ソードアート・オンライン一紅き魔剣士と冥界の女神一   作:ソル@社畜やってます

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テッカグヤの厳選、一向に終わる気配が全然無い件\(^o^)/
なにこの、超高性能なんでもできるぜウルトラビースト。欲しい性格と個体値が多すぎてヤバい


第3話 温泉で無礼講

シノン、ストレア、フィリア、リーファといった強力なメンバーが増えたこともあってかアインクラッドの攻略ペースは以前よりも格段に上がっている。攻略ペースが上がれば、休息が増えて戦闘や作戦会議などという固っ苦しいものを取っ払って、色々な面子で出掛けたり遊んだりして交流を深める機会が多くなる。

当然それ以外にも交流の手段はあって、現に俺達は今<90層到達記念!ねぎらいの温泉旅行!>と題して攻略組の主立った面々で温泉にやってきている。

ありとあらゆる感覚を見事に現実とほぼ同じに再現しているナーヴギアではあるが、液体環境の再現に関しては完璧では無いらしく、温泉ないし風呂に入ったときの肌触りや抵抗感覚は現実のそれと比べると-キリト曰わくβテスト時に比べれば大分改善されているらしいが-違うもので、なんというか…コレジャナイ感があるのだが、こういう場でそんなことを口にするのは無粋というものだろう。

「これで日本酒を熱燗で飲めたら文句ねえんだよなぁ」

…そこの野武士は別の文句があるらしいがスルーしておこう。

「別に現実の効能とかあるわけじゃないんだろうけど、なんか疲れがとれるかんじがするよな」

「プラシーボ効果みたいなもんなんじゃねえの?」

「つーか、あらためて野郎の面子が女子より少ないって異常だよな…主にそこの真っ黒くろすけのせいだけど」

「「ああ、確かにな…」」

「いや、え?なんでクラインもエギルも目で俺を見るんだよ!」

俺の発言が発端となってキリトを見る2人の目は、片や殺意が籠もってるようなきがする。

「この際だから聞くけどよキリの字…おめえ本当にアスナ一筋なのか?」

正直なところ思ってはいたけど俺ですら聞きづらかったことを、しかも女湯が隣接するこの場で聞くとは…この野武士、できる…!

「なに言ってるんだ、アスナしか考えてねえよ」

「すまんキリト、普段のお前を見てる限りあまり説得力が感じられない」

「エギル?!」

 

「同感だな」

「ちょ…だったらそういうリクはどうなんだよ!」

「この俺がシノン以外の女に異性として興味を持つとでも思っていたのかァーーーーーッ!!」

「ねえな」

「ないだろうな」

「聞いておいてなんだけど、お前に限ってそんなことあるわけないな」

「俺のことをご理解いただけていたようでなによりだ」

しかし、冗談抜きでキリトはアスナ以外にもリズ、シリカ、フィリア、ストレア…あと知るつもりはなかったんだがなんとリーファ、それと個人的に交流のあるとある女性プレイヤーも含めて…計6人もの異性に想いを寄せられているわけだ。こいつほんっと爆発すればいいのに。

などと思いながら男同士の話をしていると、急にメッセージが届いた。差出人は…

「?リズ…?」

すぐ隣の女湯にいるのだからわざわざこんなことしなくても、と思った俺の思考をメッセージの内容が撃墜した。

<男同士で腹割って本音で答えるように誘導してキリトのあれやこれやを聞き出して!byあたし&フィリア。こっちにも聞こえるようにできるだけ大声で!>

俺はすぐさま<おk、まかせろb>と返信して即座に行動に出る。

「なあ、せっかくのいい機会だし腹割って本音で話してみないか?」

「本音つったって、どうするんだよ?無理やりってわけにもいかねえだろ?」

「んーそうだな…じゃあ1人につき質問を1人か2人、この際自分以外の全員でもいいから対象にして2回する。聞かれた人は必ず質問には答えなければいけないってルールでどうだ?」

「お、それならいいな。俺はやるぜ」

さすがクライン、こういうノリがよくて非常に助かる。

「質問の内容はある程度制限したほうがいいな。個人を特定するような内容は当然禁止として…あとは際どいやつっていうか、なんていうか…」

「ようするにR-18みたいなのはダメってことだろ?」

「そうだな、じゃあ早速言い出しっぺで俺から」

質問の内容は、既に決まっているッ!

