Final Fantasy XV, Return of the King(旧題 ファイナルファンタジー15 新世の王) 作:レレレのレイド
FF15もやり直して7章の段階で85レべです。(おい)
ボーナス魔法も使いましたが基本はお守り装備でウルフらさん狩りでした。
10日前後空きましたが第3章です。
よろしくお願いします。
15時 王都上空 小型魔導船
ノクトはルーナとの抱擁を解き、王の剣隊員と向き合い礼を言う。
「・・・・あんたらは、王の剣の隊員だろ?・・・・ルーナ・・・・いや、ルナフレーナを助けてくれて助かった。ありがとう。」
「どういたしましてノクティス王子。こちらとしてもいいもんが見れたぜ。だけどな・・・・ルナフレーナ様の救出は俺たちの任務だったんだ。だから、王子に感謝される筋合いはホントは無いんだぜ?」
ノクトはルナフレーナ救出の感謝の礼をするがそれを王の剣の隊員らは固辞する。
彼らは国王レギスの命でルナフレーナ救出の任務にあたっていたのだからルナフレーナの救出は至極当然のことである。むしろあのタコの魔獣(オルトロス)を倒し、こちらの危機を救ってくれたノクトに対して礼を述べたいくらいであった。
「だけども・・・だ。・・・・えっと・・・」
「ああ。悪い悪い自己紹介がまだだったか。俺はニックス・ウリック、よろしくな。ノクティス王子。」
「私はエクレール・ファロン。」「俺はロッソ・レファール。よろしく」
「カニス・ダンだ。よろしくノクティス王子!!」
ノクトが隊員らの名前を言おうとまごついたところでニックスら王の剣の隊員たちが自己紹介を行う。
「あぁ・・・よろしく頼むわ。それより、ノクティスって呼ばれんのは好きじゃない。・・・ノクトでいい。ルーナもノクトって呼んでほしい。」
先程からノクティスと呼ばれることを気にしたノクトはルーナ含め全員に言う。
堅苦しいのは苦手だ。もっと砕けて話してほしい。
「わかりました。ノクティ・・・・いえ、ノクト様。」
「わかりましたよ。これでいいですかね?ノクト王子?」
ルーナは昔からノクティスと呼んでいたのでノクティスと呼び慣れているのであろうが、ニックスはニヒルな感じで呼んでくる。
だが、名前の呼び方より今はすべきことがある。ノクトはそちらのほうに話を向けることにした。
「様も王子もいらねえよ。それよりもこの魔導船、王城に向かってんだよな?どれくらいで着きそうだ?」
「今のスピードならあと10分ちょいってとこかい?先の魔導船爆発で動力の何処かやられたのか思うように出力が上がらねえ。時間を縮めようとするのはちと難しいなぁ。」
先のタコとの戦闘で生じた爆発が影響してるようだ。やり過ぎたことを少し反省しつつも前向きに考える。
「わかった。できる限りさ、急いで王城に向かってほしい。」
「わかってますよ。ノクト王子。ところで王城で何があったのか話しちゃくれませんかねぇ?俺たちは魔導船であの赤い光が立ち上った後に第二魔法障壁が崩れ落ちていく様子しか見てないもんでね。ドラットー将軍とも連絡がつかないし。」
ニックスは操艦しながら自分やルナフレーナが今、知りたかったことを聞いた。
ニックスたちは王城での出来事を一切知らないのだから事情を知っていそうなノクトに聞くのが一番いいと思ったからである。
「あぁ。あの光は帝国が用意したクリスタルジャマーってやつで文字通りクリスタルの力を阻害する装置なんだとさ。元々は帝国兵の部隊がクリスタルの間を吸収してクリスタルの間を破壊し第二魔法障壁を止める算段だったらしいが俺たちが邪魔したおかげでクリスタルジャマーの使用による直接奪取に切り替えた・・・らしいわ。」
