なんとなくFate   作:銀鈴

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今期アニメ、ひなこのーとが中々に良いなぁ。
終末何してますか?(ry がアニメ化すると、昨日の深夜CMで初めて知った…期待はしないでおこう。
クロックワークプラネット…原作買おうかな…

-追記-
今年も、午後ローでコマンドーがやる時期が遂に来た…とんでもねぇ、待ってたんだ
\デェェェェン!!/


第14節

『アーチャーさんの霊基反応、完全に消滅しました…』

 

 未だに光が大地を灼き続ける中、通信からそんなマシュの声が聞こえた。こんな終わり方、決着のつき方で良かったのだろうか…?

 

「心配するな、マスター。少なくともイオリは、後悔せずに逝ったよ」

 

 それよりも、だ。そう言ってロイドは続ける。

 

「構えろマスター。まだ何も終わってない…いや、漸く始まった。イオリに託されたんだ。対話くらいはさせてやるから、愛鈴の事は頼んだぞ」

永劫破壊(エイヴィヒカイト)(偽)発動。霊核修復、霊子再供給、魔力最大循環……」

 

 その言葉に疑問に思う間も無く、細くなってきている光の柱の中からそんな声が聞こえてきた。

 

『そんな……キャスターさん、健在です。でも、先程までとはちょっと反応が違うような…』

『幻霊を剥がす事には成功したんだろうね。でも、それでデミ・サーヴァントとしての能力が失われる事はない』

「それはつまり…」

 

 その答えは、既に目の前に現れていた。

 

「肉体の修復、完了」

 

 光の中から現れたのは、今までとは様相がガラリと変わったキャスターだった。

 長い黒髪が魔力の光を纏った銀髪に変化し、元あった巫女服も黒いコートに変化している。四肢と胴体には銀灰色の鎧が見え、1番目を引くのは背負う7つの棺桶と、ヒビ割れた巨大な大鎌。

 その姿を見ただけで、得体の知れない寒さがオレを襲った。なんだろうか、この見てはいけない禁忌に触れたような気配は。自分の存在自体を冒涜する様な視線は。

 

「マスター、落ち着け。呑まれるな。

 アレが、キャスターとしてのイオリを受け継いだアイツの常態だ。というか、これでまだ優しい方だな」

 

 ポン、と肩に置かれた右手のお陰で平静を取り戻す。

 これで優しい方…? ちょっと待って、これで優しい方だなってどういう!?

 

「さて、カルデアのマスター。

 第二ラウンドと行きたいところだけど、その前に1つ提案」

 

 そう絶賛大混乱中のオレに、その元凶が話しかけてきた。

 そしてオレを庇って立つロイドの足元に、半透明の門から何本かの剣が発車され突き立てられた。

 

「私を殺してよ、藤丸立香。

 そこに出した剣でも、それが信用できないならロイドさんの剣でもいい。貴方がその手で、私の事を斬ってよ」

 

 一体、何を言ってるんだ?

 

「ああ、安心して。その全部がイオリの製作物だから、貴方でも私みたいな幼女の首は一太刀で切断できるし、その間私は一切の行動をしない。そこは自己強制証明(セルフギアス・スクロール)を作ったって良い」

 

 その、あまりにぶっ飛んだ提案に固まってしまう。つまりはオレが、オレ自身の手で殺せという事か? まだ、生きている人間を?

 

「そんな事、出来ない」

「というかお前、今何もかも分かった上で聞いてただろう。性格が悪いぞ?」

 

 オレの返答を待って、ロイドも睨みつけながら言い放つ。全部分かっていたって、何だよそれ。

 

「あはは…それでも、期待するのが人間だよ。まあ無理みたいだけどね」

 

 それを境にニヤリと口元が裂けた様な笑みを浮かべ、大鎌を肩に担ぎ宣言した。

 

「一戦始める前に名乗らせてもらうよ。私は一応第四次聖杯戦争の勝者にして、キャスター:キリノ・イオリのデミ・サーヴァント。名前は銀城 愛鈴。

 さあ、殺ろうかカルデアのマスター」

「マスター、気をつけろよ」

 

 殺気をぶつけ合ってる2人から、頷いて少し下がる。いつでもサポートが出来るように集中してーー

 

