作者がこれを書いてるときは疲労感も含めて作者を殺しにかかるほどの疲れが来たのであらすじなんて考えることなんてできませんでした・・・。
「桜、桜だったか!」
「先輩!」
二人はお互いの存在を確かめるように言うと、今まで会えなかった時間を埋めるようにお互いを抱き締めていた。
「桜、お前はどこに・・・?」
「先輩がここに居るって、華楠さんから聞いて、来たんです。」
爛は桜がここに来たことの理由を聞くと、苦笑いをしながらため息を出すのであった。
「母さんからか・・・。まったく、母さんは桜に甘いなぁ・・・。」
「でも、私は先輩と会えて、よかったです。今まで、会えなかったですから。」
「それは俺も同感だ。今回ばかりは、母さんに感謝しないとだな。」
爛と桜は二人して同時に微笑むと、桜から切り出してくる。
「先輩。」
「ん?」
「先輩は今までどうしてたんですか?」
「破軍学園でのことか?」
「はい。」
桜から単刀直入に聞かれた爛は少し悩み出す。それを見た桜は少し残念に思った。
「まぁ、いつもの日常だったさ。」
「そう、ですか・・・。」
爛から言われた一言は桜を少し悲しませるものであった。しかし、爛にとっての日常は足りないものもあった。
「だけど───、」
「だけど?」
「足りないものもあったよ。」
「っ!」
「確かにいつも通りだった。でも、彼女達が居ない。桜も含め。ネロとタマモ。その他にも俺と契約を結んだサーヴァント達。それに、お前も居なかったものだから、少し胸の奥に何か足りないものがあったんだ。」
爛から聞かされた話で、桜は考えを変えた。そして、自分の中だけにあった感情が爛の優しさで溶けていく感覚がした。
「それが、お前だ桜。お前は確かに養子だ。血の繋がらない妹だ。・・・でも、確かにお前は俺達の妹だ。それだけは絶対に切れるものじゃない。それは、俺や香姉、明がお前のことを大切にしてるからだ。」
桜は爛の話を聞いていると、涙が溢れ出しそうになっていた。それだけ自分のことを大切にしてくれている。養子という特別な立ち位置なのにも関わらず、自分を実の妹のようにしてくれているということに、涙が溢れる。
「ううっ・・・。」
「さ、桜!?」
桜は溢れでる涙を抑えることができずに涙を流してしまう。それを見た爛は何か癪に障ったのかと思い、焦り始めた。
「違うんです。先輩が、皆さんがこんなに私のことを愛してくれていることに涙が溢れてくるんです。それが、嬉しくて・・・。」
「そっか・・・。」
爛は桜が涙を流している理由が分かると、桜を優しく包み込むように抱き締める。
「先・・・輩?」
「泣きたいなら盛大に泣いていい。今は夜だし、みんな寝ている。それに、お前のことを構ってやれるのは、まだ俺だけだからな。」
「先輩・・・。」
それから、桜は爛に抱きつき、しばらくの間涙を流していた。爛は桜の頭を撫でながら、桜が泣き止むのを待った。
桜は泣き疲れてしまったのか、そのまま眠りに入ってしまった。爛は桜を学園内に入れようとするが、あることに気づく。
「ヤバイな・・・、これを六花やリリーに見られたらどうしようもないぞ・・・。」
ということだった。六花はとても嫉妬深く、それと同時に病みやすくもなる。リリーはあまり六花のようにはならないが、爛が困るのは必然だ。どうするべきかと考える爛。
「・・・ダメだ。何も思い浮かばない・・・。」
爛はガックシと項垂れ、桜を抱えながら、仕方なく破軍学園の中に入るのであった。
「ハァ・・・、どうするべきかな・・・。」
爛は自分の部屋に向かって歩いていると、とあることに気づく。
「あ、これ絶対終わった感じだ。」
そう言いながら、自分の部屋の中に入り、ベットが置いてある・・・というよりは、リビングと寝室が同じ場所のため、表しかたが難しいのだが、ここではリビングとしよう。
爛がリビングのドアを開け、ベットの方を向くと・・・、
「あ、やっぱり居たのか、六花とリリー。」
「やぁ、爛。」
爛の声に応じる六花。何故か二人して笑顔でいるのは気のせいだと思いたいところなのだが、そうは言っていられない。まず爛が抱えているのは六花とリリーが知らない人物。ここでルームメイトが妹の明ならば大丈夫なのだが、知らないため、非常に危険な状態。
「・・・で、何で爛はその知らない人をここまで?」
「六花とリリーは知らないもんな。こいつは敷波桜。ウチの養子だ。」
「あ、それって、香さんが言ってた人だ。」
「ん?香姉が何か言ってたのか?」
爛がその事を聞くと、六花とリリーは今までのことを話した。
爛が雨の日にはトラウマが起きるということ。桜のことについて香と明から知ったこと。
それを聞いた爛は二人に何故か謝ったのだ。
「すまない・・・。あんな姿を見せて・・・。」
