一輝「アニメ第二話だね。」
爛「それと、明達が出るからな。」
一輝「第9話、読んでね。」
金曜日の朝。いつもの通りの朝が来ていた。爛と一輝、ステラは朝練をしており、三人とも霊装を振るっていた。
「っ!」
「ふっ!」
「はぁ!」
一輝とステラが振るっているが、爛には当たらず、爛は二人の剣を自身の霊装一つで防いでいる。そして、隙あらば霊装を振るい、一輝達に当てるように振るう。爛が一旦距離をとると、霊装を解除する。霊装を解除したことに察した二人は同じように霊装を解除する。
「休憩するか。」
「そうだね。」
三人は持ってきた飲み物を飲みながら、選抜戦の話しをしていた。
「爛は選抜戦の初戦は決まったの?」
「いや、まだだ。一輝も決まってないのか?」
「そうだよ。ステラは初戦の相手は決まったの?」
「ええ、決まったわ。」
ステラが手帳を開き、爛と一輝に見せてくる。ステラの相手は校内
「確か、荒川さんってーーーー」
「言わなくていいって!」
「え、良いの?」
「ステラにとっては未知の
爛の問いに胸を張りながら、爛の言っていることと同じだと言う。すると、爛は座っていたベンチから立ち、霊装を顕現させ、ステラに刃を向ける。
「物騒な言い方で悪いが、俺と手合わせをしてくれるか?ステラ。」
爛からの問いに、驚いた表情を見せるが、笑みをこぼし、霊装を顕現する。
「受けてたつわ。アタシもランの力を間近で見たいもの。」
「場所があれだから、
「ええ、わかってるわ。」
一輝は少し焦ったが、爛が剣だけでやると言ったことに少しだけ、ほっとした。爛自身、ステラを傷つけることはしないとしているからだ。しかし、選抜戦や本戦では別だと割りきっている。二人は剣を構えたまま、動くことはなく、五分後、ステラが動き出す。
「来ないのなら、こっちから行くわ!」
ステラが走りだし、爛に霊装を振るう。爛はそれを受け止め、わざと後退する。その後も爛は、防戦に徹し、ステラの剣を止めていた。
「もらった!」
ステラが爛の意表の突く動作を起こし、爛が剣を止められない位置に、剣を振るう。そのまま一撃をもらう爛だが、そんな簡単に負ける爛ではない。防御に徹している体勢を、無理矢理低くしステラの剣をやり過ごす。
「これで、チェックメイト!」
爛は、そのまま体を回転し、体勢を高くする。高くすると同時に下から上へと霊装を振るう。そのまま行けばステラの体を斬っていくが、ステラの顎下に来るように爛が、体の回転を工夫し、顎下に剣の切っ先が行く。
「《
「そうね。って言うか、ランは何で伐刀絶技使ってるのよ!」
「実際はこれ違うぞ?」
「え?」
「元々は剣技だ。それを色々と改良したのが、俺の使う伐刀絶技。今のも一応これに入るんだけど、異能を使ってないから、セーフだし、この《逆乱星》は異能を使わないでやることがあるからな。」
「爛、ステラ。」
爛が使った《逆乱星》の説明をしていると、一輝が飲み物を二人に渡す。
「お、悪いな、一輝。」
「爛がやってることを同じようにしてるだけだよ。ところでステラ。どうだった?爛の剣は。」
「結構大変、としか言えないわね。ランの剣を防ぐのでも精一杯なのにね。」
「そこまで言うのか。俺からするとまだまだなんだけどな。」
「どこまで高みを目指すのかしら・・・」
ステラが爛の剣に対し、率直な答えを言うと、爛はそれでも足りないと言い、更なる高みを目指していることにステラはどれほど行くのかと呟いた。ふと、一輝がこんなことを言ってくる。
「今日って金曜日だよね。」
「そうね。」
「明日は土曜日で休みだから、何処か出掛けない?」
「俺もか?」
「勿論。ステラも行くだろう?」
「ええ、そうね。」
「だったら、明達も連れてきていいか?」
「良いよ。みんなで行った方が楽しいしね。」
一輝の言った言葉に、爛は笑みをこぼした。しかし、その笑みはただの笑みではなく、悪趣味を楽しんでいるときのような笑みをし、こんなことを言ってくる。
「なら、珠雫達も連れてきた方がいいか?」
「なっーーー!」
「良いよ。」
「ちょっ、イッキー!」
「えっ!何!?」
「一輝はもうちょっと、女心を考えた方がいいんじゃないのか?」
珠雫達を連れてくるかと言う問いに、あっさりと承諾する一輝を見て、八つ当たりをするステラ。それを見た爛は、一輝の鈍感を何とかした方がいいんじゃないのか?と、思うほどであった。
その後は特に何もなく一日が終わり、土曜日をしている迎える。一輝とステラは破軍学園の正門前に居た。
「遅いわね・・・」
「珠雫達も、一緒に来れればいいんだけどね。」
一輝達が居るのは、破軍学園の正門を向き、右側の寮に居り、珠雫達はその反対、左側の寮に居るため、合流するにしても待ち合わせ場所を作らなければならない。一輝達は、珠雫達と爛達を待っていた。なぜ爛がここに居ないのかと言うと、爛は妹の明達を連れてくるために行ったため、一輝達は待つことにしたのだ。
