戦闘なしです。
島に着きました、私です。
海面で島の周りを見ていたけど、あまり大きくない島だった。500人くらいは住める島だったけどね。
見た限りでは島の周りには木が生い茂っていた。食料問題は...大丈夫かな。
「ん?これは...びわかな?これは桃だよね?みかんもある...」
いろいろな場所にいろいろな果物がなっているみたい。
「いただきます」
私は目の前にあった桃の果実をもぎ、そのままかぶりついた。
「んん~!?」
おいしい...。おいしいぞこの桃!スーパーで売られているような桃よりはるかにおいしい。
天然物はおいしいって本当だったんだね。ちょっと2~3個とっておこう。
これにて!食料の問題は大丈夫そうかも。タンパク質が欲しいけど潜って魚捕まえればいいかな。
素潜りするなら銛作らないとね。貝類だけじゃおなか壊しちゃうし。
「この調子でこの島を探索しちゃおう。ファイト、オー!」
私は拳を点に突き上げて、一人悲しく捜索し始めた。...別に一人が嫌というわけではないけど。
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「なにこれ...。大きい建物だなぁ...。誰か住んでいたのかな?」
目の前に見えるのはレンガ造りの大きな建物だった。
所々壊れていたり、蜘蛛の巣が張っていたり、蔓が壁に張り付いたりしていた。
「う~ん。入って大丈夫かな?」
なんか幽霊が出そうな雰囲気があるんだよね、この建物。いわゆる廃墟ってやつ?
スプレーで何にも落書きされていないけど、ボロボロなのが味をだしている。
「...近づかなきゃなにも始まらないよね。大丈夫!怖くない!私ならいける!」
私は勇気を出してその建物の入り口付近までやってきた。
近くまでくると案外大丈夫みたい。これはいける。
「ん?」
ふと扉の前に掛けられている木の板に目がいった。
その板に書かれていた文字は、
「.../.._鎮守府?鎮守府しか読めないなぁ。ということはここは...」
鎮守府。
それは明治時代から日本海軍の本拠地として軍艦の管理や命令をする機関...だった気がする。歴史分かんない。
「まああんま気にしないで入ってみますか」
ギイィィィィ...
木の扉だから嫌な音が鳴るなぁ。こういう音が一番心臓に悪い気がするんだよね。
「お、お邪魔します...」
玄関に入って見えるのは薄暗い通路のみ。いろいろなところに蜘蛛の巣を張り巡らしている。
その上に扉を開けたのが悪いのか、埃がたくさん舞った。
「ごほっごほっ!ん~埃嫌だぁ!」
そんな事言ってたってなにも変わりはしないんだけど。しょうがない。
「鎮守府探索しますか。うぅ~埃ぃ...」
私は目に涙を貯めながら、口元を手で覆って鎮守府の中を探索
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結論から言うと何もなかった。執務室には沢山の紙っぺらがあったけど破れているのが多かった。
そして裏口みたいなのを見つけ目の前にあったのは工場?らしき建物。多分造船所だろう。
鎮守府って言うんだから造船所があってもおかしくないね。
「お邪魔しま〜す…」
私は工場の扉をゆっくり開けた。やっぱり薄暗い。でも埃や蜘蛛の巣が無かった。今でも掃除しているかのように。
「誰かいませんかー?いたら返事をして下さ〜い」
「だれなのです?」
造船所の中をキョロキョロ見回しながら歩いていたら声を掛けられた。
「ん?誰かに返事をしてもらったんだけど…どこにいるんだろう。誰かいませんかー?」
「あしもとにいるのです!」
「あ!ごめんなさい!」
足元にいたのは二頭身の小人だった。小人ってことは…UMA!?
