意外、いつの間にか一周年になってたw
一般的に『クリスマス』と呼ばれている日がある。クリスマスと言うのは、イエス・キリストが生まれた日でもある。
それを祝う日とも言われている。だが、それは国によって違う。
ここ日本では、大切な人と過ごしたり、友人と宴会をしたりとやるのは様々だ。
爛たちのところでも、クリスマスの宴会が始まろうとしていた。
「爛が来ないね~……」
六花は宴会が始まろうとしているのに、来ていない爛を探していたが、それでも居なかったために、頬を膨らましていた。
「何かあったのでしょうか?」
リリーは不安になる一方で、そわそわしていた。
「う~ん、お兄ちゃんなら遅れてでも来るはずだから大丈夫だとは思うけど……」
「それで、爛が本当に遅く来たら、リリーちゃんが大変なことになりそうね」
明はキョロキョロとしながら爛を探している。香は爛を探してはいないが、爛が来ないことでリリーが大変なことになりそうなため、そちらが心配になっていた。
そこに、司会が入る。
『ではこれから、破軍学園にてクリスマス回を始める』
司会をしているのは黒乃。理事長であるがゆえに、そこはやらなければならないのだろう。
『自由に楽しんでくれて構わない。ただ、一つだけあるとすれば……』
黒乃がそこまで言うと、巨大な扉が開く。
そこから出てきたのは、女性の姿をした爛でサンタコスチュームを着ていた。
「なぁっ!?」
「マスター……!?」
「お、お兄ちゃん!?」
「強制的に着せられたのでしょうか?」
六花とリリー、明は驚きの声をあげて、タマモに関しては冷静に爛の姿を見て強制的に着せられたのかと考える。
(……この服は着たくないって言ったじゃないですかぁぁぁぁぁぁ!)
爛は恥ずかしい思いとなり、運んでいる巨大なケーキを叩き潰したい気分だった。
爛が先程までいなかったのは、このケーキに果物を乗せたりするために、居なくなったのだ。
そこで、椿姫が爛に女性の姿に変えさせ、ミニスカサンタコスチュームを着るはめとなったのだ。
『このケーキがあるということだ。話は以上だ。みんな、今日は楽しんでくれ』
黒乃が最後の言葉を言うと、爛は一礼をし、すぐに姿を消す。
「セイバーがあんなに可愛いなんてね。流石といったところかしら」
聡美は笑みを浮かべてそう言うと、ケーキを取りに行った。
「爛が来る前に僕たちもケーキを取りに行こうか」
六花の提案に全員が頷き、爛のケーキを取りに行った。
爛が戻ってくるだろうと待っていたものの、爛は戻っては来なかった。
どうしたものかと六花たちは爛の部屋に向かう。そこには……
「あぅぅ~…………」
赤い紐で体が絡まっている女性の状態の爛だった。
「……………………」
それを見た瞬間、全員が固まった。見てはいけないものを見てしまったかのように。
「み、見てる暇があるなら紐を解いてください〜!」
赤面をしながらも、紐を解こうとしている。
だが、六花たちにその思考はなかった。
(か、可愛い……)
赤面で涙目になりながら必死に見られないようにしている爛がとてつもなく可愛いため、紐を解いてあげようという考えは一つも起きないのだ。
「ベッドに行こうか、爛」
六花が動き出すと、紐で絡まっている爛の体を持ち上げ、ベッドに向かう。
「い、嫌です!私は……ひゃん!」
爛はそれを拒むが、六花はそれを聞かずに女性の姿になっている爛の豊満な胸に触れる。
敏感に感じるため、気持ちよくなってしまう。
「ダメだよ、爛。嫌だって言うんなら、お酒飲ますよ?」
「うぅ……」
六花は爛が酒に弱いというのを知っているため、酒の話を持ち出して、爛を抵抗させないようにする。
爛は酒を飲まされたら何を仕出かすか分からないため、縮こまるしかなかった。
「な、何をするんですか……?せ、せめて服を着させてください〜……」
爛は少し怯えながらも、服を着させてほしいと六花にベッドの上で押し倒された状態で言う。
「分かった。でも、下着とシャツだけだよ?」
服装まで限定されてしまったが、とりあえず、シャツを着れるため、ほっとした爛。
「二つ選択肢をあげよう」
六花はそう言うと、顔を爛の右耳に動かす。
「一つはこのまま僕と愛し合うのか。それとも……」
今度は左耳の方に動かす。
「もう一つは爛をコスプレさせて皆で愛でるかのどちらか」
(どっちをとっても大変じゃないですかぁぁぁ!)
六花の出した二つの選択肢を聞いて、爛は心の中で盛大なツッコミを入れる。
確かに、どれをとっても爛にとっては大変なものである。
「ど、どちらも、お断りさせていただきます……」
爛は恐る恐る断ると、六花は「そっか……」と呟き、何かを口に含む。
「り、六花?何を……ッ!」
そして、爛にキスをする。
「っ!?」
(これってもしかして、お酒!?)
