しかも今日はクリスマスイブと言う事でクリスマスのお話を描いて見ました!(笑)
メテオ達が送る"地獄"のクリスマス……特とご覧あれ……♪(黒笑
メリ~苦しみマス!?
クリスマス……それはイエス・キリストと呼ばれる神の誕生日…。
人々の間では一つの年中行事として親しまれている季節…。
一年に一度行われる盛大な行事…。
皆さんにとって、クリスマスとは一年に一度の何ですか?
因みに彼ら……メテオ達にとっては…。
「「「「「「「「「待ぁぁぁぁぁぁあああああてぇぇぇぇぇぇぇえええええええ!!」」」」」」」」」
「「お、お助けぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえええええええええええええええええ!?」」
……一年に一度、最も"苦しむ"季節です(笑)
ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー
何故冒頭がこんな事になったか……。
遡る事数時間前、プラネテューヌの街にて。
「今日は一年に一度のクリスマスですねメテオさん、カズマさん♪」
「ああ、そうだな……街のみんな、凄く賑やかになってる…微笑ましいもんだ」
「おう、見てるこっちも楽しくなってくるもんだ」
クリスマスシーズンに入り、街中がそのシーズンに合わせて大賑わいになってる中、メテオとカズマ、イストワールもそれに合わせ、今日はクリスマスパーティーをしようと言う事でその買い出しに出掛け、その帰りに起きたのが事の始まりである。
「クリスマスと言えば……メテオさん、カズマさん」
「ん?」
「あんだい、イストワール様?」
何か企んでいるかのような笑みを見せるイストワールが両手に買い物袋を引っ提げて歩く二人に声を掛ける。
「皆さんの"クリスマスプレゼント"をご用意しませんといけませんね♪」
「クリスマスプレゼント……ああ、そう言えば忘れてたな、今日はプラネテューヌにノワール、ユニ、ブラン、ロムにラム、ベール姉さんが来るらしいからな…女神であるあいつらは微妙だが、女神候補生であるネプギアやユニ、ロムとラム、それに絵美にプレゼントを用意してやらないとな」
「一応ソルの坊っちゃんも対象に入るのかな?……取りあえず、用意しとくに越しちゃあいねぇな」
その笑みに気付く事なく、まんまと彼女の"企み"に嵌まる事に気付いていない大人な二人はその事に失念していた事に気付き、う~ん…と頭を悩ませる。
「参ったな、今さら『プレゼントは何がいい?』って聞いてもすぐに用意出来るか怪しいな…」
「突拍子もない内容とかを出されてもそれこそ困るしな……」
「…ふっふっふっ……お二人とも、ご安心ください」
「ん?何がだイストワール?」
「そんな事があろうと、既にネプギアさん達にプレゼントをリサーチし、こちらの方で秘密裏にご用意させていただきました!」(ドヤァ!
「おぉ……流石イストワール様、準備が早い…!」
小さな体ながらも大きく胸を張るイストワールにメテオとカズマも感服の目線を送り、それを見たイストワールはさらにえっへんと威張る。
「それに、ネプギアさん達だけではありませんよ?ネプテューヌさん達女神様、アイエフさん達の分まであるんですから!」
「あいつらの分も?……まあ、あいつらの喜ぶ姿が見れるならそれはそれでいいか…」
「だな、女神様達にも日頃の頑張りとしてご褒美をあげないとな?」
「既に皆さんには寝る前にどんなプレゼントが欲しいのかを紙に書いて枕元の横に置くようにっと伝えてあります!メテオさんとカズマさんには私が事前に用意しておいたプレゼントを夜中ひっそりと届けて欲しいのです!」
「……つまりは俺達に"サンタクロース"になれと?」
"サンタクロース"……それはクリスマスの夜、良い子の元にプレゼントを持って現れると言う"伝説の配達人"。
今回のクリスマス、メテオとカズマにはその"配達人"の役を行って欲しいと言う事なのである。
「……わかった、俺もあいつらには世話になってる、その恩返しと思えばサンタでも配達人でもなってやるさ」
「面白そうじゃねぇか!みんなの可愛い寝顔を拝みながらプレゼントを渡せるなんて、極上この上ねぇご褒美じゃねぇか!」
「……カズマ…カメラの持ち込みは厳禁な?」
「……へーい…」
…と、呑気にこんな会話を交わすメテオとカズマの二人…。
だがこの時二人は知らなかった……。
これが"惨劇"の序章になろうとは…。
ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー
クリスマスの夜。
季節の風物詩とも言える雪が降り注ぐ聖夜の中、プラネテューヌ教会の外の入り口前にて3つの影があった。
「メテオさん、カズマさん、パーティーは楽しめましたか?」
「……ああ…楽しめたって言えば楽しめたさ……」
「久々に年甲斐にもなくはしゃいでみんなに怒られちまったくらいだよ…」
「それは良かったです♪」
その影とはメテオ、カズマ、イストワールの3人で、彼らはこれから教会内にいるみんなにクリスマスプレゼントを届けると言う任務を決行しようと言うのだが……何故かメテオとカズマのテンションがやたら低い。
パーティーをかなり楽しんだらしいのに、何か不満な事でもあったのだろうか?
