「え?!何?!」
眼前に現れたのは、着替え中の少女だった・・・
じっくりと観察したいところだったが即座に扉を閉めシャーロックに詰め寄る
「おい!何だあの素敵な空間、もとい。女の子は!?」
「はっはっは。古川君だよ、名古屋武偵校の」
「俺の疑問が解決するってなんだっけ!?」
「なにってイ・ウーの正体でしょ?あの子に聞いたほうが楽だよ?」
「・・・めんどくさいやっちゃの~」
再び扉の前に立ちノックしようと扉に触れようとすると扉の表面が変化し表面に刺のようなものが形成され、俺に刺の先端が向いたと思えば次の瞬間には射出されていた
「っぶね!俺じゃなきゃ死んでたぞ!」
壁をすり抜ける能力の応用で飛来する金属の刺を全て俺の体を透過させる
「死ねやァ!!」
「おい!待て!ステイ!」
「待たねえ!」
先ほどの扉に触れたと思えば扉が再び変化し今度は銃に変わる
「こいつを喰らえ!」
「おっと、あぶねえ」
発砲してきた銃弾を避けて少女の首筋にレッグホルスターから抜いたMK-22を撃つ
「当たらないんだな!これが!」
首元には確かに着弾したが反射するかのように跳弾し弾き飛ばされる
「当たろうが当たるまいが時間が停止すればどうなると思う?ザ・ワールド!」
興奮気味の古川という少女を止めるため時間を止め、先程発砲した銃弾をつかみ首元に突き刺す。
発砲ガスで注射器が前進し、体内に薬が注入される
「そして時は動き出す。」
「うっ」
地面に倒れたところを見るに眠ったな
少女を抱き上げ先ほどの部屋の中にあったソファーに寝かせる
「シャーロックさんよ・・・こいつ、もしかして男か?」
コイツの深層心理は古い記憶で埋められていた。そこにはコイツの男だった時の記憶と女になった直後の記憶、この二つの記憶と感情、考え。やはりどう考えても元は男だ
「正解だよ、彼女は不慮の事故で左腕と体の機能の一部を失っていたのだがね。クローン技術の流用で体を再生することはできたのだがどうにも性別が逆転してしまったようでね。で、いろいろあって今は私のところで預かっているんだよ」
「ほう・・・なら現時点ではクローンを作る技術は確定されている、ということか」
「まあね」
「・・・お前、やっぱりお人好しだろ」
「どうしてそう思うんだね?」
「どうしてもこうしても、コイツに試験段階の培養ポッドを使えるように手配したのはお前だろ」
「流石、心を読む能力者だ。いっその事君もイ・ウーに入ればいいのだがね」
「それは難しい相談だな、俺はどこかの部隊に所属するつもりはない。武偵校にいること自体も意味はない」
「それは嘘だね、君は自分のせいで周囲の人間に危害が及ぶことを避けたい。だから何かしらの集団に入ろうとしない、武偵校にいるのは自分のことは自分で守れる者が多いからだろう?」
「・・・」
正解だ、俺は最悪何をされても時間を戻して回復したり痛覚の境界を無くして痛みを完全に抑えることもできるから別に拷問されようと耐えられるが自分ではなく他人をいたぶられるとなると話は別だ、痛覚抑制は自分だからやっても問題ないが他人にやって大丈夫だとは限らない。だから集団に属することは避けたい。
「イ・ウーは武偵校と同じで自分の身は自分で守れる者しかいない」
「それ以前に俺は独断で動くし犯罪者を逮捕する。だからイ・ウーには名を置くことしかできん」
「別に構わないさ。何かあれば私は君を呼ぶし君が何か助けて欲しいことがあれば私を呼べばいい」
「どうだろうな・・・」
俺が人を頼るような事態ね・・・戦艦一隻動かすくらいか?
一人でできることは案外限られるからな。まあ別になんでもいいけど
作者「わー!すごーい!」
響「どうしたよ、突然」
作者「いや、何となく言わねばならない気がしてな・・・」
古川「なんとなくってなんだよ」
響「知らん、なんとなくだろ」
作者&古川「君は何となく行動するフレンズなんだね!すごーい!」
響「駄目だこいつら、早く何とかしないと」