「ん……んん……。」
ベッドに横になっていたリリーは眠りから覚める。
「ん~!」
眠りから覚めたあと、リリーは背伸びをし、ベッドを見る。
(おはようございます。マスター♡)
リリーは爛の額にキスをすると、リビングの方へと歩いていった。
「~♪~~~♪~~♪」
鼻唄を歌いながら身支度をし、料理を作り始める。
「え~っと、マスターは白米で……、これと、あれを使って……。」
リリーは確認しながら次々と料理を作っていく。
「これで完成と……♪じゃあ、マスターを呼びに行きましょうか。」
リリーは着けていたエプロンを外し、爛が寝ている寝室に向かった。
「マスター♪朝ですよ~…♪」
リリーは小声でそう言いながら、爛の寝ているベッドに横になる。
「ん………リリー………。」
爛は寝返り、寝返った先にリリーが居り、リリーと体がピッタリとくっつくようになった。
「……………!!」
リリーは突然のことに顔を真っ赤にする。
「マスター、朝ですよ~♡」
リリーは爛の上に跨がり、爛にキスをする。
「ん……んんんん!!!???」
爛は目を大きく見開く。リリーは爛が起きると、キスをやめる。
「おはようございます♪」
「あ、あぁ…おはよう。」
リリーは爛に抱きつき、挨拶を交わす。
「…で、どうして俺の上に跨がってこんなことを……?」
爛は疑問だったことをリリーにぶつける。リリーは爛の体を触りながら話す。
「だって、マスターが起きなかったから……。」
恥ずかしながら爛に抱きつく。
「ん~…。まぁ、いつもよりは遅いもんな。」
爛も抱きついてきたリリーを抱き締める。
「…因みに、朝食は…?」
爛が尋ねると、リリーは顔を更に赤くし、爛から離れる。
「…も、もう、作ってあり……ます…。」
リリーは細切れになりながらも、作ってあると言う。
「ん、じゃあ、早く食べようか♪」
笑みを見せて爛はそう言った。
「いただきます。」
「はい♡召し上がれ♡」
(マスターがあんなに正しく…、そして可愛いものです♡)
爛はしっかりと手を合わせて食べるものに感謝をし、食事に入る。それを見ていたリリーは爛が手を合わせている姿が可愛らしく見惚れていた。
「ん?どうした?」
「いえ、何でもないです♡」
爛が白米を食べながら何も食べておらず自分を見ているリリーを見て、首をかしげながら話す。
「ふ~、御馳走様。リリー。」
「お粗末様です♡」
爛は食事を終えると、しっかりと手を合わせて食べたものに感謝をした。リリーはまたもや爛の姿に見惚れていた。
「今日は……、何もないな。」
爛は手帳を開き、日程を確認していた。今日はなにも仕事がなく、休日である。
「お休みなのですか?」
爛が何もないことを言ったことに、リリーは爛に尋ねる。
「…ん?あぁ。そうだ。」
爛は何か考えことをしていたのか少し間が空いて反応する。
リリーはその事を聞くと、爛の膝の上に乗る。
「……………どうした?」
「マスター、しましょうよぉ……。」
顔を赤くし、体をモジモジさせながら爛に上目使いでそう言う。
「いやなぁ……。」
「嫌でしたらしませんからぁ……。」
リリーからの言葉の追撃に、爛の理性が折れかかる。脳の神経、自分がフル稼働できる理性を使い、保っていた。
「………もぅ、ガマンなりません!今すぐにでもします!」
「ちょっ!?ま、待って!」
リリーは我慢することができず、爛の制止を聞かずに爛に襲い掛かった。
ーーー夫婦、朝から夜戦に突入すーーー
「ハァ………ハァ………ハァ………。」
「ウフフ、マスター………♡」
息を切らしながらも、汗を流している爛と、爛に目がハートの状態で抱きついているリリー。
「……シャワー浴びてくるよ。」
爛がそう言うと、リリーは何も言わずに爛から離れる。爛はその事に疑問を感じながらも、シャワーを浴びる。
「……………………………。」
爛がシャワーを浴びているなか、風呂場のドアの奥から声が聞こえる。
「マスター、私も入りますね……。」
リリーの声が聞こえてきていた。リリーは風呂場のドアを開けると、バスタオルを体に巻いた状態で来ていた。
