ソードアート・オンライン一紅き魔剣士と冥界の女神一 作:ソル@社畜やってます
とりあえず6V目指してアルセウスを乱獲しようと思う
~四月某日 AM7:30~
数日前に送られてきた真新しい制服に身を包んだ和人、利久、詩乃、直葉と珍しくヒールを履いてスーツを着た翠の桐ヶ谷家五人は、川越駅から電車に乗って新しく通うことになるSAO帰還者用学校へと向かった。翠は普段の出勤で慣れてはいるが、学生組にとって朝のラッシュはやはりキツいらしく、乗り換えで降りる度に「なんなんだこの地獄は」だの「絶望した!座席に座れないことに絶望した!」だの文句を言いまくっていた。学校の所在地が西東京市であることもあり時間がかかった結果、最寄り駅に着く頃には体力作りをしていなかった和人と詩乃の二人が肩を上下させるほどの息をしながら早くも疲れきった表情をしていた。
通勤ラッシュの混雑によって乱れた髪をそれぞれ治しつつ歩いていけば、段々と同じ制服を着た人が目に入るようになってきていて、学校へ通うんだという実感が四人の中で改めて湧く。歩き始めてから数分後、少し古めかしい外観の校舎と校門が見えてくると翠がバッグからデジカメを取り出しながら笑顔で言った。
「校門のところで写真撮るわよ」
特にこれといって反対する理由もないため、四人とも素直に了承の返事をする。やがて学校に着くと、校門の端に四人が並んで翠がシャッターを切る。
「なんだか固いわね。もっと楽で自由なポーズしなさい。特に詩乃ちゃん」
「え、わ、私ですか!?」
まさか名指しされるとは思わなかった詩乃はビックリして慌てる。
翠の言葉を聞いた直葉は和人の腕に抱きついて、その当人は少し顔を赤くしながらピースをする。-どうしようか。と詩乃が考えていると、利久が肩に手を添えて詩乃を自分のもとへと抱き寄せた。
「ちょ、利久!」
「どうした、嫌だったか?」
「い、嫌じゃない、けど…」
照れながら恥ずかしそうにしている詩乃は、意を決して利久により密着する。そのタイミングを待っていたかのように翠がシャッターを切ると、詩乃は利久からすぐに離れて怒りながら言った。
「もう…バカ」
その後翠は和人と利久、詩乃と直葉、利久と直葉のペアを順番に撮影し、よく撮れていることを確認して満足そうな表情をしながら四人々と別れて一足先に入学式の行われる体育館へと向かった。
四人は翠が写真を撮り終えると、合格発表のようなクラス分けの書かれている紙を見に向かう。入学にあたっての試験はなかったため、何を基準にしてクラス分けをするのかはわからないが、全員誰でもいいから友達一人くらいと同じクラスであることを切に願っている。
全部で1~10まである膨大なクラス分け表を、隅々まで見てそれぞれ自分のクラスを確認すると…
「明日奈と一緒じゃない…」
「詩乃と別クラスだと…ぜってえ許さねえ!ドン・サウザンドオオオオオオ!!」
恋人と一緒のクラスになれなかったことに和人は絶望し、利久は存在していないどこかの誰かに盛大に怒りをぶちまけた。
「それにしても見事なまでにバラバラね」
「お兄ちゃんと一緒のクラスが良かったなぁ…」
詩乃が言っている通り、普段から仲の良い友達こそいるものの四人はバラバラのクラスになっている。事前の情報では基本の授業以外に選択式で受ける科目を選べるという話なので、そこで調整さえすれば授業で会うことは可能だ。
絶望と怒っている和人と利久をなだめてからそれぞれの下駄箱でそれぞれ上履きに履き替え、分けられたクラスへと向かう。
和人、詩乃の順に一足早く教室へと入り、次いで利久が残った直葉と別れて自身の教室へと入る。外観こそ古めかしい校舎だが、中は最新式の設備になっており、見慣れていたはずの黒板がELパネルに変貌し、机には引き出しが存在せずにタブレットPCとマウスが置かれ、USBメモリや充電用のコードまで完備されている。