「マ、マスター?」
「話しておくべきだったんだ。俺が、雨の日は危険だと。」
爛は顔を俯かせながらそう言った。因みに、爛は桜を自分のベットに寝かせ、その隣に爛が座っていた。
「ううん、良いの。爛に頼ってもらえることがあったから。本当によかった。」
「すまないな・・・、助かるよ・・・。」
爛は六花達に知られたことにより、素の自分を出すことができると思った。
二人になら、頼っても構わない。そんな気がするから。
爛は二人を抱き締める。
「ら、爛?」
「マスター?」
「・・・少し・・・、泣かせてくれ・・・。桜とまた会えたこと。本当に頼ることができる相手ができたこと。・・・本当に・・・、嬉しいよ・・・。」
爛がそう言い、泣き出すと、二人は爛を優しく抱き締め、爛のことを優しく包み込んでいった。爛はそんな二人の心に感謝をしながら、涙を流していった。
「・・・ありがとう。二人とも・・・。」
爛は泣き止むと、二人に感謝の言葉を言い、そっぽを向いてしまった。恥ずかしいのだろう。よく見ると、耳の先まで赤くなっていた。だが、そんなことは二人には関係ない。爛には問いたださなければならないことがある。
「爛?どうしてこの人をここに連れてきたの・・・?」
「マスター?私達だけじゃ不服なんですか?ダメなんですか?」
「い、いや、そういうことじゃなくて・・・。」
爛は二人に桜を連れてきたことについて、聞かされていた。二人とも目のハイライトを無くし、爛にじりじりと迫っていく。
「ならどういうことか、説明してもらえる?」
「いやだから、さっき言ったじゃないか。破軍のところで桜と会って、桜が泣いてしまって、それで眠りについてしまったから、ここに運んできたわけであってーーー。」
「ふ~ん、じゃあ、僕達がそうねだっても爛はやってくれんだよね?」
痛いところをつかれてしまった。これでは爛は言い返すことがほとんどできない。
爛自身、六花や明などには甘すぎるのだ。
爛は視線を六花達から背ける。しかし、それを六花とリリーが許してくれることもなく。
「で、どうするんですか?」
「・・・分かったよ・・・。やるから、妬むこともしないでくれ・・・。相変わらず、病みやすいよな、二人は・・・。」
爛は言い返すこともできないので、二人の望む通りにする。
そして、二人の望んだ通りにしたら───、
「・・・・・・。」
「爛と一緒だ♪こうして離れることができないようになってていいね♪」
「はい、私も同じです♪」
(どうしてこうなった・・・。)
爛の両手首を手錠で止め、もう片方を自分の手首に止めるという、なんとも捕まえることしかさせないような雰囲気を醸し出している。
これではまともに動くことができず、かといって逃げ出そうとすれば、今度は束縛になりかねないため、ここは素直に従うしかないと爛は諦めていた。
「う~ん♪やっぱり、爛の体は温かいね。」
「はい♪マスターの体をこうしていられるのは今日だけだと思うので、存分に楽しませてもらいます♪」
(ホント今日だけだからな・・・。)
二人から抱きつかれ、前はリリー、後ろは六花と、サンド状態になりながらも、爛は理性を失わないようにしていた。
「・・・爛は───、」
「うん?」
「嬉しいよね?」
後ろにいる六花から聞かれたこと。重いような声で発してはいそうだが、声だけでも圧力が凄い。これの答えは六花のお気に召す答え方をしなければいけない。そう思った爛は、素直に言った。
「確かにそうだが・・・、手錠で繋がってるから、満足に二人を抱き締められないんだが・・・。」
それを聞いた二人の胸の鼓動は先程よりも加速し、大変なことになっていた。
「・・・・・・。」
「ん?どうしたんだ。いきなり解き始めて。」
「マスターがそんなことを言うからなんですよ。」
「爛が僕達を嬉しくさせることを言うから、自分の気持ちが抑えられなくなったら、どうするの?」
「え・・・、まさか・・・。」
爛の頭に嫌な予感が通る。二人ならやりかねないことを想像してしまう。
「僕達がするのは───、」
六花が何かの袋を持ってきて、取り出してきたのは───、
「これを身に付けるの♪」
「ネグリジェか?」
「そう、これを着て、爛を襲うの♪」
「・・・は?」
「なるほど、それはいいですね♪」
「あ、それと、爛は逃げちゃダメだからね。逃げたら、一生僕達が居ないと生きていけない体にするからね。」
爛は逃げることができず、六花達に襲われた。(この意味、分かるよね?)因みに、一線は死守した。
ーーー第46話IF・・・あるのか?ーーー
やっとあげれた・・・。リアルで忙がしいんですよ。六花でもいいから、誰か癒してくれる人が欲しい。できれば時雨とか。
次回のIFはあるかどうかは微妙です。
次回の普通ルートをお楽しみに!