最近、リアル事情があって中々書くことができませんでした。申し訳有りません。それでは、どうぞ!
「くっ!」
「ハァ!」
颯真は爛の槍、《
「っ、消えろッ!」
爛はすぐさま剣を剣製。颯真へと射出する。
「ッ!」
しかし、颯真はそれを切り払い、意にも返さず走り続ける。
それが、たとえ巨大化した剣であろうと。
「ウォォォオォォオォォォォオオォォォォォオ!!!」
颯真はエクソシストを突きの構えにする。爛は反応することができず───、いや、反応することは出来たのだが、返り討ちにすることをしなかった。
(───全くもって困ったものだ。そういえば、こういう男が居たんだな───。)
そして、そのまま颯真のエクソシストは、爛の腹部を貫く。
「───俺の勝ちだ。爛。」
「あぁ───、そして私の敗北だ。」
爛は過去を思い浮かべるように微笑むと、少しだけ───、残念そうにそう言った。
「負けてしまったのですか・・・。先輩には頼りにしていたというのに・・・。」
「ッ!?」
「手を抜けと言ったのは君だろう。何か不満でもあったか?桜。」
爛の後ろに現れたのは、ピンク色の髪をした少女。爛は桜と呼んでいたため、名前は桜で間違いないだろう。
「丁度時間も稼げましたし、問題ありません。でも、いつまで操られた振りをするのですか。」
「ん、バレてしまったのなら仕方がない。だが、そちらも捨て駒は獲得できたのだろう?」
爛はニヤリとした表情で桜に問う。桜は同じように爛に笑みを向けると───
「確かにそうですね。・・・ですから、殺ってしまいなさい。」
桜がそう言うと、館の窓が割れる。そこから現れたのは、一輝であった。
「やはりな。一輝を操ったか。」
爛はそう言うと、赤い剣を手に取り、一輝を迎撃する。
「どういうこと!?どうしてイッキが・・・。」
ステラ達は疑問しかなかった。何故一輝が館の中から出てきたのか、操られているのか。その疑問がステラ達の頭を過る。
「・・・感化されたか・・・。」
爛はそう呟くと、一輝との剣撃に集中する。
「っ、しまった!」
爛は別のことを考えてしまったために、一輝からの蹴りを貰ってしまった。かなり力をためた蹴りであったために、爛は後ろの木に背中を強打した。
「ガッ・・・ハ・・・。」
一輝は何も言わず、そのまま跳躍し、爛に止めをさそうとしている。
「くっ!」
(仕方がない・・・。『狐夜見』!頼む!)
『分かりました!すぐに迎撃します!マスター!』
爛の体から、光が生まれ爛から少し離れたところに行くと、光は眩しくなり、ステラ達は自身の目を庇う。
「奏者が危険だと感じ、すぐさまこちらに飛んできたのだが・・・、大丈夫そうであったな、奏者よ。」
「私の出番を残しておいてくださいよ~!ま、それでもご主人様とまた会えたのは、嬉しいですけどね♪」
「遅れてすみません!大丈夫でしょうか?マスター。」
三人の少女の声を聞いた。そう、全員が確実に。
「いや何、偶々狐夜見の出現と被ったが、大丈夫だ。心配かけたなネロ達。」
光が収まり、爛の方に目を向けると、爛の周りに四人の少女が居た。
一人目は二つの剣で一輝の剣を止めており、狐の耳と尻尾のような物を持ち、白の基調とした服を着ている。
二人目は金髪で、赤を基調とした服を着ている。そして、爛が一輝の剣を止めたときに使った剣を持っている。
三人目は一人目の少女と同じような姿をしており、青を基調とした服を着ている。そして、少女の周りには鏡が回っている。
四人目は刀を持ち、空色の羽織をきた少女。爛と似たような髪型をしている。
「先輩のサーヴァント達ですか・・・。ここは撤退した方が良さそうですね。」
「何を言ってるんだ?桜。」
桜の言ったことに爛は反応をする。しかし、どう考えても逃げられる。
───が、爛にとっては意味のないもの。遠すぎてなければ、爛はすぐに距離を詰められる。
「《第二段階・
爛がそう言うと、爛の体から、赤いオーラが出てくる。
そして、同時に魔力の量が増えている。
すると、爛は姿を消し、桜の前に行くと、右腕で桜の胸を貫いた。
「先・・・輩・・・?」
「お前だって元々操られてただろうに。《
爛がそう呟くと、桜から感じられていた黒いオーラが消えていき、桜は気を失ったのか、爛の方にもたれ掛かる。
「・・・さて、一輝の方もどうにかなってなるだろう。」
爛が一輝の方を向くと、一輝は桜と同じように気を失っており、ステラが側に居た。
