俺が化け物?…違う、俺はぷれいやーだぁ…   作:りんしろぉ

9 / 9
 投稿本当に遅くなり申し訳ございません。ストーリーの方向が上手く定まらず、何度も書き直す羽目になりました…
 それはそうと、本家オーバーロードのアニメ2期決定おめでとうございます!結局劇場版は前半しか見に行くことが出来ませんでしたが、映画のアインズ様もマジ至高でしたね!


青の薔薇と煽り全一

(あー、緊張した。ああいう式典はどうもな…)

 

先の王国戦士長を助太刀した件で、ブロリーは国王 ランポッサ3世に直々に褒美が与えられることになった。残念ながら、あくまで支援をしただけ (立場上、戦士長が苦戦することは許されないため…そういう事になっている) なので、大したものは貰えないらしい。それでも、金貨100枚と王都の自由通行を許される権限を与えられたのだから、充分過ぎる評価だ。

 問題は、スレイン法国に喧嘩を売ったことだろう。聞いた話では、この前ガゼフ戦士長を襲ったのはスレイン法国の特殊部隊、六色聖典の一つらしい。既に身バレしている可能性が高いだろうな…

 

「うぐっ・・・・・ふぅ。」

 

 この世界に来てから、考え事をすると頭痛がたびたび起こるようになった。これも一種の弊害なのだろうか。

 なんにせよ、これで一件落着なのだ。今日はパーッと飲もう。

 

「取り敢えずは宿とメシだな…」「おーい、ブロリー殿!」「ん?」

 

呼ばれたので振り返ってみると、予想通りこの国の王国戦士長、ガゼフ・ストロノーフであった。数少ない顔見知りに出会えて少し嬉しく思う。元はと言えば、この男を助けたせいではるばるここまで来る羽目になったのだが。

 

「ガゼフ殿、国王から金貨を100枚頂いた。何処か、お薦めの宿はないだろうか。」

「ふむ…」

 

「ならば一杯、奢らせてくれ。個人的な礼がしたいんだ」

 

 

大通りの横手に、大きな宿屋が見えてきた。敷地がかなり広く、どこもかしこも設備が整っている。

また、外装だけでなく、内装も素晴らしいものだ。ここに泊まるとなると、かなりの高額を取られることになるだろう。

 

「心配せずとも、ここは私が持とう。」

「…大丈夫か?俺はかなり食うぞ。」

 

ガゼフは「知っているさ」と苦笑いを浮かべた。

 

 

 1階の酒場兼食堂では、屈強そうな冒険者達が酒を飲んでいた。が、ガゼフが扉を開けた瞬間どよめきが起こった。

 

(やはり、この国ではこの男が一番強い認識で間違いないか。…それにしても、どこへ行っても注目の的とは、なかなかに辛いもんだな。)

 

2人が入ると、奥の方からハスキーな大声が上がった。

 

「よう、ガゼフのおっさん。こっち来いよ!」

 

 

 

 

 

 

奥のテーブルで座っていたのは、王国では2つしかない、数多くの冒険者達の最高峰、アダマンタイト級冒険者チーム〈青の薔薇〉の面々らしい。

 

「珍しいな!おっさんがここに来るなんて。」

「この前の一件で礼になったブロリー殿に、1杯奢りたくてな」

「ほう、お前さんがブロリーかい。俺はガガーラン。よろしくな!」

 

と、気さくな感じのこの女性(?)、かなり筋肉質だ。ユグドラシルの俺に近いくらいのマッチョだ。

 

「ちょっと、初対面の人にそれは馴れ馴れしいんじゃない?もう。…あ、ごめんなさいね。うちの仲間、いつもこんな感じなのよ。」

「私はラキュース。青の薔薇のリーダーを務めさせてもらってるわ。」

 

(…女冒険者はみんなガガーランみたいなムッキムキじゃないみたいだな。よかった。)

「…?どうされましたか。」「いや、何でもない。」

 

