ゲート・忍者来れり   作:体は大人!心は中二!

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あらすじ

ゾルザル「見ろ!!これが俺の謝罪だーーーー!!!」

バニー「ぎゃああああああ!!!」

ガイ・ゾルザル「応援ありがとう!!」

こんな感じです。

※完全なギャク回となりますので、キャラ崩壊が起こります。
キャラ崩壊が見たくない人はプラザバックをお勧めします。


本編第一部終了記念・ZORUZARU熱血伝!!

ZORUZARU熱血伝!!

 

猛獣に拉致されて、日の国の病室で眠るゾルザル。

そんな彼の様子を見ようと二人の男が病室に向かっていた。

 

「ガイ…本当に大丈夫か?」

 

「な、なんのこれしき……少し尸魂界を往復した程度、全く問題ない。

牢屋で同居した色黒の青年に正しい正拳突きを教えれるほど余裕だったぞ。

その後、脱獄して悪い眼鏡の死神も倒してきたんだ」

 

カカシとガイだった。

ただ、カカシの隣を歩くガイは暁の女性メンバーから拷問のような暴行を受けた後で精神がボロボロだ。

彼は致命傷を負う前に、護衛対象であるバサラを置いてきたのは本人の命令であったと伝えた事で半殺しで済んだのだが…綱手の拳で防御した腕と共にアバラがへし折れ、威力を殺しきれずに壁を粉砕するほどの勢いで激突。

そのせいで彼の意識は一時的に夢か異世界に飛んでいたらしい。

ちなみに、ケガはその場で治療されたらしくケガひとつない……はずだ。

 

「お前……何処の世界に行ってきたの?尸魂界ってなに?つーか死神倒したの?」

 

「ああ、かなりの強敵だった。」

 

「…一度ここで、頭を見てもらったら?」

 

ガイの妄想に本気で頭の中が心配になったカカシは頭の検査を勧めた。

カカシの心配をよそに元気よく入ったガイはその場で停止した。

まるで石像のように固まるガイの様子に不安を覚えたカカシは彼に続いてゆっくりと病室に入った。

 

カカシが病室に入ると清潔である病室の壁と床は血みどろになっており、ベットには金髪の青年が股間を抑えて震えていた。

 

「だ、だだ、大丈夫だ。

…も、もう一度、尸魂界に行って今度こそ卍解を習得すれば、俺の斬魄刀も卍解するはずなんだ。

決して俺の斬魄刀が使えなくなったわけじゃない」

 

「「………」」

 

ガイが連れてきた捕虜を初めて見たカカシは思った。

斬魄刀ってなんだ?彼は自分のアレに名前を付けているのか?

尸魂界は実在するのか?

 

震える彼に混乱するカカシ。

 

そんなカカシを見て、掃除道具を持ったシズネがカカシに説明する為に話しかけてきた。

 

「カカシさん。彼は…下半身の大事な機能が完全に停止してしまいまして……。

現実を受け入れられず、サクラに『貧乳でも構わん!!俺に抱かれろ!!』と言った瞬間。

鬼の様な形相をしたサクラにマウントを取られて顔面をひたすら殴打、あわてて止めに入った私が急いで治療して完全回復させたのですが…目覚めたら今のような状態になってしまって…。

恐らく、精神と肉体に多大なショックを受けた事で幻覚とパニックを同時に起こしているのだと思います」

 

「……」

 

その幻覚は皆、同じものを見るのかと質問したかったカカシだが、現状はそれどころではない。

これでは、捕虜となった彼から帝国の内部情報を聞くことが出来ない。

 

「サスケの出番だな…これは」

 

☆☆☆

 

「国の警戒レベルがようやく下がって、落ち着けたと思ったんだが……。

なんだこのウスラバカは?」

 

「いやぁ……彼は一応、仮想敵国の皇子なんだけどもね?

下半身が使い物にならなくなったショックとサクラに半殺しにされたショックで精神が大変な事になっていな。

お前の万華鏡写輪眼で治療できないかな……なんて」

 

カカシに呼ばれ病室の惨状を目撃したサスケは苦虫を?み締めたような表情になり、サスケを呼び出したカカシが状況を簡単に説明した。

 

「……凄く嫌だが、写輪眼の瞳術で強引に精神を安定させるのは可能だ。

しかし、その後はどうするつもりだ?

