Final Fantasy XV, Return of the King(旧題 ファイナルファンタジー15 新世の王)   作:レレレのレイド

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おはようございます。

なんかアクセス数とか評価が無茶苦茶増えてるんですけど何があったんでしょうか(;´・ω・)

良い評価、悪い評価含めこの作品を読んでいただきありがとうございます!!


では5章をどうぞ。


5章「うつろわざる王」

「ホウ・・・・未熟ナ身デ指輪ヲ付ケルカ・・・・」

「此度ノ人物ガ聖石ニ選バレシ王カ・・・・」

「チカラノ継承モ啓示モ行ワズニコノ指輪ヲ付ケル意味・・・貴様モ知ッテイヨウ・・・」

 

ノクトの周りを歴代の王たちが囲む。

 

「シテ何ユエ指輪ヲ付ケタ・・・・聖石ニ選バレシ王ヨ・・・・」

 

返答する言葉が決まっていたノクトは叫ぶ。

 

「歴代の王よ!!アンタらが持つその力を貸せ!!このふざけた戦いを終わらせるために!!」

「・・・如何ニ聖石ニ選バレシ王デアロウトモ我ラニ命令スルコトナド許サレナイ。」

「ソノ身・・・滅ボサレタイカ・・・小僧・・・・・・・!?」

 

ノクトの言い草に歴代の王は憤るが直後・・・ノクトの内から発せられる自らの力の残滓を感じ取り困惑する。

 

「貴様カラ発セラレルソノチカラノ残滓・・・・ソレハマサカ・・・・!!」

「気づくのが遅いんだよ。そうだ、おれはすでに一度使命を果たしている!!だから・・・力を貸しやがれ!!」

 

光耀の指輪を付けた時、ノクトは自身と指輪から微かに溢れ出る力を感じ取り気づいていた。

この力はアーデンを滅ぼした時に発していたものと同じであるということに・・・

そして指輪の力はその身に王らの一撃を受けた後に、闇を消し去るために発しようとしていたものと同質であることに。

 

「ソウカ・・・・ソナタハ、世界ガ変ワッテモウツロワザル真ノ王デアッタ・・・カ・・・・」

「今ノソナタノ姿ハコノ世界デノ姿、コノママデハ魂ト肉体ガ拒絶ヲ起コシ・・・世界ヲ守ルコトナクオ前ハ消エ去リ、世界ハ闇ニ包マレルデアロウ。」

「何だと!?」

 

この世界でも生きていけないことを告げる歴代の王達。

その事実にノクトは驚く。

 

「ダガ、前ノ世界ノソナタノ肉体デアレバ魂トノ拒絶ハ起コラズコノ世界デモ生キテイクコトガ出来ルデアロウ。・・・ソノ為ニハ対価ガ必要ダ。」

「・・・・・上等じゃねえか。対価はなんだ?」

 

ノクトはこの世界に生きていく為の対価についての説明を要求する。

迷いのないノクトの返答に満足したのか他の王たちが対価について語り始める。

 

「ウツロワザル真ノ王ヨ・・・・・ソナタニハ、モウ一度我ラノ剣ヲ受ケテモラオウ。」

「今ノ肉体ノ死ヲ持ッテソナタノ真ノ肉体ヲ、コノ世界ニ呼ビ起コソウゾ。」

 

「ダガ今ハ要ラヌ。此度ノ戦ハ我ラガ助力シヨウ。世界ヲ闇カラ救ッタコトニ対スル我ラノ計ライダ、真ノ王ヨ。コノ戦ガ終ワリ次第、王ノ座ニテ払ッテモラオウ。」

「ソレニヨリ、使命ヲ果タシタ王ガ帰還ガ為サレ、光耀ノ指輪ハ真ナル覚醒ヲ始メヨウ。」

「ダガ、指輪ノ覚醒ハ不十分・・・真ノ覚醒マデハソナタノ姿ハコノ世界ト元イタ世界ノ姿トノ境界ガ曖昧トナル。真ノ覚醒ガ無ケレバイズレ世界カラ弾ジキ出サレヨウ。指輪ノ真ナル覚醒を促ス為ニハ神凪と再ビ世界ヲ巡リ六神の啓示ヲ再度受ケ、クリスタルニ触レヨ。」

「サスレバ、ソナタハコノ世界ニ留マレルコトガ出来、世界ハ闇ニ包マレルコト無ク平穏ヲ取リ戻スダロウ・・・・」

 

そう歴代の王たちが言い終える。

それを受けノクトは己を手を見つめ顔を歪ませながら言う。

 