その答えは今二人がしている"格好"にあった。
「……どうしたんですか?何かご不満でも?」
「…いや、不満って言うかな……プレゼントを渡すのは構わない、その際にサンタの格好をする事もわかる……けど………なんでわざわざ"変身"する必要があるんだ?」
「……俺なんて、サンタじゃなくて"トナカイ"だし…」
そう、彼らが不満たらたらな理由は、『何故プレゼントを渡すだけなのにわざわざ"仮面ライダーに変身して"、なおかつその上にサンタやトナカイの格好をしなければならないのか?』と言う事なのである。
「何故って……お二人とも、このゲイムギョウ界にとって仮面ライダーとは女神様に次ぐ偉大なる存在です、その偉大なる存在に変身する貴方達はサンタとして、皆さんにプレゼントを配るのですよ?……これはより良くゲイムギョウ界の皆さんに仮面ライダーの存在をアピールする為のものなのです」
「……あのー…アピールも何も……プレゼントを渡す相手はみんな身内、それも女神…」
「…バレた時の精神ダメージが半端じゃないのは俺だけかなメテオ?」
それを最もらしい事を言ってる(つもりな)イストワールの言葉にメテオもといストームとカズマもといナイツだが、彼女は一方に聞く気もなく、そのまま喋り続ける。
「何より……メテオさん達に新フォームを授けたかったのですよ……メテオさんには"夢の配達人"、"仮面ライダーストーム・サンタフォーム"を……カズマさんには"夢の運び人"、"仮面ライダーナイツ・クリスマスフォーム"を」
「「そんな一年に一度しか使えないフォームなんかいるか」」
バッタを模した仮面、胸部と肩に輝くダイヤモンドの装甲と白いアンダースーツの上半身、紺色の下地に脛に連なる銀色のプレートをした下半身な姿の仮面ライダーストームに赤白の帽子、紅白の衣装で全身を包ませ、黒いブーツとチャームポイントに付けられた白い髭の格好をさせた……"仮面ライダーストーム・サンタフォーム"。
漆黒の角が生えたコウモリを思わせる仮面に紅いアンダースーツに黒い装甲を備えた上半身、そしてローブが巻かれた黒い下地をした下半身がデフォルトの姿である仮面ライダーナイツに全身を、あのサンタクロースのお供としてやって来るトナカイの格好をさせた……"仮面ライダーナイツ・クリスマスフォーム"。
これが、イストワールが二人に授けた新たな姿である。
……どう見ても戦い等には不向きな…それよかダサいとも言えなくないような酷い姿である。
「……これ、子供が見たら泣くよな?夢が壊れるよな?」
「……言うなよカズマ…悲しくなってくる」
「では、衣装の方が整い、皆さんも寝た頃だと思うのでお二人とも……お願いします♪」
「「…………へーい…」」
準備が整ったと言い、両手を合わせて小首を傾げてお願いすると言う……イストワールファンが見れば発狂するようなとても可愛らしい仕草をして彼女はお願いするものの、お願いされたストームとナイツの二人は物凄く…もの、スッゴく!……不満な様子で渋々と教会の中へと入って行くのであった…。
ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー
ネプギアの部屋
まず最初にストームとナイツが選んだターゲットはこの部屋で寝ているネプギアと、パーティーで泊まりに来たユニの二人。
理由としては特に深い理由はなく、単に比較的にやり易そうだと思ったかららしい…。
「……ちゃんと寝てるな」
「おほ♪ネプギアちゃんとユニちゃんの寝顔♪」
「……変な事するなよカズマ?」
ゆっくりと、忍び足でヒソヒソと声を抑えて話すストームとナイツ。
そんな中、ネプギアとユニの可愛らしい寝顔に興奮する変態トナカイ…もといナイツに酷く冷たい雰囲気を纏って睨み付けるシスコンサンタ…もといストーム。
何とか二人の元まで辿り着き、早速プレゼント内容が書かれた紙を確認するべくストームはネプギアの、ナイツはユニの枕元を覗く。
「お?あったあった、え~と…ユニちゃんのは……」
ユニのプレゼント内容が書かれた紙を発見したナイツはその紙を手に取り、内容を確認する。
『恋愛に関して学びたい』
(おお……最近誰かに恋でもしてるのかなユニちゃんは?)