爛はキスしたときに流し込まれた液体を口の中に入った瞬間、酒であるとすぐに気づき、六花を離そうとする。
(だ、駄目です。もう、酔いが……)
爛は次第に酒に酔っていき、自分を制御することができなくなってきていた。
「ぷはぁ。残念、もしどちらかをやっていたら、お酒は飲まさせなかったんだけどなぁ……」
でもまぁ、仕方ないか。と六花はそう思い、リリーたちを呼んでこようとベッドから降りようとした瞬間、
「ッ!?」
何かに引っ張られた。
ベッドに押し倒され、六花に馬乗りの状態でいるのはいつもの姿に戻った爛だった。
「りっかぁ……♡」
とろんとした瞳で少し赤面をしている爛は、押し倒している六花を見つめる。
「ら、爛……?」
意外な出来事に、六花は驚いてしまう。六花は爛が酒に弱いことはしっているが、爛が酔ってしまうとどうなるかまでは知らなかったのだった。
「はぁ、はぁ……♡」
どんどんと息が荒くなっていっている。
完全に六花が知らなかった爛だった。しかし、自分を求めてきているのは間違いない。が、どうなるかは分からない。
「りっかぁ♡りっかぁ♡」
甘い声を発しながら、体を倒してくる。
「ら、爛?どうしたの?ねぇ……っ!」
六花は爛が自分に向かって倒れてくるため、どうしたものかと尋ねるが、次の瞬間、爛が力強く抱き締めてきた。
「りっかぁ♡だいすきぃ♡すきすきぃ♡」
爛が完全に壊れた。(意味深)
そうとしか考えられなかった六花は、幸せと混乱で全く反応ができないまま、意識を放り投げてしまった。
「んむぅ?りっかぁ?」
爛は六花が反応していないことに気づき、頬に触れるが全く反応を示さない。
「リッカ?マスターとは今……っ!?」
リリーは六花の声が聞こえたのか。部屋の中に入ってきていた。
「あ、りりぃ♡」
「マスター!?」
爛は六花から離れてリリーに向かって飛び付き、抱き締める。
リリーは突然の出来事に驚くものの、爛をしっかりと抱き締める。
「だいすきぃ♡」
「私もマスターのことが好きですぅ♡」
爛の甘い声により、脳の思考回路がショートしかけるが、愛があるためにショートしないままでいる。
「あいしてるぅ♡しあわせなの♡」
甘い声。愛している自分の主。可愛い姿。
これらの三拍子が揃ってしまったため、リリーの思考はショートし、反応を示さなくなった。
「お、お兄ちゃん!?どうしたの!?」
「あかりぃ♡たいせつなたいせつなあかりぃ♡」
リリーが反応しなくなると、すぐに明に抱きつく。
「お、お兄ちゃん、もしかしてお酒飲んじゃったの?」
「んにゅう?飲んでないよぉ?」
(絶対飲んだよね……でもいいや♪こうやって甘えてきてくれるし♪)
明はこのような行動を起こすはずない爛がしているため、酒を飲んでいるのかと尋ねるものの、爛は首をかしげながら飲んでないと否定をする。しかし、飲んでるというのは確信が得られている。明は爛が甘えてきてくれているため、幸せに感じている。
「だいすきぃ♡すきすきぃ♡ぎゅ~~♡」
(か、可愛すぎる~♡)
明を離さないようにと、懸命に抱きついてくる爛を間近で見ていると、明はこのままの状態でいいと思ってしまうほど爛が愛しく感じている。
「あかりぃ♡」
「なに?………っ!?」
爛は甘い声で明を呼ぶと、明は口を開く。その瞬間を見逃さずに、キスをする。
「んちゅ……♡」
「んん……♡」
爛は明とのキスを懸命にしており、終わらせまいと積極的にキスをする。
「お、お兄ちゃん……んんっ!」
「んむ♡だめぇ♡」
明は離れようとするが、爛は明の頭を抑えて、キスを続けようとする。
「お姉ちゃん早く来てぇ♡」
明はこれほどまで爛が暴走をすることを予想にもしていないため、香を呼ぶ。
「どうしたの?明……えぇ!?」
香はすぐに部屋の中に入ってくると目の前で起きている出来事に驚く。
「お姉ちゃん、お兄ちゃんってお酒飲んじゃうとこんなに可愛くなるのぉ♡」
明はそう言うと、爛の顔を香の方へ向ける。
「あ、かおりねぇだぁ♡」
トロンとした瞳に香は一瞬にして思考回路を持っていかれる。
「お姉ちゃん!?んんっ!」
「だめぇ♡まだ終わらせないのぉ♡」
明は香が一瞬にして反応を示さなくなることに驚くと、爛はそのままキスを続けるために、明の顔を自分の方へと向け、キスを続ける。
その後、ネロたちも来るのだが、酒で暴走した爛の餌食となり、六花たちは爛に食されたのだった。
最後に爛が残した言葉は、
「めりーくりすます♡とってもおいしかったよぉ♡」
その一言だけだった。
次の日、六花たちは爛に迫るものの、爛は酒を飲まされてから記憶が全くないのを知ると、六花たちは内心でホッとしていた。
その意味は爛には全く分からないものだったが。
ごめんなさい!こんなにも遅れてしまって!
しかも、話してない人もいて本当に申し訳ないです!
新年はしっかりと全員一言は書きますので、お許しください!