MrサタンZ 真の英雄   作:寅好き

40 / 55
カーシを目指して、立ち上がるZ戦士!

「今出してやるぞ」

カーシはそのように呟くと、徐に大きな肉の塊のような玉に手をつける。

そして

「ふっ!!」

カーシは瞬時に気を高める。

カーシを中心に巨大なクレーターが出来上がり、それと同時に宇宙船が崩れ始めた。

しかしながらカーシは全く動揺することもなく、高めた気を玉に送り続ける。

 宇宙船は完全に崩れ去る、しかしカーシの気が全てを弾き飛ばし玉と共に露出した状態になっている。

「ふう、たったこれだけの気で復活するか…」

カーシの目の前で玉が光だし、玉が二つに割れた。

玉の中からはピンクの煙が立ち上ぼり、集まり形をなしていく。

「ぶうーっっ!!」

無邪気な魔人ブウが声をあげ復活した。

 

――――

 

第四回戦の始まる前であった。

「悟空さん。頼みがあるんです」

サタンが神妙な表情で悟空に話かけてきた。

いつものおちゃらけた様子など微塵も感じられないので、悟空も真面目に返す。

 

「よっサタン!頼みってなんだ?」

悟空のフレンドリーな感じがサタンを和らげる。

「実はわしをカーシさんの元へ送って欲しいんです」

「どういうことだ?」

サタンはそれまでの経緯を全て悟空に包み隠さず話す。

天下一武道会が始まる前に出ていったこと。

深刻な表情であったこと。

そして、嫌な予感がすることを。

「そんなことがあったんか。よし任せろカーシにはおらも世話になってっからな」

悟空が笑顔で承諾したが、納得していない者が二人。

「どういうことだカカロット。俺との戦いはどうするつもりだ!!」

恐ろしい剣幕でベジータが悟空にくってかかる。

「ベジータおめえも感じてんじゃねえか?たいしたこたあねえが、不思議な気があることに。そしてそこにカーシの気があることに。」

悟空が真剣な口調でベジータに語りかけるように説得を試みる。

「フン、そんなの俺には関係ない!!」

「なら行った先で戦わねえか。どうせここじゃ本気でやれねえしよ」

「……勝手にしやがれ!」

ベジータは悟空の説得についに折れた。

 

「お待ち下さい。あなたたちにはしてもらいたいことがあるのです」

シンと呼ばれていた男が突如悟空達の会話に入ってきた。

「??」

皆がポカンとするなか、シンは続けて話をしようと口を開きかけた時であった。

 

「界王神様にも関係があることなんです。つまり魔人ブウに関係することなんです」

サタンが口を開いた。

その話の内容は悟空達には全く分からないことであるが、それを言われたシンは愕然とした表情である。

「なぜあなたがそれを」

先ほどまでの余裕の笑みは消え失せている。

「目的地についたら説明します」

サタンはそれだけ言うと口をつぐんだ。

「……。分かりました。では私達も同行します。行きますよキビト」

「はい、界王神様」

キビトと呼ばれた赤くデカイ男がいつのまにかシンの背後に現れ返事をした。

「お父さん僕も連れてってください!」

 

「俺もお願いします!」

同行を志願する者が二人。

悟飯とトランクスである。

「おめえ達も行きたいんか。おう来てくれ心強いぞ!」

悟飯とトランクスは笑顔になる。

「どこいくの悟飯君?」

先ほどまでの話を聞いていたのであろう。ビーデルが悟飯に問いかける。

当然のことである。ビーデルはこの日を、天下一武道会で悟飯と戦うのを夢にまで見ているほど楽しみにしていたのだ。

 

「えっ、そ、それは…」

困り果てた表情でしどろもどろになる悟飯に助け船が出される。

「このメンバーなら時間はかからねえ。少しだけ待っててくれ」

「はい」

ビーデルも悟空にそう言われたら何も言うことはできなかった。

「クリリンとピッコロはどうする?」

悟空がクリリンとピッコロに問い掛ける。

「俺はいいよ。さすがについていけねえし、賞金も大事だからな」

とクリリンがすまないなという感じで悟空に告げる。

「悟空、俺も連れていってくれ。界王神様がここへ来られた理由を知りたい」

ピッコロも同行を願い出た。

界王神に視線を送りながら。

「じゃあ、おら、ベジータ、悟飯、トランクス、えっと界王神様」

「シンでいいですよ」

「じゃあシンとそこのデカイオッチャン」

キビトに指をさしていう悟空。悪気は全くないのである。

「プフッ」

「界王神様なにも笑われなくても。あと私はキビトだ」

キビトは言うが話を聞かずに悟空は続ける。

「このメンバーでいくがそれでいいかサタン?」

「はい」

サタンはそれまでの深刻そうな表情とは打って変わって嬉しそうにしている。

「サタンとシンには後で事情を話してもらうからな。じゃあ皆おらに触れてくれ」

皆が悟空に触れると、悟空は人差し指と中指を額にあて、カーシの気を探った。

「よし行くぞ!!」

 

その声だけを残し悟空達は姿を消した。

 

「悟飯君気を付けてね」

手をあわせて願うように言うビーデル。

 

「なあ悟天聞いたか?」

「うん、聞いたよトランクス君!」

モゾモゾしながらマイティマスク内部で二人が相談する。

「あっちの方が楽しそうだな。行くぞ悟天!!」

「うん。行こうトランクス君」

マイティマスクことトランクスと悟天もマスクを脱ぎ捨て悟空達の気を探り飛び去った。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。