「うわぁ…」
あまりにも変わりすぎている教室内の装いに利久はドン引きしながら黒板だったであろうELパネルへと目を向ける。そこには生徒の席順が写し出されていて、それにしたがって利久は席について肩にかけていたバッグを机の端にあるフックにかけてぶら下げると、机に勢いよく突っ伏した。
「(俺、何か悪いことしたのか?)」
利久の席は真ん中の列の一番前で教卓の目の前。学生がもっとも座りたくない席No.1の席になってしまった。詩乃と一緒のクラスでないことに加えて、最初の席がよりにもよって最悪の席であることに、利久は最早怒る気力すらもなくなった。
唯一の救いはよく知った友達が一人だけ一緒のクラスだという点で、今の利久にとってそれだけは何よりも嬉しいことだ。今か今かと突っ伏しながらその人を待っていると、ある程度時間が経ってからようやく教室に姿を現したのを見て、利久は思わず顔をほころばせた。
「久しぶりだな、ひより」
「利久さん、お久しぶりです!」
少しウェーブのかかった綺麗な銀色のロングヘアで直葉にも決して劣らない発育具合を見せる少女、ルクスこと柏坂ひよりは利久に笑顔で挨拶すると、ELパネルを見てから利久の隣の席に座った。ALOではしょっちゅう冒険を共にしてこそいるが、現実で会う機会はあまり無いため二人にとっては嬉しさ倍増である。
お互いに近況報告や他愛もない話をしている内にクラスの担任を受け持つ教師がやってきて、帰還者学校の特に学校内でのシステムについて、授業や課題等は全てタブレットPCを使うことや月に一度だけカウンセリングを受けることなどが説明された。カウンセリングという言葉を聞いて教室内はざわついた中で、利久は大して動揺することもなかった。
元々利久はSAO帰還者専用の学校という時点で十把一絡に対応しすぎだと思っていたので、これくらいのことはあるだろうと予想は立てていた。如何せん三年間も仮想世界に捕らわれていた帰還者、特に若い人は精神に異常をきたしていないのかどうか気にすることは、当たり前のことだと言える。何よりHPが0になれば死ぬという世界で誤って人を殺した、あるいは自ら進んで人を殺したような人物が複数人いるのだ、カウンセリングがあって当然だ。
現に同じクラス内にも利久にとっては非常に因縁深いラフィン・コフィンの傘下ギルドにいた見知った顔がいる。自身の殺害したPoH、ザザ、ジョニー・ブラックといった殺人鬼にそそのかされたのか、それとも最初からそうするつもりだったのか、いましたとなっては知る手段など本人の口から言わせる以外に無いが、どちらにしても楽しんで殺人をしたorバックアップをしたことは、現実に当てはめればただの危険人物であることに替わりはない。さすがにSAOのときのようなことを現実の、しかもこんな場所で計画するようなことはしないだろうが、もしそのようなことがあればどうするべきか、利久は心の中で決意を固めた。
利久のそんな心の内など知るわけもなく、教師が一通りの説明を終えたところでそれぞれのクラスメートは全員廊下に並んで入学式を行うために体育館へと向かった。入学式では校長先生の挨拶というなの無駄に長い話に始まり、この帰還者学校を設立するのに総力を上げて協力したSAO対策チームの代表者である、利久が「腹黒とぼけ眼鏡」と呼んでいる菊岡と、アミュスフィアの開発と行ったレクト社の社長で明日奈の父親である結城彰三氏の言葉、各教科及びクラスの担任をする教職員や学食を提供してくれる調理師らの紹介を経て入学式は生徒側は終了して全員教室へと戻り、保護者は授業等の詳しい説明を受けるために続けて体育館に残った。
教室へ戻ってきた生徒達は最後に全員で簡単な自己紹介をしてから初日は終了。各々配布されたタブレットPCをバッグないしリュックにしまって下校し始めた。