「キリトに質問。アスナ以外の女性プレイヤーで異性との絡み的な意味で一番ドキッてした人とその瞬間は?」

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「さすがリク!あたしたちが望むことを平然と聞いてのけるッ!」

「そこにシビれる!あこがれるゥ!」

 

一方こちらは女湯。キリトのあれやこれやを聞き出したいがだけでリクに半ば諦め気味にメッセージを送ったが、まさか本気で聞けることになろうとは思ってもいなかった発案者のリズベットとフィリアのテンションは既に最高値になっていた。

「本気でそんなこと聞いちゃうのリクくん!?」

とアスナが動揺すれば

「聞きたくないけど、ちょっと気になる…でもやっぱり…」

とシリカが1人でぶつぶつ呟いていたり

「リズさん!フィリアさん!なんてことしてるんですか!」

と常識人枠代表でリーファが発案者2人に怒ったり

「気になるなーもしかして私だったり!」

とストレアは相変わらず楽しそうにしてたり

「(はぁ…いいな、みんな私より大きくて…)」

とシノンは明らかに1人だけ違うことを考えていたりした。

「はよ!もうこの際誰とどんなシチュエーションでもいいから答えはよ!」

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「リクお前、初っ端からそんな質問とか鬼か!」

「心は鬼だ」

「くそ…マジで答えなきゃダメなのか」

キリトを見る俺の目は他人からすればさぞかし輝いて見えているだろう、そこの戦士兼商人と野武士のように。

「…の…触ったとき」

「ん?え?ごめん本当によく聞こえなかったからもう1回頼む」

「………リーファの胸触ったときだよ!」

キリトの発言から数秒、まるで時が止まったかのように辺りが沈黙に包まれた。そしてそれもすぐに破られた

「キリトてめえ!リーファのあの胸を触っただとぉ!?」

…今にも泣き出しそうな顔をした野武士の叫びで。

まあ、クラインのことはさておき。リーファの兄である身としては黙っているわけにもいかないのわけで

「キリト、あとで話がある」

と笑みを浮かべながら言うと、青ざめながら「は、はい…」とキリトは返した。たとえデュエルで負け越していようが、ヒエラルキー的には断然俺の方が上だ。

「とりあえず次はクライン…って、いつまでそんな顔してるんだよ」

「だってよお…」

「あーもう、どうでもいいから「おい!?」質問はよ」

「…んじゃ遠慮なく聞くぞ。リク!」

「おう」

「おめえ…シノンとはヤッたのか?」

そして再び時は止まる、しかもさっきより明らかに長く。

「クライン…それはアウトだ」

「内容までは聞いてねえんだからセーフだろ?!」

「そういう問題じゃねえと思うぞ?」

これは、正直どっちなんだ?詳しい内容を話せというならどう考えてもアウトにしかならないが、あくまでもクラインはしたのかしてないのか聞いてるだけで内容を話せとは言っていないわけで…

「えーと、クライン?」

「なんだ?」

「そういう行為をしたのかだけを聞いてるのか?」

「ああ、そうだ。したのかどうか、それだけだ。内容は絶対に言わなくていいぜ」

「………わかった、なら答える」

少し迷ったが、元々提案した俺が真っ先に質問への返答を拒否するのもあれだ。ここは素直に答えておこう。なに、一瞬で終わることだ。

「シノンとは…先月初めてヤッた」

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「…先月初めてヤッた」

「り、リク!?なに答えて…!」

「おーおー!とうとうお二人も卒業ですかー!」

「初めての夜の営みどうだった?気持ち良かった?」

「あう…///」

「わたしは ツッコミを あきらめた」

「リーファさん戻ってきてくださーい!」

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「やっとかよ」

「えらい時間掛かったな、お前ら」

「めでてえなあ、この野郎!」

「え?クラインはともかくキリトとエギルはなんだその反応」

「いやだってあんだけイチャイチャしてたのに全然報告とかなかったしさ。てっきり結婚したら即やると思ってたのに」

「キリトに同じく。リクは案外そういうところヘタレだよな」

「ヘタレとか言うな!」

ただ正直その辺りの事情に関しては否定はできない。俺は現実で誰かと付き合ったことなんかこれっぽっちもなかったし、そういう類の知識や情報もほとんどなかったから、こう…どう切り出したりすればいいのかとか全くわからなかった。

