宇宙難民地球人   作:藤種沟

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どうも‼︎牛風です‼︎

ここ最近テストやらなんやらで大分投稿遅れました。

今回のテストは小説書く間も削って勉強したのに成績めっちゃ悪かった………

ま、勉強捨てて小説書くか‼︎(爆笑)
↑ものすごくダメな学生


宇宙を転々と
惑星ホウアシゲン


宇宙に出て早三日。

 

俺たちは黒龍重工のAIを止める装置をつくる為に、こうして旅をしている。

 

チームとしての目標はそれだけだが、俺にはもう一つの目標がある。

 

さらわれたおばあちゃんの救出である。

 

宇宙船の窓から見えるこの星々のどこかに、黒龍重工のアジトがあり、そこにおばあちゃんはさらわれているのだ。

 

なんとしてでも黒龍重工のAIを止める装置を完成させ、黒龍重工に乗り込み、おばあちゃんを救出しなければならないのだ。

 

ならないのだが………

 

「まずはどこへ行けば良いんだ?」

 

「ええ〜と………この設計図によれば………○✖️星にある△□山のなんたらかんたらを手に入れないといけないからなんから星のなんとか云々………」

 

ジョーダンに聞かれた俺はとっさに設計図を読み上げる。

 

「で、どこだ?」

 

「………さあ?」

 

宇宙の星々のことはよく分からない。

 

だって宇宙初めてなんだもん。

 

俺は操縦席に座っているマリアムに設計図を見せて叫ぶ。

 

「なあ、ここに書いてあるなんたら星ってどこにあるんだ?この宇宙船には地図機能はないの?」

 

「ないわ。地図機能なんて。車の地図ならいざ知らずこの広大な宇宙のマップなんかつくれるわけないじゃない。」

 

そりゃそうか。

 

「はあ………チロおまえなんかオウナにされてたけどなんか知らないかい?」

 

そう言って俺はチロを抱き上げ頭をなでてやる。

 

「カァ‼︎やっと頭触ってくれたのかい⁉︎」

 

⁉︎

 

思わずチロから手を離す。

 

オウナの声が聞こえたような………?

 

気のせいかな。

 

もう一度チロの頭をなでる。

 

「今から話しようと思ったんだから手を離さないでおくれよ。手をこの子の頭に置いてないとあんたはあたしの声が聞こえないんだから。」

 

⁉︎⁉︎⁉︎

 

「ち、ちょっと皆来て‼︎」

 

俺が大声で皆に呼びかける。

 

「今それどころじゃない‼︎今こっちはチェックメイト寸前なんだよ‼︎」

 

康裕がなんか叫んでる。

 

チャールズとチェスなんかやってやがる。

 

地球人の未来と俺のおばあちゃんの命がかかってるっていう重要な時に何やってんだ。

 

「俺も今パス。これからの目的地についてマリアムと話さないといけないから。」

 

なんだよ。どうせ分かんないんだからオウナの話聞けって。

 

ケッ、俺の言う事はそんなに信用ならんのかい。

 

「ナンカアッたですか?」

 

さっきまでシャワーを浴びていたショウちゃんがタオル一枚で戻ってきて俺のところに来る。

どうやら俺の呼びかけに慌ててとんできたらしい。

 

君だけだ。俺を信じてくれるのは。

 

チェスの盤とにらめっこしている康裕とチャールズとは大違いだ。

 

「ああ、負けた〜‼︎」

 

ざま〜康裕。

 

そしてなぜチャールズはショウちゃんのタオルをまるで獲物を見るような目で見つめてるの?