 

 ラキュースがメンバーの紹介をしている途中、ブロリーにはどうしても気になることがあった。この「青の薔薇」は、最強チームでありながら平均年齢がかなり若い。黒装束を纏っている双子はまだ15歳ほどではないか。特に、仮面を被っているチビ助は…

 

「そっちの双子はティナとティア、この仮面を被っているのが…」

「…そこの<小さいの>はまだ子供ではないのか?いくら実力があっても、こんな<チビ>まで戦わなければならないとは――」「「あっ…」」

 

 

 

 

 

 

 

「…ほう、いい度胸だ。貴様、覚悟は出来ているな?」ゴゴゴゴ

 

 

 

「「どうしてこうなったのよ(だ)…」」

ブロリーの「チビ」の一言は盛大に地雷を踏み抜いたらしく、イビルアイと名乗る女性(?)に勝負を挑まれた。さらには俺の「アダマンタイト級の冒険者と闘って(万が一)勝ってしまったら不味いので場所を変えよう」という一言が気に障ったらしく、殺る気満々だ。なんてこったい。

 

「今なら地面に頭を擦って謝れば許してやらんこともない。…謝るなら今のうちだぞ。」

「いや、折角実力者と手合わせできるんだ。理由はどうであれ、いい機会だ。」

 

イビルアイは魔方陣を展開させた。色からして恐らく、大地系の魔法か?

 

 

「いい向上心だ。よし、死んでこい。」

 

ランスの形をした水晶が、ブロリー目掛けて飛んできた。これを難なくかわす。

 

「やるじゃないか。小僧」

「いきなりだな…今のは第4位階魔法…〈水晶騎士槍/クリスタルランス〉だったか?」

「ご名答。どこでこの魔法を知ったのかは…後で問いただすとしよう。」

 

またもや魔法で水晶槍が飛んできた。しかも、さっきより速い。

 ブロリーはこれも避けるが、バランスを崩してしまいほんの少し隙が出来てしまった。それを一流冒険者が見逃すはずもなく、

 

「〈砂の領域・対個/サンドフィールド・ワン〉」

 

ブロリーの周辺に、砂嵐が巻き上がった。

 

「うがっ!?ゲホッ、ゲホッ!」

 

ブロリー。いや、ユグドラシルの職業でサイヤ人は、人気が無かった。その理由として、<状態異常に掛かりやすい>という特性があるからだ。現在ブロリーの装備に、状態異常を防ぐ物は一つもない。伝説のスーパーサイヤ人になれば別だが…サイヤ人は阻害にとことん弱いのだ。

 

「これで終わりだ!〈結晶散弾/シャード・バックショット〉!」

「おーい!イビルアイ。ちったー手加減してやれよぉ!」

 

 最早、何の容赦もない魔法を繰り出すイビルアイ。別にイライラしていたとか、一々癇に障る話し方だとか、そういうわけでは無い…と思う。

 

(これで終わりか…フン、まぁこのくらいの強さであればでかい口も叩きたくなるだろう)

 

大地の結晶が砂を巻き上げ、動けないブロリーに容赦なく突き刺さる。魔法の力で成す術なくイビルアイが圧勝…するように思えた。

 

 

 

 

ゴオオオオオオオオ

 

「!? 馬鹿な!」

 

 

巻き上がった土煙の中から出てきた男は、無傷だった。

 

「なんなんだ?今のは。(初めて見る魔法だった、興味深いな。)」

 

 

 ブロリーは素直に魔法の戦術に感心していた。しかし、キャラに入り込み過ぎてイビルアイには煽っているようにしか聞こえなかった。

 

(魔法…いや、確かに手応えはあった。一体どうやって防いだというのだ!)

