ゲート・忍者来れり   作:体は大人!心は中二!

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プロローグ

 

彼の名前は高島(たかしま)健吾(けんご)

ヴァーチャルリアリティの技術が当たり前の現代でアパートで一人暮らしをしながら会社に通う、VRMMOが趣味の会社員。

変わらない日常を過ごし、趣味のVRMMOを満喫する。

ゲーマーにとっては、まさに理想の一人暮らしをしていると言えよう。

 

さて、そんな彼がもっともはまっているゲームについて説明しよう。

 

『NARUTO疾風伝ー大戦絵巻ー』である。

 

このゲームはプレイヤーがカスタマイズした忍者となり、国を運営する戦略シミュレーションゲームで主人公が国のトップになり部下となる忍者をふやしては領土を広め、国民であるNPCを集めて自分の国を強くしていくと言うものだ。

戦闘要員として登場する忍者は課金したポイントやゲーム内で使われるお金をガチャで消費して欲しい忍びを勧誘したり、運営が開催するイベントのクリアなどで普通では手に入らないキャラなどを手に入れることが出来る。

 

プレイヤーの目的は領土を広め、国の軍事・技術などを発展させる事。

国民と職人を増やし国の施設や資源のレベルを上げつつ、任務などで里の問題を解決したり、他プレイヤーの拠点を落として資源やお金をもらうことがこのゲームの基本である。

 

さて、次はこのゲームの魅力について話そう。

自分好みの国に育て上げることも魅力の一つではあるのだがもっとも大きな理由は、自分の好きなキャラクターのみで構成された部隊の編成。憧れの忍術の使用。

そして、プレイヤーが好きなキャラクターの好感度を上げながら一緒に戦う事が出来るというファンにはたまらないシステムが存在するからだろう。

彼を含めた全てのプレイヤーが、この理由でこのゲームをプレイしているのだからまず間違いないと言えよう。

 

巨乳くノ一は俺の嫁!!

 

「さて、そろそろアップデートも終わったし、ゲームの続きをやるか……」

 

この日行われるメンテナンスとアップデートに合わせて拠点の位置がランダムで変更される。

理由は地域によって戦力が集まり過ぎていて、マナーの悪いプレイヤーによる初心者狩りや、上級プレイヤーの属国にされたりと初心者向けのゲームでは、なくなってきてしまったのだ。

そこで運営が新規ユーザーの獲得の為に考えたの『拠点の強制ランダム転移』。

 

廃課金で強いプレイヤーほど、攻めにくくて守りやすい場所に国を建国しており、初心者は立地の悪い場所に建国せざる得なかった。

しかし今回のランダム転移によりその優位性は崩され、運営の匙加減一つで不動であったランキング上位同士の国が争い、滅びるかもしれない。

そしてアップデートのお知らせと共に書き込まれたネット掲示板の噂では劣悪な環境に上位プレイヤーを集中させて、一気にランキングを書き換えを狙っているだとか書かれており彼は正直不安でしょうがない。

 

一時期は毎晩の飯を削ってまで運営に貢いで完成させた最高の国。

 

それが、無くなるのは今まで貢いだ金がすべて水泡に消えるという事だ。

ふざけるな!!あのキャラを地獄の様なガチャで出す為に幾ら賭けたと思っている!!

毎回毎回出てくるのは忍術の巻物や装備アイテム!!

十連回して一人しか忍者が出てこないことがあるがどうなってやがる!!

 

楽しくも辛い時期を乗り越えた彼は、少しだけダークサイドに堕ちてしまった。

 

………。

 

「……やるか」

 

彼はヘッドタイプの機械を頭にかぶり、ベットの横になる。

後は機械の電源を入れて、仮想世界にダイブするだけ。

 

右手を頭に被った機械に伸ばして電源を入れる。

 

暗くなった視界に現れたのは彼が心血を捧げてNPCに作らせた最高ランクの城の一室。

広々とした部屋に豪華絢爛な洋式の家具。

壁には最高ランクの手裏剣や刀が飾られている。

これが現実であったのなら家具だけで数千万を超えているだろう。

しかし、視界に部屋が移ったと思ったら壊れたテレビのようにザザザとなる不快な音と乱れる景色。

 

