宇宙難民地球人   作:藤種沟

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どうも‼︎満員電車の中でこの小説を投稿している手羽先ちゃんです‼︎

満員電車の窮屈なこと‼︎全く大変ですよ〜…………

頑張って書いた小説、お楽しみください。

(第三話は少し軽めに書いたつもり)


宇宙人の襲撃

「行ってきま〜す。」

 

俺はおばあちゃん一人を残して部屋を出る。

一人兵士として駆り出されるとか、家出、とかそういう深い意味はない。ただ学校に行くのだ。

 

この宇宙船には即席の学校がある。

 

勉強嫌いの俺からすると迷惑な話だ。

 

学校はこの船の一番下にある。

今日、船に乗って最初の学校なので、クラスが新しい。

ま、前の学校で仲の良かった友達が誰も俺と同じ船に乗らなかったから、友達をつくるっちゅう面では学校も良いのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

教室の中は、だいぶ想像と違った。

この宇宙船には外国人が多く乗っているとは聞いてはいたが、クラスメートの3分の2以上が外国人とは驚きだ。

 

とりあえず自分の席に座る。一番窓側の、一番奥の席だ。

地球の学校なら、窓からの温かい日差しで、眠るのにぴったりの席だが、あいにくにも、窓から見えるのは星や星雲ばかり。まあ、それはそれで良いんだけどね。綺麗で。

 

 

 

「コンニチハ!」

 

ぎこちない日本語で挨拶され、振り向くと、女の子が笑っていた。

 

「私…ショウ・ロンポウと言いマ〜ス‼︎アナタと席トナリ!コレからヨロシク頼みマス!」

 

ぱっと見日本人だが、ぎこちない日本語と、彼女のTシャツにプリントされている文字からすると中国人だろうか。

 

ぎこちない日本語はしょうがないとしても…………なんかテンションが高い。

 

「I like you(あなたが好きだ)‼︎」

 

いや、初対面で「あなたが好きだ」って言われても…………困るんですが…………(笑)

 

「Hello‼︎」

 

今度は金髪の男子だ。

背が高いな〜。とても同い年とは思えない。

 

「My name is Charles(私の名前はチャールズ)‼︎ I'm French(私はフランス人です)‼︎」

 

あ〜フランス人の方ですか。

 

こいつもテンションが高かったから、

 

「アイアム ア エイリアン‼︎」

 

とジョークをかましたらそいつ急に黙りやがった。さっきの女の子も黙った。悪かったな‼︎つまらなくて‼︎

 

「Hey‼︎」

 

今度もまた背が高い。

さっきのフランス人よりもさらにでかい黒人だ。同い年……だよね?

 

「I'm a alien(私はエイリアン)‼︎ Yeah‼︎」

 

「Yeah‼︎アハハハハ‼︎」

 

何で俺がエイリアンというとしらけるのに彼がエイリアンというとうけるんだよ〜‼︎

 

「ハハハハハ、冗談はこれくらいにしよう。僕の名前はジョーダン。よろしく‼︎」

 

さらりと流暢な日本語喋るのね。

 

「ねえ。私も話にまぜて!」

 

今度はアラブ人だ。彼女も日本語が話せるらしい。

 

「私はマリアム‼︎よろしくね‼︎」

 

これまた流暢な日本語だ。

しばらく俺とショウちゃんとチャールズとジョーダンとマリアムで話していたが会話のほとんどが英語…………本当に国際色豊かな教室だ。皆さまざまな国籍の人で、英語話して通じ合ってるみたいだけど俺全くついてけてないからね⁉︎どーしてくれんのよ⁉︎

 

…………

 

 

 

とまあ今までとは違う異色な友達ができ、普通に授業して普通に学校は終わった。

 

「皆で一緒に帰ろうぜ‼︎」

 

ジョーダンがそう話しかけてきたので一緒に帰ったが、なんか横で一緒に歩いているとジョーダンの背が高くて俺がとても小さく見える。しかもジョーダンは雰囲気がカッコ良いから余計俺がみずぼらしく見える。

 

さらにジョーダンがチャールズに英語で話しかけている。そしてチャールズを連れてきた。

でかい人に挟まれてみずぼらしく歩く俺。

 

 

 

 

チャールズとジョーダンの会話に、持てるだけの英語の知識とジョーダンの通訳でなんとか会話しながら、宇宙船の広場についた。

 

広場にはショウちゃんとマリアムちゃんが二人で話していたが、そこにチャールズとジョーダンが近づく。そしてなんか四人で英語で話している。どうもチャールズとジョーダンは二人を口説いているようにも見える。

 

もしかして宇宙に出て俺が一番困るのは通じない言葉と癖の強い友達なのではないか?

そんなことを思いながら四人の会話に日本人の意地でつっこみ、談笑していた。

 

今、宇宙でとんでもないことが起きているとは、この若い四人には分からなかったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

〜地球人宇宙移住計画対策本部〜

 

「アメリカ船、応答せよ‼︎アメリカ船船長‼︎」

 

「…………アメリカ船から対策本部へ…………今宇宙人に襲撃を受けている……‼︎………もうじきこの船長室も落ちる………ここには傷ついた兵士でいっぱいだ………もうこの船はダメだ………」

 

「対策本部からアメリカ船へ‼︎希望を捨てるな‼︎脱出用ボートはどうした⁉︎」

 

「………アメリカ船から対策本部へ…………ボートは皆発車した…………ボートに乗る人々をかばうようにして…兵士や船員が宇宙人と戦ったから………我々はもう…ウワー‼︎」

 

「アメリカ船⁉︎どうした⁉︎」

 

「エイリアンが………我々はもう…ギヤー‼︎………ブツッ(通信の切れる音)」

 

「一体アメリカ船では何が………」

 

