変わっていく日々を君と   作:こーど

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第四話 見えぬ思いは色外に

 

 

 

 

 

静かな朝。

いつもなら聞こえる、忙しない小鳥たちの囀りも今日は聞こえない。

少し静かだ。

だけど、いつも通りのありふれた日常の序章。

平和で、平穏で、平凡。

そんな朝。

ともかく、昨晩と比べて何かに大きな変化はない。

 

それでも強いて挙げるのなら、夜が明けて暗闇が逃げるようにして明るくなったこと。

そして、空気感。

どこか澄んでいて、どこか凛としているような気がする。

その程度の些細なもの。

不思議なもので、夜が明けただけなのだが、身が引き締まるような、そんな独特の雰囲気が朝にはある。

 

加えて二月の夜にきんきんに冷やされた気温だ。

この寒さには、普段運動をしていない俺の体も冬の幸寒ブリが如く、勝手に身が引き締められると言うものだ。

雰囲気で引き締められ、気温で引き締められ。

もうダイエット器具なんていらんな、これは。

朝起きるだけダイエットの完成だ。

 

面倒で辛い運動、場所をとって邪魔になる器具、もうそんなことに悩まされる心配はありません。

朝起きるだけダイエットならば、何も辛いことありません。

皆様の無精、不精、怠惰、懶惰に間違いなくフィットしますよ。

だって、ただ朝起きるだけ。

ね?簡単でしょ?

さあ、テレビの前の皆様も是非ご体感ください。

注意、効果には個人差があります。

ほとんどの方にはなんの効果もありませんが、それについて当社は一切関与致しません。

 

ってのはどうだろか。

あ、いや、待って。

そもそも、朝に起きるの辛いわ。

盲点だったぞ、これは。

運動もせずに痩せようだなんて人たちが、早朝に起きれる訳ないわ。

これは決定的な欠点だな。

唯一の利点もなくなっちゃった。

 

そんな、しょうもないことを頭の隅で考えながら、手元にあるトーストを口に運ぶ。

かしゅ、ときつね色に焼けたトーストの小気味良い音が二つ鳴った。

俺の口元から一つと、隣からもう一つ。

 

ちらりと隣を見る。

そこには、ジャムをべったりと塗りたくったトーストを片手に、ぴょこんと撥ねたくせっ毛を前のめり垂らして、女の子がテレビを食い入るように見ている。

かしゅかしゅとトーストを齧りながらも、その視線はテレビから離れない。

何をそんなに熱心に見ているのかと、その視線を追ってみる。

 

『それでは、今日のお天気です』

 

テレビには日本地図と大変お目麗しいお姉さん。

どうやら、今日の全国の天気を教えてくれているようだ。

 

「うぇ。一日、雨か」

 

「みたいだねぇ」

 

映し出された本日の予報に、二人のため息が重なった。

どうやら昨日から雨粒を落とすこの雨雲は、今日もこの千葉上空に図々しくも居座るつもりらしい。

予報では関西は晴れのオレンジ色、こちら関東では一日通して青色と鼠色のコントラストしか塗られいない。

お姉さん曰く、間違いなく今日は傘は必須とのことだ。

如何に必要なのか、その様をかわいらしく身振り手振りを使ってお伝えしてくれている。

 

今日は合羽かぁ……。

やだなぁ。

あれ着ても顔だとか、靴だとか、なんだかんだで濡れるんだよなぁ。

雨が俺を避けて降ってくれぬもんかね。

中二心もくすぐられて最高なんだけどなぁ。

 

あれ?

いやいや、待てよ。

やだ、それじゃ雨にも嫌われてるみたいじゃない。

逆に考えれば、向こうからぼっちの俺にわざわざ近づいてくれる雨はいい奴なのか?

もしかして雨ちゃんまじ天使なの?

……わぁい、嬉しくないぞぉ。

 

「……時にお兄ちゃん」

 

「んぁ?」

 

「なんかあった?」

 

「ん?……んぁ?」

 

な、なんぞや急に。

俺のことをお兄ちゃんと呼ぶ女の子、妹の小町はテレビに向けられていた熱心な視線を、じーっと観察するようにこちらによこした。

その表情には、先ほどまでとは異なった真剣さが窺える。

そして、俺を見るその瞳には微かな不安の影が見て取れた。

 

「んーいや、いつも通り美味いぞ?」

 

なんかあったか、と言う質問が何を指しているのか、あまりにも唐突で、漠然とし過ぎて見当がつかない。

とりあえず、用意してもらった手に持っているトーストを褒めてみる。

それは綺麗に黄金色に焼けていて、黒く焦げていたり、何か異物が入っているようにも見えない。

塗っている安いジャムも、普段と変わったところはない。

もう少し味が濃かったらいいのに、といつも通りの今一な評定だ。

今更、不安そうに聞いてくることではないだろう。

そうなれば、この子にこんな表情をさせる事象があっただろうか。

 

