三点リーダーって、プレビューで見ると(私のスマホですが)下の部分に現れるんですよね。(何でだろ…)
「ハァ……ハァ……。」
拮抗していた戦況は一転し、明が優勢となった。
六花は明が使用した
(あれを……切った方が良いかもね……。想像以上だよ………明……。)
六花はそう思った。六花の想像を遥かに越える明の
(……六花。考えているとは思うが、本能で鳴っている警鐘は……極めて正しいはずだ……。明……、引き出すなよ……あれを……!)
観客席から二人の対決を見ていた爛は、そう感じ取っていた。
爛の感じ取っていたことは、極めて正しかった。
「っ!?」
目の前にいたはずの明が消えた。
一体何処に?
六花は前後左右を見渡す。
右も居ない。
左も居ない。
後ろも居ない。
なら、答えは───、
「上!」
上を見た先に居たのは、上空にいる明は体を捻らせていた。
「ハァァァァァァァァァ!」
「っ!せぇぇぇぇぇぇぇぇい!」
体を捻った反動で威力は上がっている。そのままの体勢で受け止めたらほぼ負けてしまう。それも、身体能力強化されているというのであれば。
「っ、くうっ!」
六花は体勢を崩し、明に吹き飛ばされてしまう。
「っ!まだまだ!」
明はすぐに、体を六花へと向け、
「《
明はそう叫ぶ。蓮花に纏われる槍は砂鉄の槍となり、六花を貫かんとする。
「《
六花は魔力を手に纏わせ、地面に着ける。すると、灰色の扉に鎖が巻き付かれた物が地面から出現し、明の《
「ググググ………。」
「っっっっっっっ……………!」
二人の力が拮抗する。二人の伐刀絶技は、相殺される。
「「ハァ……ハァ……ハァ……。」」
二人は肩で息をする。何処をどうしても押し返されるか、相殺される。六花が劣勢であるのは間違いなく、それも徐々に、押され始めていた。
「…………っっっっっっ、ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
六花が叫びだす。その叫びにより、六花の異能である雷が暴走し、六花自身へと落ちる。
「っ!?六花ぁ!」
爛は六花の力が暴走したことにより、焦った表情で六花の名前を叫ぶ。
六花の周りに、黒い力が現れ、そして六花を包み込む。
「……まさか……、六花……、お前にも…。その心が……、あるのか……?」
次に姿を見せた六花の姿は変貌していた。肌は人形のように白く、黒の衣服を纏った姿だった。
「ふ~ん。まさか、自由になれるなんてね。」
変わり果てた姿になった六花は、涼しい笑みをし、
それを見ている爛は、怯えたような顔をした。
「……あり得ないだろ……。何でだ……?六花……、お前も……
爛は疑問を口にするが、すぐにそれに切っ掛けとなるものを感じ取った。
「………まさか…、『あれ』が原因で……なったのか…?」
爛は『あれ』と言った。六花の過去に、一体何があったのだろうか。
「…………。」
爛は悲しい表情で俯いた。
六花がオルタというものになると、戦況は一変、六花が優勢となった。
「ホラホラ、どうしたの!?その程度かい?」
「くっ……!」
六花は挑発するように、明に攻撃を加える。
性格も何もかも、変わったような感覚がした。
「六花……、どうしたの!?」
六花は微笑みを見せるが、すぐに狂気の笑みを見せる。
「アハ?」
「え?」
六花の発した言葉に、呆気をとられる明。
「アハ、アハハハハハハ、アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!」
狂気の笑みは潰えぬことをしらなかった。六花の瞳は紅く滲み始めた。その姿は、その会場の全員が恐怖した。
「サァ、アソボウヨ。ネェ、アソボウヨ。アハ?アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!」
狂気の笑みで明に迫っていく。明はその恐怖を押し殺し、蓮花を構える。
「っ!?」
「ナァンダ、コンナモノナンナラ、ハヤクコワシチャオウカ。」
六花は明を蹴り飛ばす。すぐ瞬時に移動し、明を追撃する。
「アァ!」
明はすぐに体勢を戻し、動き出す。
「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!ワタシノシッテルオモチャヨリカタイネ!コワシガイガアルモノダネ!」
六花は左手に持っている拳銃に最大級に魔力を込める。
「ナラ、コレデモシナナイノカナ?キニナルカラゾンブンニヤッテミヨウカ!」
六花は明に照準を合わせ、引き金を引く。
魔力を込めた弾は瞬間的に明の目の前に現れる。
「!?」
明は避けきれず、右腕に銃弾を受けてしまう。
「ア~ア、アタッチャッタノカー。コレデモウヨウズミダネ。」
六花はそう言うと、指を鳴らす。
その音と共に、明の右腕から刃が飛び出してくる。
