「・・・ん?・・・むぅ?」
なんか冷たい・・・
体に当たる冷たい感触で意識がだんだんと覚醒してくる
近くにあった腕時計をつかみ時間を確認すると先ほど眠ってから1時間半ほど経っていることに気が付く
とりあえず近くに落ちていたブランケットを取り寒さをしのぐことにする
ん?落ちてる?
上半身を起こし周囲を見回してみるとベッドが遠い
「・・・落ちたか・・・」
冷たいのは地面か
寝てる間にベッドから落ちて地面の上で寝ていたということになる
「さてと、まあ・・・戻るか」
スキマを開き先ほどの部屋に繋げる
頭を出してみるとまだ古川は寝ている
ヒルダはいないようだ
まあ、陰に隠れている可能性は捨てきれないが
「・・・まだ寝ているのか・・・」
コイツが寝ているならまだ俺は自由に動けるな
今のうちに艦内でも見てまわろうかと思い部屋を出ようとするとポケットにしまっておいた携帯が鳴る
カズからのメールのようだ
どうやら先に帰ってそろそろ夕飯の用意をするらしいが一人で食ってもつまらんし一緒に食うか?との内容だ
ここにいてもまだ情報は手に入りそうにないし後で帰ったところでまたこの艦内に戻ればいいだけの話だ
当然世話になる。自炊するのも面倒くさいしな
「とりあえず帰るか」
近くにあったメモ帳とペンを取り適当に書置きを残しておく
書き終えたメモは目に付きやすい場所に置いておきスキマを開き中に入ろうとする
「・・・ん、んぅ・・・すぅ・・・」
背後からドサッと、まるで床に人が落ちたかのような音がしたので振り返るとやはり寝返りをうって床に落ちた古川がいる
ああ、俺もこうやって地面に落ちたんだな
「はぁ・・・仕方ねえな・・・」
同情か?いや、ただの友人やあったばかりの女だったら無視して帰っただろう。だが、こいつにはある種の親近感を感じる
親近感といってもさして何か特別なものを感じるわけでもない
一言で言えば気まぐれだろう
とりあえず部屋の隅に布団でも敷いておくか。どうせ寝返りで落ちるだろうし
既に開いていたスキマから適当に布団を一セット取り出し敷く
床に落ちた古川を担ぎ上げ布団に寝かせてブランケットをかけておく
「これでよし」
改めてスキマを開き自室に繋げる
結局かなり時間食っちまったな・・・空自は必要になったら支援要請するとしよう
サーバーからデータ消したいが無理だろうな・・・あくまで能力は一部しか使ってないし大丈夫か
「ルプス・・・ってあれ?いないし・・・」
部屋は間違えていないからこの部屋のどこかにいるか
探すのめんどくさいしドッグフードでも買ってくるとしよう
窓を開けてベランダから飛び降りる
この下は海だから飛んでても見つからんだろ、一応海面付近を飛ぶけど
「スーパーまで行ってルプスの飯を買っておけばいいか」
缶詰と普通のタイプどっちがいいだろうな
作者「お久しぶり!受験が終わったので帰ってきたぜ!」
響「合否発表まだだろ油断すんな」
古川「あーはいはいそれはいいから」
作者「お、そうだな」