「まさか……不具合だと」

 

アップデートの終了でたまに起こる不具合。

それが起こると不具合の処理が完了するまでゲームはプレイできないうえに強制終了させられる。

 

「っち、強制終了したら時間を見てもう一度ダイブする……?」

 

彼は耳障りな音に苛立ちつつ、ログアウトしようとしたがすぐに景色の歪みは無くなった。

どうやら正常に戻ったようだ。

 

おそらくゲームの不具合ではなく機械の不具合だったのだろう。

少し古いタイプのダイブギアだし、そろそろ変え時か……。

かなり金が掛かる事が予想され、気分が落ち込む。

まあ、騙し騙し使えばしばらく大丈夫だろう。

原因がヘッドギアであると考えた彼は特に気にする事無くゲームを続けることにしたが、一応機能の確認をするためにコンソール画面を基本動作で呼び出そうとするが……。

 

コンソールが……でない。

そう、彼がいくら手を動かしてコンソールを呼び出そうとするも全く反応がない。

 

「マジか!?」

 

コンソール画面が開けないという事はログインが出来ない!

それに緊急ミッションや宣戦布告された時の警告画面も出ない。

この状態で敵国に襲撃を受けたら対応に遅れてしまう!!

 

焦る彼は急いで廊下に出る。

すると……。

 

「ここに居られましたか!!緊急事態であります!!今すぐ会議室にお越しください!!暁の方々は既に会議室に待機しておられます!!」

 

声に振り返ると目の前には声の主、シズネ。が居た。

原作では綱手の一番弟子兼秘書役であり、綱手の借金やら綱手の起こすトラブルやらでかなり苦労をしている事で有名だ。

彼女はかなり急いで来たのか肩で息をしていて、額に汗も浮かんでいる。

 

おお!これが運営の言っていたアップデートか……

今回のアップデートでもっとも重要な部分。

それはキャラクターに人工知能をより人間らしくすることであったが……。

リアルすぎじゃね?汗まで出て、まるでリアルに居るかの様な錯覚がする。

前は軽い応対や簡単な会話だけだったのに……。

ゲームの規格外な進化に驚きと喜びを感じる彼は、時代はここまで来たのかと感慨深い気持ちでいた。

 

「どうかしましたか、バサラ様?っは!?もしやこの異常事態にお加減が!?

す、すぐに治療いたしますので服を脱いでください!!」

 

「大丈夫だ。早く会議室に行くぞ」

 

「そうですか?なら良いのですが……もし、体の調子が悪くなったら仰ってください。

私が全力で治療いたしますので」

 

「ああ、その時は頼むよ」

 

「は、はひ!!全力を尽くさせていただきます!!」

 

緊張して敬礼する彼女が微笑ましくなり、思わず顔が綻ぶ彼。

本当の人間と接しているようだ。

ちなみに彼女が言った暁とは、原作とは全く関係ない名前だけを借りたもので、

俺を除く忍者で構成された国の幹部で俺のお気に入りだ。

暁は元々基本ステータスが高く、レアリティのランクが上位で一ヶ月に一度販売される課金アイテムによるステータスの増加や、元々覚えている固有の忍術以外の上位忍術を覚え、最高の戦闘力を個人で持つ最強の十人で構成されている。

そして、一人一人が部隊を持つ隊長である。

 

「バ、バサラ様。会議室まで、僭越ながら異常について報告します。」

 

「頼む」

 

「実は国の周辺地理が変化しているのです。

我ら『日の国』は敵発見に優れた草原であったはずなのですが……周りが森になっていました」

 

彼女の報告に思わず眉を歪める。

森のフィールドはかなり厄介な場所だ。

奇襲を受けやすく、敵の発見が見晴らしの良い草原よりも遅くなる。

下手をすれば城壁の耐久値をだいぶ削られたところで敵を発見という事にもなりうる。

 

「警備部隊の人員を増やす必要があるな」

 