「いや、そうじゃなくて。でも、ありがとう」

 

「おう。いつもすまんな」

 

「それは言わない約束だよぉ。……じゃなくって!」

 

「おっ、おう」

 

机をばんっと叩いて、鼻息をふんふんと荒くしながら、ぐいっとこちらに詰め寄ってくる。

伝わらないことへの苛立ちと察しの悪さを攻め立てるかのようだ。

 

そんな表情されてもなぁ。

幾ら俺達が千葉の兄妹とは言えど、千葉の、兄妹、と言えどもだ。

この妹が言わんとすることを推測するには、あまりにも情報が少なすぎる。

ほら察しろよと言いたげに睨まれているが、俺は心が読める訳じゃないんだし。

寧ろ、そういった事での察しの悪さに一家言あるぞ。

そう、俺は逆方向に優秀なんだぞ。

 

と言うか、異議ありシーンにそっくりだけど意識してんのか。

ここから逆転しちゃう?

既に家内カーストの俺と逆転しちゃったら最底辺になっちゃうぞぉ。

 

「だーかーらー!最近、と言いうか。そのー、なんかと言うかなー。えっとぉ……ねっ!?」

 

しどろもどろに言葉を遊ばせた後、その可愛らしく整った顔は徐々に困惑気味な表情に変化する。

 

いや、そんな急にねっ、とか勢い任せに言われましても。

お兄ちゃんならわかるよね、みたいな顔して見られてもですね、こっちとしてはそんな信頼のされ方、非常に困るのですけど。

 

「…………」

 

さっぱり話の流れが掴めない。

途切れ途切れな言葉の先を促すように無言で見つめてみる。

 

「あーえっと、ぬぬー。う、うーん……」

 

すると先ほどの勢いはどこへやら。

ぼそぼそと尻すぼみに小さくなる声と共に、すごすごと元居た位置へと引き下がっていく。

小さく呟かれる言葉の端を手繰り寄せると、何やら適した言葉が未だに見当たらないご様子。

もどかしそうに、頭をうんうんと捻りがら言葉を探している。

 

「……最近、ねぇ」

 

一生懸命に一人頭を捻る妹を放置するのは、どうにも憚られる。

この妹が納得するような答えは、現状の情報だけでは見つからないだろうが『最近』、そして『何か』、と言うとてもふわっとしている単語二つを元に、俺も少しばかり記憶を辿ってみることにする。

 

朝の心地よい布団から断腸の思いで這い出す。

愛しの我が家を後ろ髪引かれる思いで出て、向かうのは学校と言う戦地。

違う言い方をすれば処刑場。

毎日足しげく通い、極力目立つことはせず。

空気に溶け込むように授業をこなし。

休憩時間を消えたようにやり過ごす。

放課後にふらりと奉仕部に赴いて、毒舌雪女に椅子に座るだけで毒舌を吐かれ。

アホの子には、アホの子発言を指摘しただけで罵倒される。

下校時刻になれば来た道をスキップするような気持ちで嬉々として帰宅の途に就く。

それだけ。

 

うむ。

思い返すと、ざっとこんな印象だ。

平穏だな、うん平穏だ。

この平穏な日常を平穏と言わなければ、この世は世紀末だと断言できるくらいには平穏だ。

 

多少、一般人とっては思い返すに居た堪れないシーンもちらほらあるが、ぼっちにとってはこれが日常であり通常。

なので、平穏だ、うん間違いない。

 

豊富な語彙力を遺憾なく発揮して毒舌吐かれ、片や語彙の欠片もない罵倒を受けているのに、平穏かと疑問に思う方もいらっしゃるかもしれない。

ちょっと、ちょっとお待ちんさいな、と。

だが、この比企谷八幡、既にそれも日常だと悟りを開いている所存。

平穏にも人それぞれの形があるのだ。

他人から見ると違えども、当人から見てそれが真実ならばそれが正しいのだ。

なので、これも平穏。

大丈夫、これは普通、大丈夫大丈夫。

 

これらの事から、俺の最近は平穏そのものだと導き出される。

以上、証明終了。

べ、別に泣き言は言わない、男の子だもん。

あと、罵られて喜ぶ人ではない、決してない。

 

てな訳で、何かが劇的に変化しただとか、何かが劇的に変化しそうだとかはない。

 

あの一件。

そう、彼女のことを除いて、だが。

 

とは言え、あの解決策もお互いが出会う前の日常に戻るというだけのこと。

それは、劇的な変化とは言い難く、寧ろ、住む世界が違う二人が交流を持っている今が異常なのだ。

それが、あるべき関係性に戻るだけ。

偶然に言葉を交わすことになり、気まぐれに言葉は消えていく。

先輩と後輩から、他人と他人へと。

そんなものだろう。

外的な要因が発端ではあったが、それが無くともいずれは同じ結末を迎えたはずだ。

 