ダダダダダッ‼︎

 

「何だ今の銃声は⁉︎」

 

「エイリアンだー‼︎逃げろ〜‼︎」

 

「死ね地球人ども‼︎」

 

ダダダダダッ‼︎……………………

 

 

 

 

 

 

 

「司令官‼︎地球のリーダー、アメリカの船と、地球人の移住の対策本部を襲撃し、征圧しました‼︎」

 

「ご苦労‼︎では片っ端から地球人の船を襲撃しろ…………歯向かう者は殺せ‼︎降伏した者は本部へ連れてこい‼︎ぬかりなきようにな。」

 

「はっ‼︎」

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日、俺は普通にまた学校へ行った。

学校で午前中の授業が終わり、昼休みに入っていた。

 

「ふぅ〜…………言葉が通じないってのも厄介だな〜」

 

俺は窓から宇宙の星々を見ながらそう呟いた。

すると…………

 

何やら宇宙船のようなものがこちらに近づいてくる。それもかなりの数だ。そしてそこから何かが降りてくる。人間だろうか。

ぼんやりその様子を見つめていると、なんとその人間たちが俺らの乗る宇宙船の壁を銃のようなものでつき破り、中に入ってきたではないか‼︎

 

ブーブーブー‼︎

 

警報が鳴り響く。昼休みでのんびりしていたクラスメートたちがどよめく。廊下が何やら慌ただしい。

 

俺はこの瞬間、すべてを悟った。

 

 

 

 

 

 

宇宙人の襲撃だ。

 

 

 

 

 

 

俺はとっさに教室を出て、様子を見に行く。

 

学校のある階から出て、皆のいる広場へ。

そして広場に入ろうとした時、誰かに腕を掴まれた。

 

「やめとけ。今その広場には宇宙人うじゃうじゃいるぞ。」

 

声をひそめて話しかけてきたのは俺と同じくらいの歳の学生だ。胸につけてる校章を見ると同じ学校だ。まあ、この宇宙船には学校は一つしかないけど…………

 

「君は?」

 

俺はとっさに聞いた。するとそいつは

 

「俺は福川 康裕。宇宙船内臨時中学校三年。君は?」

 

「俺は大堀 光。俺も臨時中学の三年だ。」

 

「よろしく…………おっと、のんびり自己紹介してる場合じゃないんだ。俺もさっき広場に様子を見に来たんだけど宇宙人に見つかっちゃってさ。今逃げてるんだ。」

 

「ふ〜ん………今逃走中か…………ん?待てよ。ってことは…………」

 

「そう、今後ろから宇宙人が銃持って追っかけてきてる。」

 

「くぉら待て〜‼︎」

 

確かに後ろを向くと銃持って武装し、足が四本くらいあるどでかい怪物が追っかけてきていた。

 

「それをもっと早く言え〜‼︎」

 

俺は叫びながら走り出した。康裕も俺と同じ方向に逃げるから当然宇宙人も同じ方向に追っかけてくる。

 

「ついてくんなよ‼︎」

 

「だってとりあえず学校に戻るんだい‼︎」

 

「俺も学校に戻るんだよ‼︎」

 

「死ぬ時は一緒だぜ、相棒‼︎」

 

「勝手に殺すな〜‼︎」

 

宇宙人はでっかい図体してるくせして足が速い。

 

「このままじゃ追いつかれる‼︎ここから近い校長室に逃げ込もう‼︎」

 

校長室に逃げ込むと、すぐにドアに机やら椅子やらよく分からん置物やらを置いてバリケードをつくった。

 

ドンドン‼︎

 

あの宇宙人がドアを叩く。

 

「これでしばらくはあいつ入ってこないぞ。」ドンドン‼︎

 

「でもすぐにドアとバリケードを破ってくるぞ。」ドンドン‼︎

 

「…………」

 

校長室には校長もいなかったし、電話もなかった。

「電話があれば応援を頼めたのにな…………」ドンドン‼︎

 

「校長がいればおとりにして逃げれたのにな…………」ドンドン‼︎

 

ゴソッ…………

 

「ん?校長か?」

 

音のする方を見ると、そこには人がいた。

 

「ショウちゃん‼︎」

 

「ヒカル…………?」

 

中国語っぽいなまりで俺の名前を呼んだ彼女は、いきなり俺に飛びついてきた。

 

「何ガ起こってルンだ‼︎言え‼︎ホラ早く‼︎このヤロ‼︎」

 

言葉が乱暴なのは単純に日本語の単語をよく知らないからなのか単純に気が動転しているのか…………

ただ分かるのはその様子を康裕が警戒していることだった。はたから見れば新たな敵が現れたと思う…………だろうか?

 

ドンドン‼︎バキ…………

 

「やばい…………ドアが崩れかかっている。」

 

おっと余計なこと考えている暇なかった。

 

「むむむむ…………何か武器があればなぁ…………」

 

校長室に武器になりそうなものなどあるだろうか?宇宙人にも対抗できる武器…………

 

俺がふと校長室に飾ってある骨董品に目を向けた。壺、皿、瓶、刀…………

む?日本刀が二本あるぞ…………

 

…………

 

「康裕、」

 

「どうした光?」

 

「刀で宇宙人に対抗できるかな…………」

 

「…………何?」

 

俺は校長室の刀二本のうき一本を自分の右手、一本を康裕に差し出した。

 

「おい、おまえ…………」

 

「これは賭けだ。」

 

ドンドン‼︎バギィッ‼︎

 

ドアにひびが入る音。もうすぐドアは破れ、バリケードも崩されるだろう。

 

「俺たちが助かる道はただ一つ。」

 

そういうと、康裕は黙って頷いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次話、光と康裕が日本刀で宇宙人に立ち向かう‼︎

乞うご期待‼︎

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