「はい、そう思った九番十番隊の隊長であるお二方が、日向ネジと我愛羅の二名を小隊長に任命して警戒に当たっています。」

 

NPCの対応は問題ない、むしろ上出来の部類だ。

敵の捜索に白目を持つネジと砂を広範囲に広げて捜索する我愛羅。

しかし自動で状況を判断して、部隊に命令をするなんて……。

ゲームはここまで進化したか……。

 

仮想現実をより現実に……。

ダイブゲームのキャッチコピー通りだな。

 

扉の上に会議室と書かれた木の札が張ってある扉。

どうやら会議室に着いたようだ。

 

「では、私は一番隊に戻りますので、これにて失礼します」

 

「わかった」

 

頭を下げ所属する部隊に戻るシズネの背中を見送った後。

俺は目の前の扉の取っ手を掴み……

 

扉を開けた……。

 

 

大きな長方形のテーブルに十一の席。

一番奥の席以外には、俺のよく知るキャラクター……いや、女性達

が自分達が座るイスの傍で立って居た。

俺は、仮想現実で座りなれた一番奥の席向かい、イスを片手で引いて座る。

すると、それを合図にイスの傍に居た彼女達もイスに座った。

さて、ある程度の情報はシズネから聞いた。

後は各部隊の現状や里の状況、今後の事について確認しよう。

 

「里の外については、知っている。まず、各部隊の現状を一番隊から聞こう」

 

「はい」

 

返事と共に席を立ったのはナンスバディの金髪美女。

原作・アニメで有名な5代目火影、綱手だ。

ただし彼女には額のマークはない。

そう、なぜなら彼女は雑誌を購入して手に入るシリアルコードを入力してゲット出来るシークレットレア、大戦時代の綱手なのだ。

ゆえに肉体も原作のような若作りではなく本物の若い肉体である。

 

「一番隊は現在、奇襲により出るけが人の治療に備えて後方に待機しています」

 

一番隊は戦闘の際にけが人を治療する治療班と治療中に敵から守る二つの班に

分かれている部隊である。

綱手の報告が終わり、席に座ると膝まで届くほどの超ロングヘアと、綱手にはない妖艶さを持つ

美女が席を立ち、報告を始める。

 

「二番隊は現在、里周辺に注意を払いつつ、万が一に備えて

罠の設置などの侵入者対策を行っています」

 

照美メイ。

原作では5代目水影で年齢や婚期に敏感な事で有名な女性で

血継限界である溶遁・沸遁の使い手。

拠点防衛部隊である二番隊の隊長している。

おお!このアップデートに何度驚かされたか分からないが罠の設置までやってくれるとは……。

本当の人間のようだ。

 

彼女の報告を聞き終え、次の女性が立ち上がる。

 

「三番隊は現在、攻撃命令が下るまで戦闘準備をしつつ、待機しております」

 

パクラ。

原作だと、穢土転生によって蘇り、カブトのコマにされた大勢の忍の一人。

血継限界の灼遁の使い手。

ナイスバディのその容姿はネットでも色々と囁かれている。

彼女は火力特化の突撃部隊である三番隊隊長であり、その実力を隊員と常に戦場で発揮して来た。

 

肩や背中を大きく露出した非常に扇情的な忍衣装がたまりませんなぁ。

うん!実にけしからん!!

 

報告が終わり、次の女性が立ち上がる。

 

「四番隊は現在、三番隊と同様に命令が下るまで待機しております」

 

夕日 紅

原作ではヒナタ・シノ・キバの担当上忍。

幻術の使い手であり、疾風伝の妊娠発覚でファンが軽く涙したとか……。

ちなみに今俺の目の前に居るのは、ヒナタ達の担当上忍をしていた若い紅であり、もちろん妊娠なんてしていない。

彼女の部隊は幻術を使い、敵の部隊を混乱させ部隊を孤立させたり孤立した

敵を戦場で捕獲、および情報を吐かせたりするのが仕事だ。

彼女の報告が終わり次へと進む。

 

「五番隊は現在、三番隊および四番隊と同様に待機状態となっております」

 

みたらし アンコ

彼女もまた先程の四人と見劣りする事の無い美女で原作では大蛇丸の元弟子。

超甘党で、大蛇丸同様に大蛇を口寄せし、それを用いた術を使う。

潜入・暗殺などを行う五番隊の隊長である。

ジャケットの下に見えるお乳様がベリーグット!!