『ちょっと待って下さい!』

 

 一触即発の雰囲気の中、マシュの声が衝突を止めた。

 

「何?」

『何故、如何して貴方はそこまでして先輩の事を狙うんですか!!』

 

 それを聞いた途端、キャスターはお腹を抱えて笑い出した。そして、目尻に浮いた涙を拭って喋り出した。

 

「はっ、如何してと聞いたかマシュ・キリエライト。いいよ、同じデミ・サーヴァントのよしみで教えてあげる。私が狙う理由? そんなものは決まってる、徹頭徹尾人理焼却事件だよ!」

 

 先程までの様子とは違って、キャスターの声は負の感情がごちゃ混ぜになった物だった。

 

「名乗った通り、私はデミ・サーヴァント。こんななりでも人理焼却事件中、特異点未満の歪みをその時代に飛んで解決していた! 私の世界も焼却されてたからね!

 そして藤丸立香はゲーティアを打倒し、人理焼却は回避された。ああ、それは認めるよ。素晴らしい偉業だ。たとえ誰であろうと否定なんてさせない。諸手を挙げて祝福するよ、ありがとうってね!」

 

 自力で時代を飛んで力を貸してくれていた事実に衝撃が走った。けれどそれは、吐き捨てる様に、憎悪を込めて言われた祝福にかき消される。

 そして、キャスターが指を弾いた瞬間世界の色が切り替わった。

 

「幻術!?」

「みたいだな。やっぱり対魔力は意味ないか」

 

 ロイドと確認し合っている間に、見える世界が完全に切り替わり安定した。弱体解除の魔術を使ってみたけれど、悲しい事に効果がなかった。

 

「だけど、全てが終わって私が帰ってきた自分の街には、この世界には、人なんて誰1人として残っていなかった!」

 

 まず映し出されたのは無人の商店街。陳列してある品物は新鮮に見えるのに、人の気配が全く感じられない。メアリー・セレスト号という単語が頭に浮かんだ。

 

「存在しているのは、私と、私の宝具であった英霊と、英雄王の3人だけ!

 あなた達に分かるか! その怖さが! その寂しさが! その虚しさが!」

 

 風景がまた切り替わった。今度はまだ崩壊してない冬木、深山町の教会だった。今度は3人だけではあるが人の姿が見えた。今より少し背の高いキャスター、その隣に立つノイズのかかった小さい人物、そして英雄王ギルガメッシュ。

 

「友達も、同僚も、仲間も、知り合いも、家族も、何もかもが人理焼却によって、歴史の闇へと消え去った!

 私が悪い?知っている 私が間違っている?理解している。だから謝れとは言わないし、償えとも言わないよ。

 だけどね、八つ当たりをして何が悪い!」

 

 キャスターの絶叫と共にまた風景が切り替わった。

 今度映ったのは、かつて入った事もある円蔵山の大空洞。そこで、黒い液体の溢れる聖杯を掴んで取り込むキャスターの姿だった。

 

「私はデミ・サーヴァントだよ! 人理焼却に抗えた存在(英霊)だよ! カルデアに手助けをしてない時点で、クソ程にも役に立ってない時点で、糾弾する権利も存在しないよ! 全部知ってるから、どれだけの綱渡りだったかも理解してるからね!」

 

 そして、世界が緑に侵されていく。全身に焔を纏うキャスターを中心に、黒い泥が溢れそこから緑が芽吹いていく。無人の街が森になり、魔獣が現れ世界が特異点と化していく。

 それと同時に泥がキャスターを覆い、それが晴れた時には今の姿へと変化していた。変化はそれだけでは無い。少し前までいたノイズのかかった人物が消え、今まであった温かみのようなものが消えていた。

 

「それでも、貴方達がもう少し早く終わらせてくれれば、私の世界は滅びなかったかもしれない! 日常が続いてたかもしれない! 暖かく見守ってくれていた2人を、座に帰らせる事が無かったかもしれない!

 そう幸せを願う事の何が悪い! そんな、生きる価値を奪われた世界なんて、私の自殺の道連れにして何が悪い!