ノクトは王城でアーデン・イズニアから聞いた話をニックス達にそっくりそのまま伝える。
「クリスタルの力を阻害・・・?」
「おいおい・・・・クリスタルの力を阻害って帝国の技術力はどうなっているんだ?」
「・・・・正気じゃないな。」「なんか・・・やばそうだなあ。」
ノクトの話に驚く一同。
ノクト自身もジグタナス要塞で王の力を封じられていなければ信じられなかったであろう。
だが事実だ。
そんな中、いち早く冷静になったニックスはその情報源が気になった。
「・・・・そんな情報を誰から聞いたんで?」
「帝国宰相アーデン・イズニアから直接聞いた。流れであいつと戦う雰囲気になったけど今、あいつと戦っても100%勝てねえのわかってたから戦わずに済むよう挑発したらあっさり引いてくれた。しょーじき、あいつと戦闘にならず命拾いしたわ。」
「あの帝国宰相のアーデン・イズニアから?それよりもあの宰相は腕が立つのか?」
情報源の人物に驚く一同だったが好戦的な性格の持ち主であるエクレール・ファロンはその後のノクトの話に興味が沸いたらしくアーデンの実力について聞いてきた。
「まーな。俺が知る限りでは最強だな。現状で世界最強って言われてもおかしくねえ実力を隠してる。」
ノクトの知る限りではアーデンほど実力を持った人物など見たことも聞いたこともない。
同じ王家の力を有しその身にシガイの力を宿し幾星霜の月日も王家への復讐だけを望み生きてきたあの男を最強と言わずにはおけないだろう。
ノクトがそんな考えに浸っていた時、魔導船内に鈍い砲撃音が響き渡る。
「・・・・王城が!!」
ルーナの声で我に返り、急いで王城を見る。
そこには帝国軍の魔導船団が王城、クリスタルの間を砲撃し攻撃する光景が見えた。
「王子の言う通り、帝国の連中、直接クリスタルを取りに来てるようだな・・・・」
「ああ・・・・だけどクリスタルのことは気にすんな。後々、取り返せるから。今は式典会場の議場に行くぞ。命は失ったら取り返せないからな。・・・それに後悔したくねぇから・・・」
ノクトはクリスタルよりも人命を優先した。
前世で大切な人を多く失った経験からノクトは失うことに対して一種の強迫観念にも似た思いを抱いている。
「・・・そう・・・ですね。わかりました。」
「まあ、そうだな。んじゃできる限り議場に急ぎますか。」
クリスタルよりレギスらの無事を確認する言うノクトの意見に同意したルナフレーナや王の剣の隊員らは議場へと向かうことにした。
時は遡り
王城
ノクトと別れたグラディオはクリスタルの間へと急ぎ階段を登る。
「ノクトのやつ・・・無理してねえだろうな・・・・っと見えてきたな。」
階段を登り切りクリスタルの間に続く通路に勢い良く飛び出すと
プロンプトらがこちらに銃を向けて来る。いきなり飛び出したら敵と誤認してもおかしくない。むしろ身構えるのは当然のことだ。
「撃つな撃つな。プロンプト、俺だ。グラディオだ。」
「なんだーグラディオかー帝国兵かと思ったよ。」
味方と分かり銃を下すプロンプトや王兵たち。
そんな彼らを一瞥しイグニスが話してくる。
「ノクトはどうしたグラディオ。それにこの光はなんだ?」
「ノクトは、帝国の宰相の相手をしてる。・・・で、ノクティス王子からここにいる全員に伝達だ!!この光はクリスタルの力を阻害するもので、じきに第二魔法障壁が破られ帝国の魔導船の艦隊が来る!!クリスタルの死守を辞めて今すぐ調印式会場に行けとな!!」
次の瞬間、城内に第二魔法障壁が砕ける音が響き渡る。
「・・・どうやら第二魔法障壁が崩壊し始めたようだな。グラディオの話が事実ならここは危険だ。今すぐこの場を離れよう。」
「せっかく守っていたクリスタルを諦めちゃうの!?」