だから。

そうだ。

きっと。

俺の世界は、大して変わらない。

 

だぶん。

 

恐らく、そう思われる気がする。

そんな、意味の分からないふわふわした言葉が、ゆらゆらと浮き出てきた。

 

突然、胸中で湧いて出た、どっちつかずな結論に我ながらはっきりしろよと思う。

そう思ってはいるのに。

なぜだろうか。

曖昧で不確定な言葉ばかりを羅列してしまう。

 

かといって出来ない訳ではない。

断言してしまうことも出来ると思う。

 

だが、如何せん何かが引っかかっている。

何かが、絡まっている。

何かが、つっかえている。

何かが、滞っている。

 

こう、思い出せないものを思い出そうとする時みたいだ。

わかっているようで、あと少しが出てこない。

なのに、あと少しは既に出てきている気がする。

でも、わからない。

むず痒い、そんなもどかしさが喉元でだらだらと燻っている。

だから、断言をする気にはなれなかった。

 

「たぶん、なんも無い。……平和のはずだ」

 

「それ、ほんと?」

 

「あぁ。本当、だろうよ」

 

曖昧で投げやりな返答を怪しく思ったのか、俺の心情を探るように妹は上目で訝しみ、俺の視線は彼女のそれとぶつかる。

疑いの眼差し。

それは僅かな揺らぎでも見つければ、無理やりにでも引きずりださんばかり剣幕を感じる。

 

だが、そんな目で見られたところで、あの一件以外は何も思い当たる節がない。

その唯一の心当たりも、あの時に感じた感情をどう言葉にしていいか、どう表現すればいいのかさっぱりなのだ。

それどころか、あの心の動きが、どう言ったモノなのかすらわからない。

捉えようとしてもどこにあるのかわからない、掴もうとするとすり抜けていく。

そんな、「何か」にも為れていない正体不明のモノをどうして他者に伝えることが出来ようか。

 

出せないものは、出すことは出来ない。

無い物は無い。

無い袖は振れぬ。

出すことが出来ないのに関わらず、何か出せと言われても無色透明なものか、空虚な嘘しか出てはこない。

 

元来、俺は自分をさらけ出すよりも隠す事の方が多い。

それは、この妹も重々承知の上だろう。

だから、こう言ったことでは信用されていないし、先程の返答もはっきりとしていない物言いであったので、このような視線を向けられることはある程度理解出来る。

 

だが、奉仕部が瓦礫しかかったあの時からこの妹には隠すことをやめている。

自分一人では動けなくなっていた、そんな俺に口実と言う救いを与えてくれた、この妹には。

例え身内だとしても、受けた恩義を仇で返すほど悪趣味ではない。

俺なりの感謝の気持ちと言えるだろう。

こんな恥ずかしいこと、例え毎食落花生にされたとしても妹に直接は言えないが。

ら、落花生になんて負けないんだからっ!

二日くらいで陥落しちゃいそう。

 

そんな訳で、言葉に出せることは言っているつもりだ。

今回も言いえて妙な言葉があれば間違いなく言っていただろうから、もう少しお兄ちゃんを信用して欲しいものだ。

 

「うーん。思い過ごしかなぁ……?」

 

腕を組んで小首を傾げる妹は、なんともすっきりしない表情で独り言ちた。

何もないと言っているのに関わらず、未だに納得いかないようだ。

 

ねぇ、お兄ちゃんと会話してるんだから自己完結しちゃうのやめよ?

思い過ごさないで教えて?

すごい気になるからさ、そういうの。

なにこれ焦らしなの?

小悪魔なの?

小悪魔妹と天使の戸塚。

おいおい、ありだぞこれは。

 

「なんか、あるように見えたか?」

 

小町なりに何かを感じたからこそ、こうして俺に聞いているのだろう。

このまま、その何かを聞かずにいるのはすっきりしない。

なにより、こちらとしても何も分からず行き詰っていたところだ。

それを進展させる些細なヒントにでもなればと小首をかしげたままの小町に問うてみる。

 

「あると思うんだけど、嘘ついてるようでもないし……」

 

「ん、そうだな」

 

そう。

屁理屈のようだが嘘では、ない。

 

「だよねぇー」

 

小町は、うんうんとはてなマークを頭の上にぶかぶかと浮かべては、頭を左右に揺らしている。

そして「その、ね?」そう前置きした上で、

 

「なんかね。さっきお兄ちゃんが寂しそう?って言うか……。うーん、まぁそんな顔してた気がするの」

 

そう、言った。

 

「……んん?」

 

寂しそうな顔?

俺が?

