タンカー護衛の依頼を終わらせキッドナッパーの映像をiDROIDで確認すると
追跡させていた3機の映像の内2機の映像が止まっている
映像の送信自体は行われていることから地上に落ちたと考えられる
地面に落ちた2機を回収に向かう
「・・・凍ってる?この時期に」
キッドナッパーは凍って地面に縫い付けられていた
一応システム自体は生きている、氷を溶かせば使えるだろう
「冷却液でも漏れたか?」
冷却液を格納してるタンクを確認してみるが漏れたような跡はない
落ち着いて考えてみれば冷却液は冷やすことはできても凍らせることはできないはずだ
ならなぜ凍っている?
考えられる可能性はいくつかあるが、状況を説明するのに一番早いのは
「冷気、もしくは氷を操る能力者か・・・?」
能力者自体はこの世界に実在はしている
SSR、超能力捜査研究科が作られる程度には認知されているからな
IDROiDでキッドナッパーの位置情報を確認し、現場に向かう
「ここは?」
武偵校の近くにある車輌科、第三備品倉庫付近をキッドナッパーの位置情報は示していた
そして備品倉庫の扉の近くにキッドナッパーが凍って落ちている
ここまで来たはいいがこのままでは追跡が困難になる
「クリサリスを出すか?流石に光学迷彩を付けないと目立つな・・・」
キッドナッパーを1、2機出したところで見つからかどうかは分からん
追跡方法を考えている最中、響の後ろから大振りの剣を持った女が歩み寄っていく
「動くな、私を追っていたのはお前か?」
剣を背中突きつけ追跡者が響か質問してくる
「・・・確かにそうだ、だが動くと危ないのはそっちの方だ」
時を止めて空中に展開させたキッドナッパー20機を指し示しながら剣を下げるように促すが剣を下げる気はないらしいが相手に向き直る
「この程度で脅しになるとでも?ただ追跡して映像を送る程度の玩具がいくら大量にいたところで脅威ではない」
「勘違いしているようだから説明してやる、コイツには攻撃武器を搭載している。ただ映像を送る程度の玩具とは違う」
キッドナッパーに武器を取り上げるように命令を送る動作を隠しながら説明する
『目標発見、ワイヤー射出』
キッドナッパーの人工的な音声が周囲に響き渡ると同時に女の持っている剣を数機のキッドナッパーのワイヤーが取り上げる
「なんだ!?」
ワイヤーで剣を取り上げられ困惑する様子の女に対し一言だけ言う
「さて、俺の名は黒羽響・・・お前の名は?」
「・・・ジャンヌ・ダルク30世だ。名を名乗るのは構わないが私はやる事がある、すまんが剣を返してくれ」
「斬ってこないなら構わん」
ワイヤーから剣を外しジャンヌ・ダルクを名乗る女に渡す
「ジャンヌ・ダルクは15世紀に魔女として10代で処刑されたはずだ、ジャンヌ・ダルク30世を名乗るということは子孫という認識で問題ないのか?」
「ああ、問題ない。処刑されたのは影武者だ」
まさかジャンヌ・ダルクが出てくるとは思ってなかったな
名前どうにか略せないかな、長いんだよな・・・
「名前はどう呼べばいい?」
「呼びやすいように呼べ、ジャンヌと呼ばれることは多いが」
ジャンヌか、呼びやすくはなった
最初の険悪な空気からここまでよく進路変更できたと思う
ジャンヌの心を読んでみたが、ここに来たのは星伽白雪という武偵を仲間に迎えるためだそう
しかし、その中に出てきた「イ・ウー」という単語が何かまでは分からなかった
やはり詳細を調べたいところだが生憎捜査は専門外だ
うん、ジャンヌ出てきちゃったね、知ってたって?だろうね
それはさておき話の展開が都合良すぎるなと自分でも思うんですがそもそも異世界転生ものって都合のいいように出来てるから気にしないようにするべきですかね