「今、俺がこの時間軸にいること自体が奇跡だ。以前は色んなもんを失ってきた。ルーナや親父達を、だ・・・・玉座でのあれを繰り返して前の世界の肉体を呼び起こす?上等じゃねーか。支払ってやろうじゃねーの。それでルーナやこの世界が守れて俺が生きてけんのなら喜んで支払ってやるよ!!」

 

そしてノクトは顔を上げ笑みを浮かべて言い放つ。

 

 

 

 

「契約成立だ。」

 

 

 

 

ノクトの宣言と共に歴代のルシス王が消え・・・

 

そして時間は動き出す。

 

 

 

 

17時 王城 議場

 

 

 

 

銃弾や魔法が飛び交う戦場の中でそれは突如起こった。

指輪が光ったと思ったらすさまじい光が溢れ出し光がノクトとルナフレーナを包み込んだのだ。

 

「ルーナ・・・・ありがとな。・・・・もう大丈夫だ。」

 

「・・・・ノクティス・・・・様?」「ノ・・・ノクト・・・?」

 

事態についていけないルナフレーナやプロンプトが困惑した声を上げる。

そんな彼らを置いてノクトはルーナの頬を指で優しくなぞりながら続ける。

 

「終わらせるって言ったろ?それに怪我も、もう大丈夫だルーナ。」

 

先程まであった腹部の銃創に光が集まり傷口が閉じていく。光の中でノクトは自身の内に眠る力が満たされていくのが分かった。

そして光が霧散していく・・・・・

 

「ノクティス・・・そなたは・・・・そなたは何をしたのだ・・・・」

「安心しろ親父・・・俺はまだ何もしちゃいねえよ。ただ、歴代のルシスの王様達がな・・・俺に力を貸したいんだとよ。だからルーナ・・・悪いけど、その逆鉾返してもらうな?」

 

ノクトはレギスの問いに答えつつ床に落ち血に濡れる神凪の逆鉾を自身の内に回収し、立ち上がる。

そしてドラッドーと向き合う。

 

「何の真似だ?ノクティス王子。」

 

魔導兵や裏切った隊員らが四方からノクトに銃口を合わせる。

そんな状況なのだがノクトはドラッドーの問いを無視して続ける。

 

「来い!!王の力よ!!」

 

ファントムソード全展開

 

歴代のルシス王の助力を得て今一度使えるようになった今のノクトの切り札である。

ノクトは魔導兵ら帝国軍が引き金を引くのよりも早く、近くの魔導兵にシフトで近づき賢王の剣で切り捨てる。

この時、別の魔導兵と裏切り者の王の剣隊員の頭上からはファントムソードが降り注ぎ同時に彼らを屠る。

一瞬で三名やられた帝国軍は事態が掴めず狼狽する。ただ一人を除いて。

 

狼狽する帝国兵や裏切り者の王の剣隊員を他所にドラッドーは猛スピードでノクトに迫り切り掛かるも連続シフトで移動するノクトには当たらない。

 

「っ!!・・・・・なんだ!!・・・・・なんなのだこの力は!!」

 

ドラッドーが幾度攻撃しようがその攻撃は当たらない。

何度か手ごたえはあったもののノクトの猛攻に変化はない。

それどころか攻撃の度に反撃を喰らい鎧の破損が酷くなる。

さらには頭上からは武器が降り注いでくるのだ。

ドラッドーは武器の雨を回避しつつも辺りを見回す。

 

 

もはや戦闘ですらなかった。

 

 

まだノクトの猛攻に太刀打ちが出来ているこちら側の王の剣隊員もいるが魔導兵は何もできず次々と屠られていく。

一方的な殲滅である。

 

その事実に身を震わせるドラッドーは即座に思考を切り替え、ノクトではなく少し離れたところで呆然とこの戦闘を見ているルナフレーナに目標を変え突進する。

 

「っっ!!・・・させるかよ!!」

 

ノクトが瞬時にドラッドーの目の前に現れる。

だが、ドラッドーはこれが狙いだった。

正攻法での勝機は現状の体力や装備の破損など複数の要因から考えて無理だと悟った。

ならば、ルナフレーナを狙えば先程の経緯からノクティスはルナフレーナを守りに自分の前に現れるだろうと踏んでいのだ。

そしてそれは正しかった。

 

「かかったな!!」

 

ドラッドーが右手の大剣で渾身の突きをノクトに放つ。だが・・・・

 

 

 

 

「・・・・・グぁ!?」

 

 

 

 

 

右腕に激痛が走った次の瞬間にはドラッドーの右腕と大剣が宙を舞い鮮血が飛び散る。

ノクトがこちらよりも早く父王の剣で右腕を大剣ごと切り飛ばしたのだ。

激痛に襲われながらもドラッドーは後方に飛び、ノクトから距離を取る。

ドラットーが離れると共にノクトの周囲を回っていたファントムソードが砕け消失する。

 

