もう一つの東方鬼狂郷   作:albtraum

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もう一つとか言って前作とは関係がありません。

割と好き勝手にやっています。

それでも良いという方は第三十六話をお楽しみください。


もう一つの東方鬼狂郷 三十六話 小さな強者 ③

フランドールが私に覆いかぶさり、

「……あああああぁぁぁぁっ!!?」

 フランドールの歯が私の強化した私の皮膚を簡単に食い破り、あふれ出てきた血を飲み始める。

 私よりも軽いはずのフランドールに両手を拘束され、振り払うこともできない。

「う……あ……!」

 私の腰の少し上のあたりに座っているフランドールの柔らかい唇が私の首筋を這う。

 フランドールが私の血を吸い上げ、大量の血を飲み込んだ。

「…あぁぁぁっ…!」

 やばい、何のステータスを上げたにしろ、フランドールが強くなったのは変わらない。

「……はぁぁぁっ…………!」

 フランドールが嬉しそうに首筋から口を放して吐息を漏らす。

 フランドールの力ではないが生命力、そう言った物が増幅したのを感じる。

 血の能力は私が何のステータスを上げるかを決めることができて、今回、フランドールに血を飲まれた時に私が何のステータスを選択したか。

 それは再生能力。

 ただでさえ生命力が高い吸血鬼に再生能力が上がってしまえば私たちには手に負えないかもしれない。

 血の能力の効果時間が切れるまで私は、私は逃げなければならないだろう。

「ふふっ……」

 再度フランドールが私の首筋に唾液や血で湿った舌を這わせ、噛みついた。

 ズキッ!!

 と首筋に痛みが走り、すぐにフランドールが私の血を舐めて飲み始める。

 何度も逃げようと試してみるが、食いちぎられるのではないかと思うほどの力で首筋に噛みつかれてしまう。

「うぐっ…!!」

 だが、後ろから血を飲むために噛みつくのは噛みつきづらいらしく、フランドールは私の仰向けに押さえつけていた状態から上向けにすると、さっきのように私を押さえ付け、首筋に噛みついてくる。

 だが、さっきよりは状況は良い。私は手首を曲げてフランドールに右手のひらを向けた。大量の血を飲まれたせいで少し貧血が出てきているのか、くらくらするが我慢して私は短い魔法のスペルをフランドールに聞こえないように口内詠唱を済ませ、いつものように弾幕に魔法をのせてぶっ放す。

 フランドールの華奢な左腕を弾幕が切断した。

 したはずだった。

 その光景を見て私の思考回路が停止しかける。

 一秒にも満たない短い時間でフランドールの腕が再生してしまったのだ。

「…………へ…?」

 驚き、唖然としてしまっている私の血をフランドールが首筋から急激に吸い上げ始めた。

「…うあ………あぁぁっ…!!」

 急な速度で体の血が無くなっていく、頭に血が回らなくて脳が酸欠状態となって失神してしまいそうだ。

 ゴクンッ…

 フランドールが血を飲み込み、私の首筋から口を放し、血生臭い吐息を漏らして私に視線を向ける。

 ゆったりとした動きで倒れっている私を拘束していた両手をフランドールが手を放し、レーヴァテインを作り出す。

 強い熱を発するレーヴァテインが私に向けられた。

「……っ…!」

 レーヴァテインの放射する熱が熱くて、私はじっとりと嫌な汗をかいてしまう。

 いつ刺されるかわからない恐怖が上乗せされて、冷や汗が止まらない。

 だが、その時すでに私は口内詠唱を終わらせ、魔法を発動しながらレーザーをフランドールに向けてぶっ放した。

 手に魔力を込めた段階でフランドールにレーヴァテインを腹に突き刺されたが、私は関係なくレーザーを撃つ。

 光というものにもエネルギーが存在し、地球に毎日降り注いでいる光のエネルギーは、一年間でビル一つを吹き飛ばすぐらいのエネルギーにはなると聞いたことがある。

 つまり、それに匹敵する光エネルギーをフランドールに放出すれば、おのずとフランドールは上に向かって吹き飛ぶわけだ。

 私の撃った弾幕にフランドールの体が浮き上がり、天井にその小さな体を強く叩きつけられる。その衝撃により、辛うじて支えることのできていたこの狭い空間が一気に崩れ始める。

 私は起き上がりながら弾幕を消し、宙にいるフランドールに向けてバックから取り出した爆発瓶を握りしめ、魔力で最大まで強化してフランドールに叩きつけた。

 瓶が砕けると同時に青白い閃光が視界を塗りつぶす。

 ドォォッ!

 すさまじい爆発に崩れかけていた小屋は内側から膨れ上がって爆発した。

 爆発によって私も吹き飛ばされるが、屋根や壁の瓦礫によって埋もれていた箒を見つけることができた私は箒に乗って逃げることができた。

「魔理沙!大丈夫!?」

 永琳の声が聞こえる。

「ああ!でも、相当やばいぞ!」

 私は言いながら永琳と小悪魔の元に降りた。

 二人はかなり負傷していて、かなりきつそうだ。

「これ以上にやばいことって…どうしたんですか!?」

「…フランが私の血を大量に飲んだんだ……再生能力が上がって腕がほぼ一瞬で再生したんだ」

 私が言うと二人は絶句して目を見開く。

 その時、後方からフランドールの歩く足音が聞こえてきた。

「…っ…!」

 私は即座に後ろを振り向き、レーザーをぶっ放す。

 多少狙いが外れてしまい、フランドールの足を撃ち抜くが、レーザーが消えるころにはすぐにフランドールの傷は完全に消えていた。

「…なんですかこれ……もう、反則じゃないですか……!!」

 小悪魔が言いながら小悪魔がいつでも襲ってきても対処できるように構える。

「…小悪魔、見たところお前が一番重症だ……一度永琳と退いて体勢を立て直してくれ」

「…治療なら永琳さんに受けました……私は大丈夫です」

 私が言うが小悪魔は一歩も引かない。

「…今は私の血を飲ませてる暇もないんだぞ」

「私は大丈夫です……それよりも妹様を倒さないといけません」

「こっちも手伝ってほしいのは山々だが、負傷者がいても…」

 私が話している最中にフランドールが走って飛び掛かって来た。

「っち…!!」

 私は舌打ちしながらレーザーを放とうとしたが、視界には伸ばしたはずの左手が不自然な方向から伸びていて、宙を舞っているように見えた。

 いつの間にか、私の二の腕から先の腕がレーヴァテインで切断されたのだ。

「ぐっ…!!?」

 左腕を押さえようとしたとき、右方向からレーヴァテインが振られる。

 頭の高さをフランドールがレーヴァテインを横に振ってくるが、当たる寸前に肩を掴まれて後ろに下がらせられた。

 レーヴァテインの熱が喉を炙る。

「…負傷者がいてもなんですか…?魔理沙さん」

 小悪魔が言い私を抱き寄せながらフランドールに向けて連続的に弾幕を放つが、レーヴァテインで弾幕を両断されて消えて行くが、時間稼ぎにはなった。

「…わかったよ……やってやろうぜ…小悪魔」

 私は切断された左腕を押さえながら言った。

「……はい」

 小悪魔が言い、私はフランドールに向き直った。

 




たぶん明日も投稿すると思います。

その時はよろしくお願いします。

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