 そうだよ藤丸立香、これは私の八つ当たりだ。他の特異点とちがって、崇高な願いも思いもありやしない子供の癇癪だ!」

 

 最後に浮かんだ笑顔の映像ごと、幻術がヒビ割れ砕け散った。

 戻ってきた現実世界は、相変わらず瓦礫と炭の山で…キャスターは涙を流して叫んでいた。

 

『でも、それは早合点に過ぎるんじゃないか? 世界中のどこかには、生きている人間がいたかもしれない』

「ないよ、万能の天才。可能性がありそうなアトラス院、魔術教会、インド。1年かけて他の地方も調べたけど、人間は存在しなかった。流石に、世界の裏側までは知らないけどね」

 

 赤いばつ印が大量に刻まれた世界地図が映し出された。所々に神霊やら聖仙やら不穏な単語が書かれている事には突っ込まない。

 

「カルデアは、私の世界を修復するんでしょ? この冬木の特異点を修復して、人間のいない世界に巻き戻すんでしょ?」

 

 世界地図が焼け落ちて、ごく小さな日本だけが残った。そしてそれが拡大され、また焼け落ちる。そうして映し出されたのは、現在の冬木市の全貌だった。

 

「それは別に構いやしないさ。私っていうイレギュラーの所為で、いつか滅びる事が確定してる剪定世界だろうからね。おめでとう、この特異点は修復された。けれどいつか世界は滅びるよ、骨折り損でご苦労様でしたって笑ってあげる。

 だけどその最後に、(子供)子供()らしく我儘を言わせて貰う!!」

 

 蜃気楼の様に空気が歪むほどの魔力がキャスターから放出される。それはもう、会話が戦闘に移行する合図だった。

 

「貴方は間に合わなかった。私の世界(幸福)は2度と帰ってこない。だから貴方を殺す。自分の間違いは理解してるけど、刺し違えてでも貴方を殺す!!」

 

 降ろされていた大鎌が構え直された。そこから漏れる怪しい光は、今のキャスターの気持ちが表されている様に思えた。

 

「だから私を殺せ、藤丸立香。

 私を地獄に叩き墜とせ!

 世界を救った大英雄なら、小さな子供の1人くらい、救ってみせろぉぉぉぉっ!!」

 

 絶叫と共にキャスターが動き出し、気がついたらオレの前に大鎌の刃が迫っていた。咄嗟に動く事も出来ず、呆然とそれを見つめて…

 

「させるかよ!」

 

 ロイドが放った右腕のアッパーによって、大鎌の一撃は空振りに終わった。そして、右腕からカランと薬莢が排出された。何それかっこいい。

 

「イオリの勝手とはいえ、一応俺から見ても義理の娘だしな。来いよ愛鈴、お義父さんが気が済むまで遊んでやる」

「ばっ、なっ、ふざけるなぁっ!」

「いくぞマスター! 気張れよ!」

「はい!」

 

 こうして、本当に最後の決戦が幕を開けた。




狂化(偽): Aが大活躍の話。

Q:つまりどういう事だってばよ?
A:八つ当たり&ダイナミック自殺。それを止めようとした親子喧嘩。
Q:愛鈴がイオリの事をお義母さんと呼ぶようになった理由は?
A:大元はzero編での1日。泥被って幻霊を取り込んだ時、内側の大混乱で2人が消えたから。大事なものは失ってから気づく。



敵情報に変化はないので投げ

変貌冬木のセイバー
真名:キリノ・ロイド

【ステータス】
 割愛

【クラス別スキル】
 対魔力 : B
 騎乗 : B
 自身のQuickカード性能をアップ

【保有スキル】
 無窮の瞬足 : A+
 自身にスター集中状態を付与(3T)

 魔力放出(風): A
 自身のQuickカード性能をアップ(1T)
 
 豪嵐の加護 : A
 自身にガッツ状態を付与(3T)
 自身に回避状態を付与(1T)

 自己改造 : C

【カード】
 B A Q Q Q

【宝具】
ーイタカ 果ての蒼穹ー
Quick
自身のQuick性能をアップ(1T)敵単体に超強力な攻撃
+スターを大量獲得
〈オーバーチャージで効果アップ〉


これで単騎だよ!(白目)

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