殺した
殺した殺した殺した殺した
殺した殺した殺した殺した殺した殺した
コロシタ
男の頭の中はひとりの男を殺した、という快楽に溺れていた
人を殺しそれを快楽として受け止めてしまう思考回路は俗に言うサイコパスのそれである
この目の前で首から大量の鮮血をぶちまけて死んでいる男を殺した直後に視界が明転し元の店内に戻っていたことも気にならない程度には男は高揚していたのである
「・・・ははは、はははははは!」
乾いた笑いが腹の底からこみ上げる
周囲にいる人々が何かを叫んでいるが気にはしない
直後スパークを起こしたような炸裂音が周囲に木霊し男の左腕を焼くような痛みが走った
sideヒルダ
目の前に複数人の男たちが姿を現したかと思えば一人は直立しその体を血で染めていた
他の男たちは一様に地面に倒れており腹部に銃創を受け戦意を失っていたり気絶または首を切り裂かれ殺害されている
「・・・響」
殺害されている男の顔を見てみれば先ほど自分に対し大量の銃弾とナイフを射出してきた男ではないか
顔には当然生気はなく最後に油断していたことが伺える表情で倒れていた
「貴様・・・!」
少なからず人を殺しておいて笑っているような男は放置できない
そこで首を切られ無念のうちに死んだであろう男の成し遂げられなかったことを代わりに行ってやることで弔うことにする
変電用の棺桶はなくともある程度ならこの建物内の電気だけで制圧程度なら行える
目の前の男の左腕に電流を流し電子レンジのようにマイクロウェーブで焼く
しかし目の前の男は一瞬顔を曇らせるのみですぐに歪んだ笑に変わる
この時、ヒルダの目には驚くべきものが映った
自分の放った電流によるものではないと思いたいが腕が動き男の足を掴もうとしていた
side響
再びあの日と同じ場所に立っていた
あの何もない白い空間
ただひとつ違っていたことといえば自分の目の前に立っているのはあの神ではなかったことだ
だが黒羽響という男は知っていた
目の前に立つ者の名を
それが何を意味しているのかを
それが命を失う前に自らに問うていた言葉の答えであると
そして悟ったここは神のいた空間とは違う場所であると
ここは自分の精神の中だと
気付いた原因は後ろを振り返った時に見えた過去の記憶、空中に浮かぶ過去に自分が歩いてきた人生のダイジェスト映像
この世界に来る前の家族、この世界に来てから出会った仲間の顔が映っていた
「藤原妹紅、お前の能力を借りるぜ」
所詮は自分の中でのイメージを目の前に投影しているだけだと分かっていても話しかけたくなるものだ、今の自分にはそれが必要だと思ったから
理由はそれだけで十分だ
「おう、背水の陣だ。気を引き締めろ」
再び響の意識は暗転した
意識が戻ると先ほどの店内であった
首の傷は感覚だけだからわかりにくいが既に完治しているようだ
ヒルダがコイツの腕を焼いたのかタンパク質が焼けるような匂いが周囲に漂っている
目の前で一歩踏み出そうとしている男の足をつかみ強化外骨格で補助し握りつぶす
文字通り骨が軋む音がした後砕け散った
「・・・あるゲームではアヴァロンってのは不老不死、瞬間的に傷を癒す宝具として描かれているんだけどよ、俺の場合は不老不死と言うよか老いることも死ぬこともない程度の能力って言うんだよな。まあ全く同じものだけどな」
「死人は死人らしく墓の中で眠ってろ!」
頭を蹴り上げられる
痛みは既に消してあるから痛みを感じることはない
蹴り上げられた勢いを利用し立ち上がる
「あんまやりたくないんだけどさ、公務執行妨害及び殺人罪だし文句言うなよ」
「何をするつもりだ?!」
「魔砲『ファイナルスパーク』!!」
響「設定追加したはいいけど未だに使いどころがない能力がある響だよ!」
作者「よ、久しぶり。あれだろ、吸血鬼とかの種族とかの固有能力使うやつだろ?」
響「そうそう、なかなか使わないよね」
作者「まあ仕方ないよね」
響「てかファイナルスパークを一般人に撃つとか容赦ねえな」
作者「そっちのほうが盛り上がるじゃん?」
響「それはお前の気分がだろ?」
作者「お、そうだな。でもまあ」
響&作者「是非もないよね!」