 

自分としてはそんな表情をした覚えも無く、そのような思考に浸ったつもりもない。

なんせ、お天気お姉さんの天気予報を見ながらパンを齧っていただけなのだから。

だが、小町が言うにはそういった類の表情を見せたようだ。

 

布団を出てから一時間も経っておらず、未だに完全に覚醒していない俺の頭は、小町の想定外の言葉に戸惑うことしか出来ない。

これぞ、寝耳に水。

言葉を的確に言い換えると、半寝耳にサプライズのほうが現状に当てはまるかもしれない。

 

「…………」

 

偶然だと、自身に身に覚えがないと、考えもせず切り捨てるのは簡単だ。

事実、俺にはそんな表情をした覚えはさっぱりない。

だが、色々と聡い小町が朝食中にも関わらずわざわざ聞いて、こうも疑い深く俺を観察して、そう感じたのだ。

それ相応の、先程から言っているその何かを感じたのかもしれない。

 

かもしれないなんて他人事のようだが、自分で考えてみても、どうもピンとこない。

寂しいなんて感じることは、なかったはず。

 

そりゃ確かに家から出て、学校へ向かうのは寂しいどころか身を引き裂かれる思いだ。

こんなにも愛してやまないマイホームと俺との絆を引き裂こうとするなんて、学校とはなんて残虐なシステムなのだろうか。

まあ、寂しいんじゃなくて、ただ単に家から出るのが嫌なだけなのだが。

だが、そんな朝の葛藤は平日ならば毎日こと。

寧ろ、小躍りしたくなるような気分で登校したことは一度もない。

えぇ、そんな飼い慣らされた畜生のような気持ちになったことなどは記憶の片隅にもございませんことよ。

 

兎も角、そんなことで小町が敏感に反応するとは思いにくいし、毎日こんなに小首を傾げていては、小町ヘッドが傾いたままになってしまう。

そんなことになれば、我が家は大混乱だ。

我が家の可愛い娘の首が傾いたままなんて可愛すぎるだろ、だのなんだの言ってお祭り騒ぎになり、最終的に俺が町中の接骨院を練り歩き、最優良接骨院を探し出さねばならなくなるはずだ。

いやはや、なんと恐ろしい。

起こる予兆は欠片も無いのにも係らず、気がつけば想像の中でも酷使されているではないか。

あぁ、凍えるような寒さの中、町中を這いまわる姿が思い浮かぶ。

これがカースト最下層の性か。

 

あの一件に関しても、確かに妹に言われた『寂しい』は、あの時の感情を表す言葉として、思料にふけているとおぼろげながら浮き出た候補の中にはあった。

が、その名称があの感情を表すのに適切かと言われれば、否。

あの時の形象は寂しいからではない。

それも混ざっているような気もするが、どうにもそれ単体だけではしっくりこない。

 

そうなれば、本当に検討がつかない。

かといって、去年の誕生日を家族ですらも忘れていた事件がフラッシュバックしたからって訳でもないだろう。

うむぅ、謎は解明されないままか。

 

おや待てよ、今年こそは祝って貰ったか?

……あっ。

 

「ま、まあ、心当たりがないな」

 

「だよねー。そうっぽい」

 

「じゃあ、見間違いだろ。俺自身がそう感じてないんだし」

 

「んーでもなー。なんだかなぁ」

 

「ほれ、よく言うだろ自分のことは自分が一番わかってるって」

 

痛みも、苦しみも、辛さも、悲しみも、先程したらしい寂しそうな表情の原因の寂しさも。

それらは、そんなに簡単に他人と分け合える物ではない。

大方が自分だけが感じ、それらを一番理解しているのは自分だろう。

だから、自分がそう感じていないってことは、何も無いのは間違いないだろう。

きっと。

 

「ううん」

 

小町は目線を下げて俯いた。

 

「それは違うよ、お兄ちゃん」

 

そして、否定する。

少し自虐的な笑みを浮かべ、顔を上げたかと思うとこちらに視線を移す。

再びこちらを見つめる彼女の表情は、説得するようで、そして悲しげだった。

 

 

「自分って、自分じゃ見れないんだよ」

 

 

小町は言った。

そう。

言い切った.

 

「…………」

 

その言葉に、それを言った小町に俺は言葉を紡ぐことが出来なかった。

そして、素直に感心した。

 

小町は俺よりも三つも小さい。

それにしては、何かと聡いと今までにも思うことは多々あった。

十の半ばも差し掛かろうとしてはいるが、まだまだ子供の部分の方が多いはずなのに。

 

だが、先ほどの言葉はどうだ。

それは、子供のように透き通った純粋さで。

それでいて。

冷たいくらいに、大人だ。

 

小町の言葉は正しい。

自分を何もなしに全て見れる人間なんていない。

それは、人間の構造的に不可能だ。

人には顔に目が二つだけ。

体の表は見れても背中は見れない。

ましてや目の付近なんぞは、ほぼほぼ見えない。

だから常時、自分を自分で観察なんてことは、出来はしない。

無意識な表情の翳りは、自分では知りえない。

人は自分の事ですら、完璧に理解することが出来ないのだ。

 

