「はい、チーズ」
主砲の前に整列した彼らの写真を撮る。こっちが用意したカメラではなく海保の備品の奴で。本来は密漁者の証拠写真などを撮る目的のものだが写真を撮るという一点においては相違はないだろう。
「今日はありがとうございました。なかなかいいものが見れましたよ」
上機嫌にこちらに挨拶をする哨戒艇の艦長。やはり大和って男のロマンなのかな?
「いえいえ。お気をつけてお帰りくださいね」
「はい。では、これで失礼します」
よし帰ったな。彼らが船をおりたら船を離して全速離脱でいいかな?
艦橋に戻り海保の哨戒艇が離れたのを確認し伝声管で機関室に指示を送る
「艦橋から機関室。用意いいか?オクレ」
「機関室用意いいわよ」
「了解。機関始動、両舷前進強速」
さて、海に出ても暇は暇なんだよな。やることがないっていうのが一番。
今更大和に戦闘の機会なんてないし。むしろ必要ないし。とりあえず学校の単位は問題ないし1週間くらい世界中を回ってみるか。まずはどこから始めるかな。・・・アメリカ?
sideルプス
さて、俺に出番が回ってくること自体誰も予想してなかっただろう。いや、俺自身予想してなかった。
俺が今どこにいるかと言われればご主人(仮)と一緒に船の上。ただし、なんかメカメカしい奴が俺の目の前で俺と同じく座っている。
『おい』
喋った?!おいなんだよこの黒いの!怖いんだけど!
『やはりただの犬には言葉が通じないな』
俺は犬じゃない!俺は狼だ!
言葉こそ話せないが内心悪態をついていると見るからに重そうな体を持ち上げどこかに歩いていく
『さっきの奴と話してくるか・・・』
“こういうの”をどっからか持ってくるのは十中八九俺の主人で間違いありません。はい。
しかしながらやっぱり、あれだな。歩くたびにコイツガチャガチャうるさい。どううるさいかって言えばわかんないけど。
side響
さて、時間はかれこれ進みまして。直前のsideから約40分くらい後のこと。
何の問題もなく順調に船は海の上を進みます。ええ、それはもちろんジョナサン・ジョースターの乗った飛行機がごとく。当然ながら先ほどのパトリシアとの会話の内容忘れたわけではありません。ありませんとも。ただ・・・ちょっと来客があって手がまわらなかっただけでして
艦橋に引きこもって操舵しながら持ち込んでいるPCでイタリア方面の観光名所を調べていたんですよ。調べていたんですけど。前述の会話の内容、「手が空いてるなら食事を運ぶのを手伝って」という話。まあイタリアの観光名所を調べるくらいですから?当然手は空いているわけですよ。そこに食事をわざわざこの広い艦内の艦橋まで親切にも届けてくれたパトリシアさんに見つかりまして。
「・・・今に至ります」
「いや、別にいいんですよ?わたしは。でも手が空いてるなら少しは私を探したりして手伝ってくれようとしてもいいんじゃないかなって行っているわけであって(ry」
これで40分使っています。
誰か助けて・・・