ひょんなことから転生しました   作:雷蛇1942

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転生したけど早速死にそう

 

 

暗転した意識が戻り気がつけば俺はベットで寝ていた

 

「知らない天井だ・・・」

 

異世界転生したら一度は言いたかった台詞を試しに言ってみる

とりあえず起き上がって部屋の中を見てみる

 

「ん?何だこの書類」

 

部屋の中心にあったテーブルの上に数枚の書類と一枚の手紙が置かれていた

書類によると

今日朝9時から武偵校で入学式がとり行われること、すでに俺は合格していること、そして武偵は銃刀剣類の装備が義務付けられていることこれらが書かれていた

そして手紙に目を落とす

黒羽 響

 

お前が一度死んで転生したことは分かっているな?

一応これを言うためだけに手紙を置いておく事にした

くれぐれも人を殺すことはないようにな、それと能力を試しておけよ

いざという時に使いこなせなければどうしようもないぞ

                          by神

 

「・・・あのおっさん、神だったのか」

 

今更ながらの感想を口にしながら能力の確認に移る

 

「とりあえず境界を操れるかどうかだよな」

 

ブォォン

表現の仕方がよくわからない音と共にスキマが開いた

 

「へー案外簡単にできるな、時間もないし能力のチェックはぱぱっと済ませるか」

 

少年能力確認中・・・

 

「なるほど、使わない能力はoffにしておけるのか」

 

Offにできるなら心を読む必要はないし、氷を操る必要もなければ破壊する必要もない・・・いくつか能力をoffにしておくことにしよう

スキマから制服を取り出しCQCナイフを腰のシースに収め、キンバーICQBをレッグホルスターにしまう

 

「7時55分か・・・多少早いが町も見たいしチャリで行くか」

 

エントランスの前にスキマを設置し自転車を取り出すつもりが何度やっても軍用バイクが出てくるのみである

 

「あれ?何で?ああ、言ってなかったからな・・・」

 

過去に自分の言った言葉を思い返してみる

確かに自転車は要求していなかった

 

「バイクか・・・運転できる自信が・・・そもそも免許あったっけ?」

 

財布の中身を確認してみるとなぜか大型バイクの運転免許証が入っている

 

「何であるの?・・・まあ、これしかないなら、いいか」

 

走り始めて約4分後

カーブを曲がりきれずガードレールに衝突、そのままバイクから盛大に転落した・・・

 

「痛っ!乗ったことのないバイクなんて乗るもんじゃねえな・・・」

 

やはりバスを使ったほうがよかったかもしれん

自分の周囲を見回したがら状況を理解しようと務める

どうやら4mくらい落ちたみたいだ

バイクは落ちてきていないからおそらくガードレールに引っかかっているのだろう

響自身は右腕が明後日の方向を向いている以外は大丈夫そうだ

 

「待てよ、これダメじゃん・・・腕曲がっちゃいけない方向に曲がってるけど」

 

おそらく落ちてる途中で折ったのだろう

スキマから固定具と包帯を取り出しサバイバルビュワーよろしく無理矢理腕を元に戻す

 

「がはぁ!」

 

元の向きに戻した腕を固定して空を飛ぶ

道路に戻るとやはりバイクはガードレールに引っかかっていた

 

「バイクにはもう乗りたくないな・・・」

 

バイクをスキマに片付け空を飛んでいくことにした

ただ見つかるとまずいので光学迷彩を装備する

 

「そういえばここ東京だよな・・・こんなカーブあったか?」

 

そう、思えばおかしい地形が自分の知っているものではない

まあ自分自身あまりこっちの方に来たことはないので元からあったのかもしれないが

 

この日一人の武偵がチャリジャックに巻き込まれたことを知ったのは学校に着いた後のことだ

 


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