まだ諦めきれていないプロンプトにグラディオが脅しをかける。
「魔導船の砲撃で死にたいのか?プロンプト?つまりはそういうことだ。諦めろ。」
「うっ・・・・」
「よし全員行くぞ!!」
プロンプトを無理やり納得させた後、グラディオら三人と王兵十数名は議場へと急ぐ。
和平式典会場
魔法障壁が崩壊して一色触発の状態のところに魔導兵が侵入(ダイブ)して来たところから。
「これは!!魔導兵か!?」
「フン・・・ようやくか・・・アーデンめ時間をかけよって・・・まあ良い。・・・撃て。」
このくだらない茶番に飽き飽きしていた二フルハイム帝国皇帝イドラは魔導兵に命じる。
魔導兵がルシス王国政府高官を射殺しようとしたとき、別の場所からの複数の銃声が響き渡り魔導兵が怯んだ。
銃撃で魔導兵が怯んだところに魔導兵の頭部に何者かが投擲したダガーが突き刺さる。
「オラアアアアァァ!!!!」
さらにそんな魔導兵達を何者かが大剣で切り飛ばす。
「グラディオラス!?」
魔導兵を切った人物を見てクレイラスは叫ぶ。
「よかった!!間に合ったー!!」「国王陛下!!ご無事ですか!!」
「親父!!まだくたばって無い様だな。へっ・・・・安心したぜ。」
グラディオの後に遅れてプロンプトやイグニス、王兵らが議場に入ってくる。
背後の声を聴きながらグラディオは父親であるクレイラスを見て内心胸をなでおろした。
「お前たちはノクティスの護衛の・・・」
「グラディオラス!!お前達が何故ここにいるのだ!?ノクティス王子の護衛はどうしたのだ!?」
本来ここにはいないグラディオらの救援にレギスやクレイラスは困惑する。
ノクトらにはこの和平調印式については伏せており何も知らないはずなのだ。
なのにグラディオラス達、ノクトの護衛が何故この場に・・・・?
「ほうほう・・・王子の護衛・・・か。第一王子もこの王城にいるなら丁度良い。ルナフレーナもろとも殺してくれよう・・・」
クレイラス達の発言を聞いたイドラは笑みを浮かべながら冷酷にも言い放つ。
皇帝が言い終えるとともに議場に新たな乱入者が窓から飛び込んできた。
全身を鎧で覆い深紅の大剣を持つ人物・・・・
二フルハイム帝国 軍事部門統括 グラウカ将軍
「丁度良いところに来たな。この城内に第一王子もいるそうだ。後の些事は任せたぞ。グラウカ。」
「・・・御意」
グラウカはレギスを睨みつつ答える。
イドラはグラウカの返答に満足したのか頷いた後、レイヴスら家臣たちを連れ議場を後にする。
「グラウカ将軍・・・・・!!」
「ルシス王国国王・・・レギス。貴様は私自らが死をくれてやる。」
グラウカが大剣を構える。
それに呼応してクレイラスたち家臣は国王レギスを囲む形で陣形を構築する。
「レギス。此処は私が。」
「いや良いクレイラス。これは私の戦争だ。」
自分が起こした戦いなのだと言い、彼らを押しのけてレギスが前に出る。
しかしながらそれを認める家臣は誰もいなかった。
「王は魔力の源。倒れられては我々は力を失います。共に戦いましょうぞ。」
「・・・・お前達・・・わかった・・・認めよう」
「国王陛下!!我々も助力いたします!!」
家臣たちに続きイグニスたちも戦闘に助力すると言ってくる。
だがレギスにはどうしても聞かなくてはならないことがあった。
「イグニスよ・・・ノクトはノクティスは・・・今何処にいる?」
「陛下。ノクトは必ず議場に来ます。しばしの辛抱を。」
ノクトの居場所を知らないイグニス達だがノクトなら必ずやこの議場に来るという確信があった。
「貴様ら雑兵の相手はこいつらで充分。私の相手はレギス・・・貴様ただ一人。」