「今度はこちらから行くぞ」シュッ

「クッ!〈砂の領域・全域/サンドフィールド・オール〉っ!」

 

ズオオオオオオオオオオオオオオ

 今度は先程よりも広い範囲で砂が巻き上げられる。見物していた青の薔薇は既に避難していたみたいで、範囲に入っているのは俺だけのようだ。

 

「そう来ると思っていた、とあれば対処は簡単だ。」

 

 ブロリーの周りに、気の膜が張られる。これはユグドラシルでの得意技、「バリアー」だ。最大出力ならば超位魔法も半減させることが出来るが、ただでさえステ振り的に少ないMPをこれでもかというほど消費してしまう。この絶妙な力加減は、ワールドチャンピオンであった「ブロリ―」の経験と知識の賜物なのだ。

 

ヒュンッ!

 

「!? 何処へ消えたんだ!」「これで終わりだ」

 

ピタッ

 

「~~~~!!」

 

 ブロリーは超スピードでイビルアイの目を攪乱し、瞬時に目の前に立ち懐に手を添えた。いわゆる「動くな」状態である

 

 

「・・・・・・・」

(カッコよく決まったな。)

「おい、貴様」

(それにしても、やけに体が軽いな。最初来た時よりもかなり体が馴染んでるような…こっちの世界ではレベルアップするのか?)フニフニ

 

 

「お前は一体・・・・・どこを揉んでいるんだ?」ゴゴゴゴゴゴ

 

 

 

「?あぁ…胸だったのか。すまん、気づかなかった」「っ!!〈龍電/ドラゴン・ライトニング〉ッ!!!」

 

 

バリバリバリバリ!!!

 

 

 

 

「…こんな男は3回くらい滅された方が世のためだ!」

 

「」プスプス

 

 

「ちょ!それはやり過ぎって…死んでない。良かったぁ。」

「どんだけ頑丈なんだよ!…こいつは化けモンかぁ?」

 

「化け物?…違う、おれは・・・」パタン

「おい、しっかりしな!…気絶してるか。しゃーない、ガゼフのおっさん!これ運ぶの手伝ってくれ」

「お、おう。(…本当にブロリー殿は何者なんだ?)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一行は宿屋に戻ったが、道中もイビルアイは、「ある可能性」を考えていた。

 

(戦闘中もまるで余裕の表情。端から本気では無かった―――一体何なんだこの男は?ケタ違いの強さだぞ…まさか、コイツがこの世界の神〈ぷれいやー〉の血を受け継ぐ存在、「神人」なのか!?もしくは、十三英雄のリーダーと同じ…)

 

 

 

 

「‥‥‥‥‥ぷれいやー?」

 




今日はここまで!今回はいつもより長文です。ここまでご覧いただき、ありがとうございます。清々しい程に急展開でした、反省しています!(後悔はしてない)
 
 さて、ここからは今のブロリーの状態について説明させていただきます。若干ネタバレ気味になってしまうので、嫌だ!という方は飛ばして頂いても大丈夫です。



 まずは、ブロリーのレベルです。ブロリーはワールドアイテム「ワンモア ミー」の影響でモンスターを倒してレベルを上げる、いわゆる「レベリング」が出来なくなっております。
 もうこの時点でドラゴンボールを見たことがある方はお気づきかと思われますが、サイヤ人は別の方法で強くなれるです。因みに、今のブロリーの戦闘力(レベル)は「58」です。

 次に、ブロリーの人格です。原作「オーバーロード」でも、時々〈鈴木悟〉としての人格と〈モモンガ〉というアンデッドのキャラクターのギャップに苦しむ場面が感じられますが、ブロリーはもっと厄介で、普段は5:5、戦闘中は大体7:3でブロリー気味なのです。段々人としての感情を失い、暴走しないか書いてる私が一番不安です( ;∀;)

 最後に、後々書くつもりですが、青木隆という存在です。もしもブロリーが単体でこの世界にやってきた場合、それはそれは残酷な事になるでしょう。もう一人の自分がいたからこそ、人を助けたり、喧嘩したり。自分もまったりとした文章を書いていけるのです(笑)ガンバレ! 隆。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。