「午後21時27分31秒か」
「え?」
「現在時刻だ」
「ちょっとあんた!聞いてるの?!」
アリアがさっきからオリジナル地団駄を踏みながら響と神風に対し憤慨している
「聞いてないです」
『モー!』
「「「・・・」」」
月光がいい加減うるさいので隙間にしまうと
『モー』
『モー!』
『モー?』
残りの月光が誰かを見つけたようでドシドシと足音を立てながら戻ってきた
「・・・」
「おい!なんだこれは!」
無言で運ばれるレキとケーブルで絡め取られて身動きがとれずまともな抵抗ができないジャンヌと
「離せ!くっそ!離せよ!」
全身黒ずくめの見知らぬ人が捕まっていた
念のため心を読んでおくことにしよう
「・・・(・・・)」
あ、何も考えてないんですね・・・
「おお!アリアに響じゃないか!助けてくれ!(ええい!こいつ!凍らせてから切り刻んでやる!!!)」
考えてること怖!
「ちくしょう!(なんか音がしたから来てみればなんでこんなことに!?)」
ほんと誰だよあんた!
「・・・なんだこの状況」
とりあえず誰かわからん奴はそのままにしておくとしてレキとジャンヌは下ろして誰だか知らん奴には
「え~と、どうしてこんなとこにいるんですか?」
「音がしたから気になって見に来たんだよ!いいから下ろしてくれよ!」
「はぁ・・・見たことを話してくれるならいいぞ」
「わかった!そのくらいいくらでも話す!だから下ろしてくれ!」
地面に下ろしてやってから月光たちをスキマの中にしまう
「さっきも言ったが音がしたから見に来たんだ、そしたらあんたが銃を撃ってて・・・気がつかれたと思ったから急いで山を下りようとしたらさっきの奴に捕まったんだ」
「・・・嘘はついてないようだな、すまんな。迷惑かけた」
一応他言されても迷惑だし記憶は消しておくことにしよう
脳の時間を巻き戻し音を射撃開始前の記憶まで戻す
「・・・だ、誰だあんたら!」
「武偵だ、怪我したくなきゃとっとと帰ったほうがいい」
怯えた様子で山を降りていく彼を見送りこの場にいる全員に
「ところで、さっきから気がついていると思うが・・・あいつ以外に誰かいるみたいだ」
「ああ、それは気が付いていた。何というか嫌な気配を感じる」
まず最初に口を開いたのはジャンヌだった、先程からの気配は感じていたようだ
「今から対象を追跡者として捕獲する、もし違ったとしてもこの時間に山にいるのは不自然すぎる、根拠はないが何かある気がする」
「響?私何か出来ることある?」
神風は戦力として期待はできない、戦力よりはバックアップに回したい人材だ
「ない、できれば綴達に知らせてくれ。何が起こるかわからん」
「わかった」
「カズ!起きてるか?」
「今から寝るところだ、何か用か?」
「急ぎだ、追跡者がいる。オペレートを頼むよ」
「了解、準備する」
「アリアとジャンヌは俺と一緒に来てくれ、レキは後方支援を頼む」
「「「了解」」」
場にいる全員に指示を出し追跡を開始する
改めてスキマから月光とキッドナッパーを各4機ずつ出撃させ陸と空から捜索させる
「さて、行くぞ!」