ひょんなことから転生しました   作:雷蛇1942

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若干の違和感:後編

 

 

プログラムの動作確認をすると言ってから既に2時間が経過している。確かにAIなら必要な時間は膨大になるだろうがいい加減に俺たちもしびれを切らしてきた。もうG.W.でもJ.D.でもそのAIと入れ替えてやろうか?いやもう“彼女”と直列接続して――

 

「ごめんなさい、なるべく急いだのだけれど随分待たせたわね」

 

「待つより待たせるほうが多いから気にしないでください。さて、移動する時間ももったいないのでファストトラベル的なアレで」

 

「え?」

 

「ザ・ワールド!時よ止まれ!」

 

時間を止めてスキマを開き長瀬家に繋げる

めんどくさいと言われるかもしれないが時間を鑑みればまあ悪くない選択だと思う

全員がスキマを通して移動したことを確認してから時間を動かす

 

「そして時は動き出す」

 

「何を・・・?え?どうして?あれ?」

 

「お前、毎回こんなことを?」

 

「ここが局長の自宅・・・!?」

 

今気がついた、3人は余分だったな。まあいいや、もう遅いし

 

「カズ、戻ったぞ」

 

「おう、戻ったか。長瀬夫妻は?」

 

「うん?ああ、向こうにいるよ」

 

「そうか。ところで、お前がいない間にこの家を改めて見てみたがどうして携帯とか財布を置いて出かけたんだ?」

 

「知らん、急いで出かけただけだろ?美夜ちゃんは?」

 

「さっき自分の部屋に行ったぞ」

 

「ならいいか・・・荷物をまとめろ、挨拶してから撤収するぞ」

 

「了解」

 

今いるのが1階のリビング、さっき移動してきた時は玄関だったし1階に人がいる気配はない。既に2階の美夜ちゃんの自室に向かったのだろう

2階からは謝る声と美夜ちゃんの怒り気味の声が聞こえてくるから説教中だな。それと・・・あの3人はどこだ?

 

「古川~?」

 

いない、家の中じゃないなら外か。

庭に回って見ると鯉のいる池の近くに立っていた

 

「どうした?後の二人も見当たらないが」

 

「ああ、あいつらは今飯を買いに行ってるよ。時間も時間だしな」

 

「ああ、なるほど。俺らは帰るが、お前らは残るか?」

 

「まあな、一応飯を食ったら帰るがな」

 

「じゃ、またな」

 

「おう」

 

そろそろ落ち着いた頃だろうし、挨拶するなら今だな。

家の中に戻り2階に上がるとちょうど1階に降りるところだった。

 

「今日はありがとう。何かあったら私の研究所に来るといい」

 

「はい。それでは、今日のところは失礼します。このあと予定がありますから」

 

「そう。わかったわ、じゃあまた今度」

 

「響、またね」

 

「ああ、また。」

 

階段を降りるとカズが待っていた

 

「帰るぞ。・・・お前あのケーキっていうか菓子はどうした?」

 

「冷蔵庫に入ってるよ」

 

「そうか。お前も一声かけてから出てこい、外で待ってる」

 

「分かってるよ」

 

とりあえずは一件落着、さっさと帰って神風に金を払おうか。あ、このあと予定があるっていうのはこれじゃないよ?

しばらく待つとひょっこりと玄関からカズが顔を出した。帰ろう、帰ればまた来られるから

改めて夕日が海ではなく街に沈む光景を見て「西日本に行きたい」と思う我である

 

 

side???

 

やっと仕事が終わった。長かった、いや短かったか?まあいい、これで家に帰れる

ああ、やっと!家族に会える!私の可愛い弟よ!

 

一体どこの軍だ?と聞かれそうな格好をした少女。

容姿、主に胸部についてなら一般女性レベル。しかし目を引くものと言うならば灰色に近い銀髪だろう。

 

「おい黒羽(・・)

 

「なんでしょう?」

 

「ああ、帰るんだろ?送っていくよ」

 

「ありがとうございます。ではお言葉に甘えて」

 

待っていて。響ッ!


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