もう一つの東方鬼狂郷   作:albtraum

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もう一つとか言って前作とは関係がありません。

割と好き勝手にやっています。

それでも良いという方は第三十二話をお楽しみください。


もう一つの東方鬼狂郷 第三十二話 鬼たちとの戦い

 攻撃用ではない光の魔法は強い光を当てられると解除してしまう。現在の時刻は夕方をとっくに過ぎて暗くなっている。

 それにより、私が使う光の強さも夜の時間帯の物であり、必然的に光の強さも弱くなる。したがって鬼たちの弾幕の光よりも弱い光の魔法が解けてしまったのだ。

「…その事すっかり忘れてたぜ」

 こちらに近づいてくる鬼に狙いを定め、腹を魔力の防御力以上の威力で撃ち抜いた。

「……」

 一人傷つけばそれを助けるためにほかの鬼が助けに入る。その鬼を私は撃ち抜く。

「……数が多いな…」

 カードに魔力でプログラムが書かれたスペルカードを取り出した。

 コンピューターに電気を流して電源を入れるように、カードのプログラムに大量の魔力をながしてスペルカードの発動準備をさせる。

 魔力を流されたことにより淡く光るカードを私が握りつぶすと、プログラムに沿った通りに私の周りに五つの光輝く球体が現れる。

 大量に流した魔力に耐え切れなかった紙を握りつぶしたことにより、紙が粒子となって握った手のひらの中から消えて行く。

「…恋符『インディクレショナルレーザー』」

 五つのレーザーが一定の速度で私の周りで回転を始め、一つ一つが分裂して二つになると、私の周りを囲う光の球体は十個となり、分裂する前に出していた五つの光の球からそれぞれが別の色のレーザーが放たれた。

 それを追うように残りの五つの球から星形の弾幕が連続的に発射される。小悪魔たちには当たらないようにしていて、動きが制限されるというのもあるがきりがない。次から次へと洞窟の奥から鬼たちが湧き水のように湧き出てくる。

 レーザーで撃ち抜かれる鬼、星形の弾幕に撃ち抜かれる鬼もいるが、それは少数でしかない。

 十数秒もすると、スペルカードの効果が切れ、私の周りをクルクル回りながら浮遊していた光の球に込めた魔力が無くなり、消滅する。

「……まだこんなにいんのか…」

 私はげんなりしながら呟く。

「…魔理沙さーん!…何かいい案はないですか!?」

 大妖精が一生懸命に弾幕を避けながら、正邪を気絶させたときのようなアイデアはないですかと期待の眼差しを私に向けてくる。

「……ねぇよ…!」

 私は言いながら弾幕を避け、棍棒を振りかぶって来た鬼に向けてレーザーをぶっ放す。

 私の攻撃に気が付き、中途半端に避けたせいで鬼は棍棒を持っていた方とは逆の腕をレーザーに焼かれて切断された。

「…よし……」

 ドゴッ!!

 油断をしていた私は、レーザーで腕を撃ち抜いた鬼が棍棒を私の見えない右方向から振るった。私の体は二十メートル以上離れていた洞窟の壁に叩きつけられてしまう。

「……ぐっ…!?」

 殴られた頭の中で鐘が何度も鳴り響いているように激痛がズキズキと何度も押し寄せ、私を苦しめる。

 殴られた側頭部が真っ赤に染まっていて、触ると水の質感を指先に感じ、血が流れているのがすぐに分かった。

「う……ぐ……あぁぁ…っ…!」

 いつまでも引くことのない偏頭痛のような痛みに、私は頭を抱える。

 鬼たちがもがいている私を完全に包囲していて、助けようと動く小悪魔たちもこの鬼たちの壁を突破することができない。

「…死にな、魔法使いの小娘!」

 一番手前にいた鬼が全長が私ぐらいもある棍棒を振りかぶり、私に向かって振り下ろした。

 棍棒が私の頭に当たると、私をさらに壁にめり込ませる。

 爆発でもしたような轟音に耳が痛い。でも、始めに殴られた時の痛みが長続きするせいで今はあまり気にならない痛みだ。

「……!?」

 私を殴った鬼がよろけながらも砕けた岩石の中から起き上がった私を見ていきをのんでいる。砂煙が私がいる位置から舞い上がり、小石や岩が洞窟の奥に向かて転がっていく。

「…こいつ、魔力を扱えるとは言え……本当に人間なのかよ…」

 どの鬼かはわからないが、そう呟く声が私には聞こえた。私を殴った鬼が持つ棍棒には私の血液がべったりと付着している。鬼たちがそう思うのも無理はないだろう。

 壁の中にめり込んで埋もれている腕を引き抜くと同時に、鬼たちにはばれないように手先に魔力を集中させていた。振り向きざまに私を殴った鬼にレーザーを至近距離から浴びせた。

 下半身を吹き飛ばされた鬼の絶叫が洞窟内に響き渡る、それの影響で辺りがしんと静まり私の静かな声だけが響く。

「……鬼は頑丈で…この程度じゃあ死なないだろう?」

 下半身を吹き飛ばしてやった鬼の髪の毛をむしり取る勢いで頭を掴み、注目が集まっているのを利用して私はさらに言葉を並べる。

「……死なない程度で済ませてやるからさっさと私にかかってこい」

 私は言うと同時に魔力で作り出した球体をいくつか作り出し、小悪魔や大妖精、永琳の周りに群がっている鬼を全て撃ち抜いた。

 死にはしないが、一時的に再起不能に至るほどの威力に、鬼たちが糸の切れた人形のように重力に従って落ち始める。

 仲間をやられたことにより、逆上して鬼たちの狙いが私に集中した。

「……」

 私が後ろに下がりながらバックに手を突っ込んだ時、こちらに急速に接近してきた三体の鬼がそれぞれがもつ棍棒を振るった。

 野球でもやるようにして振るった棍棒の一つは私の脇腹にめり込んだ。

「…がっ……あ……!?

 体をくの字に折り、再度壁に叩きつけられてしまう。いくら頑丈とは言え、人間を今まで一撃粉砕してきた鬼たちは確かな手ごたえを感じたのだろう。油断している。そのときに私は上にとあるものをぶん投げた。

 天子の時に使ったクラスター爆弾を模した爆弾だ。

「爆発しろ」

 私がそう唱えると耳をつんざく爆音が響く、小悪魔たちとはある程度離れた位置にいるからこれを食らうことはないだろう。

 爆発の衝撃で四方八方に散らばった小型の爆弾が鬼に当たり、爆発を起こす。

 魔力をたくさん込めたため、その大きさに会わない爆発の威力と大きさに鬼もかなりのダメージを負い、ほとんどの鬼が脱落していく。

 爆発の真下にいれば100%の確率で私にも小型の爆弾は降り注ぐが、一番近くにいた呆気に取られている鬼を盾にして私は難を逃れた。

「…みんなは……大丈夫か…?」

 私が言いながら周りを見回した時、小悪魔たちが何かを言っているのが見えた。

「…………!!」

 血相を変えてしきりに何かを私に訴えかけてくるが、どういう意味か分からない。

 近づこうとした私はようやく気が付いた。私は気が付かないうちに後ろから予想外の不意打ちを食らっていたのだ。

 




たぶん明日も投稿します。

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