ひょんなことから転生しました   作:雷蛇1942

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黒羽響は静かに暮らしたい

 

 

「結局あの戦車とかどうする?」

 

「どうするもこうするもやっぱ車輌科に持っていくしかなくね?」

 

ファミレスで夕食という名の朝飯を食いながら頂いてきた戦車をどうするか話し合う

銃器は装備科に売ることで決まっている

 

「・・・おかしいな」

 

「何がおかしい、この爽やかな朝日の中食べる夕食はいいものだろ?」

 

「いやそこだよ!何で朝に夕食食ってんだ!?」

 

「カズそりゃお前、昨日の夕食を食いそびれたからだろ?とりあえず水でも飲んで落ち着けよ」

 

カズ、斎藤和馬のことを勝手に呼んでいるあだ名だ

本人は「やめろ、どこぞのMSF副司令みたいになってるから!偉い人に怒られるから!」といっていた

このあだ名は意識したわけじゃないんだが気に入ってるからそのまま使ってるけど

 

「いずれにしたって車輌科に持っていくにしても学校に誰もいなけりゃどうにもできん、それまでは飯食って教室で寝るだけだ」

 

「お前、意外にマイペースだよな・・・」

 

「そうでもないだろ、面倒くさいだけだ」

 

実際かなり面倒くさい、わざわざ寮に戻って仮眠を取って学校に戻るなんて合理的ではない

飯を食い終えながら話し続ける

 

「さて、飯も食い終わったところで!学校に戻るといたしましょう!」

 

「はいはい、学校行くか・・・」

 

カズが会計しているのを横目に外を見てみる

するとその時ふと見た窓の外に数人どころか数十人が歩いている

明らかにおかしいのだ

現在時刻は午前5:30だ、この時間にこの人数が歩いているのは異常なのだ

何らかのイベントがない限りは

 

「カズ、今日って何かイベントあったか?」

 

「イベント?いや、聞いてないぞ」

 

「お台場で何かイベントがあれば当然俺らが知らないはずはないもんな・・・」

 

「何かあったか?」

 

「いや、何でもない。行こう」

 

ファミレスを出てしばらく雑談しながら歩く

しかしあの集団は響達の後ろをついてくる

 

「響、なんか嫌な感じがするんだが」

 

「気がついたか・・・走れえぇ!!」

 

「お、おい!待ってくれよ!」

 

タタタッタタタタッ

 

全力で走り始めた瞬間後方から発砲音が聞こえ始めた

振り返ってみたがあのG3シリーズ特有の形はおそらくMP5だろう

 

「カズ!MP5を使用している部隊は日本国内でどれくらいある?!」

 

「さあな!知る限りだとSATくらいじゃないか?!あとは自衛隊特殊警備隊!」

 

「やっぱ絡んでやがったか!そこの路地曲がれ!」

 

ビルとビルの間の道に飛び込み銃を抜く

武偵は人を殺すことができないが戦闘不能ならOKなんだそうだ

 

「どうすんだ?」

 

「どうするも何も制圧するしかないだろ」

 

「相手はプロだぞ?」

 

「それがどうした?やらなきゃやられるだけだ」

 

ポケットから小型の鏡を取り出し角から道路に展開する集団を見る

しかしどこの所属かはわからないままだ

 

「お前、機銃って使えるか?」

 

「?使えるが・・・」

 

機銃の使い方が分かるのなら余裕だな

ただもう少し広い道に行きたい

 

「走るぞ、付いてこい」

 

「またか!?」

 

ビルとビルの間を走り抜け反対側の開けた道に着く

当然数人の銃を構えた人間がいた

 

「お前ゴム弾持ってる?」

 

「持ってる訳無いだろ」

 

「はいこれ。後で返せよ」

 

カズにキンバーイージスを9mmゴム弾と一緒に渡す

 

「ありがとよ、俺は右をやる」

 

「なら左をやる、スリーカウントで頭を撃て」

 

「はいよ」

 

「スリー、ツー、ワン、撃てっ!」

 

パパンッドサ

 

乾いた音と共に人が倒れる音がする

道に出てみるがこれだけの広さがあれば問題ないだろう

 


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