ドラッドーは右肩を抑え、肩で息をしながらノクトに言い募る。

 

「ノクティス王子・・・・お前が・・・・何をしようと・・・・・全て無駄だ!!今、この場で・・・・我らを倒そうとも・・・帝国の増援が来る!!・・・・それに間もなく夜だ。・・・・王の剣の隊員諸君・・・・お前達なら・・・・この意味・・・わかるだろう・・・・?」

「・・・・・・・・・・!!」

 

ドラッドーは苦痛に顔を歪めながらも勝ちを誇った顔を崩さずこの後に何が訪れるのかを知っているであろうニックス達に問いかける。

夜・帝国の増援という単語にニックス達の脳裏にクレイン地方での一戦の記憶が蘇る。

夜とともに帝国が投入したあの巨大な生体兵器のことを・・・・・

 

「まさかあれをこのインソムニアに投入するつもりかい・・・アンタは今までいたこの街のことなんかどうでもいいって思ってるのか?」

「愚問・・・・だなニックス。私が・・・・取り返したいのは・・・・故郷だ。ここインソムニアが・・・・どうなろうが興味は・・・・無い。」

「っチ!!性根まで腐ってるってことかい。」

 

ニックスはドラッドーの返答に顔を歪め舌打ちをする。

第二魔法障壁無き今、帝国のシガイからインソムニアを守れるものはない。

詰みだ。ニックス達の中に諦めがわずかに頭をよぎる。

だが・・・・・・ノクトが前に進み出て宣言する。

 

「そんなこと俺がさせねえし。」

 

「・・・・フッ・・・・・この状況下で・・・・何を言うか王子。」

 

ドラッドーは口では強気に出る。

だがこの王子は何をしでかすか全くわからない。

それに現状はこちらが圧倒的に不利だ。撤退する必要がある。

アクシスにアイコンタクトで伝え時間を稼ぐ。

 

「第二魔法障壁は・・・・破られ、帝国が・・・創り上げた・・・戦術級巨大生体兵器・・・ダイヤウエポンには・・・・敵うまい・・」

「だから、それも潰す。アンタらの思惑はすべてナシ・・・・だ!!」

「ここは引かせてもらうぞ・・・・アクシス!!」

 

ノクトが動く前にドラッドーの指示でアクシスはファイアを床に炸裂させる。

爆炎でドラッドーたちの姿が掻き消える。

 

「!!逃すかよ!!」

「ノクティスよ。いったんここは抑えるんだ。」

「親父!!」

 

追撃しようとするノクトをレギスが肩を掴み止めさせる。

苛立ちを抑えきれずノクトはレギスの腕を振り払い掴みかかる。

 

「親父は!!この状況を見逃せってのか!!街や王城が好き放題やられてるってのにアンタは・・・・!!」

「堪えるのだノクトよ。一時の感情に流されてはならぬ。すべてを失うぞ。」

「親父!!アンタが言うんじゃねーよ!!」

 

ノクトにとっては火に油を注ぐ行為であった。・・・・だが

 

「陛下の言うことにも一理ある。ここは抑えろノクト。」

「・・・イグニス!!」

「おいおいノクト。ルナフレーナ様の前でそんなみっともない真似すんのか?」

「グラディオまで・・・」

「ノクトは皆のことが大切だからねー。国のこともノクトなりに考えてるのはわかるけど突っ走り過ぎ。ちょっとは落ち着こうよ。」

「プロンプト・・・・」

 

親友らがノクトをなだめに来る。

腰に手を当て深呼吸し気持ちを落ち着かせる。

 

「はぁ・・・わかった・・・わかりましたよ。・・・・で、親父。この後のこと何か考えがあんのか?」

「光耀の指輪の力で・・・第一魔法障壁を発動させるのだ。これならば大型のシガイでも対処できよう」

「・・・・却下だ。第一魔法障壁は市街地への被害が大きすぎる。民間人の避難も済んでいねえのにそんなことできるか!!」

 

レギスの考えに反発するノクト。

攻め込まれてからは何もかもが遅いのだ。

 

「ならば、ノクト、お前は帝国のシガイに市街地を蹂躙されたほうが良いというのか!?」

「違げーし。ああ!!もうめんどくせーな。帝国は何とかするから親父は見てろっての!!とりあえず全員、王都が一望できる展望デッキに行くぞ。話はあとだ。」

 

「・・・・・・・・・良かろう。皆の者行くぞ。そこの君は悪いがクレイラスを支えてくれないか。」

「っは!!」

 

王兵の一人に戦闘の最中に救助されていたクレイラスを支えるようレギスが指示し、一同は展望デッキへと移動する。

 

