海面付近ってのは案外と風の流れが不規則なものでドローンなんかだとすぐ風に流される
だが風を操りさらに能力で飛んでいるなら、ほぼ風の影響は受けない
「別に風操る必要もないんだがな」
・・・俺は誰に言ってるんだ?
いや、でもね?風邪って当たると寒いじゃん?もはや初秋だよ?寒いもん、強化外骨格使ってもそれなりに寒いもん
それはさておき、いつも使っているスーパーを通り過ぎ現在向かっているのは少し遠いホームセンター、イオンだ。
正直ジャスコとかの方が個人的にはいいわけだが近所にないので仕方ないね!
ジャスコに行けば大体のものは揃う、はっきりわかんだね
約3分後
「空飛んでも距離があるだけになかなか時間かかりましたな!」
立ち入り禁止になっている屋上に着地して一人無駄口を叩く
返答がないとこれ以上やるのが馬鹿らしくなってくるので無言で建物内に入る
バレなきゃ屋上にいても咎められない
実はこういう建物の屋上に行く階段ってのは立ち入り禁止のプレートを置いてるばかりで必要になったらすぐに使えるような状態にしてある場合が多い
だからたまに子供が勝手に上にあがってることもあるという
なので降りた先に誰もいなければ事務所に連れて行かれることも注意を受けることもないはずなのだ
「誰もいませんよね~?」
いたらいたで困るわけだが、とにかく確認して下に降りる
よし誰もいない
とっととペットコーナーに行ってドッグフードを各種買ってくるとしよう
エレベーターで行くのも待つのがめんどくさいからエスカレーターでも使うか
エスカレーターで下の階に降りてペットコーナーを探す
「・・・人が、いない?」
この時間帯で人っ子一人いない
まだ夕方だ、そろそろ6時だがタイムセール前だし夕飯どきだ
人が大量にいてもおかしくはないのだが・・・誰もいない、外の駐車場に車はあったし建物内にいることは間違いないが・・・こうも見当たらないものだろうか
「・・・ふむ、店員までいないか」
仕方ない、セルフサービスで済ませるとしよう
いいよね、セルフお会計できる店って
缶詰と通常のドッグフード、犬用のガムとビーフジャーキーをカゴに入れて会計を行い袋に詰めスキマに放り込む
「さて、何があったかくらいは確認してから帰るとしよう」
エスカレーターは使わず飛び降りる、強化外骨格で体を補助し下の階へ繋がる壁を蹴り地面に降り立つとそこには
「・・・人か」
確かに人はいた、大量に。ただし全員地面に倒れている
脈や呼吸はあることから死んではいないが気絶している
だがわからない、全員ほぼ同時に気絶させるような芸当なんか俺は知らない
あるとするならば、人間に高電圧で電流を流すかもしくは魔術的に三半規管などの神経に無理矢理ショックを与えるかだ
前者に関してはありうる話だが後者は流石にありえん
魔術がこの世にあるとは思えん、俺が言えることかは知らんが
「・・・やはり厄介事に巻き込まれるのか」
人がいる気配はない、周囲の音からそれは確実だ
音を発さず動くような奴にはさっき会ったな
まあ、文句を言われようがなんだろうが迷惑をかけるような奴には懲罰を与えねば
とりあえずこの人たちは関係ないから起こすとしよう
「そして時は巻き戻る」
倒れる前の状況まで巻き戻す
この建物自体の時間を巻き戻すわけだから時計も巻き戻る、どのくらいの時間帯でことが起こったのかもわかるからいいけど
倒れていた人が物理法則無視の立ち上がり方を始めたあたりで巻き戻しを止める
「ヒルダ、ちょっと来い」
「あら?帰ったと思っていたのだけれど?」
「帰ったよ、それで買い物に来たらここにいる人が全員倒れてるから時間を戻しただけだ」
「倒れてた?どうしてかしら、でも今は倒れてないのだし大丈夫でしょう?」
「あのなぁ・・・お前がこの後やるから注意してるんだが?」
「わからないわね、どうして私がそんなことをするの?」
心を読むが嘘は言っていない
何かがこのあとにあったのか、ヒルダはやむなく気絶させた?
だとすれば何故・・・?
その思考はこの建物内に円筒状の筒が大量に投げ込まれることで打ち消される
作者「やったぞ!発動したぞ!」
響「だ・ま・れ・☆」
作者「(・ω・`)」
響「はいはい、そんな気持ちわるい顔でこっち見んな」
作者「編集者チートならぬ著者チート!『そもそも書かない』」
作者「これで今夜も安心して眠れるよ」