誤字があったら報告してくれると嬉しいです。
「果物しかないけど朝ご飯、食べよっか」
「うん、いただくよ」
果たして果物だけで朝食と言えるのだろうか。自分でも何言っているのか分からないんだけど…。
「うーん。タンパク質が欲しいなぁ」
流石に果物だけじゃ栄養も取れないし限りがある。しかもキッチンが出来たんだからそれもちゃんと活用しないと妖精さんたちに悪い。
魚捕りに行きますか…。
「妖精さんたちにお願いがあります」
「なんでしょう?」
「せんきさんのたのみなら」
「なんだってきく」
「しょぞんであります!」
「ます!」
何だって聞くって…私は妖精さんたちの長なの?なった覚えがないんだけど。まあいいか。
「朝ご飯食べ終わったら投網と引網作ってほしいんだけど。できるかな?」
投網とは。
漁業に使われる網の一種。文字通り投げて使う網だね。岸辺や船上から魚がいそうなところに投げて捕まえる網。
曳き網は袋状の網を海底か中層あたりに下ろして引き回る漁業である。
なんで網を使った漁業をするのかと言うと理由が2つある。
まず1つ目、餌が必要ない。
土掘ってミミズとか出せばいいじゃんって思うだろうけどいちいち探すのも面倒だから。
ミミズ最近見かけなくなったし。分解者よ何処行った?
2つ目は簡単なこと。
投網は投げればいいし、曳き網はそのまま引き回せば捕まえられるからお手頃。曳き網は魚を傷つけちゃうらしいけど、んなもん気にしてられないから。という2つの理由。
「できるのです!」
「わたしにかかればそんなこと…こゆびでできちゃうぜ…」
「うそこけ」
「さかな!さかななのです!」
「さかなが!うみが!わたしたちをよんでいるわ!!!」
『そうときまればいくぞー!』
「ふふっ。ありがとうね妖精さんたち」
どうやら普通に作れるようです。
妖精さんたちは果物を沢山口に含んだ後、さっさと工場の方に向かって行った。
「頼もしいね、ここの妖精さんは」
「本当だね。私もあの子たちのお陰でどれ程助けられた事だか」
妖精さんたちはすごい。すぐに家建てちゃうし、その上にキッチンやトイレ、お風呂まで作っちゃうんだから。今度パンケーキでも作ってあげようかな。材料どうすればいいのかな。考えてなかった…。
「さっ、朝ご飯食べて私たちにできることをしちゃおっか」
「そうだね」
朝ご飯を食べた私たちは鎮守府周りのゴミ拾いや雑巾掛けなどした。
気がつけば太陽は真上まで昇っていたようだ。鎮守府の中は1階の3部屋ぐらいまで綺麗にしました。疲れた。
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「あみができたのです!」
「とあみとひきあみができたのです!」
「あみのいとひとつひとつにわたしたちのぎじゅつがちりばめられています!」
「よってかんたんにやぶけたりしません!」
「しんかいせいかんをのぞくですが!」
「ありがとう妖精さん。お礼に頭を撫でてあげよう」
『やったー!!!』
私は妖精さん1人1人丁寧に頭を撫でてあげた。撫でるのを止めようとした時に妖精さんは寂しそうな顔をしていたが我慢だ。帰ってきたら盛大にモフらせてもらおう。
「しぐれさん!」
「うん?どうしたんだい?」
1人の妖精さんが時雨ちゃんに声を掛けた。その後に他の妖精さんたちが何かを持ってきた。
「12.7cmれんそうほうです!」
「あみをつくるとどうじにつくっておきました!」
「これでしぐれさんもいっしょにたたかえます!」
「しずめられたなかまのおもいをこめて!」
「しんかいせいかんをやっつけてください!」
「ありがとう…!妖精さん!」
「ほらほら時雨ちゃん泣かないの。ないちゃったら漁業が出来なくなっちゃうよ?」
感動のシーンなのに何言ってんだ私は。仲間じゃなくて飯のことが出てくるなんてどうかしちゃってるよ、まったく…。
「それじゃあ先に海に行ってるから時雨ちゃんは燃料とか入れてくるといいよ」
「っ…うん。準備してくるよ」
時雨ちゃんは目を潤ませながらも返事をし、装備を付けるために工場の奥へと向かって行った。
「網受け取るの忘れてた。まってー!妖精さーん!」
魚をGETするまで、まだ時間がかかるようだ。
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「今度こそ捕りに行くよ。ドラム缶持った?」
「ちゃんと持ってるよ」
「それじゃあ行きますか」
「駆逐艦時雨、出撃するね!」
私が持っている網は曳き網である。理由は時雨ちゃんとの力の差だからかな。