「敢えて言わせてもらうけどよキリト、リク。SAO(ここ)でそういうのがどんなかんじかは詳しく知らんが現実とは多分感覚とか異なるぞ。主に相手側が」

「ああ、なんとなくそうかなとは思ってた」

「妙にすんなり進行したしな…あそこまで簡単にはいかないんだろうなぁ」

「ま、現実(あっち)で経験したら言えよ。赤飯持って祝いに行ってやるからよ。と、ついでに全員に質問だ。クリアして現実に帰ったらまずなにがしたい?」

お、さすが常識人代表その2のエギル。ものすごくまともな質問だ。

「んーそうだな…アスナの手料理が食べたい。できれば家族も一緒に」

とまずはキリト

「シノンとデートかな。某夢の国とかで」

と次いで俺

「酒たらふく飲みてえなー俺は。レア年代物のやつ寝かせてあんだよ」

とクライン。全員の解答を聞いたエギルさんは「お前ららしいな」と笑みを浮かべて言った。

 

「次は俺か。うーん…じゃあリク」

「…また俺かよ」

いや、こういう時だからこそ俺に聞くんだろうな。いくら現実で双子だからってSAO(こっち)で何でもかんでも話したりするわけではないし、お互いに触れられたくないようなことは必ず聞かないからな。

と思った俺の真面目モードな思考回路を

「お前って結構独占欲強い?」

キリトの質問が見事に粉砕した。

 

ともあれ質問には答える。

「まあ、そうだな。正直シノンに他の野郎が触れるとか嫌だ、ずっと隣にいてほしい。あ、キリトたちは別だからな」

「おいキリトよ、なんでわざわざこのタイミングでんなこと聞いたんだ?」

「いや、少し前にマジギレしたリクにHP全損寸前にされたことがあって…原因というか事の発端がシノンに関することだったからさ」

ああ、そういえばそんなことあったなあ…と思い出す。我ながらあそこまでキリトにキレたのはかなり久しぶりだった。それこそ50層以来かもしれない。

「HP全損寸前だとぉ!?なにがあったんだよ」

「えーっとそれは言いたくn「キリの字に質問、つか命令だ!そのこと話せ!」クラインンンンン!?」

「ナイスだクライン、あとで好きなだけ奢ってやる!」

それにしてもこの成人2人組、ノリノリである。

「あーもう、わかったよ………えっと、前に俺とアスナ、リーファでリクとシノンのホームに行ったときのことだ。まあ最初は普通にお茶しながら話してたんだけど、急にシノンが酔っ払って壊れてさ」

「「(アレを飲んだのか…)」」

「で、そしたら俺がシノンと攻略したときにあったことを話し始めてさ。その…一部がリクの逆鱗に触れて、なんか凄い怖いこといいながら圏外まで追いかけられて…正気に戻ったシノンが止めてくれてなかったら本当にヤバかった」

「凄く怖いことってなんだよ、リク?」

「あー、ちょっと待ってくれ思いだすから」

必死であのときの流れを再生する。

「たしか…「こんにちは、そしてさようなら。お前生きてここから帰れると思うなよ…ぶち殺すぞ黒の剣士(ビーター)!!」だったかな」

 

「おめえはなんでそうキレると口調変わるんだよ」

とクラインに聞かれるが、俺自身もなんでこうも変わるのかイマイチよくわからない。

「で、そのリクの逆鱗に触れた出来事はなんなんだ?」

「…シノンの下着見た」

「そりゃ怒るわ。リクなら」

「確実にキレるな。リクだったら」

おいまてなんだそのちょっと含みのあるような言い方は。誰だって愛する嫁の下着を見られたなんて知ったら普通怒るもんなんじゃないのか?なあ、俺間違ってる?

「けどよリク。さすがにHP全損寸前はやりすぎだったんじゃねえか?」

「正直その点は本当にすまなかった」

「いや、不可抗力だったけど俺も悪かったんだしさ」

「よし、じゃあこの話は終わりだな。んじゃ質問2巡目いこうぜ」

「念のために言っておくけど、クラインはいまので終わりだからな」

「わーってるよ、ルールだしな」

さて、キリトへの質問はなににしようか。この際だしクラインでも聞けそうにないようなことにするか…いや、さすがにそのレベルはちょっと俺には難しいな。ならばここは、ありがちだけど今のキリトには少し答えづらいような質問だな。

「んじゃーキリト。アスナとシノン以外で結婚するとしたら誰?」

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「ここでそれを聞くかー!」

「さすがリク!鋼の精神力は伊達じゃないね!」

「リズとフィリアのテンションはどうなってるのよ…」

「ちゃっかりシノのんを除外してるあたり抜け目無いね」

「キリトは胸の大きい人が好きなんでしょ?だから私だと思うなー」

「な!?それなら私だって…」

「2人ともここで死にたいんですか?(暗黒微笑)」

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「あ、アスナとシノン以外でか…」

「まあ俺が同じ質問されたら同じように困るけど、お前の場合ほぼ全員に好意向けられてるんだから、その辺りも考えてな」

「ていうか選択肢に入れないあたり本当にシノンを独占する気満々だなリク」

「当たり前だろ」

俺はシノン(詩乃)以外の誰とも付き合って、体を交えて、結婚して、などという気は微塵もないし、それはシノンも同じだ。「利久…ずっと、私だけを愛して。一生離さないで…」