「ア、アァァァァアァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!」
「あ、明ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃい!」
明は右腕から血を吹き出して倒れる。意識は完全に失っている。
爛は叫びながら、観客席から飛び出す。その右手には、
「この血の量……、早く止めないと…!早くしないと…明が死ぬ!」
爛は自分が使える回復系の
「クソ!早く……止まれよ!」
出血の量は少しずつ止まってきているが、このままのスピードで出血が止まらなければ、確実に明が死ぬ。
「アハ、マダオモチャガイタンダ。アソボウヨ。」
「っ!?」
爛は明を抱えて、六花から離れていった。底知れない何かを感じ取ったから。
「明!しっかりしろ!くっ…リリー達!六花を止めてくれ!」
「はい!」
リリー達も観客席から飛び出し、リングの方へと行く。
「これは、どういうことだ!?」
「分かりません。ですが、理性を失っているのは確かですね。」
「マスター、これは一体…?」
ネロは六花の変わり果てに驚き、タマモは冷静に六花の様子を言っていた。ジャンヌは爛に説明を求める。
「あぁ……、確信はないが、多分今までの負の感情が爆発したせいで、
爛は確信のない状態で説明をする。それを聞いたリリー達は悲しい表情をした。
「とにかく、今はリッカを止めましょう。」
リリーの言葉で、ネロ達は武器を構える。
「頼む・・・。六花を殺さないでくれ!」
「分かってますよ。」
六花のことを大切に思っている爛は、リリーたちに頼む。リリーはそれを知っている。だからこそ、殺すことはしない。
「行きますよ!皆さん!」
「あぁ!」
「「「えぇ!」」」
「「はい!」」
リリーはそう言うと、走り出す。
「カリバー!」
リリーは右手に黄金に輝く剣を顕現し、跳躍する。
「私たちも行きますよ!」
ジャンヌは円を描くように動きだし、剣を握る。
ネロ達も走り出し、各自の武器を持つ。
「援護します!」
タマモは自身に魔力を高め、足元から術式が現れる。
「出雲に神在り。是自在にして禊ぎの証、神宝宇迦之鏡也。《
「…なんちゃってはないでしょう。助かることは助かりますが……。」
タマモのいい加減な詠唱に清姫がツッコミを入れる。
「とにかく……、ハァ!」
清姫は魔力で火球を作り出し、六花へ向ける。
「オソイ!」
六花はそれを易々と避ける。
「行きます!」
跳躍したリリーが体を捻った状態で、六花の真上から現れる。
「ッ!」
「ヤァ!」
リリーは捻らせていた体を戻し、その反発で威力を上げる。六花はそれを見切り、体勢を低くすることでそれを避ける。……が、
「一回だけだと思いましたか!」
リリーは捻った体を戻した影響でもう一回体を回転させ、剣を真一文字に振るう。
「ソレクライ、ワカッテルヨ!」
六花は刀に魔力を纏わせ、剣に対して縦に振るう。
「威力の違いぐらい分か……なっ!?」
六花が刀に纏わせていた魔力が爆発し、リリーを吹き飛ばす。
「爆発する魔力……!?」
リリーは壁に打ち付けられ、伐刀者用に作られている壁でさえ、めり込むように打ち付けられた。
「ぐ……あぁ……。」
「マズハコイツカラ……!」
壁にめり込むように打ち付けられているリリーを狙い、六花は走り出す。
「ヒトリ、オワリ……!」
六花は刀を真上へと振り上げ、そのまま降り下ろす。
「……っ、ジャンヌ!?」
「く……重い……!」
ジャンヌは二人の間へと割り込み、剣ではなく、槍で受け止める。剣ではすぐに折れてしまうと判断したのか、槍で止めていた。
「ジャマスルナ……!」
「退くことなんてできません……!タマモ!」
六花は憎悪の瞳でジャンヌを睨む。ジャンヌはその瞳に怯えることなく、言い返す。そして、タマモの名前を呼ぶ。
「はい!」
タマモはそう言うと、術式のついた札を六花に投げつける。すると、術式が輝きだし、炎が六花を焼く。
「グゥ!?」
六花は背後から突然攻撃を受け、片側の膝をつく。
「ジャマヲスルナトイッテイル……!!!」
六花は一瞬にして、タマモの前へと行き、一蹴にて吹き飛ばす。
「きゃっ!」
タマモは吹き飛ばされ、リングを転がる。
「総司!余達も行くぞ!」
「分かりました!六花さん、行きますよ!」
ネロと総司が走り出す。
二人が六花に猛威をふるう!
ーーー第54話へーーー
大切な話1
新たな小説を書き始めました!
偽物を作るだけだけど、とりあえずやる
という小説です!
大切な話2
この物語の番外編?なのか?
正妻編を書くつもりです。正妻じゃないな、嫁回か…。これに関しては気分で書きます。とりあえず全員1話は書きます。
ヒロイン各以外も書こうかなぁ…と思っていたり。