後遅れてしまった。本当に申し訳ないと思っている。
「よく分かったわね。爛。」
褐色肌の薄い赤色、赤い服装をしている女性が感心したように爛の前に現れる。
「まぁな。気配でわかるんだよ。雪蓮。」
彼女は『
爛は、彼女がどういう方法で来ているかは分かっている。
「呉のほうはどうした?気配で分かるけど、全員いるんだろ?」
爛が荒い口調でそう言うと、やはり雪蓮は感心した顔をする。
「正解よ。皆して来たんだから。」
雪蓮がそう言うと、後ろの木から現れる。
「………おい、シャオはどうした。」
爛が現れた全員を見ると、シャオというものが居ないことに気づく。
「シャオはこっちだよ!」
「うぉ!」
シャオは爛の背中に抱きつき、爛の左肩から顔を出す。
「後ろに居たのか。居ないと、どうしたのか考えるからな?そう言うのは、止めといた方がいいぞ。」
爛はシャオの頭を撫でながらそう言い、シャオは嬉しそうに爛の顔で頬擦りをする。
「むぅ………。」
すると、雪蓮の隣にいた同じような肌と髪色をしている女性が、不満そうな顔をする。
「妹に嫉妬か?『
爛はニヤニヤしながら、蓮華の方を見る。
「そ、そんなことはない!………
蓮華は、爛に反論をするが、やはり爛に抱きついている妹が羨ましいのか、小声でそう言うのだった。
「なら、私も───」
「待った。雪蓮、呉はどうした?」
雪蓮も爛に抱きつこうとするが、爛が待ったをかけ、聞こうとしていたことを尋ねる。
「あぁ。それなら、桃香と華琳に任せたから大丈夫よ♪」
「おいおい………、ってか、雪蓮も抱きつくな。あんた大人だろう……。」
雪蓮は爛の待ったを気にすることもなく抱きつき、爛は呆れた顔で雪蓮にそう言う。
「それでも、心は乙女よ?」
雪蓮は笑みを浮かべてそう言うと、爛はため息をつく。
「………それより、
爛は明命が同じように居ないということに気づき、尋ねる。
「明命なら、お主の前に張り付いておるぞ……。」
「はっ?
爛が祭と呼んだ女性は明命は爛の前に張り付いていると言うと、爛は下の方を見る。
すると、黒髪の少女、明命が祭の言っていた通り、抱きついて張り付いていた。
「………………………。」
「…………み、明命………?」
明命は何も言わず、抱きついた力を強くする。爛は、どういうことなのかが一切分からず、尋ねるだけだった。
「………………………。」
「……何か言ってくれねぇと分からんねぇぞ………。」
明命は沈黙を貫き、爛は困った顔をする。とにかく、爛は明命が気がつかなかったことに不満だったはずだと思い、明命の頭を撫でる。
「………………………。」
「…………な、なぁ。明命?な、何か言ってくれよ…………。」
それでも、沈黙を貫き通す明命を見て、爛はお手上げの状態だった。
「…………け。」
「………え?」
明命は何かを呟くが、爛の耳には一部しか入っておらず、素っ気ない声を出す。
「………口づけ………してください………。」
明命は顔を赤くしながら、爛の瞳を見つめ、そう呟いた。それを聞いた爛は少し顔を赤くする。しかし、爛の近くにいたシャオこと、
「ちょっとちょっと!明命!爛は私と………!」
「それより、爛。私としましょうよ♪」
「爛さんとは私がするんです!」
「ちょっ!お前ら!揺さぶんじゃねぇよ!」
シャオが爛を揺さぶり、雪蓮は体を爛に傾け、爛の前に顔を持っていこうとする。明命は逆に体重をかけ、爛を前のめりにさせようとしている。
「ふふ♪もーらい♪」
雪蓮は二人が争い、爛が無防備になっているところを狙い、爛の唇と重ねる。
「んんっ!!??」
「なっ!?」
「えっ!?」
「あっ!?」
気づいたときには既に遅かった。雪蓮が爛を貪り尽くそうとしていた。
「~~~~~~~~っ!!??んぐぅ~~~!んんん!!~~~!!!!」
爛は必死に離れようとするが、雪蓮は爛の頭をがっしりと掴んでおり、左腕は雪蓮が動かせないように胸の間に挟めており、右腕にはシャオと明命が占拠し、動かせないため、抵抗など出来ない状態だった。
