ひょんなことから転生しました   作:雷蛇1942

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心霊現象はいかが?

 

 

カズに遺品と遺骨、それと位牌を運ばせている間部屋の中の探索を続ける

この部屋は実は0.5階程の高さに作られており、昼頃じゃなければ外壁に張り付いて成長するツルや雑草などで少しも日が入らないので窓があることに気が付くことはなかっただろう

ただし、窓は鉄格子が設置してあり外に出ることはできない上に窓は胸ほどの高さからしかないので無理矢理にでも外に出るのは難しそうだ

 

「・・・ほとんど見尽くしたかな?」

 

先ほどカズに確認したがこの建物は築25年ほどの建物だそうだが地下のコンクリートの劣化が早すぎる気もする。

確かに人がいなくなれば建物の劣化は早まるがここを放棄したのは今から二年前になるらしいので普通ならここまで劣化することはないだろう

ここの水にしてもそうだがどこから流れ込んだんだ?

この部屋側に向かうにつれ天井と床が段差で低くなっているとは言えかなりの量がある

150cm前後のレキが口元まで水に浸かっているんだ大体140cm前後の水位はある

天井がもともと高い作りの為頭をぶつけたりはしなかったが

 

「レキ、部屋出るぞ。ライトを回収するから先に行っててくれ」

 

「・・・(こくん)」

 

レキがこちらに振り向き一度頷いてから水中に入っていくところを横目にカビだらけだった部屋からライトを回収し扉を閉める

 

「さて、帰るk・・・待てェェい!」

 

勝手に扉が閉まり始め部屋から出られなくなる前に扉を開け直そうと力を込めなおすが扉が閉まる速度を落とす程度のことしかできない

 

「レキ!部屋から出ろ!」

 

無言で走りギリギリ開いている扉から外にレキが出たその直後に扉が閉まってしまった

 

「レキ!あいつらに知らせてくれ!俺が閉じ込められていることをカズたちに!」

 

扉に向かって大声で叫びレキがカズたちに伝えてくれる事を祈り扉から離れる

机の上でルプスが立っているが出られないことを悟ると再び座ってしまった

長机だからルプスが座っていたとしても端っこの方はまだスペースが余っているのでその横に座ることにした

 

 

 

しばらく待ってみるが通路側から何一つとして物音がしない

 

「あー寒い・・・」

 

それより水に濡れたことと地下ということも相まって体感温度はかなり低いことの方が致命的だ

アーセナル装備はある程度の体温保持機能を備えてはいるが必要最低限の温度までしか保つことができないので無いよりマシ程度の機能しかない

 

「はぁ・・・よりにもよって御札だらけだからなぁ・・・この部屋の中だと使える能力もなぜか制限あるし、無線も携帯も使えないし・・・どうする?ルプスー?」

 

「クゥーン」

 

こいつも出来ることはないようで弱々しい犬のような鳴き声を出す程度だ

 

「さて、向こうの部屋で少し道具を集めるか・・・」

 


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