「こんなに長年お兄ちゃん見てるの、世界がいくら広いって言っても小町くらいだよ?」

 

「……親は?」

 

「まぁ見てないことはないよ。けどね、一番近くで見てたのは小町だよ」

 

「……そう、だったかもな」

 

「だから、今のところ一番お兄ちゃんに詳しいのは小町で、お兄ちゃんじゃないの」

 

小町はそう言って胸を張り、得意げに微笑んだ。

 

そういうこと、なのだろうか。

自分の事でも、自分の事なのに、自分じゃわからないこともある。

たくさん、それこそ分からない事の方が多いだろう。

今だってそうだ。

何もわからないし、何も見えない。

だが、その俺には分からない事が小町には少しでも見えたのだろうか。

自分には難問で言葉にも出来ないモノであっても、自分以外にはとても簡単な事として見えて、簡単に言葉として口に出せることもあるのだろうか。

 

「…………」

 

「…………」

 

二人の間に無音が横たわった。

 

「……はっ」

 

俺は小さく笑った。

 

「……ふふっ」

 

小町も笑った。

 

小町が、二人が笑った理由は言わずともわかった。

俺が小町を気に掛けながら見ていたように、小町もまた同じように俺を見ていたのだ。

似たもの兄妹だな。

 

「じゃ、今回は俺の新たな一面が見れたってことだな。憂いを帯びた表情ってやつだ」

 

張りつめた琴線が弛緩したところで俺の小粋なジョークを披露する。

朝っぱらから重い話で緊張していた体と心への清涼剤だ。

ふふっ、この気の回るお兄ちゃんに感謝しな。

 

「えぇ……。感情入りすぎて、こっちの心まで痛くなるんだけど」

 

だが、あろうことか小町はそんな洒落た冗談を真に受けたようで、苦虫でも噛み潰したような表情を浮かべた。

なんでだよぉ、冗談だよぉ、察してよぉ。

うん、本気だと思われる人生を歩んでいる俺が悪いよね、わかってる。

 

渾身のネタを冗談だと受け取って貰えなかった、その居た堪れなさから逃げる為に小町から目線を外す。

まぁ自分で分からず、小町にも分からないのならば、この話は一旦、迷宮入りである。

 

「これ、今日は送れんぞ」

 

「だよねぇー。はぁ」

 

移した視線の先にある窓から見える景色は薄暗い。

ひたひたと窓を伝う雨粒が、次から次へと増えていく。

屋内から見ても、雨がぱらついている程度ではない事が窺い知れる。

 

「食器は俺が片付けとくから。ほれ、早めに出とけ」

 

「うー。じゃお願い」

 

「雨で視界わりぃから車とかに気をつけろよ?」

 

「はーい。いってきまーす」

 

「あいよ。いってら」

 

小町がリビングを出ていくのを見届けてから食器を片づけ始める。

台所でかちゃかちゃと食器を洗っていると、玄関から小町の独り言が微かに聞こえてきた。

 

「うっひゃー!?けっこうふってるー……」

 

どうやら、ここから見る分と変わらず、なかなかの雨量の様だ。

昨日の夕方から降り続く雨は、その勢いを弱めていない。

 

ぽつりぽつり。

一人しか居ない部屋には降り続く雨と水道の水音がよく響く。

 

 

「ありがとよ」

 

 

ぽつり、呟く。

それは誰にも響かないまま、揺られ、混ざり、溶かされていく。

 

 

 

 

 

    ×  ×  ×

 

 

 

 

 

家にいた時と同じ物だとは思えない、そんな重さと怠さを感じる手で教室の戸を開けた。

広がるのは見慣れた、いや、もう見飽きた光景だが、今日は少しの変化がある。

晴天や曇りなどの登校時間だと、俺が着く頃には大半が登校してきており、がやがやと騒がしい教室をこそこそと自分の席に向かうのだが、今日はまだ過半数の机が空席となっていて、さながら嵐の前の様相を呈している。

 

教室内では、少数人の各々が思い思いにホームルームまでの時間を過ごしていて、いつものあの騒がしさに比べてなんと静かな事か。

そして、人が少ないと言うだけでなんと心地良い事か。

 

にしても、雨が降っているからと念を込めて早めに家を出たが、思った以上に早く着き過ぎてしまったようだ。

これなら、少なくとも二十分は我が家で日課の現実逃避が出来ただろう。

自分から無駄に早く学校に赴くとは、八幡一生の不覚である。

 

うだうだと過ぎたことを後悔しながら、こそこそと自分の席に着く。

人が居ようと居まいと、こそこそしていまう生き物なのだぼっちとは。

 

「おはよう!八幡!」

 

席に着いた途端、天使の御声が聞こえた。

なに、この優しく慈愛に満ちた御声は?

天界からお呼びなの?

もう、お迎えきちゃったの?