ユニがまさか恋愛に関して知りたいと言うお願いにナイツは思わず感心の声を洩らす。
(んで、イストワール様が用意してくれたプレゼントの奴は……お?これか?)
ここに来る前、事前にイストワールから渡されたプレゼント袋を漁り、それらしき物を見つけたナイツはそれをユニの枕元に置いておく。
(さて、メテオの方はどうかな……え?)
ユニの方を終え、ナイツはネプギアの方を担当するストームの方に目を向けて言葉を失った。
「……っ…!…っっ…!」
何故かストームはネプギアが書いたであろう紙を片手にその場で片膝を着き、(仮面をしてるが)目頭を抑え、声を押し殺しながら泣いているではないか。
一体どうしたのか…気になったナイツはストームの方へ駆け寄り、その紙の内容を覗いた。
『メテオさん、カズマさん、絵美ちゃんにお兄ちゃん、お姉ちゃんと言った、大切な人達との思い出』
(………………)
……何これ?なんだこれ?
思い出?Why?そんなもの一体どうやってプレゼントしろと?
と言うかこの子はプレゼントと言う物を知らないのだろうか?
プレゼントなんだから、なんかこう…物理的な物を要求して欲しかった…。
(んなもんどうやってプレゼントしろって言うんだよ!!)
あまりにもハードな要求に頭を悩ませるナイツ。
その隣で目頭を抑え、声を押し殺して泣くストームはこの内容を見て恐らく悲しくなってきたんだろう…。
……現にナイツも作者の私も目頭が熱くなってきている。
(と、取りあえずプレゼント!イストワール様が用意したプレゼントは!?)
このままじゃ二人揃って朝まで泣き崩れそうなのでナイツは思考を切り替え、イストワールが用意したプレゼント袋を漁った。
(……うん、これだよな…絶対にこれだよね……イストワール様スゲー…)
まさかこれまでも予知していたのか、奇遇にもそれらしき物を見つけたナイツはそれをネプギアの枕元に置く。
「……うん、何とかネプギアちゃんとユニちゃんのプレゼントは完了したな…ほらメテオ、次行くぞ次」
「……え?あ、ああ…」
初っぱなから一悶着あったものの、何とかネプギアとユニのプレゼント配りを終え、ストームとナイツは次の部屋へと行く。
ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー
絵美の部屋
次にやって来たのは絵美、そして泊まりに来たロムとラムが寝ているこの部屋。
取り敢えず妹組は終わらそうと言うナイツの意見にストームも賛同した事でこの部屋を選んだのが理由で現在、二人は既に彼女達の元まで辿り着いていた。
「それじゃあ俺は絵美にプレゼントを渡す、カズマはロムとラムを頼むぜ」
「あいよ、メテオ……また泣くなよ?」
「……流石にネプギアのあれは予想外だ」
先程の出来事を弄ってくるナイツだが、流石に初っぱなとは言え、あんなプレゼント要求されたら誰だって困る。
溜息を溢しつつ、またそんな事がない事を祈りつつ、ストームは絵美のプレゼント要求が書かれた紙を手に取り、確認する。
『新しいカチューシャ』
(……絵美のはまともか…よかった……)
流石は俺の妹か…と内心ホッと胸を撫で下ろすストームだが…。
『…と、大好きなみんなの思い出♪』
(…と思ってたらとんだ罠だったよチキショウ!!)
大事か!そんなに思い出が大事か!……大事だよね!思い出!!
と言うかプレゼントなんだから物を頼もうよ物を!その願いをもっと別の方向へ向けようぜ!!
(ネプギアといい、絵美といい……サンタへお願いする要求が高くないか?)
思わずそれを口に出しそうになる気持ちを抑え、ストームはプレゼント袋を漁る。
(……あったよ…イストワールは予知能力者か何かか?)