「いや、いきなり入ってこられたらビックリするからな?………別にいいけどさ………。」
爛はシャワーを浴びているなか、突然リリーが来たことに驚き、そう言った。
「私もシャワーを浴びようと思って。」
リリーはそう言いながらも、シャワーを浴びている爛の側に行く。
「な、ならどうしてこんなに近くに。」
爛はいきなり側に来たリリーに驚きながらも尋ねる。
「いいのではないですか?こんなにもマスターを愛しているというのに。」
すると、リリーの目からハイライトが消え去り、爛を抱き締める。
「もし……目移りして浮気なんてしてしまったら……どうなるか分かってますよね?」
爛はその事を聞くと、汗を流した。リリーの言葉の本気に命の危険を感じてしまったからだ。
「……あぁ。分かってるよ。というか、お前から目が離れないよ。」
爛はリリーを抱き締めると、優しい声音でそう言った。それだけで、リリーの心は温まっていた。
「フフ……♪」
リリーはハイライトを戻し微笑む。
「ん?どうした?」
爛はリリーが微笑んだことに、疑問を持ち尋ねる。すると、リリーは目のハイライトをハートにし、爛の体に触れる。
「だって………こんなにも体が素直で……♪興奮してしまいます♡」
リリーはそう言いながら、爛の体を指でなぞっていく。
「……………………!!!」
爛はリリーがそう言ったことを聞くと、顔を赤くしてしまう。
「では、もうしてしまいましょうか♡」
リリーは息まで荒くしてしまう。
「いや、待って!待って!もう充分だから!」
爛は必死に反論するが、リリーは聞く耳を持たない。
「早く♡早く♡」
(あ、無理だこれ……。諦めよう。)
リリーがやる気満々な状態を見て、爛はすぐに諦めた。
ーーー夫婦、朝風呂で夜戦に突入すーーー
「ハァ………ハァ………もう……限界………。」
「私は嬉しいです♡マスターのーーー」
「それ以上やめろ!制限かかるから!」
爛はゲッソリとしながらも、リリーが危ない発言をしようとしたことに、ツッコミを入れる。
「ま、まぁ………あがろうか。」
「はい♡」
爛は苦笑いをしながらも、リリーの頭を撫でる。リリーは爛にくっつくと、素直に返事をする。
「…………………………………。」
「マスター?どうかしたのですか?」
爛はまったく体を動かさないまま、リリーを見詰めていた。それに疑問を持ったリリーは爛に尋ねてきた。
「いや………、膝の上からリリーが動かないから……………。」
椅子に座っている爛の膝の上にリリーが鎮座しているのだ。
「………マスターは嫌なのですか?」
「うっ………。」
リリーが涙目になり、爛に上目使いで尋ねる。異性に興味がないとはいえ、蔑ろにするのには気が引ける爛は合わせていた視線を外す。
「マスター………。私は、要らないのですか………?」
(ヤバイ。本当に泣いてしまいそうだ……。要らない訳じゃないけど………。)
涙が溜まりに溜まり、本当に泣き出してしまうと考えた爛は焦り始める。
「い、いや、嫌じゃないし、要らない訳じゃないよ?」
「ですよね♪マスターは私を嫌うなんてことはないですよね♪」
爛がリリーを泣かせないように言うと、リリーは笑顔を浮かべ、爛に抱きつく。
「わっ!………まったく。」
爛は微笑むと、抱きついてきたリリーを抱き返し、頭を撫で始める。
「マスター………♡大好きです。本当に♡」
リリーは爛に体を委ねると、爛の体温を感じながら、眠ってしまった。
「………寝たのか。ふわぁぁぁぁ………。俺も眠くなってきたな………。ベッドに行くか……。」
爛はそう言うと、リリーを抱き抱え、ベッドの方へと行き、同じように横になり、眠りに入る。
「………お休み、リリー。」
爛はリリーの唇に、そっとキスをすると、リリーを抱き締めたまま、眠る。
次の朝、同じようにリリーが爛が起きるときにキスをしていたのは言うまでもない。
………やっと書き終わった……。次回は………、fateキャラではなく、明になりそうです。兄妹愛はどのようなものになるでしょうか。
甘くかければいいのですが………