仮想敵国の人間なら抵抗するだろう。

まさか俺にこのウスラバカの記憶を読めと?仕事がようやく片付いた俺に仕事をしろと言うのか?」

 

「頼む……今度、トコロテンをおごるから」

 

仕事に疲れた。早く帰りたい。そういう思いがひしひしと伝わる表情でサスケは精神の治療を開始するサスケ。

彼はSSRクラスの忍びで、暁以外でバサラに戦闘ダメージを与える事の出来る数少ない実力者。

そんな彼は、各部署を務める部隊に配属され激務に追われていたのだ。

 

そのせいでサスケのクールなキャラが壊れていてもそれは仕方がないことだ。

そして、なんだかんだで仕事を引き受ける彼の背中はまるでブラック企業に勤めるサラリーマンのように哀愁が漂っていた。

 

――――。

 

「さて、サスケのお陰で情報も手に入ったし俺は帰るけど……大丈夫か?」

 

「ハハハッハハ!安心しろカカシ!!俺にかかればどんなクズ野郎でも立派な男にして見せる!!」

 

ナイスガイなポーズで大丈夫だとアピールするガイを見て、より一層不安が強くなるカカシ。

しかし、主であるバサラの命令なのだ。

 

臣下である自分が介入することは出来ない。

後は、これから起こるであろう被害が、最小限に留まる事を祈るばかりだ。

 

無駄な祈りを捧げ、帰宅するカカシの背中を見送ったガイはとりあえず……。

 

「このバカヤローーーーー!!!」

 

「ぶべらぁ!?」

 

ゾルザルの顔面を殴った。

ガイの拳にトリプルアクセルのように綺麗に舞ったゾルザルは突然の出来事に頭が真っ白になる。

 

「今から貴様の根性を叩きなおしてやる!!修行だ!!」

 

「は?何を……」

 

「口答えするな、バカヤローーー!!!」

 

「ポピーーーー!!?」

 

この後、ゾルザルは修行を開始するまで殴られ続け、ようやくゾルザルの修行が始まった。

ここからは少しダイジェストにお送りしよう。

 

「返事はハイか押忍だバカヤローーー!!」

 

「ぶふぉ!?」

 

まずは返事を物理で叩きこまれ……。

 

「まずは演習場を軽く五十周だ!!」

 

「この広さを!?無理だ!!貴様は皇子である俺を殺す気か!?」

 

「皇子なんて関係あるかコノヤロー―ー!!後、先生と呼べ!!」

 

「ごへぇ!?」

 

自分の立場を拳で叩きこまれ………。

 

「センセイ……キツイ」

 

「キツイ今を乗り越える事……それが真の修行で青春だ!!

ほら、青春万歳!!」

 

「セイシュン…バンザイ」

 

時には怪しい洗脳を施され。

修行が5日経過した頃、すっかり大人しくなったゾルザルはガイと打ち解けて来た頃、彼は昔の事を思い出していた。

 

それはまだ、先代皇帝の忘れ形見…彼の義兄が生きていた時の事だった。

 

『カティ義兄はどんな皇帝になるんだ?』

 

『ん?俺か?俺はな…ゾルザル。

帝国を戦争のない国にして、亜人たちを人種と平等にすることかな?』

 

彼の義兄は戦争を嫌う優しい男だった。

貧民だろうと亜人だろうと同じ命。

彼は幼いゾルザルの頭を撫でながら自分の夢を語る。

 

『今の世の中は戦争と差別に溢れている。

だから、周辺諸国と和平条約を結び平和な世を作った後、俺は虐げられている亜人達の地位を保証して救いたい。

つまり…優しい皇帝になりたいと思っているよ。

道はすごく険しいけどね。』

 

条約とか地位の保証とか、幼いゾルザルは理解できなかった。

でも、ゾルザルの目には自分の夢を語る義兄の姿が眩しく映った。

自分にはない輝きに憧れた。

 

『じゃあ!俺も手伝うよ!!ジョウヤクとかホショウとかいまいち分かんないけど、カティ義兄の夢は俺が叶えて見せる!!』

 

『ハハハハ、ありがとうゾルザル』

 

『難しい事は、ティアボに任せ!俺はカティ義兄の邪魔をする奴をねじ伏せる!!完璧だな!!』

 

『そうだね……そんな未来が来るといいね』

 

夢の手伝いをすると言って、はしゃぐ自分とそれを微笑ましい目で見てくる義兄。

本当にそんな未来がこればいいと願った後。

 

