俺が化け物?…違う、俺はぷれいやーだぁ…   作:りんしろぉ

5 / 9
大変遅くなりました。

前回までのあらすじ
おかねだいすき べりゅーすたいちょうは はなびになった。



大食漢の王子様

「フフフ・・・汚い花火だぁ・・」ペロリ

 

 

 

(やっちまったああああああああああああああああ)

 

 青木隆は、心の中で後悔の念を抱いていた。成り行きとはいえ、人間を二人も惨殺(頭パーンと花火)してしまったのだから、リアルでは争いとは無縁ともいえる生活をしていた隆にとっては刺激の強すぎるものだ。

 にしても、この違和感は何だ?頭では拒絶してるのに、心が昂揚しているような・・・

 

「・・退却ッ!負傷者を抱えて今すぐ逃げるんだ!後の奴は俺と一緒に時間を稼げぇ!」

「ロンデス副隊長!」「副隊長の後に続けぇ!」

 

「ほぅ・・・」

 

 中々どうして、これを見てもまだ闘う肝の据わった奴がいるじゃないか。ベリュースとか言うのよりこっちの方が隊長をするべきだと思う。…金持ちのクズが上に行き易いのはこの世界でもお約束のようだ。

 

「流石は副隊長とやらと褒めてやりたい所だぁ・・・生憎、俺は腹一杯でな。お前たちの主人に伝えろ―――もしもまた俺に刃を向ければ、お前達の命も破壊しつくすだけだとなぁ!」

 

俺は気を開放し、精一杯脅して見せる。このぐらいやっておけば、闘う気も無くなるだろう。

 

「―――撤退だ!遠方の隊員にも合図を送れ。今すぐだ!作戦は中止だと伝えろ!」

 

クズ(ベリュース)が消え、副隊長殿も戦意が無いみたいだから何とかなりそうだ。だが、ここで逃がしてしまうのはマズイか?

 

(まぁ、殺り過ぎはよくないよね)

 

 

 そんな事を考えていると、一人の中年の男がこちらに駆け寄ってきた。隣には――あぁ、さっき助けた村の女がいるな、夫婦なのだろうか。

 

「もしもし?貴方様。先程は妻を助けていただき、誠にありがとうございました!娘も無事なようで―――何とお礼をしたらよいか…」

「構わん――此の位、容易いものだぁ。」

「ほぁぁ! 何と謙虚な御方なのでしょうか!貴方様はこの村の救世主です、どうかお名前をお教えくださいませ!」「ありがとうございます!勇者様!」「助かったぜ、勇者様!」「勇者様、万歳!」

 

(・・・何かスゴイことになってるううううううううううう)

 

溢れる歓声、鳴り止まぬ勇者コール、人殺して恐れられる筈だった悪魔は、村の勇者にされてしまったのだった。ナニコレェ

 

 

—―――――

 

 

 次々と王国周辺の村が襲われるという事件の為、王国戦士長率いる「ガゼフ部隊」が討伐に出ていた。どの村も悲惨なもので、戦士長で在りながら平民出身でもあるガゼフにとっては耐え難い事であった。

 

「次の村は、カルネ村という小さな村です。遠くから見た所、大した損壊は見られませんが――?あれは何だ?まるで料理のような煙が幾つも上がっています。」

「…確かに、火事にしては匂いがおかしい。まるで、大量の料理を作っている様な―――!?」

 

 村を目の前にして、信じられないものを見た。広場のど真ん中で一人食事をしている若い男がいた。何より、凄まじい勢いで次々と運ばれてくる料理の量と、その青年のそのまた更に凄まじい食いっぷりだった。

 

「そこの君!何をしているのだ?」

「ふぉふぇをみへわかわむか?めひをくっふぇいうもが(これを見てわからんか?飯を食っているのだ)」

「それは分かっている!何故そんなに勢いよく食うのだ!もっとよく噛め!」「戦士長、そこじゃないです!」

 

「ふぉれべもいふものはやはまんばがま(これでもいつもの速さなのだがな)」

「飯を飲み込んでから話せぇ!」

「もご・・・ゴクン――ふぅ、それで、何なんだぁ?お前たちは。」

「…私はリ・エスティーゼ王国、王国戦士長ガゼフ・ストロノーフ。この近隣を荒らし回っている帝国の騎士達を討伐するべくやって来たのだが―――」

ガチャッ「どうかされましたか?ブロリー様――おや?」

 

 

 ガゼフは、首を竦めながら言った。

 

 

「…貴様が村長だな?これは一体どういう状況だ?」

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

「―ということがあったのです。」

 

ガゼフは驚愕した。いくら修行僧(モンク)の職を持つとしても、騎士団を素手で、ましてや一国の王子が直接民を助けるなど、あり得ないことだ。

 

(それをいとも容易くこなしてしまう彼は一体何者なんだ?)

 

「そのお礼にと、夕食をご馳走しているのですが御口に合いましたでしょうか?」

「中々旨かったです。ご馳走様でしたぁ。」

 

「ブロリー殿!!」

 

 ガゼフは馬から飛び降り、頭を下げた。

 

「この村を救っていただき、感謝の言葉もありません。先程の非礼を許して頂きたい!」

「別に構わない。それよりも、気になるのだが――――

 

 

 

  「この村を囲うように感じる気は、何者だぁ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 ここまでご覧いただき、ありがとうございます。何だかんだで5話まで来ましたね!頭の中の物を文章にするのは意外と難しいもので、他の作者さんの素晴らしさが良く分かります。
 原作オーバーロードでは、NPCの性格や行動が設定に忠実という事なので、ブロリーも設定通り戦闘狂です。今は大人しい(?)ですがもしキレると・・・

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。