落第騎士の英雄譚~世界最強の剣士の弟子~   作:火神零次

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爛「やっと二人との模擬戦か~」
ステラ「そうね。見させてもらうわ」
爛「前書きにも会話文付けるか作者」
作者「・・・」
爛「前書きに何書くか決めろよな。」
作者「だって無理だもん!」
爛「そんなことを言うのなら襲うぞ?」
作者「えっ・・・」
爛「じゃあ、ステラ。後頼む。」
作者「あーーーーー!」
ステラ「作者は連れていかれたわ。それより、第7話読んでね!」


第7話~爛と東堂姉妹~

 一年一組の教室のある一席に座っている爛。一輝とステラは用事があると言い、爛は先に教室で待っているのだ。爛が座っている席の周りでは、落第騎士(ワーストワン)の話しで持ち上がりだ。すると、教室のドアが開けられ、そこから出てきたのは、一輝とステラ。そのまま二人は爛の席の後ろに座った。

 

「黒乃からか?」

「その通りなんだけど、なんで分かった?」

「なんとなくだ。なんとなく。」

「なんとなくって・・・」

「ま、言わなくても良いぞ。」

「と言うか、伝えなきゃ行けないんだけどね。

 

 爛はこんなときに黒乃から伝えなければいけないことに感づいたのか、ため息を出す。

 

「ルームメイトの件で・・・だろ?」

「よく分かったね。理事長が言ってた意味が分かったよ。」

 

 黒乃から言われたことは、この件については少し話す程度でいいと、言っているのだ。黒乃はその答えについては何も言っておらず、爛が一輝の言うことを当てたことに、一輝はどうやって当てたのかが、分かったからこそ、黒乃の言っていた意味が分かったのだ。

 

「それはそれでだな。俺らの担任は少し面倒だな。」

「どういうこと?」

「まあ、担任が来れば分かるな。」

 

 爛の言っていた言葉に首をかしげるステラだが、これから起こることを見てしまうと、爛の言葉に共感してしまう。それは、スクリーンにクラッカーの絵と効果音が教室のドアが開け放たれたと同時に鳴り響く。そして、教室のドアを開け放ったのは、若い女性教師だった。

 

「新入生のみなさーん、入学おめでとー!この一年一組の教室を受け持つけど、新米教師なの。私は『折木有里(おれきゆうり)』。ユリちゃんって呼んでね!」

「ランの言ってることに同情するわ。」

「えっ!爛さんもこの教室なの!?」

「よう、折木。相変わらずだな。」

 

 他の生徒達は折木のハイテンションに何も言えなくなっており、爛が折木と平然と話していることに、驚きを持つ。

 

「あんまり張り切り過ぎないでくれよ。」

 

 そんなこと言った爛だが、折木は聞いておらず、七星剣武祭について、説明をしていた。七星剣武祭、黒乃は今までのランク制度を廃止し、実力を重視するため、選抜戦に出ることができ、七星剣武祭に出る資格を一年でも、取れるようになっていた。そして、本戦は団体戦があり、七星剣武祭に出れる各学園の上位八名の中から三人を選び、団体戦に臨む。他の五人は交代が可能。団体戦については何も知らせ等がなかったため、突発的な物だった。それに対応するため、黒乃は自分の師である爛と、ヴァーミリオン皇国のAランク騎士のステラを選抜したと言うことなのだ。

 しかし、爛にはこの事について、一輝に対することもあったのではないかと思っていた。何故なら、七星剣武祭のことについては、一輝の父である、『黒鉄(いつき)』に任されているのだ。一輝が七星剣武祭に来るのも踏まえて行った結果なのだろう。一輝を『魔導騎士にさせないため』に。爛はその事に呆れてしまうほどに。

 七星剣武祭で尻込みする人も居るだろう。いつもは殺傷能力をなくした『幻想形態』でやっているのだが、選抜戦と本戦は殺傷能力をそのままで行う『実像形態』でやるのだ。最悪の場合、死に至る。因みに、選抜戦は来週からなので、参加する人はメールがいつ来てもいいように要チェックしろとのこと。

