宇宙難民地球人   作:藤種沟

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本編スタートです‼︎

テスト週間なのに小説書いてていいものなのか…………

ま、心配無いさ!
↑そしてテストが返ってきて泣く僕。


宇宙出立の衝撃
地球出立


俺は大堀 光(おおほり ひかる)。今から地球を出る手続きをする。何でも地球人はいち早くこの星からでなければならないんだそうだ。全く迷惑な話だ。

 

「光、宇宙というのはどんなものだろうね〜」

 

おばあちゃんがのんきに話す。多分この手続きに来ている人々の中で、のんきに話してられるのはおばあちゃんくらいなものだ。皆、地球を出て、宇宙に移住する、ということへの不安を募らせているのだ。

 

「次の方どうぞ〜‼︎」

 

俺たちの番だ。受付に行く。

 

「お名前は?」

 

「大堀 桜です。」

 

おばあちゃんがゆっくりとにこやかに答える。

 

「ご家族は?」

 

「孫だけです。」

 

おばあちゃんはまたゆっくりと答える。

 

俺はおばあちゃんと二人で暮らしている。元々俺は一人っ子で、母さんは病気で死に、父さんは政府の高官だったらしいが、暗殺されてしまった。父さんも一人っ子だったので、いとこもいない。

 

「お孫さんのお名前は?」

 

「大堀 光です。」

 

「歳は?」

 

「私が87で、孫が15です。」

 

「宇宙船に持っていくものは?」

 

「えーと…………そおねぇ…………」

 

作業が着々と進んでいくのを横目に、俺は宇宙についてボンヤリと考えていた。

 

その昔、宇宙飛行士になるのが夢だったので、宇宙や、宇宙人には興味がある。ただ、なんだか…………宇宙に移住となるとなんとも言えない不安が頭を覆うのだ。

 

 

 

 

 

「さあ、行くよ。」

 

「うん。」

 

おばあちゃんと家に帰る時もボンヤリと空を眺めて歩いた。

俺は地球にはなんの未練もなかった。父さんが殺されて、憎しみのはびこる世界に対して怒りを覚えたことがある。それが原因で、母さんも病気になって死んだ。

この物騒な状況が変わるのなら、宇宙だろうがどこだろうが行く。ただ、その宇宙にいくのを決めたのも、物騒な世の中をつくった、あの自分勝手な権力者たちだ。だからこそ不安であり、なんだか癪なのであった。

 

 

 

 

 

その夜も、おばあちゃんと一緒に、二人で食事をする。

 

「あと一週間で宇宙だねぇ。」

 

「うん…………」

 

おばあちゃんはプラス思考なのかのんきなのか分からないところがある。

 

「おばあちゃんが子供の頃は、宇宙に行けるのは一握りの人だけだったのよ。」

 

「うん…………」

 

「そりゃ、この家を離れるのはいやだわ。おじいちゃんや、あなたのお父さんのお仏壇も持っていけないから、もう会えないしね。でも、私の若い頃にお偉いさんたちが決めたことだからねぇ。仕方ないのかしらねぇ。」

 

おばあちゃんの独特な話かたは、俺は好きだ。

俺くらいの年頃になると反抗期とかいうものになるらしいが、俺にとって唯一の支えに、反抗することなんてできない。友達が親の愚痴を言っているのは、どうも理解できなかったのだ。

唯一の支えであるからこそ、宇宙に言って大丈夫なのか、という心配も起きるのだ。

年老いたおばあちゃんが、本当に宇宙にいって大丈夫なのだろうか。

 

「私も八十何年生きてるけど、ここまで興奮するのは初めてよ。」

 

俺のそんな心配をよそに、おばあちゃんは期待を膨らませていた。

はたして、おばあちゃんが無理に明るく繕っているのか、本当に興奮しているのか、俺には分からなかった。

ただ、分かるのは、おばあちゃんはどことなく寂しげであった。

 

「私、その宇宙人のいるところに着くまでに生きてるかしらねぇ。」

 

おばあちゃんが少し、ため息をついた。

 

 

 

 

 

 

 

それからあっという間に一週間が過ぎた。

 

一週間何するでもなく、学校いって、ご飯食べて…………

 

ただ、学校の友達とは、お別れ会みたいなものをした。

乗る宇宙船は、ランダムだから、違う宇宙船に乗ると、あっちに着くまでもう会えないのだ。

 

「同じ宇宙船になるといいな。」

 

「ずっと友達でいような。」

 

「むこうに着いたらまた遊ぼうぜ。」

 

…………

 

…………

ワイワイ皆で騒いでいたが、やはり皆寂しげだ。

なんだか、皆が遠くにいってしまうような気がしてならなかった。

 

 

 

 

 

 

宇宙船に乗る日がやって来た。

 

何でも、自国の宇宙船に乗り切れなかった外国人も、日本の宇宙船に乗ってくるらしいから、グローバルな旅になりそうだ。

 

「はい、大堀さんですね。えーと大堀さんは…………ああ、そうだ、大堀さんは五番の船に乗って下さい。」

 

宇宙船に乗ると、何と外国人の多いこと。

 

そしてもっと驚いたのが、学校の友達とは、誰も一緒の船にならなかったことである。

 

「大堀さんはこの707号室を使ってください。」

 

どうやらその707号室に俺とおばあちゃんは住むらしい。

中は割と広く、二人で住むにはあまるくらいだ。

 

「光、フカフカなベットよ!おばあちゃん嬉しいわぁ。」

 

おばあちゃんが部屋を散策している。

 

「まあ、台所もあるのね!」

「こんなに大きい冷蔵庫!」

 

「テレビも見れるなんて!」

 

おばあちゃんが珍しくはしゃいでいる。まあ、とくに悪いってわけじゃないけど…………

 

 

 

 

 

どうやら全員宇宙船への搭乗を終えたらしい。

 

テレビに総理大臣が映った。

 

「皆さん、こんにちは、総理大臣の桂 取太(かつら とれた)であります。日本の宇宙船、七機全ての搭乗が完了致しましたので、早速飛び立ちたいと思います。少々最初は揺れることがあるそうであります。しかと捕まって怪我のないようお願いいたします。

もう既にイギリスや、オーストラリアなどの国は出発しております。日本は、十二カ国目の出発となります。

では船長、発射ボタンを。」

 

テレビに、船長が発射ボタンを押す姿が映し出された。

すると、いきなり船が揺れ始める。

 

「光!どこかに捕まるのよ!」

 

おばあちゃんが叫ぶ。

俺はとっさにどこかに捕まると、窓を見た。

一体、宇宙へ飛び立つ時はどのように飛ぶのだろうか。

 

 

見ると、もう雲の上まで飛んでいた。

そう思うともう宇宙空間に到達し、火星、木星と過ぎていった。

 

「皆さん、もう大丈夫です。ロケットは何とか軌道に乗りました。これで総理大臣のテレビ放送は終わります。」

 

総理大臣が頭を下げて、頭から何かが落ちる瞬間にテレビが切れた。

 

 

 

 

 

 

その頃、宇宙空間…………

 

「将軍!地球からまた何か宇宙船が!」

 

「ふむ…………あれは日本という地域のものじゃろう。」

 

「いかがいたしますか⁉︎」

 

「…………まあ捨て置け。我々が狙うのは地球で一番強い国…………」

 

「分かりました!攻撃隊!その宇宙船団は無視しろ!」

 

 

「ふふふふ…………これでやっと…………奴らに復讐することができる…………」

 

 

 

 

新たな新天地へ飛び立った地球人たちに、大いなる敵が現れようとしていた。

 

 




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