魔人ブウより厄介な中間試験がありまして…。
申し訳ない。
今界王神界では4つのグループに分かれている。
一つ目は、老界王神とトランクスと悟飯。
老界王神は、限界を越えた力をつけても今の魔人ブウには敵わないと言ったが、それでもしないよりはと説得されて封印を解いたトランクスと潜在能力がとてつもない悟飯の二人の力をまとめて引き出しているところである。
ちなみに魔人ブウが予想以上の力を持っていたため、余裕がなくエロイことを要求されることなく願いが叶えられるようになった。
さらにちなみにこの場でエロイことを要求して史実のようになったら、悟空、老界王神がただですむことはなかっただろう。
二つ目のグループは、一つ目のグループを見守るグループである。
メンバーは、界王神、キビト、ピッコロ、少年トランクス、悟天である。
界王神、キビト、ピッコロは老界王神を尊敬の眼差しで見つめ、少年トランクス、悟天はワクワクしながら待っている。
三つ目のグループは、そう戦闘狂の二人、言うまでもない悟空、ベジータである。
来るべき再戦に向けて修行をしているのだ。
修行という範囲を遥かに越えた戦いでもあるのだが。
四つ目のグループは、サタンとカーシである。
この二人は今、今後の話し合いをしているのだ。
「多分だが、老界王神はポタラを渡して『ベジット』に全てをかけると思う。だけどな、『ベジット』ならばいい戦いはできるが勝つことはできない可能性もある。あの魔人ブウは未来の知識を持っているからな。でここからが重要な話だ。サタン耳を貸せ」
というと、耳を寄せたサタンにコソコソと話をする。
誰にも聞かれないように。
「………で………を………する」
「えっ、本当にするんですか。」
カーシの話を聞き、本当にするのかと聞くサタンに。
「それなら勝てる。それにそれしか方法はない!」
自信を持って断言する。
という四つのグループに分かれているのだ。
そして、約一日が経過した。
「おお!二人とも格段に力上がってんなあ!」
老界王神の能力で強くなった二人を見て悟空は簡単の声を上げた。
「フン!たしかに強くはなったがまだこれではヤツには勝てん」
ベジータも強くなったことには悟空と同様に頷いた、がしかし、一度魔人ブウと戦ったことがあるベジータは断言した。
「だからワシは言ったんじゃ、勝てんとな。で、もう一つこちらが本当の希望じゃ」
そう言うと老界王神は自分の耳につけている黄色いピアスを外す。
「これは界王神の秘宝『ポタラ』という。これを二人が一つずつ逆の耳につける。するととてつもない力を持った一人の戦士が誕生するんじゃ」
「ええっ、このピアスにはそんな力が!!」
「そんことも知らんとは嘆かわしい」
初めて知った真実に驚く界王神に苦言を呈する老界王神。
すると、「キビトは右耳のポタラを外しなさい。私は左耳のポタラを外します」
と言い、二人が外した時だった。
二人の体が引き付けられ、そしてぶつかると誰もが思った時だった。
二人は光に包まれ、その光が止んだ時には、一人の男が立っているだけであった。
『キビト界王神』の誕生の瞬間である。
「これは凄いですよ。もうなにも恐いものはないぐらいです。でご先祖様どうすれば元の二人に戻れるのですか?」
「戻れんぞ」
老界王神のその一言でキビト界王神は言葉を発することなく項垂れ、ベジータは
「ふ、ふざけるな。なぜ俺とカカロットが合体するだけでも耐えられんのに、その上合体したら元に戻れんだと!!」
怒り狂いポタラを突っ返そうとするベジータに
「だから言ったんじゃ。最後の手段だと。パワーアップした二人が勝てなかったときに使えということでな。使わなければそれでいい。一応持っていけ」
と言うとベジータのポタラは受け取らずそっぽを向いてしまった。
「で、では悟空さん地球に行きましょう。メンバーは、悟空さん、ベジータさん、トランクスさん、悟飯さんでいいですか」
「えっ、カーシは行かねえんか?」
悟空がカーシの名前がないことに気づき問いかける。
「俺は少し準備することがあってな準備ができたら向かうぞ」
「そうか、分かった」
と言うと、他からも声が上がる。
「俺たちも連れていってよ!」
そう少年トランクスと悟天である。
「連れていってやりてえんだが、今回は無理だ。ここで待ってるんだ!」
優しさもあるのだが、有無を言わせない力強さを持った声にそれ以上言えなくなる少年トランクスと悟天。
「気を付けろよ。そして頼んだぞ!」
そう言うピッコロに悟空は「おう」と答え、悟飯とトランクスは「はい」と答える。
「では行きますよ。界々」
キビト界王神に連れられて、悟空、ベジータ、悟飯、トランクスは再び戦場となる地球に戻っていった。
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
地球にたどり着いた五人は絶句した。
目の前には、荒れ果て瓦礫が散らばる阿鼻叫喚の世界が広がっていた。
悟空達が離れていたこの二、三日で地球は魔人ブウによってまるで地獄のような世界に変えられていた。
「キャーーーッ誰か助け……」
そのような中女性の叫び声が瓦礫と化した街中に響き渡る。
「行くぞ!」
悟空達が叫び声が上がった場所にたどり着くと、腹を貫かれた女性とただただ無表情で返り血を浴びた魔人ブウが。
崩れ落ちる女性を見ながらベジータが驚くべきことを呟いた。
「いったいどうなっていやがる、ただでさえバカでかかったヤツの気が更に強くなっていやがる…」
と。