青年はボストン公共図書館にきていた。
ふー、やっぱり図書館は落ち着くな。さてとしばらく中断していた。希少本読書始めるか。
「希少本自体は有るんだが、なかなかこれはという本がないな。」
「お困りのようですね。」
声をかけられて振り返るとそこにはおそらく中東の人間だろう非常に整った容姿をした男性が立っていた。
「こんにちは、私テトラと申します。すみませんが誠に勝手ながら先ほどの話聞かせていただきました。それでしたらいい本が有ります。読んだら誰でも頭から離れなくなるような。」
そういうテトラさんはどうやら職員のようだった。
「本当ですか。是非お願いします。」
そういうとテトラさんは「こちらです。付いてきてください。」といって歩き出した。それにしても誰でも頭から離れなくなる本とは一体?
しばらく歩くとテトラさんが「着きましたこの本棚です。」そう言って一冊の本を取り出し渡してきた。
そして、一礼すると「私は他に仕事がありますのでと言い去っていった。その本は黒い表紙にフランス語の金箔押しでこう書かれていた『無名祭祀書』
「これってあれだよな。あのすぐに出版禁止になったていう魔道書だよな。しかしフランス語版なんて存在したんだな。」
「あのー、少し宜しいでしょうか。」
そこにはかなり美人な女性が立っていた。
「はい、何でしょう。」
「実は私その本をずっと昔から探していたんです。宜しければみせていただいても?」
「ええいいですよ。僕もがっつくつもりはありませんし。何なら借りていかれてもいいんですよ。また今度借りればいいだけの話ですしね。」
「ありがとうございます。」
彼女はそう言い本を持って去っていった。
(テトラさんには少し悪いかもしれないけど。さて、他の本を探そうか 。〜〜)
『ガルドラボーク』が見つかった。どれどれ内容は・・・
次探そう。〜〜
これは『レメゲドン』かまあ読んでみよう。
「まあ、色々と参考になったな。これは今書いている小説に活かせそうだ。」
さてとそろそろ他のところに行こうか、
あのあと僕は『80日間世界一周』、『海底二万マイル』を借りることにした。海底二万マイルはボストン公共図書館だけでも6回借りたことがある。さてと今日は帰ろうか。明日は講演会もあるし。その後は副職でやっている外国語教師の仕事もあるし。
そのようなことを考えながら青年はアーカム行きのバスに乗りボストンを後にしたこれから神話的出来事に巻き込まれることになるのも知らずに、、、
いつもよりも短めですがここまでです。