不思議な事に、絵美の要求に合う物を2つ見つけたストームはそれを絵美の枕元に置く。
「…つぅ~……!」
「……?おい、どうしたカズマ?」
そこにロムとラムのプレゼントを届け終えたであろうナイツが痛そうに顔を抑えてやって来る。
「いや~…ラムちゃんがさ……寝相悪いのなんの…プレゼントを置いた瞬間に俺の顔面を勢いよく殴って来てよ…」
「……そいつは不幸だな」
「お前の不幸体質が俺にも移って来たかこいつは……」
「そんなバカな……次行こうぜ」
軽口を叩くナイツを他所に、ストーム達は次のターゲットへと移る為に部屋を後にした。
ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー
ソルの部屋
今度はソルが一人で寝る部屋へとやって来た二人。
理由としては一人だから比較的にやりやすい筈と言う何とも安易な理由だそうな。
「この部屋はソル一人だから俺が行く……カズマは万が一誰か来たときの監視として頼む」
「了解、さっさと済ませてくれよ?」
今度は一人と言う事でナイツを部屋の入り口に待機させ、ストームが単独でプレゼントを渡しに寝ているソルの元へ忍び足で歩み寄る。
(さてさて、ソルは一体どんなプレゼントを要求してるんだ?)
無事に何事もなくソルの元に辿り着いたストームは直ぐ様ソルの枕元にある紙を手に取り、内容を確認する。
『絶対最強の武器』
(…………そんなの俺だって欲しいよ…)
あれかな?この子達はサンタの事が嫌いなのかな?何か恨みでもあるのかな?だからこんなにも変に難易度が高い要求をするのかな?
もうここまで来ると訳のわからない要求に涙も出てこない。
思わずストームは意気消沈をしてしまう。
(……ええいままよ!ソルへのプレゼントはどうなっている!?)
最早ヤケクソとなったストームは乱暴にプレゼント袋を漁り、それらしき物を手に取ってそれをソルの枕元に置いた。
「よし!次だ次!次はネプテューヌ達だ!」
半ば自棄なストームはそう意気込んで部屋を抜け、入り口に待機するナイツと合流するのであった。
ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー
プラネテューヌ教会の廊下
「……後はネプテューヌ、ノワール、ブラン、ベール姉さん、プルルートの女神組とアイエフ、コンパだけだな」
「……少なくともあいつらの要求はまともな奴でありますように…」
トボトボと重たい足取りで女神達の部屋がある場所へと向かうべく廊下を歩くストームとナイツの二人。
妹弟組の謎の要求によって既に疲労困憊状態になっているものの、頼まれた以上は最後までやり遂げようと言う意地で何とか保っている。
「よーし……次の曲がり角であいつらの部y…」
「きゃっ!?」
「…だ!?」
フラフラになりながらも、もうすぐ目的地と言う所でストームが誰かとぶつかり、その勢いで後ろへと尻餅をついてしまう。
「いつつ……」
「いった~……もう、暗いんだからしっかり前を見てなさ……い…よ……?」
「…………あっ」
勢いよく尻餅を着き、痛そうにストームが尻を擦っていると、ぶつかった向こうは文句たらたら言いながら何か言おうするが、突然言葉を失っていた。
その事にある事に気付いたナイツは頭の中でこうイメージ図が出来上がった。
人と出会った→自分達の姿(サンタとトナカイの格好をした仮面ライダー=変人)→もっと言えばぶつかった相手は…?
「……アイエフ?」
「…ぁ……あ…な…な……!?」
「……やべぇぞメテオ…!?逃げるぞ!!」
ストームがぶつかった相手…アイエフに気付くストームと、唇を震わせ、ワナワナと自分達を指差すアイエフを見たナイツは大急ぎにストームに呼び掛け、走り出す!