デブったあんこは認めない!絶対にだ!!

 

彼女の報告を聞き終えると、また次へと進む。

 

「六番隊は現在、活動している三部隊の連絡を円滑に行いつつ、

九番隊が集めた情報を後に、書類でお渡しするのでバサラ様自身の眼で御覧ください。」

 

「わかった」

 

サムイ

金髪の美女で原作ではオモイ・カルイとともにスリーマンセルを組んでおり、小隊長として、

協調性のないオモイとカルイを上手くなだめつつも率いている。

その名のとおり、クールな女性。

肩こりに悩んでいるらしいが、あの巨乳を見ると納得してしまう。

彼女の率いる部隊は、通信を専門とする六番隊で俺の命令を各部隊に情報を

伝えたり、調査部隊が手に入れた情報を俺に伝える部隊である。

これだけ聞くと弱い部隊の様に聞こえるが、そんなことはない。

六番隊は情報を伝える速さや情報を守り抜く強さが求められる為、弱いなんて事は

絶対にない。

さて、彼女の報告が終わり次の隊の報告が始まる。

 

「七番隊は現在、九番隊と我が隊でも索敵が行える隊員が広範囲で索敵を行い

つつ、敵国が我が国に攻撃を開始した場合に即、広範囲攻撃で殲滅出来るように

城壁で待機しております。」

 

 

テマリ

原作では、いつも背中に身の丈ほどある扇子を背負っており、

戦闘時には扇子で風を巻き起こして戦う風遁忍術の使い手である金髪美女。

ちなみに、ここに居るのは疾風伝のテマリである。

彼女の部隊は広範囲に攻撃し、一気に弱った敵を殲滅する部隊である。

テマリの報告が終わり、次の報告に移る。

 

「八番隊は現在、九番隊のサポートをして情報を集めています」

 

山中 いの

ポニーテールが特徴で金色の髪に青色の目を持つ美少女。

得意とする術は、山中一族に伝わる忍術・“心転身の術”で敵や動物の心に入り込み、肉体を操ることができる。

彼女の率いる八番隊は他部隊の補助やサポートである。

戦場では時には医療・潜入・通信・情報収集などを行うオールラウンドに

活躍している。

彼女の報告が終わり、次の部隊長が席を立ち報告を始める。

 

「九番隊は現在、七番隊の隊員と共に広範囲索敵で国周囲の地形と情報を収集しています」

 

日向 ヒナタ

ナイスバディのロングヘヤーの美少女で一族に伝わる血継限界“白眼”と、

それを応用した体術“柔拳”の使い手である。

原作では忍の信念にナルトに強い影響を受けていて、彼同様

「まっすぐ自分の言葉は曲げない」ことを忍道としている。

そんな彼女が率いる部隊は、調査部隊である九番隊。

敵の索敵から、特徴・敵部隊の規模・地図の作成などを行う。

人気投票では世の男たちが女性ランキング一位にするマドンナである。

彼女の報告が終わり、最後の部隊報告に移る。

 

「十番隊は現在、施設が正常に機能しているか確認しております。

確認が終了しだい七番隊同様に書類を製作いたしますので後でご確認ください」

 

「わかった」

 

シズカ

黒髪ポニーテルの美女で女性ばかりの忍者の里・撫子(なでしこ)の里の

次期里長。

彼女の率いる十番隊は戦場では遊撃、国に居る時は内部調査などを行っている。

内部調査はスパイの殲滅や好感度の低い忍者が賄賂などで離反しないよう調査する。

 

大和なでしこな感じとぴちぴちした忍び装束がいいNE!!

AVで活躍する退魔な忍びを思い出しそうだ。

 

これで全ての報告が終了した。

後は今後の事について話さねばならない。

 

 

 

 

 




少しでも読みやすくなるように文章と単語を足しました。
※感想と評価をお待ちしております。

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