割と好き勝手にやっています。
駄文です
それでも良いという方は第三十五話をお楽しみください。
フランドールの頭部を掴んだまま太い柱に叩き込むと、私の全速力で進んだ時の運動エネルギーと腕を押し出すエネルギーがフランドールの頭部から柱に伝わり、柱の一部が砕けて折れて、くの字に大きく折れた。
私の二の腕に根元まで突き刺さったレーヴァテインが鎮火してなくなると、痛みはズキズキと感じるが、刺された時よりは幾分かましである。
それもより、今さっき叩き折った柱はこの壊れかけの小屋を支えていたものだったらしく、小屋が倒壊を開始し始める。
「…やべぇ…!」
フランドールから手を放すと、手で覆っていて見えなかったフランドールの素顔が見えた。
楽しそうに笑いながら私に向かって手を伸ばし、逃げられないように私の服を掴んでくる。
「…っ!」
完全に油断していた。レーヴァテインが鎮火したから気絶したのかと思ってしまっていたのだ。
「逃がさない。…せっかく楽しくなって来たんだから」
フランがにこっと笑顔を私に向ける。
「くっそ…」
私はフランが掴んでいる手を振り払って屋外に出ようとしたが、掴まれたことにより出遅れた私は倒壊する小屋に巻き込まれるしかなさそうであり、体を魔力で最大まで強化して落ちてくる天井に備えた。
ドォッ!
天井に使われていた木材の重量に耐えることができず、私は倒れる。大量の折れたり曲がったりして落ちてきた木材が私の上に覆いかぶさっていき、外が全く見えなくなってしまう。
だが、フランドールも一緒に埋もれてしまったのは確実であり、皆のところに戻って体勢を立て直すなら今が絶好のチャンスなわけだが、落ちてきた木材が刺さったり重たくてどかせない。そのせいで全く身動きが取れない。
後方にいるはずのフランドールがいる位置から木材の擦れたり折れたりする音が漏れ始める。
「…っ…くそ…!」
私は罵りながら手からレーザーを撃ち出すと、いくつかの木材を吹き飛ばすことができた。
前方に外まで出れるトンネルができた。それはギリギリで崩れずに保っているため、移動は迅速にしなければならない。
レーザーであぶられた部分が焦げたりして蒸気を上げているが、正面にできた小さな空間に私は魔力で体を強化して無理やり滑り込ませた。
高温の木材に皮膚が当たって焼かれて飛びのきそうになるが、私は我慢しながら外に向かってはい出る。
「魔理沙!」
「魔理沙さん!」
見るからに大丈夫そうではない永琳と小悪魔が私がレーザーで開けた穴から出した手を掴んでくれた。
「魔理沙!引っ張り出すわよ!」
永琳が言うと、小悪魔と掴んだ私の手を引っ張り始める。
二人がかりで引っ張ってくれたおかげで私の体が胸のあたりまで出た時、私の体が外に出ようとする動きが止まる。
「…フラン…!!」
肩越しに振り返ると、フランドールの小さな手が私の足を掴んでいるのが見えた。
「…くそっ…!」
私も自分の力で抜け出そうとするが、首の位置まで倒壊した家の中に引きずりこまれてしまう。
負傷した小悪魔と永琳ではフランドール相手に私を引っ張り出せないらしい。
刺された永琳の傷口が早くも開いて出血し始める。
「…魔理沙!…あなたも……早く出て頂戴…!」
「…やってるよ…!」
私が言うと、今度は顎のあたりまで木材の瓦礫の中に引きずり込まれた。
その間にも後ろからフランドールのクスクスと笑う声がわずかに聞こえてくる。
こっちは命懸けだというのにフランドールは遊んでいる。そんなやばいとしか言えない感覚なのだろう。
「ごほっ!!?」
小悪魔が口から血を吐血し、私を掴む手が緩んでしまい。私は木材の瓦礫の中に一気に引きずり込まれかける。
「魔理沙…!」
永琳が掴んだ手を放さないように握りしめてくれるが、このままでは二人まとめて引きずり込まれてしまうため私は手を放した。
永琳の表情が驚きを示したと思ったときにはすでに木材で作られた私が作ったトンネルを通ってフランのいる位置に連れてこられた。
フランがいた位置は、私が叩き折った柱が一部機能していたらしく少し広めの空間が確保されているがいつ崩れるかわからない。
仰向けの私の首根っこをフランドールに掴まれ、辛うじて潰れていない一部の屋根を支えている柱に私を叩きつけた。
「ぐっ…う…」
私が押さえつけられている柱が歪むいやな音がこの狭い空間に響き渡る。
私を引きずり込んだ場所から小悪魔たちが来ないようにフランはありとあらゆるものを破壊する程度の能力で破壊し、入り口を閉ざしてしまう。
それに影響されて10メートルほどの空間があったのが天井が崩れて半分ほどになってしまう。こうなってしまったら天井か壁を破壊して以外に外に出る方法が無くなってしまう。
「…ぐっ…」
私は周りに影響を与えない程度にまでレーザーの大きさを絞り、フランドールに向けてレーザーを撃つ。
しかし、フランが掴んでいるのは私の首根っこなわけであるため、私の後方にフランドールがいるわけだ。後ろ向きにレーザーを撃ったことなどそうそうないため、狙いが大きくそれてあらぬ方向にレーザーは飛んでいく。
フランがそんな私に後ろから膝蹴りを食らわせて柱から剥ぎ取り、地面に転ばせられる。
「あっ……ぐっ…!?」
腰のあたりに当たったフランドールの蹴りは私の座骨を簡単に砕いた。
仰向けに倒れ、骨を砕かれた私はそう簡単には立ち上がれない。
ビリビリと電流を流されているように足腰が言うことを聞いてくれない。
「うふふっ……クスクス…」
フランドールが笑いながら立ち上がれずに這いずって距離を取ろうとした私の背中に覆いかぶさってくる。
両手首を上から掴まれて床に動かせないように押し付けられた。
私のさらに拘束するように腰の位置にフランドールが座り、砕かれた座骨の痛みに私は呻いた。
「ぐ……っ…!」
フランドールが顔を下げて私の首筋近くで吐息を漏らした。生暖かいフランドールの吐息が私の首筋にかかり、私は何をされるのか何となく察してしまい、ゾクリと寒気が走る。
フランドールが私の首筋を舌でペロッと舐めた。
「…っ…!」
抜け出そうとしても万力で絞められているように私の掴まれている手が動いてくれない。そうやって時間を無駄にしているうちに、フランドールが口を開け、鋭い犬歯を私の首筋に突き立てた。
たぶん明日も投稿すると思います。
その時はよろしくお願いします。