「へ…変態よーーーーー!!みんな、ここに変態がいるわよーーーーー!!」
それから数秒遅れて、アイエフの叫びが教会内に響き渡った。
ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー
それから冒頭に戻る。
「待ちなさいこの変態ぃぃぃぃいいいい!!」
「こんな夜中に襲おうとはいい度胸してんじゃねぇかぁぁぁぁぁぁぁぁあああああ!!」
「捕まえてじっくりたっぷりと、色々と吐かせてもらいますわよぉぉぉぉぉおおおおお!!」
「「ひぃぃぃぃぃぃぃいいいいいいい!?」」
アイエフの叫びによって起きたノワール、ブラン、ベールは女神化し、それぞれの武器を構えて追い掛けてくる。
それはもう…とてもとても素晴らしい程なまでに恐ろしい形相を浮かべて。
その鬼気迫る彼女達の姿に戦慄を感じたストームとナイツは全速力で逃げる。
「逃がさないよ変態!!追跡!撲滅!いずれもマッハで捕まえちゃうんだから!!」
その中には変身した絵美こと仮面ライダーマッハと、女神化したプルルートことアイリスハートの姿もあり、特にアイリスハートは物凄くご立腹な様子の笑みを浮かべている。
「本当、いけない子達よねぇ~、人が気持ちよ~く寝てた時に邪魔をするなんて~……捕まえたら……
"去勢"…しちゃおうかしらねぇぇぇぇえええええええ!!」
「「い、い……嫌だぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああ!!」」
アイリスハートの言う"去勢"……それは男としては致死…確実に死ぬと言っても過言ではない程に恐ろしい行為。
ストームとナイツは仮面の上からでもハッキリとわかるくらいに涙を浮かべ、走る速度をさらに上げる。
《シグナルコウカン!カクサーン!》
「逃がす……かぁ!!」
「手伝うよ絵美ちゃん!M.P.B.L!!」
「あたしも!X.M.B!!」
すると後ろからマッハの拡散光弾と、女神化したネプギアとユニ…パープルシスターとブラックシスターのW砲撃が飛んできて、二人は大慌てに避ける。
「おおぉぉぉぉぉぉおおおおおお!?嘘だろぉぉぉぉぉおおおおお!?」
「でぇぇぇぇえええええ!?マジかあの子達!?ここ教会内だよ!?室内だよ!?撃つかよ普通!?」
そこまでして自分達を捕まえたいのか、それとも単に必死なのか。
いずれにせよ明らかにこの狭い室内にて撃つものではない拡散光弾や砲撃を撃つ彼女達に仮面の下で驚愕の表情を浮かべるストームとナイツ。
……因みにこの時点でプラネテューヌの教会は"ボドボド"(←誤字あらず)である。
「あらぁ~?ならあたしも続いちゃおうかしらぁ~!!」
「「…………え"!?」」
そんな後ろからアイリスハートの声が聞こえ、振り向くとそこには……それはもう、素晴らしい笑顔で雷を溜め込み、今にも放たん勢いの状態である"女神様"の姿があった。
「……いい悲鳴を聞かせなさい!!」
巨大な雷の塊を蹴り飛ばすアイリスハートの
それにより、プラネテューヌ教会の大半が吹き飛んだのも追加して……。
ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー
教会から少し離れた自然公園…。
降り頻る雪の上にてストームはそこで目覚める。
「…………」
ムクリと立ち上がり、体に積もった雪を叩き落とし、変身を解き、ストームから元の姿に戻ったメテオは近くのベンチに歩み、その上に積もった雪を払ってそこに座る。
「……散々な目にあった…」
イストワールから頼まれたプレゼント配り…ネプギア、絵美、ソルの謎の要求にアイエフとぶつかってから全員に追い掛けられ、マッハから拡散光弾、パープルシスターとブラックシスターから砲撃を撃たれ、最終的にはアイリスハートが蹴り飛ばした雷の直撃を受けてこの自然公園にまで吹き飛ばされると言う不幸体験をしたメテオはウンザリしていた。
……もう、プレゼント配りなんてやらねぇ…。
そんな気持ちになったメテオはパーカーの懐から煙草を取りだして一本口に加え、自身の手から火を出し、それで煙草に火を着けてゆっくりと吸い込む。
「………クリスマスが嫌いになりそうだ」
吸い込んだ主流煙を大きく吐き出し、煙を吹かしながら天を仰いだ。
「何で嫌いになりそうなの?」
「何でって……そりゃあ頼みとは言え、プレゼント配りをやらされた結果、仲間から変態呼ばわりされて追い掛け回され、砲撃とかを撃たれ、最後は雷を飛ばされてこんな所まで吹き飛ばされて死にかけたんだぞ?嫌いにな…」
嫌いになる……と言い掛けた時にメテオはそこで言葉を止めた。
……俺は今、誰と喋ってるんだ?