 

それはさておき、ショウちゃんは、チロの頭に手を乗せると、表情が一変した。どうやら、俺が聞こえた声が彼女にも聞こえたらしい。

 

「ミンナ‼︎こっち来てみテ‼︎ナンカ聞こえるヨ‼︎」

 

「何?」

 

「そっか、チロはオウナからなんかしてもらってたもんね‼︎」

 

俺敢へて問ふ。何故俺が呼びかけた時は誰も見向きもしなかつたのにショウちゃんが叫んだ時は皆興味を示すのか。

 

皆がチロの頭に手を置くと皆本当に驚いている。

 

俺が発見したのに何故ショウちゃんばっかり尊敬の眼差しを向けられるのか。

 

「皆手を置いたかい。全くこの三日間誰もこの子の頭なでないんだから驚いたよ。」

 

チロの頭に置いた手から、オウナの声が伝わる。

 

「あたしはね、チロに何をインプットしたかと言うとね、この声のメッセージさ。この子の頭に手を置くとあたしの声が聞こえるようになってる。行くべき星とかその星のどのへんに材料があるかも全部これで分かる。

そこに着いたらチロが多分勝手に鼻で見つけると思うけど。」

 

まどろっこしい‼︎

 

俺は即座にそう思った。

 

なんでそういう情報を犬にインプットしたんだろう。

 

人間に言えばいい話。口ではとても言い切れない膨大な量の情報だったら、チロにやったみたいに人間にインプットすれば、わざわざメッセージを使わなくても言葉で説明を………。

 

「バカだね。あんたらに宇宙の事が説明できるんかい‼︎こうしてメッセージ使わないと説明できない事たくさんあるんだ‼︎」

 

こ、こいつ、メッセージのくせに心を読みやがった‼︎

 

「あんたら人間にメッセージをインプットしようと思ったらまず女子じゃないといけない。これは魔法解剖学で決まってるんだ。しかもそのメッセージを見るには、その女子のへその下、足の付け根くらいに触れないとダメなんだ。」

 

犬は頭なのに人間はへその下、足の付け根だと?

 

女子二人が目を丸くしてお互いを見つめる。

 

その様子を見ていたチャールズが、

 

「チェッ‼︎」

 

と舌打ち。

 

ヘイ、一体何を思ってその舌打ちをしたのかね?

 

「ほら変な妄想してないでとっとと材料の話しちゃうよ‼︎このメッセージだってチロの体力すごい消耗するんだから。

 

今あんたたちは………ショーク・ザマ星雲近辺を通ってるんだね。だから一番近い材料は………惑星ホウアシゲンの鉄だね。

 

惑星ホウアシゲンで加工された鉄は性能が良いからね、装置の骨組みやら外装やらつくるのにはぴったりの鉄なんだ。

 

まずはそこに行きな。そこで鉄をたくさん手に入れるんだ‼︎

 

場所はそこから光速ワープ10回して………」

 

そこからは専門用語(宇宙船に関する)ばかりで何を言っているか分からなかったが、オウナが全て話し終わった後マリアムはコクリと頷いて操縦席に座る。

 

「さあ行き方はその子に伝えたからあとはホウアシゲンに行くだけだ‼︎必ずそこの鉄をもらってくるんだよ‼︎いいね⁉︎」

 

「おう‼︎」

 

俺たちは、チロの頭に手を置きながら掛け声を合わせた。

 

 

 

 

 

 

 

あれから30分あまり。

 

「着いたわ‼︎ここが惑星ホウアシゲンよ‼︎」

 

マリアムがそう言うと、皆窓からそのホウアシゲンとやらを見る。

 

地球よりも少し小さめだが、見た感じ海も雲も陸もある。

ここなら生物が生息していてもおかしくはない。

 

「着陸するわ‼︎どこかに捕まって‼︎」

 

そう言うとマリアムはいっきに宇宙船の高度を下げる。

 

「あわわわわ、ちょ、ま、あ、圧がかかるぅぅぅぅぅぅ‼︎」

 

そんな叫びもマリアムには届かず。

 

「あと少しで着陸よ‼︎あたしも宇宙船の着陸初めてだから命の保証はできないけど。」

 

「はぁ⁉︎ま、待て‼︎着陸ちょっと思いとどまれ‼︎」

 

康裕がこの圧の中舌を噛まずにマリアムに叫ぶ。

 

「ダメよ‼︎もうここまで来たら上昇できないわ‼︎」

 

「なんで着陸一回もした事ないのにハンドル握ってんだよおまえは‼︎」

 

「しょーがないでしょ‼︎多少なりとも操縦できんのあたしだけなんだから‼︎だったら康裕が運転しなさいよ‼︎」

 