時雨ちゃんでも大丈夫だと思ったけど、深海棲艦が網に入ってきたら引っ張れなくなっちゃうからね。と言うわけで私が曳き網の役。
時雨ちゃんは投網をやってもらうことに。難しいと思うけど投げた後、網が海底に着いた後引っ張れば魚が捕れるらしい。漁業ってすげー。
「時雨ちゃんはそこ辺りをお願い。私は少し遠くで引き回ししてくるから」
「分かったよ。僕は戦姫より沢山捕るからね!」
「それはどうかな?」
そう言い合った私たちはお互いの持ち場に着いた。
ドラム缶に入れた網を取り出してそのまま海に放り込んだ。妖精さんが作った網はもろ漁船用の網だった。ちょっと重かったけど200kgくらいはあったんじゃないかな。そこまで大きくなくていいのに。
「それー」
私はランニングをする人よりちょっと早く移動した。この速度が丁度いいのかもね。
「少し重くなってきたかな」
早くも重量を感じた。多分、というか絶対大きい生物が入り込んだ筈。
深海棲艦じゃなくてサメとか鯨だと嬉しいんだけど。
「ちょっと近くの島に寄りますか」
私は網の中身を確認すべく、近くの島まで移動した。その間にも沢山の魚が入り込んだであろう。クッソ重たい。
島に着いた私は陸まで網を引き上げた。その中に入っていた生物はと言うと、
「なんで深海棲艦が3匹も入ってんの…?」
入っていた深海棲艦はいつしかのサメもどきと、パックンチョみたいなやつと、鼻みたいなのが大きいやつ。その他にも魚がいたが、その前に深海棲艦たちに右ストレートをかました。サメもどき同様貫通しました。
「ふぅ。この間に魚をドラム缶に入れなくては。うんと、どれにしようかなぁ…大きいやつでいいか。あと金目鯛。鯵も入れとこう。これは…蟹!?入れなくては!」
私は魚の選別に夢中になっていた。
気がつけば夕方になっていた。蟹がいっぱい捕れて嬉しかった。今晩は贅沢に蟹のスープかな。私頑張っちゃうぞ!
その一方時雨は…
「うんしょっと。これはヒラメ?カレイ?どっちかな。これは鯵だよね。こっちは鯖かな。これは、海老?草履みたいで面白いからこれも入れとこ。戦姫喜んでくれるかな?」
時雨も戦姫と同じく魚の選別に夢中になっていたようだ。
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「大漁大漁♪」
「これで少しの間はもつかな」
今は夕方を過ぎて夜中。いやー楽しいね漁業って。未知なるものが捕まえられるこの楽しさ。たまんないね。
時雨ちゃんも同じことを思っている筈。そう願いたい。
私はドラム缶の中に甲殻類の生き物を全般に入れ込んで、魚類は網の中に入れといた。勿論、網の口は閉じているから逃げられることはない。見た感じ時雨ちゃんも同じやり方のようだ。
「ん?なんだろあれ」
「あれは…艦娘、だね…」
暗い中で見えたのは6人の人影。時雨ちゃんが言うには6人とも艦娘みたいだ。
「君たちどうしたの?」
「っ!?ここに来てまで追いかけてくるのかよ畜生!」
「あらあら〜。絶体絶命ね〜」
「呑気なこと言ってんじゃねえよ龍田!」
???何言ってるんだろう。私と時雨ちゃんは漁業に出てたんだけど。
あ、そう言うことか。深海棲艦に追いかけられていたって意味か。確かに私は深海棲艦だね。
「龍田たちはそこのチビどもを連れてこの海域から離れろ!こいつの相手は俺1人でやる…!」
「天龍さんダメよ!怪我したままじゃやられちゃうよ!」
「一緒に逃げるのです!」
「甘ったれたこと言ってんじゃねえぞチビども!こいつは他の奴とは違うんだよ!だから逃げろ!」
「「でも…」」
「雷、電、ここは天龍さんの言うことを聞こう。このままじゃ私たちもやられてしまう」
「それじゃあ天龍さんはどうするのよ響!天龍さんが居なくなるのはイヤだ!」
「畜生…!どいつもこいつも…!」
「天龍ちゃん、やるしかないわね〜」
「そうだな…!」
6人の話が終わったようだ。でも大丈夫かな?暗くても6人とも怪我しているし、オレっ娘ちゃんに関しては頭から血を流しているし。
ここは平和的にやり過ごそう。うん、そうしよう。
「そんな怪我してたら危ないよ?うちに来る?これから晩ご飯作るんだけど」
「早くしないと魚の質が悪くなってしまうよ…」
『…は?』
6人から何言ってんだコイツみたいな目で見られたんだけど。
あれ?私間違ったこと言ったっけ?普通なこと言った筈なんだけどなぁ。
時雨ちゃん描いて見た。
卒業式までのカウントダウンの絵を描かされました。下書きだけど。
しかも2月14日。下書きだけど。
絵下手くそなりに頑張って描いて見たんだけど、崩壊レベルだね。下書きだけど。
時雨ちゃんファンには申し訳ないです。
【挿絵表示】