は、早い。

あまりにも早すぎる。

まだまだ、人生をエンジョイしていたいのに。

神様のド畜生。

動く菩薩像とまで言われるこの八幡でも、遺憾の意を表明する準備が整ったぞこれは。

いや、そんなにエンジョイ出来てはないかもしれないけどさ。

 

「……八幡?大丈夫?」

 

返事も忘れて、脳内で神様に思いつく限りの呪詛を唱えていると、心配した様子で再び声を掛けられた。

声がした方へ視線を向けると、そこには短髪をさらさらと揺らして、瞳をうるうるさせながら上目遣いに俺を見つめる天使がいた。

あぁ、御声だけでは無く、御姿まで拝見できるとは。

こんな可愛い天使を遣いに出して頂きまして、神様感謝いたします。

へへっ、なんだか俺、天界なら上手くやっていけそうな気がしてきました。

高校デビューならぬ天界デビューっすね、へへっ。

あと、さっきまで言っていた事は、半分は嘘ですのでお気を悪くなされず。

 

「もう!八幡!」

 

「ん?お、おぉ、おはよう戸塚」

 

「もーやっと返事してくれた。もしかして調子悪いの?」

 

「いや、戸塚に見とれていて反応できなかったんだ、すまん」

 

それと、来世は俺と結婚してくれ。

なんて言葉は口から出る寸での所で留めた。

戸塚がそんな八幡なに言ってるのさ、ともじもじと身を捩りながら照れているが、きっと口からは出ていない筈だ。

俺は出したつもりは無い。

だがもしも、言ってしまっていてもそれは無意識での発言。

無意識ならば男の子に告白してもセーフ。

俺は言おうとしていないのにも関わらず出てくる言葉には悪意はない。

心身喪失状態なので無罪だ。

 

にしても照れる戸塚ときたらもう。

も、もう、むり。

可愛すぎて八幡ほんとに天界行っちゃう!

昇天確実ぅ!

 

「八幡、今日は早いんだね。雨だから?」

 

「あぁ、ちと早く着すぎたけどな。戸塚も早いな」

 

「うん。この雨だからね」

 

戸塚は眉を下げて苦笑いを浮かべる。

そして、その憂いを教室の窓へと投げかけた。

 

「……まぁ、そうだよな」

 

その視線を追うと、鈍色に染められた空とぼたぼたと横風に吹かれて窓ガラスに張り付く滴が映る。

その向こうには、中庭の木々が右へ左へ迷惑そうに揺らされている。

 

登校中にも感じていたが、この雨雲は昨日から降り続ける持久力だけではなく、雨量もなかなかものだ。

空から落ちてくる滴の一滴一滴が、小粒とは言い表せない程度には大きい。

そんな雨粒に昨日からさーさーばしばしと曝されていては、テニスコートの地面も校庭と同じく悲惨なことになっているだろう。

真夏の水田とまではいかなくとも、水を入れ始めた水田くらいにはなっているかもしれない。

毎日かかさず朝練で汗を流す戸塚とて、さすがにそんなコートでは練習にならないだろう。

 

「よく降るよね」

 

「そうだな。ま、雪にならなかっただけ有難いのかもな」

 

この勢いの雪でも降ろうものなら、電車は確実に遅延祭り、いやそれどころか、部分運休なんてことも十分ありえる。

そうなれば只でさえ混み合う朝の通勤列車は、それはもうこの世に顕現した地獄だ。

少し遅くに出る人も加わった通勤列車は、人波に飛び込むなんて生優しいものじゃなく、押され潰されて最適化された人の塊に飛び込み、自身もその一部になる覚悟がいる。

もう、あれほんと地獄。

その中での唯一の楽しみと言えば、濡れた線路でブレーキが利きにくいが為に停止位置を過ぎそうになって、ヒヤッとした顔をした運転士を眺めるくらいだろうか。

えっ、趣味悪い?

今更、だよね?

 

「この雨が雪だったら学校これる人の方が少ないかも」

 

「ありえるな。それを理由に休めるなら最高だな」

 

「僕は少し寂しい、かな」

 

「とっ、戸塚っ。それって……」

 

「すいませーん。戸塚さーん」

 

くっ、こんな時にどこのどいつだ。

今、戸塚といい雰囲気になりそうだったんだぞ。

その寂しい理由って俺に会えないからか、から始まる戸塚と俺のめくるめくラブストーリーが始まりそうだったんだぞ。

現代社会に生きるならその辺りの空気を読む力をだな、えっ俺には言われたくない?

