すり抜けた!すり抜けた壁の先には!
意外!それは髪の毛!
正確に言えば人間の頭部!
などと謎のテンションで自分の中で状況を整理する
一応時間は止まっているので俺の存在はバレないというチート付きなので安心して状況を観察する
「この艦の名前は・・・『伊・U』?」
自分の視界の片隅にこの船の用途と名前が表示される
用途は・・・核を発射する、か
こんな水深からでも核が撃てるのか。まさに悪魔の兵器か・・・
「以前ジャンヌの心を読んだとき出てきたイ・ウーとはコレのことだったのか・・・」
そんなことはさておき、そろそろほかの情報が欲しいところだ
この広い艦内じゃ案内なしにはまともに歩く事も叶わんだろうし。
さっさと情報を得るとしよう
「そして時は動き出す」
停止した時間がゆっくりと動き始め、正面に立っている男が口を開いた
「やはり来たか、君が今ここにいるのは本来であればイレギュラーなのだがね」
「・・・シャーロックホームズ卿か?」
「正解だよ、これは君の能力かな?」
「心の中の最も深い場所、そこには自分の生きる意味や目的、生きがい等自分にとって最も重要なものがある、その中には自分の名前があることなど別に不思議なことじゃない」
「つまり君は今、私の心を読んだのだね?」
「未来予知にも匹敵する推理力を持つあなたが人にものを問うなど必要ないと思うのだが?」
「それは無粋というものだよ、私は単純に会話を楽しみたいのだから」
「それはそうと・・・プテラノドン、しまった方がいいよ?」
「ああ、大丈夫、君を呼ぶためにアレは外に出したのだ」
「そうかい・・・こちらウルフよりHQ、侵犯機の国籍は不明。対象は進行方向を反転、速やかに侵犯空域を離脱した。こっちはちょっと野暮用を済ませてから戻る」
偽の情報を流し空自のスクランブルを解除させこの一件を済ませる
「了解、用事を済ませてからとっとと帰って来い」
「・・・了解。オーバー」
無線の電源を切り改めて自分の名前を名乗る
「フィオナ騎士団が一番槍・・・じゃなかった。東京武偵校1年C組、黒羽響。以後お見知りおきを」
「・・・あれ?これは指摘するべきかな?」
「いえ、結構です」
「では、私も名乗ろうか。伊・U艦長、シャーロック・ホームズ、よろしく頼む」
「それじゃあ、案内頼んでいいか?」
「それは必要ない、そこの部屋に入れば君の疑問は解決するからね」
部屋の扉を指差すシャーロック
「そりゃどうも」
シャーロックに背を向け部屋の扉へ向けて歩き出そうとするとシャーロックは俺を引き止め、一言だけ呟いた
「ああ、ここは血の気の多い人が多い、気をつけたまえ」
「そうさせてもらおう」
扉の前まで移動し押し開く
「マイクチェックの時間だゴラァ!」
「え?!何?!」
扉を開けた先に居たのは・・・一人の少女だった・・・着替え中の
思った人はいるでしょう。「マイクチェックって扉を蹴破るんじゃなかったっけ?」と。
だが俺はあえてこう言いましょう。気にしたら負けだと