劇場版Fate/staynight heaven'sfeel 第一章ロードショーを記念して!
この小説を書かせてもらいました!
かなりのシリアスのはず……
ある夢を見た。
とても、見たことのある夢だった。
だがそれは、災厄の戦いの夢だった。
主は黒いものに飲み込まれ、私も飲み込まれた。
そして、飲み込まれた主と私は、彼に刃を向けた。
マスターであったはずの彼に。
刃を向けるしかなかった。
冷酷な主は、彼を殺そうとした。
それは間違いない。
だが、その刃は折れてしまった。
何故か?
それは、彼に協力している彼女が、私たちを倒してくれたから。
そして、彼が止めをさしてくれた。
主は元あるものへと還り、私も同じように還った。
だがそれは、突如として防がれた。
飲み込まれたはずの私の体は、元の体へと戻っていて、そして、今のマスターが居た。
元ある場所へと還る方法がない以上、私はマスターの剣となった。
そして、幾度の夜を越えて、マスターと共に過ごしてきた私はいつの間にか、永遠に彼の剣であることを思ったのだった。
彼はそれを、受けていれてくれた。
彼が主を認めてくれたように。
マスターもまた、同じように認めてくれた。
このまま、幸せな日々が続けばいいのに。
そう思っていた。
だがそれは、この日を境に打ち消された。
魔力の一部が消えていく。
それを防ぐことはできない。
何故ならそれは、主が私を呼んでいるのだから。
マスター。私は、もう戻れないのかもしれません。
貴方に愛された分、私は彼方で戦わなければならないのかもしれません。
貴方と離れてしまうと考えると、近くにいるのにも関わらず、夜も眠れません。
完全に消えていってしまう。
彼方の方へ戻っていくことになる。
あぁ、マスター。
私が戻ってくるまで、待っていてもらえませんか?
涙を流さないでください。
戻ってきますから。絶対に。
どんな状態になっていようと、私は戻ってきます。
だからその時は、私をいっぱい愛してくれますか?
この心を、満たしてくれますか?
主よ、私はすぐに参ります。
もうすぐで、私はここから居なくなります。
戻ってきますから、待っていてください。
愛しています。マスター。
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あぁ、行ってしまった。
彼女は、主の元へと戻っていった。
あの日から、剣として戦ってくれた彼女は、もうひとつの戦いに、身を投じていく。
傷つくこととなると、どうしても悲しく思ってしまう。
どうせ行くって言うのなら、俺も行きたかったなぁ。
彼女を守ってやりたい。
彼女がいなくなったことで俺の心に、ポッカリと穴が開いたような感覚に陥った。
いつも後ろについてきてくれていた彼女は、今はもう居ない。
帰ってくるとは言ったが、彼女があるべき場所へと還ることがないわけではない。
あぁ、とても悲しきことかな。
死なないなんて約束はできないだろう。
彼女の事だから、無理をしてでも戦うだろう。
彼女の主がそうだったから。
泣かないで。なんてことを言っていたけど、彼女だって泣きたかったはずだ。
あ~あ、とても見ちゃいられない顔になってるんだろうな。俺は。
こんなことはしていられない。
彼女は帰ってくるって言ってきたんだ。
なら、俺はマスターとして、彼女の帰りを待つ。
きっと………いや、絶対に。
帰ってくるって言ったんだ。
帰ってきたら、いっぱい愛してやろう。
心を満たしてやろう。
それが、俺に出来ることなんだから。
だから頼む。帰ってきてくれ。
俺が愛した剣霊よ。
また、俺の元へと帰ってきてくれ。
リリー・アイアス
以上で第一章ロードショーを記念しての小説を終わります!
自分はこの日、四時近くからの上映を見てきます!
え?舞台挨拶を見ないのかって?
そんな金はないよ……