 

 

 

18時 王城 展望デッキ

 

展望デッキからは平時は美しいインソムニアの夜の街並みが一望できる。

だが今は街の至る所から黒煙を上げ小型の魔導船が何隻も飛び交う痛々しい光景が広がる。

さらに外壁の向こうからは何かを吊り下げた魔導船が多数向かってくる。

 

「・・・・・あれだな。ニックスらに聞くけど、あのデカ物に見覚えは?」

 

「ああ・・・忘れるわけがない。私は後方で大魔法を行っていたからアレの全体像をよく覚えている。」

「アレを見間違えるわけねえな。ドラッドーが言うところのアレがダイヤウエポンってやつだ。」

「・・・・よく覚えてます。あの怪物が仲間を踏みつぶす光景が忘れられません。」

「・・・・・・・あれは、マジでやばかったわ」

 

ニックス達はアレがダイヤウエポンだという。

まだ城壁外・・・・やるなら今しかない。

ノクトは覚悟を決める。

 

「全員下がってろ。」

「ノクティス様・・・?」

 

ノクトの声に緊張が混ざっているのをルナフレーナは勘づく。

右手を差し出し声を上げる。

 

 

 

 

「我、ノクティス・ルシス・チェラムが呼びかける!!契約に基づき我が声に応じよ!!剣神!!バハムート!!!!」

 

 

 

 

 

「「!!!!???」」

 

 

ノクトの宣言の後・・・・・それは起きた。

ダイヤウエポンを直上から吊るす大型魔導船の一隻がいきなり落下しダイヤウエポンを巻き込みながら猛烈な勢いで海に落ちていき大きく水柱を上げながら海中に没し・・・・閃光と共に轟音が展望デッキに響き渡った。

 

「何が起きた!?」「魔導船がダイヤウエポンを巻き込んで爆発したぞ!!」

「どういうことだ!!」

 

突然の出来事に驚くレギスたちに対し、冷静なノクト。

魔導船が墜落した場所より大きな水柱が立ち、何かが上空へと飛び出し猛烈なスピードでこちらに向かってくる

 

「あれは、まさか・・・・」

「あれは、六神の一柱、剣神・・・バハムート。」

「マジもんの神様を呼んだってのかい・・・・」

 

呆然と呟くレギスやルナフレーナにニックス。どこからかカメラの音が聞こえたが気にしないでおこう。

そんな中、ルナフレーナは‘声‘を聞いた。

 

{我・・・剣神バハムート・・・真の王の呼びかけに応じ助力に来た・・・}

{真の王・・・ノクティスよ・・・我と共に戦おうぞ・・・!!}

 

「ああ悪いな・・・・力・・貸してくれ。」

 

剣神バハムートの呼びかけと共に再び光耀の指輪から光が溢れノクトの体を包み込む。

 

「ノクティス様!?」「ノクト!?」

 

そして光が霧散したとき、そこにはノクトの姿はなく仕立ての良い黒服を着こなしたレギスによく似た男が立っていた。

 

「・・・・え!?」「ノクト!!って・・・アレ?」

「あれは誰だ・・・」「ノクティス王子はいずこに・・・?」

 

混乱が広がる。

 

「ええと、そこのアンタ、悪いが誰だ?ノクトをどこにやった?回答によってはただじゃ済まさねえぞ。」

 

混乱しながらもグラディオは大剣を召喚し謎の男に聞く。

男は自分の姿を確認し始める。

 

「ん?ああ・・・なるほどな。ま、当然の反応・・・・だな。今は説明している時間が惜しい。だが信じてくれ。俺がノクトだ。」

「・・・・・・ハア?」

 

笑みを浮かべ、自分がノクトだと言う男の返答にグラディオたちをさらに混乱する。

しかし、グラディオたちの驚愕に付き合う暇のないノクトは展望デッキの安全柵を乗り越え・・・・

 

「じゃあ・・・・行ってくる。」

「な・・・・・お・・・・おい!?待ちやが・・・・」

 

迷うことなく飛び降りた。

 




この章は地味に難産でした。
なんて言ったって歴代のルシス王との対話で今後のノクトがどうなるのか方針を書かないといけませんでしたので。
あーでもないこーでもないと云々考えて今の形となりました。
賛否はあるかもしれません。

そして今作では五体満足でいられるレイヴス准将、キングスグレイブでの出番は残念ながらなしです。
代わりにグラウカ将軍の右腕を落としました。仕方ないですね。

ノクト無双は正直書いていてつまらないものがありますのでできるだけ無双回は少なくしたいものです。

ノクトのファントムソードについて
ノクトは前の世界(時間軸)のを有しておりますのでこの世界に王の武器が2つ存在しております。

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