「ひっ!ご、ごめんなさいごめんなさいごめんなさい私を食べないで下さい美味しくないです…ブツブツ」
「だいじょうぶなのです。あなたにはきがいをくわえないです」
「そうなのです。あんしんあんぜんなのです」
「だからなのです。あなたのなまえをおしえてください」
小人さんたちは私を食べないそうだ。良かった〜。
だけど名前かぁ。今気付いたけど、この体になる前の名前って覚えてないんだよね。
「ごめんね。名前分からないの」
「そうなのですか。まあいいのです。ついてきてください」
「ついてくるのです」
「かもんべいびーちょこべびーなのです」
小人さんたちは次々に話して来た。ついていけばいいのかな。
あと誰ださっきのこつぶチョコのCMを口ずさんだ小人さんは。まあ気にしないでついていこう。
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小人さんたちに付いて行ったら明かりのある場所までやって来た。
なんかカプセルみたいな物や、いかにも銭湯みたいなところがあったけど…お風呂入りたい気分になった。
「ここがけんぞうど…!?」
小人さんは私を見るなり驚愕を露わにした。
「ん?何か私の顔についてる?」
「し、しんかいせいかん!?」
しんかいせいかん?なんだろうその言葉は。小人さんがそう言っているから私はしんかいせいかん?なのだろう。
「しかもひめきゅうのせんかんせいきだとぉ!?」
「もうだめだぁ…おしまいだぁ…」
「かてるわけがないよ…!」
「まだだ!まだおわらんよ!!!」
「あーめん…」
小人さんは口々に死を覚悟したような言葉を吐いていた。小人さんが言っていたにはせんかんせいき?だそうだ。
あ〜もうどうしよう、首を傾げただけなのに小人さんたちはどんどん後ろに下がっているんだけど。
「だ、大丈夫だよ。私は君たちには手を出さないから」
「う、うそなのです!」
「ほんとならしょうこをだすのです!」
「あまくておいしいものをだすのです!」
「だすのです!」
「です!」
甘くて美味しいものか…それならさっきもいだ桃がある。それをあげましょうか。
丁寧に皮を剥いた後、私は小人さんたちの目の前に差し出した。
「こ、これは…」
「ももなのです!」
「う、う"ま"い"ー!!!」
「ちがうのです!びゃあ゛ぁ゛゛ぁうまひぃ゛ぃぃ゛なのです!」
「ハラショー。こいつはちからをかんじる」
小人は涙を流しながら桃に噛り付いていた。こうしてみると可愛いな。お持ち帰りしたいくらい可愛い。
あ、私帰る家ないんだ。うっかりしていたな。
「で、どうかな?信用してもらった?」
「モグモグ…はいなのです!」
「これはしんようにあたいするしょちです!」
「ゆるすのです!」
信用してもらったみたいだ。ふぅ良かった良かった。
「あの聞きたいことがあるのだけど、少しいいかな?」
「いいのです!」
「どんとこいなのです!」
「それじゃあ…」
私は色々なことを小人さんたちから聞いた。
この世界は深海棲艦によって危機に瀕していること。
それに立ち向かう為に人類は第二次世界大戦の軍艦の魂を持っている少女、艦娘という娘に戦わせていること。
私のこと。小人さんたちのこと。小人さんのことは妖精さんというようだ。羽ないけど…。
そしてこの鎮守府のこと。
なんか作戦中に襲撃されたらしい。御愁傷様、としか言いようがない。
「ありがとう妖精さん。あとお願いが一つあるんだけど…聞いてくれるかな?」
「おーるおっけーなのです!」
「おまかせください、せんきさん!」
私の名前は戦艦棲姫の戦と姫をとって出来上がった安直な名前だ。でも無いよりはいいし、気に入っている。
「ここに住まわせてもらってもいいかな?」
食料問題の次は住居の問題。この際衣服はどうでもいい。このワンピース頑丈だし。
「いいのです!」
「ごにんしかいなかったのでさびしかったのです!」
「おっけーなのです!」
「だいじょうぶなのです!」
「へやはすぐによういするのです!」
「ありがとね、妖精さんたち。これからよろしく!」
私の深海棲姫の生活の幕開けだ。
これから何しよう。なんにも考えてないや。
読んでいただきありがとうございます。
やっぱり文章能力がない。
一応艦これはやっています。
飛龍改がlv51って事ぐらいしか誇れません。
次回は艦娘を出そうかと考えています。