いいじゃないか
ガチャだもの
がちゃを
「エミヤさんエミヤさーん。いつだったか理想の職場って言ってたけど、ケリィとアイリさんとか、凛ちゃんとか藤ねえとかイリヤとかクロエとか、大量のアルトリアさんとか……気がついたら職場に身内ばっかりいる状況をどうぞ!」
「抑止力は、やはりブラック企業だった…」
「因みに、今度桜ちゃんも来るらしいですよ? この先、更に地獄ですね!」
「なんでさぁ!」
カルデアの厨房では膝をついて
「なんだか一気に賑やかになりましたね、先輩」
「そうだね。でも、オレはこっちの方が好きかな」
これら全てが、あの特異点から帰ってから起きた事だった。多少無理を言って新たに
「
「ふふふ、私はキャスターだから相性的にうぎゃー!!」
「きゃー! 凄い量の血が出てるのだわー!?」
「我が生涯に、一片の悔い……ダメだ結構あった。ガクッ」
もうちょっと、静かでも良いとも思うけれど。
こんな状況にカルデアが陥ったのは、数日前に遡る。
◇
「
特異点から帰還して2日、ようやく落ち着いたオレは集まってくれたみんなにそう言い放った。
ロマニを失い、どうにもそういう気分になれず貯まりに貯まった聖晶石30個。それが、最後に聞いた愛鈴の願いを叶える為に用意できた
「そうですね先輩。何としても愛鈴さんを呼んであげたいです!」
「大丈夫、許可は取ってあるよ立香君!」
ぐっとサムズアップするダ・ヴィンチちゃんに、俺もサムズアップを返す。 こうしてやってきたサーヴァント召喚室には、今はオレ・マシュ・ダ・ヴィンチちゃんの3人だけが集まっていた。
人数が少ない理由は、現在の時刻が深夜2時である事が起因している。何故こんな時間に召喚するのか? それは今までの経験としか言いようがない。
「最初で最後の10回、行きます!」
深夜のハイテンションのままに、聖晶石を投げ入れた。礼装の概念が抽出されるか、サーヴァントが召喚されるか、それは
聖晶石が分解され、高密度の魔力がシステム・フェイトを起動させる。サーヴァントを呼べるかどうかは、運と縁が握っている!
1回目の召喚が始まり……出現したのは1つの円環。この時点で、礼装なのは確定であった。
「ライオンの人形…ですね」
「大丈夫、まだ、まだ1回目だ…」
2回目……よく分からない手袋。
3回目……謎の薬。ダ・ヴィンチちゃんに処分してもらわなければ。
4回目……謎の仮面群。
5回目……寺。どっから降ってきたし。
「マズイよ立香君、これは……」
「まだ、まだだよダ・ヴィンチちゃん。まだ5回目残っている…だからまだ、爆死じゃない!」
そんなオレの叫びに応えてか、3つの円環が金色に輝きながら回転していく。
そしてオレの手元に、同様に金色のセイントグラフが現れた。その絵柄はセイバー、そして眼前で光る魔力の輝きが人の形を形成した。
「サーヴァント、セイバー。
まあ、脚には自信があるから存分に使ってくれ」
「久し振り、ロイドさん。よろしくお願いします」
「ああ、よろしくなマスター」
そう会話している間にも起動していたシステム・フェイトは、謎の羊用紙を吐き出していた。これで残るは4回、微爆死か、成功か。
ロイドに待機してもらいつつ、起動した7回目。これは拳銃と銃弾だった。きっと強力な礼装だろう。
けれど続いて吐き出されたのは、また謎の薬。ダ・ヴィンチちゃんに処分してもらう物だ。
9回目は、謎の竹刀が抽出された。これは、オレが使ってみるのも良いかもしれない。
「あ、マスター。来るぞ」
「えっ」
ロイドが注意を促し、最後の召喚陣が3つの円環を紡ぎ出した。けれど、オレの手の中に現れたセイントグラフは銀色。それは今までに召喚したサーヴァントの強化に当てられる物になり…ん?