 

遠慮がちに掛けられた声の方へ二人で視線を移すと、そこには見慣れない生徒がいた。

教室内の視線を集めてしまったからか、居心地悪そうにそわそわとしながらも、キョロキョロと教室を見渡している。

 

「戸塚の知り合いか?」

 

「うん、テニス部の後輩くん」

 

その後輩くんはどうやら、戸塚を見つけたようでこちらにぺこりと小さくお辞儀をした。

 

「話してる途中にごめん八幡、行ってくるね」

 

「ん。ホームルームに遅れないように気ぃつけてな」

 

「ふふっ。うん、ありがと」

 

そう言って戸塚はにっこりと微笑んだ。

くるりと反転してトコトコとその後輩へと歩みより、ニ、三言葉を交わしたのち、二人で教室から出て行った。

 

戸塚さん、なになになんなのその笑顔と歩き方。

も、もうあの子ったらなんであんなに可愛いのかしら。

伊達に天使ではないと言うことか。

その姿、誰もが俺と同じ男だと、そして天使以外だと思うことは出来まい。

 

「ふぁ……」

 

天使の癒し効果なのか、はたまた雨音の効果なのか、無意識に欠伸が零れた。

教室内は蛍光灯で明るく照らされてはいるが、晴天の日に比べれば薄暗い。

しっとりとした雨の雰囲気に当てられか、何故か体と心は気怠く、尚の事睡魔が襲う。

 

授業中寝てもええんじゃよと、雲に遮られて休業中のお天道様が仰っているように感じる。

なんと甘美なるお誘い。

全力でお受けしたいところだが、授業中の居眠りは自殺行為だ。

だってさ、突然教師に当てられても近くの席の子たち誰も教科書のページ数教えてくれないから、ね。

 

教壇の上に引っ掛けられた時計を見てみる。

早めに着いたおかげで時計の長針は、HRが始まる数字まで距離がある。

このまま起きて居たところでやることも特段無い。

ならば、一限目の授業に万全を期す為にここで寝ておくのが得策だろう。

決して、戸塚が居なくなって、お話する相手がいないからではない。

重ねて言うが、授業に万全を期す為である。

 

そうと決まれば、早速ごそごそと学生鞄から小型の音楽再生端末を取り出す。

イヤホンを耳に差し込み、机に伏せて再生ボタンを押す。

するとあっという間にあら不思議、如何にも今寝てます、だから誰も話しかけてこなくても何の不自然もありませんけど何かってな体制に早変わり。

体をもぞもぞと動かし体制を整えて、これで準備万端。

流れてくる音楽を聴き流しながら、淡い眠気に身を任せ始める。

 

 

――――貴方が私の為にしたことは

 

 

――――私にとってはとても残酷なことだった

 

 

すると聞こえてきた、物悲しげな歌詞に憂いを帯びたメロディ。

雨の日にマッチしたその曲調は、俺の心をセンチメンタルに塗り替えていく。

教室の机に一人突っ伏していることで感じる、妙な居心地の悪さも溶けるように消えていく。

 

これは、とあるゲームで流れる主題歌で、所謂ゲームソングってやつだ。

現在、第三作まで発売されているナンバリングタイトルの第二作目にこの曲は収録されていて、一作目の主人公とヒロインが二作目の主人公に殺されてしまう、そんな衝撃的な場面で流れるのだ。

 

その場面ときたら、一作目からプレイしている者としては涙無しにはどころか、利根川が氾濫もかくやと、ティッシュ無くなりタオルびしょびしょ、挙句の果ては脱水症状で緊急搬送されるレベルの名場面なのだ。

ちょっと、ほんのちょっとだけ話を盛ってしまったかもしれない。

 

まぁ、そこまでは行かなくとも、間違いなく涙無しには見られない場面だ。

では、なぜそこまでユーザーは感情移入してしまうのか。

その理由は王道のものとは一味違う、一作目のエンディングにある。

 

では、何が一味違うのかと言うと、何を隠そう、ハッピーエンディングなのにもかかわらず、主人公とヒロインは離ればなれとなってしまうのだ。

えっ、これってハッピーなのエンディングだ。

 

幸せそうな周囲には見せる事無く、一人隠れて涙を零すヒロインに笑顔無く立ち去る主人公。

初見では、それがハッピーエンディングとは信じられず、攻略サイトに齧り付いて情報を集めて、ハッピーと言う単語まで調べ直したほどだ。

プレイすることで愛着が湧いた多くのユーザー達が同じ理由で攻略サイトに集ったため、真偽不明の情報が交錯し、枕に顔を埋めて叫んでしまうほどヤキモキしたことも記憶に新しい。

 

結局、それが本当にハッピーエンディングだったとサイト内で結論が出た際には、二人に幸せが訪れる物語を次作では描いて欲しいと、懇願の書き込みが怒涛の勢いで羅列されていた。

勿論、その中には俺の書き込みも含まれている。

 

そして、二作目。

二人の幸せな姿に想いを馳せていたユーザーの期待とは裏腹に、ゲーム内では不穏な空気が漂いだす。

何故ならば、二作目主人公の視点からでは前作の二人が悪役として扱われているからだ。

 

