「見つけた」
少女はSVDの上部に取り付けられたスコープ越しにターゲットを見据える
今回の依頼内容は黒羽響という男子生徒を監視し場合によっては確保することだ
しかし少女は疑問を持たなかった。そういう性格だったのかもしれないが
少女はトリガーに指をかけこう呟いた
「私は一発の銃弾、銃弾は人の心を持たない。故に何も考えない、ただ目標に向かって飛ぶだけ」
呟き終えると同時にターゲットの足を撃ち抜いた
「全く誰だろうな、今度のお客さんは、ザ・ワールド!時よ止まれ!」
ターゲットが叫ぶと次の瞬間には自分の首元にナイフが当てられている
一瞬何が起こったか理解できなかったがすぐに思考を切り替える
「・・・お前は・・・確か2年の狙撃科のレキだったか?」
「そう」
響が首元に当てていたナイフを下ろすと同時に自分の太腿につけておいた銃剣を引き抜きSVDに着剣する
向かい合った少女、レキがSVDに着剣した
何故狙撃されたのかは今はどうでもいいが自分の安全を確保しなければ
「どうした、落ち着けよ・・・」
「・・・」
「なぜ俺を狙撃した?」
適当な事を話しながらハンドガンの交戦圏まで後退する
「・・・」
「だんまりか・・・別にかまわんよ、依頼主を特定するまでだ」
レッグホルスターからCQCハイダーを取り付けたハイキャパを抜き左手で肩を掴みレキの腹にマズルから叩きつけ5回トリガーを引く
しかしレキは足払いをかけ射撃方向を逸らすと同時に後方に飛び退く
さらに急に踏み込んだと思えば右腕に銃剣での斬撃を行ってくる
予想外の攻撃だったためまともに切られてしまうが流石はアーセナル装備というべきか思った以上に浅く切れただけだった
「なかなかやるじゃないか」
「・・・どうも」
「疲れてるんだ、手加減してくれないか?」
「お断りします」
「そうかい・・・」
アーセナル装備の脚力がどの程度のものかは知らないが頑張ってくれることを祈って全身全霊でレキに向かって駆け出す
「ッ!!」
すぐにSVDを構え腹に発砲されるが気にせず腹を殴る
流石に女の顔面を殴りつけるような人間じゃない
殴られた衝撃で後方に吹き飛んだレキだが着地とするとすぐ駆け出し斬りかかってくる
が切り落とされる覚悟で刃を掴み銃剣を奪い取り距離を詰め首にスタンロッドで電撃を浴びせようとするが逆に腕を掴まれ拘束されてしまう
「あなたを確保しろというのが私の受けた依頼」
ねじ伏せながら依頼内容を語ってくる
「なるほど、だがこれで拘束できたと思ったら大間違いだ!」
怪力乱神がごとく無理矢理立ち上がり屋上から飛び降りる形でジャンプしようとするがどこから力が出てくるのか地面にねじ伏せられる
「諦めなさい」
「断るね、ここで捕まるわけにはいかん」
「そうですかなら仕方ありません」
首元に何か針のようなものを突き刺される感覚があったと思えば意識がだんだんと薄れていく
「何を・・・した・・・」
「麻酔薬です」
「なるほど、ね・・・カズ、そこから撤収しろ・・・」
無線でカズに警告する
「何があった!おい!響!」
「データを持って・・・例の場所へ行って待っていろ、必ずそこへ行く」
ギリギリ持っていた意識は銃床で殴られて失われた
アーセナルギアで敵兵が使っている装備の名前がわからないからな・・・
まあ、登場回数はそこまで多くないはずだし大丈夫かな?