「出来るわけねーだろ‼︎くそ‼︎やっぱり中学生が宇宙船を運転だなんて無理だったんだ‼︎」

 

「安心して。これでも小さい頃お父さんの事業の関係で宇宙船にいっぱい関わってきたから‼︎」

 

なんか二人で言い合ってるけど横から見るとすごいイチャイチャしてる様にしか見えぬ。

 

マリアムさんはよそ見せずに着陸に集中してください。

 

 

 

 

ドォーン………

 

いきなり響いた地鳴り。

 

そうこうしている内に着陸できたらしい。

 

外からは何も聞こえない。

 

「ち、着陸できたわ‼︎」

 

マリアムが叫ぶ。

 

「ね?中学生でもちゃあんと着陸できたわ。どう?見直した?」

 

マリアムが康裕に対してピースサインをする。

 

おい、なんだあの怪しい雰囲気は。

 

なんか二人和気あいあいと肩をたたきあったりしてるぞ。

後で殴ってやる。

 

「おい、とにかく外に出よう。はやくその装置に使う鉄を手に入れないと。」

 

よく言ったジョーダン。今はいちゃいちゃしておる場合ではないのだ。

 

するとチャールズがジョーダンやマリアムに英語でなにかを主張している。

 

康裕が分かったような顔でチャールズの話聞いてるけど分かってないだろ絶対。

 

よし。俺も分かったような顔で話を聞こう。

 

「ペラペラペラペラ」

 

「ペラペラペラペラ」

 

………………

 

ははーん分かったぞ。今夜の夕食について話してるんだな。

 

「違うよ。この惑星の大気とか気圧とかは大丈夫かな?って話してるのよ。外に出て窒息しちゃ洒落にならないわ。」

 

あ、そういう話でしたか。

 

「えぇ⁉︎チロがこの宇宙船のどこかにウンコしたってそういう話じゃなかったのぉ⁉︎」

 

よし。康裕を殴る回数を倍にしよう。(チロが康裕の足を噛んでいる。いいぞチロ‼︎)

 

「でも………ショウちゃん先に外出てっちゃったよ。」

 

「………………はぁ?」

 

この宇宙船にはまともな人間乗ってないのか。

 

「と、とにかくショウの後を追いかけよう‼︎もしかしたら窒息してるかも。」

 

「オーイ‼︎外トッテモ空気オイシイよ‼︎ナンで皆宇宙船にこもっテルの?」

 

外から先にいった気狂いが叫んでる。

 

「と、とにかく外は大丈夫らしいね………」

 

俺たちはなかば唖然としながら外に出た。

 

 

 

 

 

 

「うあー………」

 

着陸した場所は崖の上であった。

 

しかも、崖から見下ろすかぎり、惑星全てが森に囲まれていた。

 

「ま、まるで木の惑星ね………」

 

見た感じでは日本の山奥とあまり変わらないような風景だが、アラブで育ったマリアムには不思議な光景なのだろう。

 

「船は小サクしなくてイイのデスカ?」

 

ショウちゃんがマリアムに言う。

 

小さくする………?

 

「ああそうか、小さくしないと………」

 

マリアムが宇宙船の入り口の扉の横のボタンを押す。

 

ポチッ………

 

ゴゴゴゴゴゴゴッ………‼︎

 

ボタンを押した途端、宇宙船がみるみるうちに小さくなってゆく。

 

「こうして小さくして持ち歩いてれば私たちが留守の間に乗っ取られることもないしもしもの時はいつでも大きくして脱出できるのよ。」

 

ヘェ〜便利なもんだ。

 

 

 

 

「誰だ‼︎」

 

宇宙船が小さくなってゆく様をまじまじと見ていたその時、後ろから何か野太い声が聞こえた。

 

「貴様ら一体何者だ‼︎」

 

見ると背後の森の中から戦国時代の甲冑のような格好のおっさん達が出てきていた。

 

「ここは進入禁止のエリアだぞ‼︎とりあえずこやつらをひっ捕らえよ‼︎」

 

「は‼︎」

 

「何⁉︎」

俺たちは、早くもこの星に来て早速危機に見舞われた。

 




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