「おーい、一輝~」
一輝達が呼ばれた方を見ると、そこには爛と妹の明、そして、明のルームメイトであろう人物がいた。
「紹介しとくな。こっちは妹の明。こっちは俺の友人の『
「初めまして、僕は黒鉄一輝。こっちはルームメイトのステラ・ヴァーミリオン。よろしくね。」
「ええ、こちらこそ。よろしくお願いします。」
「よろしくな。あ、そうだ。呼び方は呼び捨てで構わないからな。」
「私も呼び捨てで構いません。」
明はペコリとお辞儀をし、颯真は笑みをしながら、話す。
「ん?まだ珠雫達は来てないのか?」
「そうみたい。」
爛達が話している時、一輝とステラの後ろから足音がし、足音がした方を向くと、そこには珠雫と、珠雫のルームメイトがいた。
「お待たせしました。お兄様。」
「初めまして、ね。」
「確かに初めましてだな。『
「あら、貴方は知ってるのね。」
「知ってるも何も、アリスは『
爛達は紹介を終え、出掛けることとなった。出掛けた先は、破軍学園の近くにあるショッピングモール。破軍学園近いため、学園の生徒がここに来たりすることが多い。爛達は映画を見るためにここに来たのはいいが、映画が始まる時間よりも早めに来たため、何か暇潰しができないかと考えていたとき、アリスがこんなことを提案してきた。
「クレープでも、食べないかしら。」
誰もいい案が思い付かないため、アリスが言ったことに賛同し、クレープ屋に行くことにした。
「ん~!ここのクレープ、おいしいですね!」
「明、別に敬語じゃなくてもいいんだが・・・」
「え、良いの?」
「僕は別に構わないよ。」
「私も大丈夫ですよ。」
爛から言われ、一輝達も敬語じゃなくても大丈夫と言うので、明は敬語をするのを止める。すると、爛が何かに気づいたのか、明と珠雫に話しかける。
「あのな、二人とも、頬っぺたにクリームが付いてるぞ。」
そう言いながら、二人の頬についているクリームを取り、口の中に入れる。
「「ーーーーーーっ!///」」
爛の行動に、二人は顔を真っ赤にし、ルームメイトの背中に隠れる。
「なんだ、明。攻めはあるが、守りがダメじゃないか。」
「ちょっ、ちょっと~!///」
「何、珠雫。貴女、攻撃力はあっても防御力がないじゃない。」
「ううう、うるさい!///」
「ありゃ、二人には早かったかな?」
その後、何とか平静を取り戻した二人は、いつものように振る舞う。そして、珠雫は映画を見に行こうと提案した。
「悪い、俺トイレに行ってくるから、俺の分のチケットを買ってくれるか?」
「僕もトイレに行くよ。」
「あたしも行こうかしら。」
「分かりました。三人の分は買っておきますね。」
「悪いな。」
爛と一輝、アリスはトイレに向かった。その途中でアリスがこんなことを言ってくる。
「貴方達は、気づいているのかしら。」
「何を?」
「心の悲鳴にーーー。」
「一輝、爛。貴方達は傷つけられることに慣れすぎている。いつかそれを吐き出さないとーーー」
「俺らの心が折れてしまう。」
「その通りよ。あたしは、貴方達の心の悲鳴に気づいてもらえる人が来ることを、友人として祈ってるわ。」
アリスと爛が何かに気付くと切羽詰まった顔になる。
「アリス!」
「わかってるわ!一輝、ちょっと来て!」
「ええ!?」
すると、三人が走っている左側のところから銃弾が発射される。
(なんだ、あれ!?)
爛達は一気に中に駆け込み、トイレの個室に隠れる。
「今のは!?」
「展開が速すぎるだろ・・・まさかとは思いたくはないが・・・」
「
爛は急いで手帳を取りだし、メールを送ると、手帳の電源を落とす。
「ここでバレたらマズイな。」
「何が?」
「ステラだよ。ステラが見つかったら大変なことになる。今、メールを送ったのは颯真にだが、あいつらのところも占拠されてても、あいつならメールを見ることができる。それと、後一つバレたらマズイものがある。」
「それは?」
「俺の力だ。あいつらは、俺の力を狙ってるからな。」
一方、ステラ達の所は、爛の言っていた通りに占拠されていた。颯真はステラがバレないように隠していた。
(こんなときに誰だ!?爛!?)
颯真は手帳を開き、メールの内容を見ると、手帳をしまい、三人に話す。
「いいか?三人に話すことがある。」
「何かしら?」
「まず一つ、ステラは自分がバレないようにしろ。お前が見つかったら面倒なことになる。」
「分かったわ。」
「明と珠雫は、防御系の伐刀絶技を持っているか?」
「はい。」
「持ってるよ。」
「なら、その伐刀絶技を俺のタイミングに従って使ってくれ。爛達が動いてくれる。」
「分かりました。」
「わかったよ。」
ーーー第10話へーーー
爛「作者から伝言。第10話、爛のダーク無双が始まるとのこと。」
一輝「解放軍に怖いことをするんだね。」
爛「あれを恐いで済むのか?」
一輝「第10話も読んでね。」