「あれ、メールだ」
「あ、私もです」
今まさに下校しようとしていた利久とひよりのスマホからメールがきたことを知らせる音楽が鳴ると、メール画面を開いて確認する。どちらも里香から一斉送信されたもので、件名無しで本文に[チームALOはカフェテリアに集合!!]と非常にわかりやすい内容だった。利久とひよりは生徒手帳を開いてカフェテリアの場所をしっかりと確認してから一緒に向かう。
「遅ーい!」
「文句言うなら帰るぞ、女子力3」
「帰るな!っていうか前より減ってるし!?」
利久とひよりが到着したときには他のメンバーは全員集まっており、備え付けの椅子に座っていた。利久は当然のように詩乃の、ひよりは珪子の隣に座るのを見てから和人は口を開いた。
「それで、わざわざ全員呼び集めてどうしたんだよ?」
「はぁ~…まったく和人はわかってないわね」
わざとらしく首を降って、右手を腰に当てて左手の人差し指を立てながら里香は続けて言う。
「学校が午前中に終わった学生が、家に直行せずに仲の良いグループで集まってなにをするかなんて、一つしか無いに決まってるでしょ?」
テーブルを両手でバン!と叩いてから握り拳を上げながら高らかに言った。
「みんな、遊びに行くわよ!!」
「うん、知ってた」
と、里香の言葉に琴音が
「だろうと思った」
と詩乃が
「え?そういうものなの?」
と明日奈が-少し違う反応だが-たて続けに言った。
「遊びに行くのは構わないけど、ちゃんとプランはあるんだろうな?」
そう利久が尋ねると数秒間沈黙が辺りを支配して、やがて里香は照れたように頬を指でかきながら言った。
「ごめん、何も考えてなかった」
その言葉に当然ながら全員がずっこけて呆れた表情を浮かべる。遊びに行く、と言っているのにプランを何一つ立てていないとなれば誰だってそうなるに決まっている。
「なんで考えも無しに突発的に私たち呼んだんですか…」
「あはは…まあ里香らしいとは思うけどね」
額に手を添えている珪子と苦笑いしている琴音がそう言うと、続けて腕を組みながら利久が言った。
「どうするんだ?プランが無いなら俺はすぐにでも詩乃と突発的な制服デートしたいんだが」
「息をするようにデートとか言うな!っていうか行くな!」
「じゃあ考えろ、3分で」
本当はデートしたいけど仕方がないから猶予をやるよ、とでも言わんばかりの利久の態度に里香は「グヌヌヌヌ…」と唸りながらスマホとタブレットを取りだして操作し始める。
その一方で明日奈は和人と琴音に「里香の言ってることって一般的なの?」と、お嬢様であるが故の質問をして、珪子とひよりと直葉はつい最近桐ヶ谷家に新しく加わったマンチカン…というよりは猫について語りあっている。
余談ではあるが、当のマンチカンは未だに名前が決まっていない。体毛の色が実にありがちなお腹が白で他が茶色という、これといって特徴のない外見であるのも理由の一つだ。名前が決まっていない故に桐ヶ谷家の面々は、それぞれ好き勝手に呼んでいて、最も懐いている実質的な飼い主である詩乃は春だからと「つくし」、もっと懐いてもらいたいと思っている直葉は某漫画から「小梅」、やたらと詩乃を-特に膝枕ポジション-奪われて嫉妬している利久はかなり適当に「ニャンコ」、正直わりとどうでもいいと思っている和人は何故それを選んだのか「高野豆腐」、とカオス極まりない事態になっている。ちなみに翠はその時の気分で適当に呼び名を変えており、利久と和人が呼んでもマンチカンはピクリとも反応していない。
「よし、ここよ!」
閑話休題。タブレットを持った里香がそれをテーブルの中央に置いて画面を指差すと、全員が囲うようにして見る。指の先にあったのは、帰還者学校からそこそこ離れた場所にある大型のゲームセンターだった。
「ゲーセンか。まあたまにはいいかもな」
「ゲームっていうと私たちの場合VRMMOですからね」
