河君!居る!?」
飛鳥が部屋に入ってきてぞろぞろ十六夜達も入ってきた
「いきなりどうした?〝火竜誕生祭”の事か?」
「ええ、実は・・・って知ってたの!?」
「一応コミュニティのリーダーだからな」
「じゃあ話は早い、黒ウサギ達には内緒で行ってこようぜ」
十六夜がそう言うと
「嫌だね、めんどくさい「付いてくるならこの黒ウサギと金髪ロリのお宝写真を・・・」・・・今回だけだぞ」
大河は素早く出発する準備を終わらせた。
―――――――――
リリに手紙を預けた後、十六夜達はジンから北側まで凄い距離がある事を聞きどうするか考えていた。
「いくらなんでも遠すぎでしょう!?」
飛鳥はジンから北側までの距離を聞かされ抗議した
「980000㎞か。流石に遠いな」
十六夜がそう言うと
「黒ウサギにあんな手紙を残して引けるものですか!行くわよ二人とも!」
「おう!こうなったら駄目で元々〝サウザンドアイズ”に交渉に行くぞゴラァ!」
「行くぞコラ」
自棄気味になった十六夜と飛鳥に続き、その場のノリで声を出す耀と諦めたようすのジンと大河の四人は〝サウザンドアイズ”へ向かった