「どうもどうも皆さんおはようございますリサですよぉー!」
「あはは、リサさんは朝から元気ですね…」
「??そうですかぁ?リサはいつでもこんなリサですよ?」
翌朝、作戦開始を目前にしたアークスは陰陽の繋ぎ橋への転送装置で待機していた。
『こちら、ブリギッダ。今回の防衛戦のオペレートを担当します。よろしくお願いします』
『白の民との連携などの細かい部分を担当します、サブオペレーターのコフィーです』
「おはよう、ございます…ですわ」
『カトリさんが何故か少しやつれてますが…大丈夫でしょうか?』
「問題ない。少し遅くまで防衛戦の予習をしていただけだ。進めてほしい」
『あ、はい……それでは作戦の再確認をします。まず作戦目標ですがスクナヒメが封印陣を完成させるまでの結界維持が目的。作戦開始と共に黒の領域側の結界が解除され侵入可能状態になりますので順次対処してください』
『封印陣の進捗状況等は私の方から連絡します。』
『あーあー聞こえるかの?妾はこれより封印陣に全力を尽くす。その間は結界の維持は白の民に任せるが妾と比べるとどうしようもなく脆い。どうか守ってやってくれ』
「わかってるよ、スクナヒメ。みんなで守るから!」
『カカッ、なんとも心強い。では任せたぞ』
スクナヒメからの通信が切れると同時に転送装置が起動し、戦場へと送り出される。
眩い光で視界が数秒塞がれるが、目を開けばそこは大きな橋、それもだいたい中心付近だ。
『作戦開始です。皆さん、お気をつけて』
その言葉に背を押されるように各自が迅速に行動を開始する。
リサやフーリエといった後衛組を守るようにオーザ、カトリ達が前衛に立つ。
マトイはその強さから遊撃を任されているので、臨機応変に対応しなければならない。支援に向かう場所を間違えれば戦線が崩れる大事な役割だ。
「まずは足の速いのがくるはずだから……足止めしてから素早く仕留める…!」
「来るぞ!」
結界が解除された事でなだれ込むように押し寄せるが、橋は非常に長い。 マトイ達が待ち構える中心に辿り着くまでに種族による時間差が出来る。
真っ先に現れたのは輪入道のようなエネミーアンジャドゥリリが5体。
車輪は硬くその形状から射撃にのる攻撃も当てにくい、所謂“戦いにくい相手”だ。だがここにいるのはその程度で気後れするようなアークスではない。
その姿を確認するや、リサとフーリエ、アフィンのレンジャーは進行ルート上にアッパートラップを仕掛ける。
「わりぃ!トラップが足りないから二体はそっちで処理頼む!」
「一体は私が引き受けるよ」
「こっちはハンターの俺に任せろ!マトイ様に負けられないぞ!」
「……フォースの私も居るから大丈夫」
そんな少しのやり取りをしている間にアンジャドゥリリは目前に迫り
《汝に救いあr…んんっ!?》
トラップに引っかかり仰向けに転倒する。この瞬間厄介な車輪から本体は投げ出され完全に無力化された。即座にフーリエがウィークバレットを三体の胴体に発射。特殊弾により脆弱化した胴体に向けアフィンとリサがあらかじめ構えていたサテライトカノンを叩き込む。更にワンテンポ遅れてリサがもう一体にも撃ち込んだ。眩い光の柱を撃ち込まれたアンジャドゥリリは辞世の句を読む事すら許されずに一瞬でフォトンへ還る。
「ジワジワ痛めつけるのもいいですけどぉ、こうやって圧倒的な力でねじ伏せるのも悪くないですねぇ!」
「発破にも負けないくらいのインパクトですねーサテライトカノンって。でもやっぱり私は発破の方がいいかなぁ」
「ブレねぇな、この人達……っと、あっちは大丈夫かな?」
そう言って近接組を見てみると、そこにはシフタ、デバンド、ザンバースやら完璧に近いサポートを受けた近接組がアンジャドゥリリを蹂躙し終わったところであった。
マトイの方もイルグランツによって手足を撃ち抜かれて怯んだところをラグランツで胴体を貫かれていた。相性を物ともしない力技だ。
「うわぁ…ボロ雑巾みたいになってる…」
『アフィンさんぼーっとしてる暇はありませんよ。次が来ます!』
「おっと!そうだった!」
まだ遠くに、だが確実に見える黒の民の軍勢を見据えつつアフィンはグリップを握りなおした。
防衛戦はまだ始まったばかりだ。
ちょいちょいと手直しつつ投稿。フーリエさんもメイン武器がランチャーでもサブ武器としてライフル持ってると信じたい