「避けないと、きっとうだうだ文句を言われるぞ、マスター」
手の中のセイントグラフの色が書き換えられていく。そんな事は認めない、断じて認めない、私が法だ。そんな言葉が耳に聞こえる様な、頭のおかしい塗り替えだった。
描かれている柄はアーチャー、最早誰が来てくれたかなど明らかだった。オレはさっとロイドの近くから離れる。
「ローイードッ!」
光が形成した人型が、恐ろしい勢いで射出された。オレの隣に立っていたロイドに向かって。
「ロイドと一緒にカルデアに来れた……これはもう、運 命 だ ね ! まさにFate!」
「いや、まずは落ち着こうなイオリ。ほら、挨拶挨拶」
「ふぇ? あ、そっかそっか」
パンパンとローブに付いた埃を払い、とても似合わないお上品な礼をしてイオリが言った。
「サーヴァント、アーチャー。ロイドの気配を辿って参上したよ。よろしくマスター」
「うん、よろしく!」
とりあえず、全く体裁を保ててはいないけれど握手を交わした。あの特異点で、2人には散々お世話になったのだ。会えて嬉しい事には違いない。
「凄い、全く威厳がありはしないぞぅ」
「えへへ、ローイドー」
自分の夫に抱きついてスリスリとしているこの光景は、うん、とても懐かしく感じる砂糖空間だ。
「ですが先輩、愛鈴さんを呼ぶ事は出来ませんでしたね…」
「そうだね……」
そう、2人が来てくれたのはとても嬉しいのだけど、肝心な愛鈴を呼ぶ事が出来なかった。くっ、軍資金が足りなすぎる…
「あ、そうそう。その事なんだけどねマスター」
ポイっと、イオリが何処からか取り出した袋を投げつけて来た。開けてみれば、その中に存在したのは聖晶石。数は合計で17個、5回分と少しであった。
「向こうじゃ忙しくて渡せなかった分。愛鈴を呼ぶなら、これくらいのボーナスは有っても良いでしょ?」
「やっぱり、あなたが神か…」
礼装の件といい今回の石の件といい、イオリのタイミングが完璧すぎる。流石スキルで千里眼:Aを持っているだけはある…のだろうか?
「よし、行け、行くんだマスター!
タイムテーブル教に単発教、そして触媒教がオーバーレイしている今なら行ける!」
「高レア宗教が3つ…来るぞ、マスター!」
「そうだね……真の
ダ・ヴィンチちゃんとマシュ呆れた様な目に晒されながら、3つの聖晶石を投げ入れた。
形成されたのは、3つのリング。手に現れたのは銀のセイントグラフ。それは人の形を形成する事なく、カルデア内のどこかへ飛んで行った。誰かが強化サレタヨウダ…
「単発は5回から!」
「イエッサー!」
続く2回目、これもまた同じ。サーヴァントの誰かが強化された。
「衝撃の?」
「ファーストブリットォォ!」
1発目の銃弾が3回目とはこれ如何に。概念が抽出され、銀色の液体が現れた。これは、確か時計塔のろーど?って人の礼装だった気がする。
疑問に思うオレの手の中に、金色のセイントグラフが現れた。この感じ、狙いとは違う存在を引き寄せたっ!
「アサシン、ジャック・ザ・リッパー。よろしく、
「よろしくね、ジャック」
「奇跡はあった」
感動しているイオリを置いておいて、来てくれたジャックと握手をする。オレの事をおかあさんって呼ぶのはいいけど、解体はしないでほしいかな。ナーサリーが、確かお菓子を用意して待ってたよ?
「さて、これが最後だよマスター…」
「奇跡を見せてやろうじゃないか!」
ナーサリーの元へ走って行ったジャックを見送り、残る聖晶石を、全力で投げ入れた。
瞬間、虹色に光輝く召喚システム。
これは間違いない、圧倒的なサーヴァントの予感!
「デミ・サーヴァント、キャスター。さあ、私の終わりを始めよう……なんちゃって」
光が形成したのは、見慣れた人影。
みんなに目配せをし、もし来てくれた時のために考えていた言葉で出迎えた。
「「「ようこそ、カルデアへ!」」」
「うん! 末長くよろしくね、マスター」
そう言って、満面の笑みを浮かべた愛鈴がカルデアに迎えられた。
終わり
変貌冬木のキャスター
真名 : 銀城 愛鈴/キリノ・イオリ
【ステータス】
割愛
【能力値】(初期値/最大値)
HP 1,986/13,469
ATX 1,709/12,293
【クラス別スキル】
道具作成 : EX
自身の弱体成功率をアップ
複合神性 : B−
自身に与ダメージアップ状態を付与
狂化(偽): A
自身のBastarカード性能アップ
【保有スキル】
高速神言 : A
自身のNPをものすごく増やす
永劫破壊(偽): B
自身にガッツ状態を付与(2回)
自身のHPを回復
うたかたの夢 : B
自身のBastarカード性能をアップ(1T)
自身に無敵状態を付与(1T)
自身のHPが減少【デメリット】
【カード】
B A A A Q
【宝具】
ー二発の銃声ー
Buster
敵単体の防御力をダウン(3T)
〈オーバーチャージで効果アップ〉
+敵単体に超強力な攻撃&強化解除
fgoの方じゃ発動出来なかった悲しい宝具