「奏者よ。久しぶりだな!」
「ご主人様、お久しぶりです。」
「マスター、お元気にしてましたか?」
「ご主人様、褒めてくださいよ~!」
「お、おいおい、いきなり全員して話しかけるのは止めてくれ。・・・俺は聖徳太子か・・・。」
爛のサーヴァント達が爛に一気に話しかけてくる。爛は困った顔をして、話すのであった。
「とりあえず、学園に戻ろう。ステラ、一輝を頼めるか?」
「えぇ、分かったわ。でも、ランの周りにいる人は・・・?」
「・・・それに関しては、戻ってからでいいか?一輝も居た方が良いからな。」
「分かったわ。」
爛は桜を抱え、ステラは一輝を抱えて破軍学園へと戻っていく。
爛は破軍学園に戻っていく間に、自身のサーヴァント達、狐夜見、六花、リリー、明から嫉妬の目で見られていたのは言うまでもない。
桜と一輝の意識が覚醒したとき、二人は操られていた記憶を持っていたのか、爛達にものすごい勢いで謝ってきた。
「ん、まぁまぁ事情はわかってるから、そんなに謝らなくても大丈夫だからな。」
その爛の言葉により、止めることはできた。だが、爛にとっての地獄はここから始まる。
爛の部屋にて
「こんなにお暇してしまうと、時間を弄んでしまいますね♪」
「も~、ご主人様~?もっと構ってくださいよ~。」
「奏者よ。余のことも忘れるな!」
「ご主人様、もっと褒めて褒めて~♪」
「マスター、私もお忘れにならないで、構ってください~。」
「爛、僕だって忘れないでよ。爛だって僕のこと大事でしょ~。」
「お兄ちゃん♪やっぱり、お兄ちゃんの体は温かいね♪このまま寝ちゃいそうだよ~。」
「・・・・・・」
(どうしてこうなったんだ・・・。)
そう、サーヴァント達や狐夜見の話をする前に、サーヴァント達、狐夜見、リリー、六花、明にもみくちゃにされているのだ。
因みに、最初に時間を弄んで~なんてことを言ったのは、爛と契約しているサーヴァント、新撰組で病弱である『沖田総司』。
次に爛に構ってもらいたい。なんてことを言っているのは沖田と同じように爛と契約しているサーヴァント。『玉藻の前』。略してタマモ。
次に、爛のことを奏者と言っているのは、またまた二人と同じように爛と契約しているサーヴァント。ローマ皇帝の王であるサーヴァント。『ネロ・クラウディウス』。
次は、サーヴァントではなく、爛に契約しているのは確かではあるが、陰陽師の力を持っている爛は式神と契約しており、その彼女は爛の式神である。名前は『狐夜見』。先程から名前が出ている。
「爛が大変だね・・・。」
「そうね・・・。」
「あいつは何故か女運だけねじ曲がってるからな。」
ネロ達にもみくちゃにされている爛を見ていた一輝達は苦笑いをしながらそういう。
「・・・なんか蔑まれてる気がするのは俺だけか・・・?」
「奇遇だね、僕も同じこと考えてた・・・。」
そして、何故か二人して同じことを考えてしまう。
「おいおい!あんまりそんなことしてると、服がはだけるぞ~!」
爛が全員の服がずれてきているということに気づき、指摘する。
───が、爛に好意を持っているネロ達からすれば関係のない話。しかもこれはある意味でチャンス。
「ならばもう服を脱いでしまいます!」
「ちょっ、バカ!止めろぉぉぉぉぉぉぉおおおぉぉぉぉ!」
爛は叫びながら、もみくちゃにしてくるネロ達を振り払うと、部屋から走って出ていってしまった。
「あ、爛が出ていった。」
「ん~、まぁ、やりすぎは止めろってことだよな。爛だってそういうのはあんまり好きな訳じゃないからな。」
二人は爛のことを話していると、六花達は爛を探しに部屋を出ていってしまった。
「ん?やっぱり、明も行ったのか。」
颯真は爛が居た方向を見ると、本当に六花達が爛を探しにいったことを見た。そしてその中に、明がいると思ったのだ。
(ん、まぁ、頑張れ、爛。)
これから親友の身に災難が降りかかろうとしているのにも関わらずに、颯真は他人事のように考えるのであった。結果にしろ、何かにしろ。爛ならば大丈夫だと考えているからである。
爛の災難はこれからである・・・。
ーーー第48話へーーー
やっと!やっと!狐夜見と!ネロ達を!登場することができたーーーーー!!!
ネロに関しては今日あげろと言わんばかりにfgoでネロブライドがガチャ一発で出てきたんで、急いで書き上げました!
それでは、次回をお楽しみに!