物語が進むにつれて、徐々に責められ、追われ、追い詰められていく前作の主人公とヒロイン。

いやいや、ここから救済があるはずと思いきや、二人は誰の助けも無く、最後は力尽きて水底へと徐々に消えていく。

その光景にユーザーは愕然とする。

あれほど想い合い、そして傷ついた二人の最後が悲劇で終わるのか、と。

こんな報われない話があっていいのか、と。

 

が、そこで気づくのだ。

二人が悪役として扱われた理由は、ヒロインが前作主人公と共にあることを望み、それを前作主人公が選んだからなのだ。

二人が望み、二人で選んだのだ。

だから、悪役にされようとも構わない。

責められようとも構わない。

例え、その結果が殺されて水底へと落とされようとも構わなかったのだと。

もう一度、言葉を交わし、笑い合い、触れ合えることが出来るのならば。

それが二人望みであり、彼らにとっての本物のハッピーエンディングなのだと。

 

そして、悲哀とも歓喜ともつかない涙を流すユーザーに畳み掛けるかのように、二人の物語を象る歌詞で描かれたこの曲が流れるのだ。

二作にかけて描かれた完成度の高い二人の物語、その終焉と完璧な演出に素晴らしい歌詞。

それらが見事に融和しているのだ。

初見で涙を見せるなと言う方が無理である。

ネットで他のレビューや感想を見ても、その細かな理由は様々だが大半は俺と似た理由が占めていた。

 

 

――――私の為にと掠れる貴方

 

――――貴方が居ない世界は物悲しく、色は褪せ、消えていく

 

 

主人公はそのヒロインの為に彼女から離れた。

ヒロインを想い、幸せを願うが為にとった行動。

だがその結果、ヒロインは想い人から引き離された虚無の世界で生きることになった。

 

彼女の本当の望みを聞き、それを主人公も望むことで得られた本当の幸せ。

だがその結果、多くの困難が降りかかり、最後は先述した通り。

 

相手の幸せを思うが為に行った行動は、本物の幸せと言えるモノではなかった。

だが、それで救われたモノもあった。

 

お互いの望みを叶えたそれは、本物の幸せだった。

だが、対価として失われたモノは多かった。

 

どちらが正しい選択肢なのか。

所詮はゲームの世界で架空の話だと言うのに、それでも何度も何度も真剣に考えたものだ。

既に何年もの月日が経過したが、今でも俺の中では答えがはっきりと出せずにいる。

 

離別を選び、本物から目を背けることが正しいのか。

本物を選び、その他の犠牲に目を背けることが正しいのか。

 

どちらも正しく。

どちらも間違っている。

 

そして。

どちらも悲しく。

どちらも幸せでもある気がした。

 

 

――――そこへ居て欲しい貴方の影は、私の目には映らない。

 

――――この世界に閉じ込められそうになっている

 

――――もし、それを見ることが出来たなら、貴方は。

 

 

「…………」

 

ふと、その物語の顛末について考え込んでいる自分に気が付いた。

いかんいかん。

安らかに寝る為に音楽で外周の雑音を断絶したのだ。

なのに、寝ることを差し置いて音楽を聴くのに集中しすぎては本末転倒。

 

突っ伏した状態のまま頭を小さく左右に振って、深みへと嵌まろうとした思考を振り払う。

そして、意識を夢の世界へと乱暴に放り投げる。

 

その端で微かに聞こえた欠片と一緒に。

 

 

 

 

 

――――貴方は。また、私に手を差し伸べてくれますか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第四話 見えぬ思いは色外に

 

 

 

 




 









お疲れ様でした。
未熟な文章ながらも、ここまで読んで頂きましてありがとうございます。


前回の投稿から早半年。
四話をお待ち頂いていた皆様、長い間お待たせいたしました。
間隔が空いてしまいまして、申し訳ありません。
月一投稿なんてことも恐れ多くて言えませんね。
週一投稿なんて戯言を吐いていた自分を厳しく戒めます。


さて今話は、というより今話もなのですが、暗い雰囲気が作中に漂っています。
自分で執筆しておきながら、読み返すと暗いなぁって思います。
推敲することが億劫に、なんてことも。
なので、皆様も暗い気分で読まれている方も多くいらっしゃると思います。
こんな暗い文章読んでいたら、悲しくもないのにcry(クライ)しちゃいそうですよね。


……へへっすんません、反省しやす。



……ですが、なのですが。
物語上、まだこの調子が続く予定でございます。
お、お許してくださいませ。
構想段階ではこんなに話数を取るとは思っていなかったのです。
自分の未熟さを恥じるばかりです。
皆様が執筆する際の反面教師にして頂ければ、と。
構想はしっかりと練らなくてはいけませんね。


今年の初投稿が今話で、次回の投稿が来年、なんてことにならないよう努力します。
ですので、もしお楽しみにして頂けますと光栄です。
それでは皆様、また次話で。



PS 明けましておめでとうございます。




 

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