亜人の暗殺者を雇って、ゾルザルの父を殺そうとしたという罪で義兄は捕まった。

告発したのは義兄の婚約者の女だった。

もちろん、そんものは冤罪だ。

やってもいない罪を白状しろと連日連夜、休む間もなく責められ続けた義兄は死んだ。

 

義兄はゾルザルの父と元老院によって冤罪を掛けられて殺されたのだ。

 

父親が皇帝となった時、はじめにしたのは義兄の婚約者だった女の家の爵位を上げる事だった。

分かっていたが、婚約者もグルだったのだ。

 

この時、ゾルザルは身内と貴族そしてなによりも貴族の女に恐怖を覚えた。

 

それから、青年に成長したゾルザルに婚約話が来りするのだが貴族の女を前にすると下半身が委縮し、使い物にならなくなった。

その出来事で男性としての機能を失ったのではないかと思ったゾルザルは妹に夜這いをかけるのだが……まあ、当然無駄に終わったのであった。

 

そんな昔の事を思い出したゾルザル。

彼は義兄の目標を口にした。

 

「優しい皇帝になりたい…か」

 

もし……もし、帝国に帰れたのなら…かつて義兄がなろうとした皇帝になってもいいのではないか?

気まぐれなのか?修行のせいでおかしくなったのかは、ゾルザルにも分からない。

でも…彼の心はとても軽くなっていた。

 

そして、それと同時に彼はすぐにでもすべき事を思い出した。

それは……。

 

 

修行生活六日目………。

 

 

 

「先生…俺、ヴォーリアバニー達に謝りたいと思います」

 

 

 

「おお!!それはいい心がけだ!!」

 

「たけど…怖いんです!!俺はアイツらの仲間を沢山殺しました。

それは決して許されない事です。」

 

ヴォーリアバニー達に謝罪する事を決意したゾルザル。

しかし、生半可な事では許されないと分かっている故に、とても暗い表情を晒す。

そんなゾルザルにガイは謝罪しやすくなる秘訣を教えた。

 

それは……。

 

「自分ルールだ!!」

 

「自分ルール?」

 

「そう!自分ルールとは、何かを達成しようと思ったとき、失敗した場合の罰ゲームを自分に課すという方法だ。

失敗したときに罰ゲームを設けることで、自分を限界に追い込むことが出来る。

罰ゲームをしたくないという気持ちから、自分の力をより発揮できるのだ。

例え失敗したとしても、その罰ゲームによって、自分を鍛えられる。

ここで重要なのは、自分のためになる罰ゲームを課すこと。

罰ゲームをクリアすることで、次の成功につながることだ。」

 

「つまり…俺が何かに挑戦し何かが出来たらヴォーリアバニー達に謝罪。

出来なければ罰ゲーム。

そうゆう事ですか?」

 

「おうとも!!さぁ、ゾルザルよ!!お前はどうする?」

 

こうしてゾルザルは演習場百周を目標に走り続けた。

ゆっくりだが、丸一日かけて走った。

 

修行生活七日目になって、彼は大きく成長した。

 

「よくやった!よくやったぞ!!ゾルザル!!俺は感動した!!」

 

「先生ぇぇええええ!!!」

 

目標を達成させたゾルザルは根性を見せた褒美としてガイの熱いハグとお揃いのピチピチスーツと『根性』の額あてを進呈された。

そして、どうせならとゾルザルは頭をオカッパにし、汗でびしょびしょとなった服を脱ぎ棄て、シャワーを浴びた後、それらを装備した状態でバサラ達の帰りを待っていたのだ。

 

身も心も綺麗になったゾルザル。

 

だが、酷くなった部分もあった。

彼の性癖である。

 

物理で殴られ過ぎたせいでドMに目覚め。

 

ガイのハグによって同性愛に目覚めた。

 

彼は義兄の夢を引き継ぎ……優しい皇帝になれるのだろうか?

 

彼の修行の日々は続く!!

 

 

「夕日に向かって……ダイナミックエントリーーーーーーー!!!」

 

 

「夢に向かって、ダイナミックエントリーーーーー!!!」

 

 

 

 

本編第一部終了記念。

 

 

 

ZORUZARU熱血伝!!・完!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……かもしれない。




ゾルザル覚醒編いかがだったでしょうか?
このZORUZARU熱血伝!!は第二部が終わった時か、本編終了後にも書こうと思っているのですが……。
まあ、読者の皆さんの反応次第という事で……


これからも応援、よろしくお願いします。




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