こうして考えると俺だけじゃなくてシノンも独占欲はかなり強いんじゃないかと思う。

というよりもお互いに依存していると言ったほうがいいかもしれない。それくらい俺とシノンは深く繋がっている。愛情でも、過去の罪でも…

「よし、決めた」

っと、いかん今はそれよりもキリトの答えの方がずっと重要だ。

「さあ、誰を選ぶ!」

「ごめん、やっぱりアスナ以外は選べない」

キリトの言葉に俺を含めて全員で転げ落ちる。見えてないけど多分女湯でも同じことが起きているだろう。むしろこんな答えで転げ落ちないわけがない。

「おいキリト、そんな答えが許されるとでも思ってるのか?」

「リクの質問は「アスナとシノン以外で結婚するとしたら誰?」だったよな?」

「ああ、だから…」

「必ず誰か1人を選べとは言ってないだろ?」

本日3度目となる時止まり。いや、たしかに絶対に誰かを選べと言わなかった俺も悪いんだが

「揚げ足取ってんじゃねええええ!」

「そんなんで納得できるかキリの字!」

「じゃあリク、お前はシノン以外で誰か1人を必ず選べって言われたら選べるのか?」

「はいこの話終わり!よし、次エギルの質問な!」

選べないならしかたよな!うん、誰も選択しないという選択もありだよな!

「あーそうだな。また全員になっちまうけどよ、現実でも俺の店に来てくれるか?」

「行くよ」「当然だろ?」「行くに決まってんだろ」

「へへ、ありがとよ」

エギルが現実でも自分の店を持っているのはここにいる全員(女湯含め)周知していることだ。こっちでこれだけ世話になっているのに行かないわけがない。

「じゃあ最後に俺からリクに質問」

なんとなく俺かな、とは少し思ってたけどまさか本気で俺にくるとは思っていなかった。

「…まだ、アレ持っているのか?」

「!…ああ、ずっとストレージに入れてある」

ウインドウを呼び出してアイテムストレージからキリトの言ってるアレを選択すると実態化させて湯の中に落とさないように両手で持つ。

所々に小さな穴が開いているそれは、ぱっと見だと大したことのないように思えるがそれは違う。それはPK(プレイヤーキラー)をする度に性能が強化されていく、さながら人の血を吸う妖刀のような特性をもつ大型ダガー。

SAO内で数える程度しか存在しない強力な性能を持った所謂魔剣の1つ<友切包丁(メイト•チョッパー)>

それを手にしている俺をクラインとエギルは驚愕の表情で見ている。

「リク、なんでお前がそれを持ってんだよ!それはPoHの野郎が…!」

「………悪い、二人共。まだ詳しいことは言えない…でも、いつか必ずみんなの前で言う…だから…」

「今のお前の顔とそいつを持ってるところを見ればなにかあったことくらいわかる。待っててやるよ」

「ここで深くは追及しねえよ。けど、ぜってえ話せよ、リク」

「ああ、約束する」

そう言ってストレージにしまうと、暗くなってしまった空気を無理やり明るくするように

「さ、これで終わりだな。ダブルスで卓球やりにいこうぜ」

キリトが提案する。なぜかこの温泉旅館にはご丁寧に卓球台がある。

「よし、負けねえぜ!」

「その前に風呂上がりのコーヒーミルクがぶ飲みがあるだろうが!」

と言いながら温泉から上がるクラインとエギルに続いて俺も立ち上がると、キリトが肩に手を置いて小声で話し掛けてきた。

「…他の2つも、あるのか?」

「…」

俺は黙ってウインドウを可視化モードにするとアイテムストレージの一番下を見せて、すぐに閉じる。

「発作とかは?大丈夫なのか?」

「まだ少し、手が震えたりはする…」

「…なにかあったら言えよ、利久。すぐに飛んできてやるから」

「ああ…頼りにしてるよ、和人」

 




オリ主の新発覚要素
•なぜか<友切包丁>を持っている
•他に2つのアイテムを含めて常にストレージに入れている
•だいぶ緩和されているけど前は発作が起きていた(シノンのPTSDのあれに近い)

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