「~~~~~っ。ぷはぁ……♪美味しかったわ♪ら・ん♪」
「ハァ…………ハァ………容赦ないな………雪蓮……ハァ………。」
満足な笑みをする雪蓮と、荒くなった息を整えている爛。
「私も~~~~~!」
「んがっ!?」
いつの間にかシャオは爛の前に回り込み、息を整えている爛の唇を塞ぐ。
「~~~~~っ!!んんん!!ん~~~~!むぅ~~~!」
爛はやはり抵抗をするが、雪蓮が未だに腕を拘束し、シャオは爛の頭をがっしりと掴んでいる。
離れることは叶わない。彼女が満足するまで、と。爛は諦めた。
「…………はぁ……♪美味し♪」
「………そいつは何より。」
シャオは重ねていた唇を離し、爛の瞳を見つめる。爛は呆れた顔をしながら頭を撫でる。
「むぅ……………。」
明命は自分には口づけをしてもらえていないため、不満顔をする。
「………ったく。明命。」
「はい?」
爛はため息を一つ吐き、明命に声をかける。明命はどうしたものかと爛に顔を向ける。
「…………ん………。」
「………んんん!!??」
明命の唇を自身の唇で塞ぐ。明命は驚くが、すぐに爛の舌を絡める。
「ん…………んぁ………んん………んむぅ………。」
爛も抵抗はせず、諦めているのか。逆に舌を絡めてきていた。
「………はぁ……、ここまでだ明命。」
爛は明命の唇に人差し指を当て、そう言った。
「…………んで、まさか俺と居るなんて言わないよな?」
爛は雪蓮に向かってそういった。図星なのかそうなのか、雪蓮は焦ったような顔をする。
「……そ、そんなわけないじゃない……。」
「話には入ってきてねえが、他のやつも居るからな。素直に答えてくんねぇとわかんねぇぞ。」
間を置いて、更には目を泳がせた雪蓮を見た爛は、苦笑いをする。
「……ハァ………。本当は、居たいんだろ……。」
「………………………。」
爛がそう呟くと、雪蓮は爛を見て黙り始める。
「…………あぁ、ったく。別に来てもいいぞ。」
爛は渋々そう言うと、雪蓮たちは目をキラキラさせる。
「本当に良いのね?」
「………あぁ……。」
雪蓮は爛に迫りながらそう言うと、爛は間を置きながらも頷く。
「やった!やっと爛と一緒にいれる~~~!」
ぴょんぴょんと跳ねるシャオを見て、爛は微笑むも、別のことを考えてしまう。
(……六花たちに何か言われるだろうな。………面倒だな………。)
爛は六花たちに何か言われそうだと思い、苦笑いをする。
「ね、早く行こ!」
シャオは爛の腕を引っ張り、早く行かせようとする。
「待てって!」
爛はそう言うと、目を閉じる。すると、今度は光が爛を包み込み、オルタを無くしていく。
「あ、元に戻った!」
「そう言えば、お前たちにはオルタを見せたことがあったんだっけ……。」
シャオがそう言うと、爛は思い返すようにそう呟く。
「じゃあ、行こうか……。」
爛はそう言い、六花たちの方へと戻っていく。
一方……。
六花たちの勘が囁く。
「むぅ………。また爛は……。元に戻ったのかな………。にしても、女の人連れてきすぎだよ………。僕が爛の恋人だと言うのに……。」
爛がまた女性を連れてくるという予感がしていた六花たちだった。
ーーー第62話へーーー
息抜きで何か書きたい……。日常系は無理だ。バイオハザードでも書いてみるかな……。
それに、これからこれだけのキャラをどうしたらいいんだ……。話させるのが大変だぜ……。シャオと明命は爛をめぐってこういうのがあるんです!通常は主従関係は成り立っております。
爛「それはお前のキャラ管理が甘すぎるんだよ……。」
でも、ネタバレだと何人かは帰していくよ。
爛「あ、そうなのか……。ってか、どさくさに紛れてシャオと明命をだな……。できれば、そういう関係がなく、対等だといいのだけれど。」
(できれば、彼女たちを入れないでそのまま何人かを返してほしいな……。うん。あの三人は通常でも手がつけられないというのに……)