グラウカはそう言いのけた後、剣や斧などを持った強化魔導兵が複数体、議場へ突入してくる。
魔導兵は起動したのち家臣たちやプロンプトたちを、グラウカはクレイラスとレギスを相手取る形となり今、議場での戦端が開かれた。
魔導兵たちがグラディオたちや家臣たちに突撃してくる。
プロンプトや王兵がそれを阻止すべく銃撃を行うが魔導兵らは銃撃に怯みこそするものの気にせず突っ込んでくる。そこをイグニスが魔導兵の関節を狙いダガーを投擲する。
それでも近くまで接近してきた先頭集団に対し第一撃を加えるのはグラディオ。
テンペストで複数の魔導兵を巻き込みながら攻撃し魔導兵を吹き飛ばす。
家臣たちも各々の武器を召喚し魔導兵たちの迎撃にあたり戦闘が始まった。
家臣やグラディオたちの戦闘を横目で見ながらもレギスとクレイラスはグラウカと対峙する。
レギスの横に並んだクレイラスが剣を構え言う。
「肩を並べて戦うなど久しぶりだ」
「そうだな」
「二人で行くぞ!!レギス!!」
直後、グラウカが驚異的な速さで突撃してくる。
グラウカの突進をレギスはサンダーで迎撃。
魔法が直撃し速度が鈍ったところでクレイラスが前に出てグラウカの大剣を受け止める。
だがその程度で止まるグラウカではなく空いた左手でクレイラスの腹を殴り、掴んで机に放り投げレギスへと再度突撃する。
レギスの目前に来たグラウカは大剣を振り下ろすも、レギスもファントムソードを展開しグラウカの大剣を受け止める・・・が力が衰えてきているため押され始める。
「国王陛下!!」
王兵の一人がレギスの危機に気が付きグラウカに銃撃を行うが銃弾は堅固な鎧に阻まれ通らず、その隙に迫っていた強化魔導兵に切られ絶命する。
「お前たちは自分たちのことに専念しろ!!」
態勢を整えたクレイラスは王兵やイグニスたちにそう号令し背後からグラウカに切り掛かる。
だがそれはすでに読まれており右手で殴られ、再度左手で掴まれ今度はレギスに向かい勢いよく投げられファントムソードを砕きながら議場の壁に叩きつけられる。
投げられる際に落とした、クレイラスの剣をグラウカは拾いクレイラスへと投げつけようとする。
そこへ・・・・
「親父ィ!!」
一連の戦闘を魔導兵を相手しながら見ていたグラディオが父クレイラスを守るべくグラウカへと切り掛かる。
だがグラディオの斬撃は簡単にを回避されグラウカが再び剣を投げようと腕を振りかぶり投擲する瞬間、一発の銃弾が右腕に命中し手甲を貫通する。
プロンプトの特殊攻撃、ペネレイトだ。
「ナイスだ!!プロンプト!!」
「その行動・・・・見えてるって!!」
プロンプトの銃撃で手元が狂った剣は本来、心臓を貫くはずだった体の中心から逸れてクレイラスの右肩へと突き刺さる。
「ぐゥ・・・!!」
「クレイラス!!」
右腕を撃たれたグラウカは傷をもろともせず近くにいたグラディオを蹴り飛ばして排除しそのままレギスへ切り掛かる。
切られる寸前にプロテスを展開し辛うじて斬撃を防ぐレギス。
「クリスタルを奪い。この上貴様らはこれ以上何を望む・・・!!」
レギスの問いに答えず再度切り掛かりプロテスを破ったグラウカは彼の左腕を掴み光耀の指輪を引き抜き、レギスを引き倒した上で背中から切り付けた。
「陛下!!」
王兵たちの指揮を執っていたイグニスが叫ぶ。
背中を切られ膝をつくレギスの横を光耀の指輪が床に転がり落ちる。
グラウカはレギスを見ながらも光耀の指輪の下へ歩み寄ろうとした・・・その時だった。
突如、グラウカの目の前に剣が飛んできたのだ。
グラウカが反応し剣を払おうとした次の瞬間、シフトの転移現象が起きノクトが現れ、シフトブレイクを行いグラウカを突き飛ばした。
「悪い!!待たせたな、親父!!」