あまりにも自然に入って来たので普通に喋ってしまっていたが、今ここにいるのは自分だけの筈と思っていたメテオはそれに疑問に思い、その声が聞こえた方向に顔を向けると…。
「……あれメテオ達だったんだね」
「……ネプテューヌ…」
そこにはこちらに苦笑する紫の女神…ネプテューヌの姿があった。
彼女はそのままメテオの隣に座り、降り頻る雪を見つめる。
「あいちゃんが騒いで何事かと思って出てきた時に見た後ろ姿が見たことがあるって思って追い掛けなかったけど…正解だったね」
「……気付いていたのか」
「うん、それで二人が飛ばされた方向を追い掛けてね、こうしてメテオに会えたんだ」
パタパタと足を浮かせてぶらつかせるネプテューヌの言葉にガックシとメテオは項垂れる。
……気付いてたなら止めてくれよ…。
「……だから………ん!」
「……ん?」
突然自身の前に手を差し出すネプテューヌにメテオはどういう事なのかわからず、その手をじっと見つめる。
「………綺麗な手だな」
「ねぷっ!?ち、違うよ!察しが悪いな~!……プレゼント」
「え?」
「だーかーらー!……プレゼント、ちょうだい♪」
「……ああ………あ…」
そう言われてメテオはプレゼントを出そうとするが、ある事に気付いた。
……プレゼント、プルルートにぶっ飛ばされた時にどっか行っちまった…。
そう、あの時アイリスハートの放った雷を受けて吹き飛ばされた際にメテオはカズマと離れ離れになっただけでなく、イストワールから渡されたプレゼント袋も一緒に手離してしまい、何処かへ行ってしまったのだ。
それに気付き、どうしようかと焦るメテオは何かないかとポケットやパーカーの懐を探ると…。
(……あ、あった…)
パーカーの懐から何かを見つけたメテオ。
その何かは梱包された小さな箱で、彼はそれをネプテューヌに見せる。
「…これは?」
「……本来、お前にプレゼントするべき奴はどっかに行っちまったが……これは俺個人的にお前に向けて買ったプレゼントだ…開けてくれ」
その箱を渡されたネプテューヌは言われた通りにその梱包を解き、箱を開けて中身を見て目を見開いた。
「め、メテオ…これ……!」
「…お前に似合うといいが……取りあえず、日頃の感謝って所で買ったんだ」
目を潤わせ、口元を手で隠して自身を見つめてくるネプテューヌの目線にメテオは照れくさそうに頬を赤らめ、目を逸らす。
「……これ、"ブルースター"ってお花だよね?」
「…ああ、何気なく立ち寄った花飾り屋でこいつを見つけてさ……お前が似合いそうな奴を買ってみたんだ」
メテオから渡された箱に入っていた…"ブルースターの花飾り"…ネプテューヌは目に涙を浮かべながらも嬉しそうに微笑んだ。
「…ありがとう…!これ、着けていい…?」
「あ、ああ、その為に買ったんだからな…」
突然涙を浮かべるネプテューヌに困惑しつつも、彼女の言葉にメテオは頷いた。
メテオから了承をエテ,ネプテューヌはそのブルースターの花飾りを着ける。
「……えへ…へ……どう、かな?似合うかな?」
「…………」
「……メテオ?」
着け終え、その花飾りをお披露目するネプテューヌにメテオは何も言わずに顔を背け、彼女を一切見ようとしない。
「……ひょっとして…似合わなかった?」
「…………いや……
……似合い過ぎてまともに顔が見れない…」
「………………ねぷぅ!?」
あまりもの不意に言われたメテオの爆弾発言にネプテューヌはこれまでにないほど顔を真っ赤にする。
「に、似合い過ぎるって…お、大袈裟だよぉ……」
「し、仕方ねぇだろ!本当に似合い過ぎてどう反応すればいいのかわかんねぇんだからよ……!」
「……ありがとう、メテオ」
「あ?ああ!?」
まともに彼女を直視出来ないメテオは突然のお礼の言葉に変に上ずった声を上げてしまった。
「……これ、大切にするね」
「あ、ああ、好きにしろよ……気に入らなくなったら捨てればいいし…」
「……捨てないよ、メテオからくれたプレゼントなんだもん…」
「そ、そうかよ……」
「……ねぇ、メテオ……ブルースターの"花言葉"って知ってる?」
「い、いや……俺、そういうの疎いから……」
「……じゃあ教えるよ?ブルースターの花言葉はね…」
ネプテューヌはそこで一旦言葉を止め、ゆっくりと深呼吸をした。
「…『幸福の愛』と『信じ合う心』、だよ!」
~終わり~
……執筆してたらいつの間にかイブ終わってたぁぁぁぁああああ!?
…あ、でもクリスマスだから全然いいか♪
いかがでしたか?
いつものスピンオフのギャグと見せかけた後半のラブコメは!(笑)
次回もお楽しみに!
感想をお待ちしています!