 すると、ステラが何か疑問に思ったのか、折木に話しかける。

 

「先生。」

「ノンノン☆ユリちゃんって呼ばないと教えないぞ☆」

「ユ、ユリちゃん・・・」

「何?ステラちゃん。」

「試合ってどのくらいあるんですか?」

「詳しくは言えないけど、軽く十試合以上あると思っていいよ。そうだね~三日に一試合ぐらいあると思っていいよ。」

 

 この話しで不満を持つ者もいるはずだ。平穏に学園生活を送り、魔導騎士として過ごす。なんて人間も居る。一輝は安堵していた。三日に一試合なら、全部の試合で一刀修羅を使うことが出来る。一日さえあれば魔力を回復し、次の試合では、万全な体勢で挑むことができる。

 

「参加自体は人それぞれだよ。『実行委員会』にメールで不参加の意を伝えれば、自動的に抽選から外されるよ。・・・でもね、大変だと思うけれど、誰でも『七星剣王』を目指すことができるの。それを分かった上で、参加するかは君達次第だよ。」

 

 ここに居る爛と折木以外は分からない。この中に、『七星剣王』になっている人間の子がここに居り、そして、ありえない力を持っていることに。それは爛が一番よく知っているのだ。その力を持っている人間だから。そして、人としては居ないとも言える存在だと・・・

 

「じゃあ、みんな。これから一年間、全力で頑張ろう!エイエイ、オブファーーーーーーーーッ!」

「あ~、やっちゃったな。」

「え!?え!?どういうこと!?」

「折木はああいう体質だから、一日一リットル吐血する。」

「ええーーーーー・・・」

「一輝、折木を頼む。後は俺がなんとかするからな。」

「分かった。頼むよ。」

 

 その後、一輝は折木を保健室まで運び、爛は折木が吐血したものを処理し、各自解散でお開きになった。

 爛は先に部屋に戻り、昼食をとっていた。爛に送られたメールは、刀華からであった。爛はすぐに返事を送り、昼食をとっていると言うことだ。

 

「さて、今回はどうくる?」

 

 爛はそんな呟きをこぼし、第3訓練場に向かった。

 爛が第3訓練場に着くと、模擬戦をする相手である、刀華と愛華が居た。

 

「遅くなったか?」

「いや、ちょうどだよ。ね、お姉ちゃん。」

「そうだね。いきなりだけど、二人がかりで良い?」

「俺は別に構わないけど。」

「ならそうさせてもらうよ爛くん。」

 

 爛は周りの席を見ていた。そこには『雷切』と『麒麟』を一目見ようと大勢の生徒が来ていた。爛が見ていたところには一輝とステラ、そして、近くには爛の妹である『(あかり)』の姿も。

 

「たくさん居るな。」

 

 三人の近くにやって来た一人の女性、黒乃ではなく、爛の姉の香。

 

「これから、宮坂爛対東堂刀華・東堂愛華の模擬戦を始めるよ。三人は分かってるから省くけど、幻想形態で霊装を顕現させてね。」

 

 香がフィールドから出ると、特殊な魔力が張り巡らされたフィールドが作られる。その中にいるのは、爛と刀華、愛華。

 

「行くぞ。刻雨(こくさめ)。」

「轟け。鳴神(なるかみ)。」

「響け。春雨(はるさめ)。」

 

 三人の周囲に起こる雷。爛は光の中から鋼の太刀、刻雨を顕現し、刀華は紫電より黄金色の鋼の太刀を、愛華は雷が落ちてくると同時に右手で掴み、すぐに鞘を顕現し、その雷を鞘の中に入れると刀になり、本来の姿を見せる。刀華も鞘に鳴神を入れていた。刀華は付けていた眼鏡を外しており、それを見た爛は刀華にこんなことを言う。

 

「それが後悔にならないように思うな。」

「爛君には本気でやらないと駄目だから。」

「そうか。」

 

 三人が霊装を顕現すると、試合が始まる合図が出る。

 

Let' s Go Ahead!(試合開始)

 

