落第騎士の英雄譚~世界最強の剣士の弟子~   作:火神零次

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題名から察した人もいるだろう。そう!
今回もGOD EATERだ!


第69話〜この世界は非情だった〜

「ここが、俺たちが生きていけるスペースだ」

 

 『爛』に紹介された人が生きていく場所。それは、どう見ても小さく、また自分たちがいるところと全く違った。

 

「ヘリからでも見せてもらったが、こんなにも少なくなったのか……」

 

 颯真は人が住んでいる地域をヘリから見ていた大きさを思いだしていた。

 

「何で、こんなに人が減ったの?」

 

 答えは見つけているだろう。しかし、『爛』に聞けば確実なはずだから、六花は聞いているのだった。

 

「お前たちも先程に見ただろう。あの化物を」

「となると、やはりあの化物が原因か?」

 

 『爛』は答えとなるものは言わずに、ヒントのようなものを出すと、爛がすぐに答えを出した。

 確かに、あの時に見た化物が数多く何十種類も多種多様に別れていれば、可能性はあるだろう。

 

「その通りだ。お前たちの見たやつや、ミサイル撃ってくるやつとか、電気纏ったりとかするやつもいるんだぞ?」

 

 自分が体験したのだろう。例をあげてきてくれたお陰で、どういうものなのかが何となく予想ができている。

 

「さて、先ずは博士に報告だな。よし、ついてきてくれ」

 

 言われるがままについていき、乗り込んだ先にはエレベーター。とりあえず、この世界には自分達と同じようなものがあるというのが分かっただけでもいい情報だ。

 まぁ、元の世界に戻れるのであればその情報はまた来たときに活用できるだろうが、多分来ることはもう無いだろう。

 

「博士、居るか?」

『もちろん居るとも。入ってきたまえ』

 

 博士と呼ばれた男の声が聞こえてると、『爛』はすぐに扉に向かって進み、自動反応する扉は開かれる。

 

「おや?今日は一段と愉快な人たちを連れてきたねぇ」

「愉快でもなんでもない。博士、この後ろ3人に、『アラガミ』の討伐を可能にさせてくれないかな」

 

 博士と呼ばれた男は糸目で、どのような表情をしているかは見てとれるが、その目から放たれているのは爛たちに対する興味。

 しかし、『爛』は興味を示すということを既に察知していたのか。別の話題に切り替えるものの、爛たちにとって聞き慣れない単語が耳に入ってくる。

 

『アラガミ』

 

「ふむ、それは何故かね?」

「俺は、あの3人に助けられた。兵器じゃ傷ひとつつけられないアラガミに傷をつけて尚且つ『コア』すら破壊や回収もせずに消したんだ。それに、相当戦いなれている。化物が相手なんてことはそんなにないから慣れないだろうが、対人とかなら最強な近いほどじゃないか?」

 

 博士は理由を求めると、『爛』はその理由を話した。自分が爛たちに助けられたこと。またアラガミと戦い、傷をつけていたことや、消滅させることが出来たこと、また戦いなれていることから話したのだ。

 

「しかし、彼らはどう見ても幼い。彼らに非情な部分見せるわけには───」

「この世界はどうせアラガミで一杯だ。結局は非情なところ見せるわけになる。なにも知らずに裕福に育つやつは今の時代にいるわけがないだろう?」

 

 博士は戦わせないように弁解をするものの、『爛』はそれを遮った。

 確かに、非情さは既に分かっていた。人が生きられるのであらば、即戦力も惜しまずに使わなければならない。しかも、爛たちがいる場所にも理由があるのだから。

 

「───わかった。ただし、『爛』くん。ミッションになれてもらうために、暫くは君が教えるんだ。いいね?」

「もちろんだとも。それと、此方の協力をしてもらう代わりに、あっちの方の協力もすることにする」

 

 また面倒な単語が増えた増えたと思いながらも、生きるために覚えなければいけないと颯真は感じつつも、誰かが自分たちに襲いかかってこないかと、五人しかいない部屋なのに対し、警戒心を高めていた。

 

「それも承知した。では、三人のメディカルチェックをしたい」

 

 博士は三人の状態を確認するために、メディカルチェックをしたいと言ってきた。別にそれをしなくとも、平気なのだがと爛は思っていた。

 

「了解、メディカルチェックが大事だって言うんであれば、受けるよ」

 

 爛はそう提案した。郷に入っては郷に従え。その通りにしようとしたのだ。六花や颯真も頷き、同じようにメディカルチェックを受けようとした。

 

「それじゃあ、ゆっくりとソファに横になって」

 

 言われている通りに動き、爛は横になる。

 

「予定だと13867秒に起きることが出来る。ゆっくりとお休み。ここに来てからなにも休憩をしていないだろう。体に疲労がついていると見える」

 

 言われた通りだ。爛たちも体の疲労が比べ物にならないほどになっている。

 

「それじゃあ、君たちも横になって、彼と同じように眠ってくれ。君たちの体の状態を見るだけだ。解剖なんかしないよ」

 

 不安になるような言い方をしているが、『爛』が居るから大丈夫だとは思う。

 

「まぁ、爛が居るし問題はないか……」

 

 渋々横になり、言われた通りにする。

 すぐに眠気が襲い、六花と颯真はすぐに眠ってしまった。爛は既に眠りに入っており、爆睡に近いだろう。三人とも声をかけても起きる気配は完全にない。

 

「……彼らも大変だね」

「そうだな……」

 

 二人して悲しい表情をしながらも、爛たちを見守っていた。

 この世界をことを一握りしか知らない爛たちを見て、『爛』は後悔をすることになることをまだ知らない。


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