尋問ってのは苦手でね、なんというか爪を剥いだりとか見てるだけで指先と背筋に悪寒が走る。まあ今回の一件においては重要参考人だからもちろん俺が尋問官としてフルボッコにする、聞かれたことに答えてくれれば手荒なことはしないがね。でも実際心読めば一発だからな・・・別に尋問は必要ない気もするけどそこら辺はさじ加減だな。
「さて?まずどうして俺の変装をしていたのか答えてもらえるかな?」
「・・・お前には隠し事をしても無駄そうだな」
「どういう意味かはこの際聞かないことにしよう。で?質問に答えろ」
「別に深い意味はない、以前にお前が校門であの男を伸したところを見ていたし、何よりお前に恨みを持っているであろうあいつに変装が通用すれば俺の変装の才能はあると証明できると思ったから、それだけ」
「・・・嘘は言っていないか。はぁ・・・それで昨日は強襲科のやつをどこに連れてったんだ?」
「いや、俺は昨日は自分の部屋で変装の準備してたから放課後は家にいたぞ?」
「本当のことを言えよ?」
「・・・俺は昨日確かにお前の変装はした、でも俺は寮の外には出ていないしもちろん誰かを
「やはり嘘は言っていないな・・・」
さて、どういうことだ?
こいつは嘘は言っていないし、変装していただけだという・・・どう考えてももう一人俺がいる事になる。できれば大事にしたくないしなぁ、昨日のことだからできるかどうかは分からんけどもスーパーと同じことをやるか?でも出来るとは限らねえし・・・そうだな、よし。範囲を広げてみるか
「ザ・ワールド!」
時間を止めて、全世界、場所を問わず時間が停止する。
「そして時は巻き戻る」
スーパーとは違い範囲を問わずにありとあらゆる場所の時間を戻る。正しく時間を辿り昨日の朝にまで戻る。結局のところこれが一番手っ取り早い、これやると結果だけを変えて元の時間軸に戻すってのが難しいからあんまりやりたくないんだよな。めんどくさいっていうのが一番だけど。今の時間だと・・・カズ達と廃墟に行く行かないの話をする前だから帰宅準備をし始めるまでに
「さてねぇ?どうすっかなぁ・・・式神を使う程度の能力とは言っても呼び出せなきゃ使えないしな。どう呼び出すか・・・」
陰陽師的に考えるか、Fat○的に考えるか。どっちにしても呼び出し方が分かんねえしどうするかな・・・とりあえずF○teパターンからやってみよう
「素に銀と鉄。礎に石と契約の大公。降り立つ風には壁を。 四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ。
繰り返すつどに五度。
ただ、満たされる刻を破却する
――――告げる。
汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。
聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ
誓いを此処に。
我は常世総ての善と成る者、
我は常世総ての悪を敷く者。
汝三大の言霊を纏う七天、
抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――!」
一応と魔法陣は描いたし、触媒はなくても自分に似た精神性の鯖が召喚されるらしいから大丈夫だと思う。まあ成功失敗は分かんないね
「・・・誰もいない。つまりは失敗、それは失笑、式はいないし。役に立たない」
謎のラップ調で現在の心情を語ってみるがしかし、困ったな・・・どうしたものかね。なにせ俺、もうこれ以外の呼び出し方知らないもんね。え?陰陽師?言っただけに過ぎんよ。う~ん、そうだな。おぜう様の能力は運命を操れるから、可能性さえあれば大丈夫だな。とりあえず現状は防げる可能性は・・・あるな。
「ザ・ワールド。真実を、上書きする!」
いや、はい。ね~・・・・いつもながらにどこの吸血鬼だよっていうねぇ?もうこれ天国へ到達したHIBIKIとか言われても違和感ないからね?
改めて、面倒くさい手続きや、同じことを繰り返すなど面倒くさい事は無しにして。改めて分岐点を修正、人が消えるという問題点のみを排除しただけの特に何ら変わりのない昨日の出来事を経験した運命を選択、改めて時間を加速し元の時間軸へ帰還する。戻る位置は学校へ登校した12時すぎ。未来は君たちの手で作るんだって偉い人が言ってたし別にあるべき事象をなかったことにしても問題ないよね?
「そして時は動き出す」
今日、一応と警察署から学校へ飛んでいっている間
「よし、戻ってこれた。さっき時間を戻った時と違うことといえば場所が移動している、ということだけだが。特に影響はなさそうなので放置したい所存」
さっさと学校へ移動して、事態の行く末を見守るか