 試合開始の合図とともに、刀を抜き放つ刀華。爛は霊装を構えることなく見ていた。そして、一分が経つが誰も動くことなく相手を見ていた。このことをおかしいと感じる人間が居るはずだ。三人の表情は爛が余裕な表情をしているが、刀華と愛華は切羽詰まった表情をしていた。ここの誰もが思ったのは、真逆のことだった。しかし、爛の実力を知っている者はこのことが起きると分かっていた。

 

「行かないのなら、こっちから行くぞ。」

 

 爛はそういうと、二人に向かって走り出す。途中で爛の姿が消え、その姿が見える頃には刀華と愛華の目の前に居た。

 

「っ!」

 

 二人の間に入り、刻雨を振るう。二人は左右に跳躍し、距離をとる。このことで爛の敗北が決まったと思うものが居るだろう。しかし、それは爛がそれに陥るように自らが起こした行動なのだ。

 

(どうしてこんなにも攻めの可能性を持っているの!?)

 

 刀華は爛に向かって鳴神を振るうが、全て爛に受け止められ、爛の後ろから愛華が春雨を振るうがそれを避け、二人から距離を取る。

 

「攻めあぐねてるな。刀華。」

 

 爛が再び二人に向かって走ると刀華と愛華も走り出す。ぶつかり合うと、爛は後ろに下がり、刻雨を構える。刀華は鳴神を構え、伐刀絶技(ノウブルアーツ)を使う。

 

「《雷鴎(らいおう)》!」

 

 刀華が鳴神を振るうと、三日月型の斬撃が爛に向かっていく。

 

「それくらい、打ち消せる。《壱の剣・八意表裏斬撃(やごころひょういざんげき)》」

 

 刀華と同じく三日月型の斬撃。刀華の斬撃を打ち消し、二人に八つの斬撃が襲いかかる。爛の斬撃を打ち消そうとするが、後ろから何か来ていることに気付き、左右に避けると二人の後ろから斬撃が飛んできていた。

 

「お、初見で避けるとはな。流石、校内一位の伐刀者(ブレイザー)。」

 

 二人は飛んだ反動で、フィールドを滑るが、即座に爛に向かって跳躍し、剣を振るう。

 

「くっ、やっぱ二つ同時はキツイな。」

 

 爛が二人の剣を止めた部分は、刻雨を左手に持ちかえ、刀華を鳴神を止め、右手首で愛華の春雨を止める。手首で止めること自体できないのだが、爛の右手首には腕輪が付けられていた。刀華と愛華はジリ貧だと思ったのか後ろに下がる。

 

「全力でうたせてもらいます!」

「行くよ。爛くん!」

「臨むところだ。」

 

 刀華は鳴神を鞘におさめ、雷の力を最大限に高める。愛華は春雨を右側に構え、切っ先に左手を添える。二人が最大限に雷の力を高めているなか、訓練場内の人間は驚愕の表情をする。それは、爛から黒の力が出ているのだ。それをなんと言ったらいいのかは分からない。しかし、言えることと言えば、爛はまるで鬼神のように感じられるのだ。そして、爛は二人に話す。

 

「とっておきとまでは行かないが、俺の力を少しだけ見せてやる。」

 

 爛がそう言うと、黒の力は爛を包み込み、そこから黒い光が放たれると、爛が出てくるのだが、爛は人間とも言えない者になっていた。体を黒く埋め尽くされ、眼は赤く光り、右腕は異形へと変わっていた。

 

「っ!?」

「力を・・・・・・!」

 

 この模擬戦はどうなっていくのだろうか。

 

 ーーー第8話へーーー

 




一輝「爛!?その姿は!?」
爛「作者曰く、俺の力をどうしようか迷っていたとき、ドハマリしているゲームから引用したそうだ。」
ステラ「そう言えば、作者は?」
爛「あそこに居る。」
作者「爛・・・・・・」
ステラ「どうなっているの?」
爛「襲った。(意味深)」
一輝「あ~、成る程ね。それと作者から刀華さんの伐刀絶技のおうの字だけど実際は違うんだけど、旧文字で書けなかった。だって、第7話読んでくれてありがとう!」
爛「第8話も読んでくれよな!」

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