楽しみなのか、嬉しそうな表情をする和人と珪子がそう言う。他のメンバーも好感触だったようで、少し順序は違うが改めて行き先が決定する。
それぞれ家族に連絡を入れた上で最寄り駅から電車に揺られ、更に降りた駅から歩く合計数十分、目的地のゲームセンターに到着した。入り口付近にはUFOキャッチャーやプライズゲームがあり、奥へ進んで行くとレース、音ゲー、対戦格ゲー、メダルゲームといった定番のラインナップがコーナーごとに分かれている。
「ヤバい!なんかテンション上がる!」
数多くのゲームを見て、目を光らせながら琴音が言う。
「どうする?固まって行動するか?」
「迷子…にはならないと思うけど、最初はそうしよっか」
和人の提案に明日奈が応えると、全員で頷いて了承する。適当な雑談をしながら奥へと進んで行き、やりたいものがあればその場でやるというスタンスで足を進めていく。
「あ、あれなんかいいんじゃない?」
里香が示した先には、最大四人で楽しめるエアホッケー台があった。確かにあれならば複数人で遊べて見ている側も早々に退屈することはないだろう。
「じゃあ2対2でやるか」
「組み合わせはどうするの?完全ランダム?」
「利久と直葉が組むのだけは禁止だな。強すぎるから」
「リアルチート筆頭ですからね…」
その場で即興で作成したくじ引きによって和人とひより、利久と明日奈、詩乃と里香、琴音と直葉のペアになって総当たり戦をすることになり、珪子は体格と体力的に不利だということで自ら記録係を選択した。やる前から棄権するのはどうなのだろう?とお思いのそこのあなた、この光景を見てもそんなことを言えるだろうか?
「利久兄、やるからには手加減しないよ?」コ″コ″コ″コ″コ″コ″コ″コ″
「ああ、全力でかかって来い。捻り潰してやる」ト″ト″ト″ト″ト″ト″ト″ト″
普段の仲良しな姿から一転、脳筋のリアルチート同士が本気でやりあい、お互いに潰す気満々である。
「(アカン)」
「(勝てる気がしない)」
「(利久くんと一緒のペアで良かった…)」
「(直葉と同じペアで助かった…)」
約1時間後、利久&明日奈ペアと琴音&直葉ペアが同率で1位に。次いで詩乃&里香ペア、和人&ひよりペアの順序で総当たり戦の決着がついた。リアルチート要するペアの戦いは僅差で利久&明日奈に軍配が上がったものの、詩乃&里香ペアに負けた。理由は言わずもがな、詩乃にデレッデレの利久が終始役立たずだったからである。当然負けた後、利久は明日奈に盛大に怒られた。
そして役立たずだったのはそんな利久だけではなく、和人と運良く-勝負的には運悪く-ペアになったひよりもであり、全敗と散々な結果であった。
エアホッケーが終了したところで、時刻は丁度昼頃になっていたため一旦ゲームセンターを出て、近くにあったファミレスで休憩も兼ねて昼食をとり、体力も全快したところで改めて戻った。
次はどうするのか、と決めようとすると主に里香と琴音が「アレやりたい!」「コレやりたい!」と言い始めて、各自好きに見て回ることになり、利久は詩乃と二人で入り口付近のUFOキャッチャーを中心に見て回ることにした。というのもレースゲームや対戦格闘ゲームに混ざって銃型のコントローラーを使うFPSゲームがあるのを利久はエアホッケーの最中で遠目に視認しており、万が一のことを考えて詩乃に伝えた上で安全なコーナーを回ることを選んだのだ。
「あ、これ可愛い」
「欲しいか?」
「うん」
詩乃が見つけたのは大量の猫のぬいぐるみが入った筐体だった。大きさは大きすぎず小さすぎずの普通のサイズだが、顔が
(≡・ω・≡)<ニャ~
↑こんな風にとってもわかりやすい尚且つ誰からでも愛されるようなものになっている。
早速利久は200円を入れて、以前和人に教えてもらったコツを頭の中で思い出しながらクレーンを操作するボタンに手をかける。筐体の中には猫のぬいぐるみが山積みになっているのを見て、一番上のぬいぐるみをアームで全身掴まずに少し引っ掛けるように位置を決めると、アームから抜け落ちたぬいぐるみがゴロゴロと転がって受け取り口に通じる穴の手前で止まった。
「ん~…さすがに一発で落ちてはくれないよなぁ」
「和人だったら案外一発で行けたのかしら?」
「むしろ一発で取るのなんか当たり前だと思うぞ、超上手いし」
今頃別のコーナーで引っ張りだこになっているんだろうなあ、と思いつつ利久は二回目の操作に集中する。受け取り口へ落とす穴にはシールドがないため掴めずとも最悪先ほどのように転がして落とせばいい、と考えてクレーンを操作。アームはぬいぐるみの腹部を持ち上げるように上昇したのを見て利久は「おっ」と呟いて上手くいけた…と思った瞬間頭の重みのせいか、ぬいぐるみはアームから落下して「げ!」と言って、もう一回やる覚悟を決めて財布を取り出す…と、ぬいぐるみは落下した時の衝撃で軽く跳ね、そのまま受け取り口へと落ちた。
「(なんか釈然としないけど)…ま、いいか。はい、詩乃」
利久は受け取り口からぬいぐるみを取り出して渡すと、詩乃はぬいぐるみを抱きしめながら嬉しそうに言った。
「ありがとう、利久」
「どういたしまして」
ぬいぐるみは一旦バッグにしまい、二人は前述のFPSゲームの近くを通らないようにしながら他のゲームを見て回る。レースゲームでは少し前にバイクの免許を取得したのが関係あるのかはわからないが、利久がぶっちぎりの速さでゴールし、途中から乱入してきた和人と熱いデッドヒートを繰り広げた。格闘ゲームでは全員やり慣れていないせいか、CPU相手にも大して善戦できずに終わった。音ゲーではここぞとばかりに里香と琴音が本領を発揮して筐体のハイスコア記録を軽々と叩き出した。
気がつけば時刻は夕方になっており、帰りの乗車時間のことも考えて最後に好きなメンバーでプリクラを撮ることになった。利久と詩乃は一緒に筐体に入って座り初経験でぎこちない中、機械から流れる音声に従って軽くポーズをとったりしながら撮影をしていく。
撮影が残り一回となったところで、利久はふと今の状況を考えた。入り口付近とはいえ複数のゲームが常に稼働しているから小さな音はすぐにかき消される上に、他のメンバーは別の筐体で撮影しているから多少のことがあっても気づくはずがない。そこまで考えしると利久は撮影のカウントダウンが始まった瞬間、詩乃を抱き寄せた。
「え、利久?」
「詩乃」
顔が向き合うようにして華奢な体と頭に手を回すとそのままの姿勢で唇を重ねる。
詩乃は驚いたように目を見開いたが、すぐに閉じて利久の体に腕を回した。
シャッター音が鳴ってこれで終わる…わけもなく、利久はそのまま詩乃の唇を割って舌を絡めた。
「ん…ぅ…は…」
唾液が混ざり合う音と詩乃の喘ぎ声は辺りの音にかき消されて、利久の耳にしか入らない。されるがままに口腔内を探られる詩乃は顔が紅潮し息ができなくなって苦しくなり、利久に支えられながら必死でしがみつく。
「んぅ…ふ…ぁ…ぷはっ…」
やがて深くつながり合うキスを終えて唇を離すと、混ざり合った一筋の唾液が垂れて、利久はそれを啜った。とろんとした目をした詩乃の妖艶な顔を見て続きをやりたくなる衝動を利久は必死に抑えこむ。
「はぁ…はぁ…もう、いきなりズルいわよ…」
「ごめん。最近してなかったから我慢できなくて」
「続き、帰ったらALOでやる…?」
「詩乃がいいなら」
「じゃあ、しましょ?」
「ん、わかった」
この作品読んでくれてるリアルの友人(満足民)に「シノンの夜の性癖ってどうなってんの?」と聞かれたのでこの場で答えておこう。
性欲強い、限りなくドMに近いM、滅茶苦茶エロい。
普段S寄り、夜はM。そんな詩乃/シノンこそが至高!異論は認めますん。